かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

なかのしまのぞみ保育園(2回目受審)

対象事業所名 なかのしまのぞみ保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 春献美会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 214 - 0012
多摩区中野島4-20-23
tel:044-328-5971
設立年月日 2013(平成25)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年03月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 当園は社会福祉法人春献美会の系列園として、平成25年4月に開設した園で、開園後7年目となります。0〜5歳児を受け入れ、定員は60名、平成元年12月現在60名在籍で、延長保育を実施しています。園はJR南武線中野島駅から徒歩12分、または南武線と小田急線登戸駅からバスで中野島公社住宅前下車、徒歩3分のところにあり、南武線と隣接していますが、騒音や振動は気になりません。園舎は南向きで日当たりも良好で、狭い園庭ですが人工芝が貼られ、子どもたちは裸足で遊んでいます。通常の保育活動の中で、外部講師による体操、リトミック、英語も取り入れています。園の周辺は古くからの住宅地ですが、最近は新興住宅が増えてきています。付近には私立の一貫校があり、緑道、川もあり、自然環境に恵まれています。子どもたちはこうした環境の中、伸び伸びと園生活を楽しんでいます。

《特に優れている点・力を入れている点》
○アットホームな環境の中で、子どもたち一人一人が大切にされ、伸び伸びと楽しく過ごしています
 入園児の数が60名前後という家庭的な環境の中で、全職員が子ども一人一人の状況を把握し、園全体が一つになって子どもが安心して過ごせるように、見守る体制ができています。園の雰囲気は明るく、清掃が行き届いています。第三者評価の利用者調査では、季節ごとのイベントの実施、登降園の際の保護者とのコミュニケーションの取り方、給食などが高い評価を受けています。職員は朝・夕の異年齢交流だけでなく、散歩や自由遊びの時間帯にも、子どもたちが年齢に合った遊びを楽しく主体的にできるように配慮しています。

○職員は資質向上のため、互いに協力して外部研修などの受講に努めています
 園長は職員の資質向上のため、多摩区や川崎市、大学、教育機関主催の外部研修の積極的受講を勧め、キャリアアップ研修を含む研修の受講希望を募っています。業務上の必要性や本人の将来を考慮して受講を勧め、指名で申し込む研修もあります。受講が決まると園長と主任は研修予定表を作成し、職員間で協力してシフト面でも配慮しています。研修の参加者は研修報告書を作成し、園長などが選んだ研修を職員会議で報告し、研修内容の共有に努めています。多摩区の出前講座を申し込み、園の内部研修で区の職員による人権尊重も学んでいます。

○職員の健康管理の一環として、全職員が腰痛予防と健康維持のため整体師による施術を受けています
 保育は子どもを抱き上げたり、抱きつかれたり、かがんだり、腰への負担が多い職業です。このため、法人では福利厚生制度の健康管理の一環として、職員の腰痛予防と健康維持の観点から外部の整体師を招いています。全職員はA、Bの2つのグループに分かれて、各グループは隔週ごとの月2回、休憩時間を利用して30分強の整体師の施術を受けています。この制度は職員から大変好評を得ています。

