かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

パレット保育園たまプラーザ(2回目受審)

対象事業所名 パレット保育園たまプラーザ(2回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 理究
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 225 - 0002
青葉区美しが丘1-1-2 たまプラーザテラスゲートプラザ3F
tel:045-905-0837
設立年月日 2010(平成22)年10月12日
公表年月 2020(令和2)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 よこはま地域福祉研究センター
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
パレット保育園たまプラーザは東急田園都市線たまプラーザ駅上に建てられた「たまプラーザテラス」という商業施設の3階にあり、保育室に隣接してビルの屋上に園庭があります。駅の周りは集合住宅が多く建てられ、デパートを始めとして商業施設が密集している中で、公園が数多く点在しています。
保育室は、ワンフロアで保育室は0・1歳、2・3歳、4・5歳の3室あり、すべて廊下に面しています。これに調理室、事務室があり、4・5歳保育室に面して園庭があります。
同園は神奈川県を中心に、東京都を含めて14園、渋谷区からの運営委託事業3室を運営する株式会社理究が、平成22年に開設しました。定員は40人(0歳児〜5歳児)で、開園時間は平日7時〜20時、土曜日は7時〜18時です。
保育理念は「ひとりひとりに生きる力を! としており、1.ひとりひとりを「大きな家族」の一員として認め、役割を認識させ、愛情を持って育てます。2.ひとりひとりの子どもを見極め、発達段階に応じ「感性・知性・体力を培う」三位一体のバランス保育・教育を信条として育てます。3.ひとりひとりが意欲的な生命力を発揮できるよう「自立と自尊と自律」の精神を大切に育てます。」としています。

1.高く評価できる点  
●子どもたちは自主性を大切に育てられ、のびのびと園生活を楽しんでいます
子どもたちの自主性・自律性を大切にしています。子どもたちひとりひとりを「大きな家族」の一員として認めるところから愛情を持って育てていくという保育理念に基づくものです。子どもの名前を呼び捨てにしないのはもちろん、言葉かけでは、保育士は肯定的な言い回しを心がけています。子どもを傷つけるような言葉かけを「チクチク言葉」といって、お互いにしないようにしています。このような保育士の言葉かけや保育姿勢に見守られて、子どもたちは自分たちで自発的に、積極的に物事に取り組んでいます。たとえば、幼児クラスが公園に行くと、全員で体を温める目的でしっぽとり鬼を行い、その後はほぼ自由遊びになります。子どもが提案して鬼ごっこを始めると、何人もの子どもがその遊びに参加します。別の場所では保育士が誘って、かけっこのリレーを5、6人の子どもと楽しんでいます。保育士もリレーの一員になって必死に走っています。子どもたちは思い思いに鉄棒を練習したり、遊具で楽しんで遊んだりしています。
乳児クラスでは公園に行くと、周辺に落ちている小枝や小石を拾ったり、それを切り株の穴に入れたりして遊んでいます。保育士が、その切り株を鍋に見立ててカレーライスの歌に発展させると子どもたちは楽しんでいました。自発的な遊びをより具体的なイメージに膨らませていきます。
給食の時には、初めに示した時間に食べ終わらない子どもに対しても、急がせることなく、自分のペースで食べられるようにしています。自己主張を通そうとする子どもには、保育士は否定や制止をせずに子どもの気持ちを受け止めています。このような保育士に見守られながら、子どもたちはのびのびと園生活を楽しんでいます。

●職員一人ひとりがより良い保育に取り組むための仕組みを作っています
運営法人では職員の経験年数別、職位職階別に必要とする能力・技術を明示して、それに応じて研修計画が作成されています。新入職員は育成担当職員がついて育成計画シートに基づいて基本的な育成計画が策定されます。運営法人はスキルアップのために初級研修、中級研修、上級研修と研修プログラムを用意しています。さらに、研修にも多様性を持たせており、視察研修といった他の保育園や、小学校の見学や視察を行う研修、調理部門職員に対して給食全体研修もあります。また、全園研修と言って系列園の全園の職員が一堂に会して講習を受けるといった研修も用意されています。
保育園内の研修では、年間9回の研修を用意しており、職員間のコミュニケーションの活性化、保育等の技術の向上が図られています。また、神奈川県のキャリア研修や横浜市の主催する研修など、職員は外部研修にも希望に応じて受講することができます。このように、キャリアパスが明確にされていて職員がそれぞれ自分の技術、知識の向上を図る機会が様々に与えられることで、職員のモチベーションを高め、よりよい保育に取り組むための仕組みが作られています。

