かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

小学館アカデミー新ゆり山手保育園(5回目受審)

対象事業所名 小学館アカデミー新ゆり山手保育園(5回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社小学館集英社プロダクション
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 215 - 0004
麻生区万福寺4-19 プライムアリーナ新百合ヶ丘 1F 
tel:044-959-2156
設立年月日 2011(平成23)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年03月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<施設の概要・特徴>
 法人である株式会社小学館集英社プロダクションは、首都圏に50か所を超える保育所を開設して、保育と教育の質を高め子どもと保護者のための様々な取り組みを続けています。この実践によって「いつの時代でも選ばれる保育所」でありたいと努力しています。
 小学館アカデミー新ゆり山手保育園は、小田急線新百合ヶ丘駅から徒歩8分のマンション1階にあります。園の所在地は自然の景観も大切にした、ゆったりとした静かな住宅街になっています。
 園は1歳児から5歳児の定員60名で、2階部分には独立した広い遊戯室をもった保育園です。保育理念「あったかい心をもつ子供に育てる」を掲げています。保育目標である「@こども相互のかかわりの中で、思いやりの心を育てる。A遊びや実体験の中で、生きる力のある子どもを育てる。B子ども自身の興味や好奇心や発見を大切に受け止め自己表現の喜びを知る子どもに育てる。」の実現に向けて、【楽習保育?】を通じた得意分野を伸ばして行く保育プログラムを実施しています。

<特によいと思う点>

・あったかい心を持つ子どもに育てるための連携を大切にしています
 生活や遊びの中で楽しみながら学ぶ【楽習保育?】を通じて、子どもたちの得意分野を伸ばして行く保育プログラムを取り入れています。
 園の保育者(保育士・看護師・栄養士・事務職員)は、あったかい心「愛情・信頼・認め合い・思いやりの気持ち」をもって連携しています。子どもが生活や遊びの中で楽しみながら学ぶ【楽習保育?】により、子どもがより楽しく、より自然に「ことば・もじ・かず・かたち・おんがく」など、様々な得意を伸ばしていける保育プログラムを運営しています。

・食育や日々の食事の雰囲気づくりなど、食を大切にしています
 給食は薄味にし、出汁を利かせて食材本来の味を大切にしています。園では楽しい雰囲気の中で意欲的に食事ができるように配慮しています。
 見て・聞いて・触って・嗅いで・食べて・五感を使った「年間食育計画」を立てて進めています。バイキング形式で唐揚げやナゲット、トマトなど子どもたちがワンプレートにのせて食べるイベント食を取り入れるなど工夫しています。
 保護者には、毎月「給食だより」を発行し、子どもたちの取り組みや、おすすめのレシピなどを掲載し、園の様子を知ってもらうように取り組んでいます。

・ネイチャーあそびなど、子どもの興味を引き出す取り組みを行っています
 市が所有している土地を利用した「カナドコロ」プロジェクトの一環として、大学生が行っている野菜の栽培を一緒に行っています。公園で捕まえた虫を園に持ち帰り、虫メガネや図鑑で調べるなど、自然とのふれあいを通した楽習保育?を実践しています。
 運動会やおみせやさんごっこなどの行事では、子どもの意見を取り入れて進めることで、子どもが自主的に活動や表現のできる場を設けています。