《事業者が課題としている点》
 園では保護者との信頼関係を深めていくために、職員の子育て支援のスキルアップを図り、保護者の思いへの配慮や柔軟な対応を心がけ、家庭と連携しながら子育てを一緒に行っていきたい考えです。また、さらなる保育の質の向上を目ざし、人権について学ぶ機会を設けたいと考え、外部から講師を招いて園内研修を行い、人権を尊重することの大切さについて職員間で学び合いました。また、子どもの発達に応じたおもちゃの内容や、園庭の使い方、園庭での遊び方についてなどを検討し、保育環境の整備にも取り組んでいきたいと考えています。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  職員は子どもの気持ちに寄り添い、気持ちを聞くとともに状況に合わせて声かけを行い、子どもが好きな遊びを自由に選んでじっくり遊べる空間を作るように配慮しています。外国籍の子どもと接する時は生活習慣や宗教に関する事前知識を持ったうえで、日本の習慣を強要せずにその子の生活に合わせています。特別な配慮を必要とする子どもには、遊びや食事の場面で特別扱いせず、気持ちを受け止めるようにしています。一人一人の子どものペースに合わせて、少しずつ無理のないように、できることを増やしていく保育を心がけています。
 保育理念では「乳幼児の最善の利益を考慮」、保育方針では環境を整備し、子どもの育ちを援助し、家庭と連携して、子育ての輪を広げていくことを明記しています。園では理念と保育方針に従って「健康で明るい子ども」「豊かに表現する子ども」「思いやりのある子ども」という、3つの子どもの育ちの目標を設定しています。職員はクラス会議や職員会議で、どのような保育を行っていくことで保育目標を達成できるのか、また、子どもを尊重し、人権を守り、保護者と連携して共通の理解を持つことができるのか、などを話し合っています。
 保育業務マニュアルでは人権に配慮した保育について具体的に記載して、職員が子どもに向き合う際の自覚を促しています。職員は、外部から招いた講師から子どもの人権や環境についての講義を受け、その後園内研修を行って、人権を尊重することの大切さを学んでいます。また、子どもの羞恥心にも配慮しています。2歳児以上のクラスの子どものおむつ替えや着替えをする際には手作りのパーテーションを使って空間を仕切り、園庭で水遊びをする時は園庭の周囲をシートですべて覆うなど、外部から見えないようにしています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  朝夕の異年齢交流や土曜保育、延長保育などで、年齢発達に応じた対応に工夫をしています。異年齢の子どもたちが遊んでいる場所では、職員が、おもちゃや遊び方などを3〜5歳児に話して、同じおもちゃを使って3歳以下の小さい子どもとも一緒に遊べるようにしています。子どもの意見を尊重してその日の遊びを変えることもあります。自由遊びの中で、職員は子どもと一緒に遊びながら、子どもたちへの対応を一貫させ、優しい気持ちで子どもたちに向き合い、子どもたちが自分の意思や考えや意見を表明できるようにしています。
 コーナー保育を取り入れて、子どもたちの遊びを豊かにしています。職員は子どもの月齢や発達に合わせて、準備をする際もなるべく急かさないようにしています。次の動作に移るのに遅れてしまった子どもがいる場合は、他クラスの担当職員と連携し、子どもが進んで行動するまで待ち、無理をさせないように配慮しています。子ども同士のトラブルでは、生命の危険があるようなものには迅速に対応しますが、けんかの中にもプロセスがあることを理解し、相手がどう思っているかを代弁して、子どもたち自身の気づきを促すようにしています。
 園では苦情解決に関する取り組みについて、パンフレットや重要事項説明書の中に記載して、入園説明会で苦情の受け付け方法を保護者に説明しています。さらに、苦情解決の手順について玄関に掲示し、保護者への周知に努めています。今後は、利用者のニーズをより正確に把握するために、定期的な個人面談や行事後のアンケートを行うとともに、そのような機会を利用して苦情対応の仕組みについて保護者の理解をより深め、保護者の要望や不満などを集約し、分析していかれることを期待します。
3 サービスマネジメントシステムの確立  園長が中心となって作成した全体的な計画に基づいて、各クラスのリーダーが年間指導計画を作成します。月間指導計画の評価と反省を行う際には、保護者の要望に耳を傾け、改善できる点はクラス会議や職員会議で話し合って、その都度見直しを行っています。増加傾向にある延長保育や土曜保育など、長時間保育の対処も検討しています。入園児の数が60名前後という環境の中で、全職員が子ども一人一人の状況を把握し、園全体が一つになって子どもが安心して過ごせるように、見守る体制ができ上がっています。
 事故や緊急時における安全対策に力を入れています。緊急時の基本行動マニュアル、備蓄食料や資材のリスト、緊急園児引き渡し名簿などの作成、防災リュック準備など、安全管理と環境整備に努めています。火災、防犯、不審者、消火、園児の引き渡しなど、毎月テーマを変えて職員と園児が訓練を行っています。園の立地条件から、川の氾濫を想定した避難訓練計画を作成しています。その他の訓練実施時には多摩区の消防署や警察などに来園を依頼して対処方法の講習を受けています。地域の保育園とも園庭開放や園見学を通じて交流しています。
 ヒヤリハット報告書を積極的に活用しています。感染症、子どものけが、事故などが発生した場合には、それぞれのマニュアルに沿って対応しています。けがや事故には至らなくとも、ヒヤリとする場面があった際にはヒヤリハット報告書を作成しています。日常の中の小さなけがや事故についても、報告が必要なものは担当職員が川崎市の書式で事故報告書を作成し、事故がなぜ起きたかを検証し、防止策を講じています。報告書は回覧して全職員が情報共有できるようになっています。
4 地域との交流・連携