2.独自に取り組んでいる点 
●保育の質の向上のために職員自身も、園全体としても、振り返りを大切にしています
 職員は半期に1度「スタッフできたかな表」を記入し、「勤務考課」と「能力考課」の2つの側面から自分自身の能力を評価するチェックシートを作成しています。勤務考課では日常業務で協調性、身だしなみなど10数項目、能力考課では「言葉がけと笑顔」など8項目にわたるチェックリストで、自分がどの程度できたかを評価するものです。さらに、期初に自分の目標を自由に設定し、期末にはそれがどの程度達成できたかを施設長と確認する面談を行っています。職員の自己評価に加えて、園全体として自己評価も行っています。「保育方針の共通理解と保育課程等の作成」「職場の人材育成」など、20分野前後について、小項目を設定して、園の達成度の自己評価を行います。園としての自己評価結果は、保護者にも開示され、園としての運営の透明性の確保に取り組んでいます。また、保育士同士も、日常の保育に関して他の保育士の言動に望ましくない事象が見られた時には合い言葉を発して、お互いにさりげなく指摘しあい、保育の質の向上に取り組んでいます。

3.工夫・改善が望まれる点 
●地域の子育てニーズに応え、保育の専門性を地域で生かしていくことが期待されます
 園は商業施設の3階に位置し、店舗やレストラン等からは、ある程度隔離されていて、商業施設への来店客が園を認知したり、訪問したりすることは少ないと言えます。地域への取り組みは、イベント等に積極的に参加している点は評価できます。青葉区内の保育所が協力して開催する「なしかちゃん広場」やたまプラーザ地区の保育所が年1回主催する「保育の広場」に積極的に参加し、参加者からの相談を受けています。しかしながら、園で展開している地域住民との交流事業については、現在育児相談のみ実施していますが参加者の増加には結びついてはいません。園だけでなく、運営法人を含めると子育てに関する専門知識や技術が数多く蓄積されていると考えられます。これらのノウハウを生かして、例えば戸外での保育の際に未就園の子どもやその保護者と積極的に交流したり、相談事業のご案内を配付する、商業施設を訪れる保護者を対象として子育ての相談に乗るような機会を作るなど、園としての社会的資源を今後どのように地域に活かせるかといった問題意識を高めていくことが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・ 『保育所保育方針』に準じ、保育・養護の視点と発達・教育の視点で、『健康』・『人間関係』・『表現』・『言葉』・『表現』の五領域を縦断的にとらえ、子どもの成長に合わせ、子どもの力を最大限引き出すように努めますとしており、利用者本人を尊重したものとなっています。入園説明会、進級説明会で保護者に伝え、玄関ホールに掲示しています。保育の実施内容は理念に沿ったものとなっています。
・ 否定的な言葉を使わないことを全職員で共通理解し、互いに気付き合えるようにしています。保育の場面でふさわしくない言動が見受けられた際は、気付いた職員が合言葉を発し、当人に気付きを促すようにしています。
・ 場面に応じて手作りの仕切りを用い、プライバシーを守る工夫をしています。子どものプライドを傷つけずに一対一で話す必要があるときは、廊下や玄関付近、事務所も使用して、子どもが納得いくまで話し合うようにしています。
・ 保護者との連絡はアプリケーションソフトを用いており、園で撮った写真についても、このソフトを利用して閲覧・購入することができます。写真をSNS等にアップロードすることは控えるよう「しおり」に明記しています。このソフトは2ヶ月に1回変更するパスワードで保護しています。
・ 子どもたちに、性差への先入観による役割分業意識を植え付けない関わり方について、職員間で話し合う機会を作っています。母の日、父の日を分けず、6月1日を「ありがとうの日」として、子どもが親に感謝の気持ちを伝える取り組みをしています。順番や整列等を性別で分けないように意識しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・ 全体的な計画は保育理念に基づき、子どもの最善の利益を第一にして作成しています。全体的な計画に基づいて年齢ごとに指導計画を作成し、子どもの状態、月齢、興味関心等に応じた活動を組み込んだねらいとしています。子どもの気持ちを汲み取り受け止めて、丁寧に接しています。0,1,2歳児については、個別指導計画を作成し、3歳児以上の子どもで、配慮を要する子どもがいる場合も作成する用意があります。離乳食、トイレットトレーニングなどの課題については、保護者と話し合い、計画を作成しています。
・ 入園時に保護者と面談し、個人カルテ及び児童健康台帳に記載してもらい、子どもの様子は新入園児面接チェック表に記録して職員間で情報を共有して保育に活かしています。