<さらなる改善が望まれる点>
・利用者アンケートや苦情解決の結果の開示・掲示
 利用者の満足の把握に向け、保育参観、懇談会、個人面談、行事後のアンケートを実施し、保護者の意見・要望を聞く機会を設けています。意見、苦情、相談等については、職員間で話し合いを行ない、迅速に対応するよう努めています。
 さらに、利用者へのアンケートや苦情解決などの結果の開示・掲示することで、より深い信頼関係やサービスの質の向上への取り組みが望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・ 保育理念「あったかい心を持つ子どもに育てる」の「あったかい心」とは、事業計画書で「愛情・信頼・承認・思いやりの気持ちのこもった行動が表現できること」として職員が共通の理解をしています。基本方針にも、「思いやり」の気持ちを大切にしますと掲げ、個人の意思を尊重する事の大切さを理解し、一人ひとりを、ありのままに受け入れ、それぞれの生活習慣、家庭環境、発達段階や個性を尊重し、援助するよう心掛けています。
・経験年数が少ない若い保育士が多く在席していますが、「一生懸命、保育に取り組もう」とする意気込みが旺盛です。この意欲が、場合によっては子どもたちの気持ちの先に行きすぎてしまうこともあることを事例を挙げて教えています。子どもたちの気持ち・思いを受け止め、言葉かけを大切にして、時には待つことも含めて、子どもたちに寄り添うことの大切さを、職員間で確認しています。
・子どもの要求や訴えに対しては、気持ちをしっかり受け止めて、寄り添っています。一人ひとりの子どもが持っている羞恥心に対しても配慮した支援を行っています。夏季のプールは、建物の構造上、表通りに近い場所でもあり、パーテーションなどで囲む配慮も行い、最大限の注意を払って実施しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・ 子どもの意向は日常の関りの中で把握し、職員間で共有して反映するようにしています。利用者の満足の把握に向け、保育参観、懇談会、個人面談、行事後のアンケートを実施し、保護者の意見・要望を聞く機会を設けています。また、年齢別クラスから抽出する委員による運営委員会を開催し、年3回の会議にて、保育内容や行事について話し合いを行なっています。第三者評価受審年度は第三者評価時の利用者アンケートから意見を抽出し、サービスの向上へ取り組んでいます。
・保育環境は季節や興味関心を考慮して、遊具、絵本、楽学保育?の素材などを用意し、子どもが自由に選択できるよう配置しています。主体的に興味・関心が持てるような環境作りを行い、子どもの可能性を膨らませ、主体性、好奇心、表現力などを育む遊びを取り入れています。
・家庭環境や生活リズムによる一人ひとりの違いを把握し、児童票や連絡ノート、保護者との会話の中で個々の発達過程を会議などで確認し合い、適切な援助が行えるようにしています。 一人ひとりの子どもの気持ちに寄り添い、穏やかな声で話しかけ、子どもの話しを丁寧に聞き、共感することを大切にして援助を行っています。