 園のパンフレットには保育理念、方針、目標、定員、施設概要、職員などを記載して地域の園の見学者に配付しています。また、三つ折りの園の案内には、そのほかに園の一日や年間行事なども載せています。また、ホームページでは園の建物の外観や内部、保育の様子の写真を記載しています。園の外の掲示板には、園庭開放や育児相談受付の案内や園便りのほか、夏祭り、移動動物園、運動会、おすもうさんとのおもちつき、などの園行事のポスターを掲示したり、近隣に案内をポスティングしたりして、地域の親子の参加を募っています。
 園長と5歳児担当職員は地域の幼保小連携会議に出席して近隣小学校校長とも知り合い、園の5歳児とともに小学校を訪問して校内を案内してもらい、給食を体験しています。また、近隣の2つの保育園とは5歳児同士で公園でミニ運動会やドッジボールをしたり、一緒に遊んだりして交流しています。また、5歳児の作品を多摩区役所の作品展示会に出品しています。多摩区主催の「たまたま子育てまつり」には、5歳児が国旗代わりに自分の顔を描いた万顔旗を他園とともに区役所のホールにつるして参加しています。
 地域の園の見学者には園長が応対して園内を案内し、保育理念や園の特長などを説明し、質問にていねいに答えています。ボランティアは地域の中学校の職業体験や高校の職業実習を受け入れ、マニュアルに沿って、事前にオリエンテーションを行い、留意事項や守秘義務を説明し、同意書を受け入れて実施しています。実習は保育の専門学校、短期大学、大学から受け入れ、同様にオリエンテーションを行い、守秘義務の同意書を受け入れています。実習は学校のプログラムに沿って実習生の希望も入れて行い、最後に反省会を実施しています。


5 運営上の透明性の確保と継続性  法人作成の中長期計画を基に、単年度の事業計画、事業報告を作成しています。事業計画は施設運営、施設管理、保護者に向けて、地域社会と連携、その他の5つの項目に分けています。施設運営の項目で保育内容や研修などを述べ、施設管理で災害対策を述べるなど、幅広く具体的な計画となっています。事業報告も計画同様具体的で、苦情の内容と対応も載せています。事業計画、事業報告は法人のホームページで情報公開し、保護者にも年間計画予定表として配付して保護者説明会などで説明しています
 全職員の担当職種と主要業務を記載した職員職務分担表を全職員に開示しています。園長や主任は日常的に各クラスの保育の現場に入り、職員の保育の様子を観察し、必要に応じて助言や指導をしています。また、職員会議やクラス会議、ケース会議、給食会議などに参加し、問題点を共有し、良き解決策が出るよう指導力を発揮しています。さらに、外部講師による体操教室や英会話、リトミック教室を行い、保育内容の充実と保護者からの要望に応えています。園長は園の経営状況について、定期的に人事、労務、財務の確認をしています。
 保育の質の向上のために、職員は年度の「目標及び評価反省」と「自己評価表」による自己評価を実施しています。「目標及び評価反省」は年度初めに職員が年度の個人目標と方法を記載して、11月に目標の達成度と反省、来年度の目標、担任クラス希望などを記入して園長と面談を行い、評価を受けています。また「自己評価表」は2種類あり、3年以下、4年以上、主任の経歴別の社会人や管理者としての評価項目の表と、保育士や看護師など職能別の評価項目の表の項目ごとに5段階の自己評価点を選び、2種類の表を園長に提出しています。
6 職員の資質向上の促進  全職員に配付された「保育業務マニュアル」には「望ましい保育士としての資質や態度」として必要な保育士像を記載しています。職員は就業規則や全国保育士会倫理綱領などで遵守すべき法令・規範・倫理や子どもの人権などを学んでいます。職員の育成・評価は職員が作成した「目標及び評価反省」表を基に園長と面談して評価を受けています。同時期に職歴と担当職務別の2種類の「自己評価表」に職員が評価項目ごとに自己評価点を付け、園長に提出しています。園長は2つの評価結果をまとめ、理事長に提出し、評価、報酬に役立てています。
 園長は職員の資質向上のために、外部研修の受講を積極的に勧めて、キャリアアップ研修を含む年度の職員個人別育成計画を立てています。業務上の必要性や本人の将来を考慮して受講を勧め、指名で申し込む研修もあります。受講が決まると、園長と主任は年度の研修予定表を作成し、シフト上でも配慮をしています。研修の参加者は研修報告書を作成し、内容により園長などが選んだ研修を職員会議で報告し、研修内容の共有に努めています。当日の欠席者は、その他の報告と同様に報告書の回覧を受け、回覧印を押し、情報共有しています。
 園長は11月下旬の個人面談で、来年度の勤務継続の意向や担当クラスの希望を聞き、同時に職務に対する感想や要望、個人的な悩みなどを聞き、相談にも応じています。担当希望は極力応じるように努めています。職員の残業は園の大きな行事の前などのほか、普段はほとんど発生していません。園長と主任は定期的に有給休暇の消化状況や事務時間を把握し、有給休暇もなるべく希望通りにとれるようにしています。保育士には腰への負担緩和などから、隔週ごとの月に2回、30分強の整体施術を実施しており、職員から好評を得ています。

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