・ 保育室の窓は大きく陽光も十分取り入れられる構造となっています。長時間保育に利用する保育室内には吸音パネルや吸音カーテンを取り付けて遮音性を高める工夫をしています。乳児の保育スペースには沐浴設備と温水シャワーが設置されており、管理や清掃は行き届いています。各保育室では、手作りの仕切りを用意して保育室の使い方を工夫しています。食事と寝る場所は同一ですが、食後に丁寧に床を拭いて清潔にして布団を敷いています。
・ おもちゃや教具は子どもの取り出しやすい高さの棚に、色や絵等で分かりやすく表示し収納されています。保育士が研修を基に遊び込める環境づくりのための工夫に取り組み、次年度に向けて検討しています。
・ プランターで野菜を栽培し、収穫した野菜を給食やおやつで食べることで、食への興味関心が育まれるようにしています。年長児は年間を通じカブトムシを飼育し、命の大切さを知る体験をしています。荒天時以外は戸外に出掛け、自然に触れる機会を積極的に設けています。
・ 能力開発プログラムの「コトバの森」で「あんしょうことば」や「うたあそび」、「えかきリズム」等に取り組み、通常の保育の中でも自然と言葉やリズムが用いられています。
・ 自宅での授乳の時間やミルクの量を把握し、欲しがる時に抱っこして声を掛けながらミルクを与えています。離乳食は、状況等を把握し一人一人の子どもに合わせて進めています。アレルギー事故防止のため新しい食材を保育園で食べることは避け、「離乳食面談シート」をもとに面談を行いながら進めています。
・ 献立は物語を題材にした「物語メニュー」や郷土料理を取り入れています。食器はすべて陶器で、発達過程に合わせた大きさや形状の物を使用しています。毎月、献立表&食育カレンダーを全家庭に配信し、園内にも掲示しています。一部の献立については「ミニレシピ」として作成し、自由に持ち帰れるように置いています。入園説明会で離乳食の試食を実施したり、夏祭りで給食やおやつの人気メニューをアレンジして提供しています。
・ 午睡では、乳幼児突然死症候群対策としてうつぶせ寝を避け、0歳児は5分ごと、1歳児以上は10分ごとに体勢、呼吸、体温をチェックしています。年長児は就学に向けて1月中旬頃から、様子を見ながら午睡をなくしています。
・ アプリケーションソフトの連絡帳機能を用い、0,1,2歳児クラスでは毎日、3歳児以上については必要に応じて、子どもの状況や様子を保護者と共有しています。個人面談は年2回行い、保護者から事前に個人面談アンケートで意向や質問等を提出してもらい、回答を担任が用意し、施設長の確認を得て面談に臨んでいます。
・ 園だよりを毎月発行し、子どもたちの様子を定期的に写真に撮って販売し、卒園時にはDVDも渡しています。「パレット学習タイム」の内容は、ホームページやアプリケーションソフト内の「楽習タイム」で保護者に知らせ、家庭でも保護者と一緒に取り組んだり、楽しんだりできるようにしています。
・ 見学者に配付するしおりに年間行事を掲載し、保護者が参加する行事は、スケジュールも掲載して入園前から予定を立てやすくしています。パレット学習タイムの参観を行い、保育参加「パパママ保育」を実施しています。毎月1回土曜日、クラスの保護者の交流のために部屋を開放しています。年2回、運営委員会を開催し、園運営や行事等についての意見交換し結果を掲示しています。
・ 年長児は毎年、小学校で1年生が行う秋祭りに参加しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・ 子どもの発達・成長を成長発達記録及び健康台帳に記載し、記録は、タブレット端末で職員はいつでも見ることができ、状況の共有ができています。
・ 配慮を要する子どもを積極的に受け入れる用意があり、個別のケースについて週1回のミーティングで話し合い、職員間で共有します。臨床心理士が個別に園を巡回訪問し、個別ケースについて相談に対応する体制があります。
・ アレルギー対応マニュアルがあり職員に周知されています。給食では専用トレイや名札等にアレルギーのマークを付けたり、台布巾なども別にするなど、誤食事故を防いでいます。
・ 苦情受付窓口は主任が担当し、責任者は施設長となっています。園のしおりに第三者委員の名前と電話番号を記載し、直接苦情を申し立て出来るようになっています。保護者に「苦情窓口の設置について」という文書を配布して、苦情解決の方法、解決までのフローチャートを示しています。
・ 身体測定は月1回、内科健診、歯科健診は年2回実施し、結果は児童健康台帳に記録し、身体測定結果は毎月アプリケーションソフトで配信し、健診結果は保護者へ個別に紙面で報告しています。