3 サービスマネジメントシステムの確立 ・次年度に向けての園見学者は、園のブログを見て、興味を持ち訪問している人が多くいます。このブログを活用して「楽習保育?」を中心にした園のシステムを紹介しています。園を知ってもらうために、園見学者を少人数のグループに分けて質問しやすいように工夫、見学の回数を増やすなどして、積極的に対応しています。
・ 緊急時(事故、感染症発生など)における子どもの安全確保についても施設運営の手引き、保育園安全管理・危機対応マニュアルに、具体的に文書化されています。毎月様々なケースを想定した避難訓練を行い、年2回の不審者訓練を実施、振り返りを行っています。保護者、職員との間に非常事態の際に、安心伝言板、NTT災害伝言ダイヤル、ブログ等を通じての情報提供の整備がされており、それらを利用した訓練も実施しています。
・提供するサービスについての標準的な実施方法については、運営法人が作成する「施設運営の手引き」「安全管理マニュアル」で明確に定めています。 実施方法の見直しは、運営法人本部で定期的に行われる運営事務局連絡会 (運営法人本社と全園長が出席)、主任会議、看護師会議、栄養士会議、事務職会議などを通じて、随時に検討・見直され、その経緯見直し事項は、全体に周知され共有される仕組みが確立しています。
・ 登園時には、保護者から子どもの家庭での様子を聞き、連絡帳で確認を行っています。また、看護師がクラスを巡回し、気になる事があれば「視診表」に記録し、一日の保育の中で反映して援助しています。お迎え時には保育日誌を毎日見やすいように玄関に貼り出し、引継ぎ内容を記載した「視診表」を用いて担任以外でも口頭で伝達できるようにしています。
・看護師は年間保健計画を作成し、年齢に応じた目標に沿って栄養士や職員と3者連携で保健指導を行っています。乳児には紙芝居を使って手洗いの大切さを伝え、幼児には咳エチケットで咳がどれだけ飛ぶかを廊下に色テープを貼って説明するなど、目でみて分かりやすいように伝える工夫をしています。園内と散歩時のヒヤリハットマップを園内に掲示し、危険個所は子どもたちにも伝えています。
4 地域との交流・連携 ・ 運営法人のホームページの園のブログを毎週金曜日に更新しています。このブログは、園見学者の大半の方が確認していることからも、子育て中の方々の関心を集めています。園の周辺には、自然を大切にした公園も多くあり、子どもたちが散歩に出かけると地域の方々から声をかけてもらうことが多く、温かく見守っていただいています。意識的に、地域の食材を使用して、子どもたちにも説明しています。食材の仕入れを通じて、より様々な地域の方との関わりが広がっています。
・散歩の際には保育士が近隣の人に挨拶を積極的に交わすことを心がけ、地元の方々からも声が掛かるようになっています。園名も徐々に根付いています。開園以来、年長児を中心にした老人ホームとの交流会は、年間行事として定例化し、毎月開催しています。地域交流会などを開催しベビーマッサージなど内容も工夫して、子育て支援に繋げています。地元の講堂をお借りして、園として盛大に開催する発表会等にも、地域の方のご招待を続けて、年々、参加者が増加しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・ 園の理念・保育方針は、ホームページ、パンフレット、園のしおりに明示し、園の入口や事務所など目に付くところに掲示して理解を促しています。保護者に対しては、入園説明会で園長が「園のしおり」をもとに説明を行い、新年度の保護者会や運営委員会などで理念や保育方針について説明し、機会があるごとに話を行い、継続して理解を促しています。また、園だより・給食だより・保健だよりなど園から発信する資料などを通して理念や、基本方針を伝えています。
・法人の理念や方針をもとに、地元行政や地域性などを考慮して、園としての3年間の事業計画を園長が作成しています。計画をもとに園長と主任が園全体の1年間の全体計画案を作成し、職員会議で栄養士や看護士などの全職員と話し合いを行い、共通理解のもとで全体計画を策定しています。計画は子どもの成長に沿って、擁護、教育、食育など年齢別の目標を編成し、各クラスの年間指導計画から月計画、週案に落とし込んでいます。
・職員は毎日の日誌、週案をもとに振り返りを行い、反省や改善点を出し合い、日々の保育に繋げるよう取り組んでいます。毎月の目標に対する振り返り及び半期ごとの自己評価を行っています。自主性と責任の明確化を図るとともに、定期的に園長と確認、振り返りを行い、必要に応じて目標の軌道修正を行いながら取り組みを図っています。園として第三者評価を定期的に受審し、サービス内容の質の向上につなげています。
6 職員の資質向上の促進 ・小学館アカデミーに勤める職員には、「求められる職員像」が定められています。法人独自の「求められる職員像」を基本にした人事評価制度を整えて、一定の評価基準に沿って、施設長が評価したのち、賞与・昇給に反映されるしくみで報酬に還元しています。運営法人として、配属前の研修を徹底して行っています。遵守すべき法令・規範・倫理等は、施設運営の手引きにも詳細が記載されていますが、配属前研修で全員が説明を受け理解しています。
・職員が何でも言える関係づくりを目指し、保育士が自分のやりたい保育ができるようにするために、年度始めには詳細な職員分担表を作成しています。 避難訓練・誕生会・地域交流・園行事・職員会議は月々の担当者が設定されています。その他の係が24設定(例えば、園だより・ブログ・体操手遊びうた・運動用具など)され、全職員が指名され、自らがそれぞれの役割を把握し動くけるようになったことが、大きなポイントになっています。
・入社1〜3年以内に、楽習保育?の原理研修を終えるよう指導がされています。本育、あそび研修、運動あそび研修、ラーニングセンター研修等の本社研修に参加し、知りえた知識を園に持ち帰り乳児・幼児会議で研修報告書をもとに職員全員で共有しています。年度始には、運営法人から個人別の研修受講対象の研修計画が通知され、積極的な受講を勧めています。個人能力向上シートを用いて職員自身が自己評価を行うとともに、その結果に基づいて本人にフィードバックしています。

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