・ 感染症予防・衛生管理マニュアルは定期的に見直し、全職員で読み合せ、必要に応じて園内会議で確認や研修を行っています。0,1歳児クラスの部屋に入室する際は、決まった室内履きを履き、アルコール噴霧ボトルに手をかざして噴霧して感染症の予防に努めています。排泄介助の際や汚れた下着を洗う際は、使い捨ての手袋を使用しています。
・ 保育室の掃除は保育士が当番制で行い、乳児のおもちゃは、毎日午睡中に清拭しています。感染症が発生している時期は、タオルに次亜塩素酸ナトリウムを吹きかけて拭いています。長時間保育で利用するブロック等は、その都度消毒するほか、毎週火曜日を消毒の日と決めて、保育室に掲示されている清掃チェック表に基づいて、おもちゃを消毒しています。
・ 事故防止・園外保育マニュアルに保育中の安全対策について具体的に定めており、給食・アレルギー、午睡・SIDS対策、プール、戸外活動については手順書を保育室に掲示し徹底に努めています。
・ 事故発生時の対応は、フローチャートにまとめて事務室に掲示しています。「ヒヤリハット報告書」と「事故の振り返りシート」があり活用されています。ケガについては職員間で共有し、その日のうちに保護者に伝えます。事故の振り返りシートは法人内の保育所の全職員に配付され、読み合せをして自分事と捉え、事故の未然防止に努めています。
・ 園の出入り口は、常に施錠されていて、保護者は入退室カードキーを使って玄関を解錠して入室します。年1回、不審者対応訓練を実施しています。保育所の携帯電話に入る近隣の不審者情報にも日頃から気を配っています。
4 地域との交流・連携 ・ 「なしかちゃん広場」や「保育の広場」に参加し地域の子育てニーズを汲み取っています。年3回の幼保小ブロック交流会や、たまプラーザ地域の保育所の意見交換会等で得た情報や意見は、必要に応じて職員間で話し合っています。
・ 夏祭りの一部を保育所の位置するビルの中庭で行い、地域の人にも楽しんでもらっています。園内で行う祭りも地域に開放しています。
・ 年長児は、地域の公立保育所主催の交流会に年数回参加したり、地域のごみ拾い活動にも参加しています。
・ ボランティア受け入れ時、マニュアルに基づいてオリエンテーションを行い、保育所の方針や注意事項、持ち物、守秘義務等を説明しています。ボランティアの情報は事前に職員間で共有し、保護者には玄関付近に貼り出して知らせています。近隣の中学生の職業体験を受け入れ、終了時に中学生から感想を聞き、質問に答える時間を設けています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・ 職階・職種別に職務分掌が規定されており、職員に周知しています。園の経理・事務処理は、運営法人の内部監査担当者のチェックが入り、運営法人には公認会計士など外部からチェックが入る仕組みとなっています。
・ 園内研修で理念・方針を読み合わせ、施設長は年に2回実施する職員面談や日常の勤務状況から職員の理念の理解度を把握しています。園運営にかかる変更がある場合は、運営委員会で説明、検討し、全保護者に周知しています。大きな変更がある場合には、緊急保護者会を開く体制があります。重要な意思決定において施設長は職員に十分説明しています。重要な事案が生じた場合はリーダー、施設長を中心とした対策委員会を立ち上げる仕組みがあります。
・ 幼児クラス、乳児クラスのリーダーを経験した後、計画的に主任クラスを育成しています。主任クラスを副施設長という名称で配置し、クラスを持たず業務状況を把握し、必要に応じて現場で職員のサポートや問題を解決していきます。職員が精神的・肉体的に良好な状態で仕事に取り組めるように配慮をしています。
・ 運営法人では2019年度からの3年間の中期計画を策定し、園として単年度計画が策定されています。次代の保育運営に向け、現在、園と保護者を結んでいるアプリケーションソフトをより使い勝手の良いソフトとするため、園と運営本部で協力して改善に努めています。
6 職員の資質向上の促進 ・ 実習生受け入れマニュアルに基づいてオリエンテーションを行い、実習生が学びたい内容を確認したうえで、出来る限り要望に応じたクラスに配属するようにしています。園は実習生の受け入れを、他者からの学びの機会でもあると捉えています。
・ 施設長は、常に運営法人と話し合いながら必要な人材の補充を進めています。運営法人では職員の経験年数や技量に応じた人材育成計画を作成して、職員のキャリアパスが設定されています。職員は「スタッフできたかな表」で自分の目標を設定し、半期ごとに振り返り、毎年達成度の評価を行っています。
・ 保育マニュアルはハンドブックの形で職員全員に配布し、職員は「スタッフできたかな表」で自己評価し、園の自己評価も計画的に実施しています。お互いに保育の良いところを学びあい、外部の専門家の指導や講演会などで保育の技術を高める機会を作っています。

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