かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

パレット保育園長津田(4回目受審)

対象事業所名 パレット保育園長津田(4回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社理究
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 226 - 0027
緑区長津田4-12
tel:045-989-5549
設立年月日 2003(平成15)年07月01日
公表年月 2020(令和2)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 よこはま地域福祉研究センター
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
パレット保育園長津田はJR横浜線・東急田園都市線・東急こどもの国線長津田駅から徒歩1分の交通の便の良い静かな住宅街にあり、周囲には幾つかの公園もあります。
園は、平成15年(2003年)7月に株式会社理究によって設立されました。運営法人は、都内や川崎市、横浜市等で保育園の他、塾や学童等を運営しています。
園舎は園庭に向って大きな掃き出し窓になっており、日当たり良く明るく開放的な雰囲気となっています。園庭では、子どもたちが遊んだり、走ったり、夏季にはプール遊びをして楽しんでいます。
定員は40名(生後6か月〜就学前)です。開園時間は7時〜20時、土曜日は7時〜18時の延長保育を実施しています。
保育理念は、『“ひとりひとりに生きる力を!”1、ひとりひとりを「大きな家族」の一員として認め、役割を認識させ、愛情を持って育てます。2、ひとりひとりの子どもを見極め、発達段階に応じ、「感性・知性・体力を培う」三位一体のバランス保育・教育を信条として育てます。3、ひとりひとりが意欲的生命力を発揮できるよう「自立と自尊と自律」の精神を大切に育てます。』と定めています。保育の方針は『「保育所保育指針」に準じ、保育・養護の視点と発達・教育の視点で「健康」・「人間関係」・「環境」・「言葉」・「表現」の五領域を縦断的にとらえ、子どもの成長に合わせ、子どもの力を最大限に引き出すよう努めます』としています。

1.高く評価できる点  

●職員は、協力し合って理念に基づいた保育が実践できるよう努めています 
職員は、毎日の昼礼や週 1 回のクラス会議、毎月の園内会議などで話し合いを行い、昼食時や休憩時など様々な場所で、相談しやすい環境が作られており、風通しの良い関係を作るよう努めています。日々の保育や行事の後などは、話し合った意見から保育や行事などの内容が改善され、より良い活動につなげています。職員はお互いに信頼関係を持ち、やりたいことを提案して受け入れてもらえる環境を作っています。また、経験のある職員も多く、困った時は状況に応じて臨機応変に保育にもフォローに入るので、保育士は安心して保育に専念できています。
例えば、離乳食に関しては、初期、中期、後期、完了と段階を上がる毎に保護者と給食職員と担任、施設長など 2 名以上で面談をしています。相談に乗ってもらえることや作り手と顔の見える関係が、保護者への安心感に繋がっています。年間食育計画を作成して保育士と給食職員は協力して食育を実施し、大きな日本地図に給食に出てくる旬の食材と郷土料理が記入された「給食マップ」と「給食全国巡り」を手作りして子どもたちが興味を持ってもらえるよう掲示しています。また、給食職員、事務職員など担任の保育士以外でも職員全員が保育室や廊下、玄関などで子どもに声をかけている姿が見られます。このように、職員は協力し合って、より良い保育を実践出来るよう努めています。

●異年齢交流を計画的に実施して子どもの優しい気持ちを育んでいます 
園の保育室は3部屋に分かれており、そのうちの2部屋は可動式のパーテーションで仕切られているため、朝夕の合同保育を始め、散歩やリトミックなど日常的に異年齢で過ごしています。さらに、「なかよしデー年間計画」を作成して「幼児なかよしデー」を週 1 回開催し、季節に合わせた“時の記念日、時計屋さん”“サーキット、魚釣りゲーム”“お化け屋敷”“ハロウィン”“クリスマスシールラリー”などの企画に全クラスが参加したり、2 歳児クラスから5歳児クラスが一緒に過ごす「きら〜ぐんふれあい遊び」を2か月に 1 回実施しています。
「きら〜ぐんふれあい遊び」は、異年齢の子ども同士がペアを組み、年上の子どもはペアになる年下の子どもを迎えに行き、二人で協力し合って身体を動かしたり、ゲームを行ったりして一緒に行動することで小さな子どもを気遣うことを学びます。座って待つときに、自然と年下の子を自分の膝の上にのせている子どもの姿がありました。このような異年齢保育の取り組みは、小さな子どもが出来ない事や出来る事などを知り、年下の子どもへの気遣いを自然と学び、子どもたちに優しい気持ちを育んでいます。

2.独自に取り組んでいる点 
 
●遊びの中で「感性・知性・体力」を育てる取り組みをしています
子どもたちの元気な挨拶で始まる「パレット学習タイム」は、自園の保育士が、認定を受けた専任の講師となって実施しています。園の保育士が「パレット学習タイム」を担当することで子どもたちは落ち着いて取り組むことが出来ています。年齢や発達に応じて行う「運動プログラム」は、保育の中で楽しく遊びながら身体を動かし、走る(25m走)、投げる(ボール投げ)、跳ぶ(立ち幅跳び)などの体力測定を4、5歳児は年2回、3歳児は年1回実施して、次の効果的な遊びにつなげています。4、5歳児を対象にオリジナルテキストなどを用いて行う「小学校準備プログラム」を実施しています。また、遊びの中で子どもの語彙力が増えるように“あんしょうことば” “うたあそび”などの「コトバの森」や“リトミック” “楽器あそび”などの「音楽プログラム」など様々なプログラムを用意して遊びを通して取り組みを行っています。

3.工夫・改善が望まれる点 

●保育の専門性を活かした地域の子育て支援を期待します 
園は、地域の「みどりっこまつり」に他の施設と協力して参加したり、園見学に来園した近隣の人々の相談を受けたりして地域の子育て支援ニーズを把握するための取り組みを行っていますが、地域での子育てを支援するためのサービスの提供や保護者、子どもに向けた講習・研修会などを開催していません。保育の専門性を活かして、地域に向けて様々なテーマの“お勧め絵本”の情報を発信したり、園として “離乳食”や“手作り玩具”、“絵本の読み聞かせ”などの講習会を開催したり、また、地域ケアプラザなどの社会資源等と連携して出張講習などの地域の子育て支援サービスの機会をもつことが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・入職時に法人で人権について研修をしています。園内でも言葉遣い、子どもを急かすような行動をしない、子どもの目線で話をするなど人権に関する園内研修を行っています。職員会議でも、否定語は使わない、声を張り上げるような場面を作らないなど、職員で話し合いをしています。子どもへの対応等で気になることがあった場合は、昼礼であげるなど日常的に子どもの人権についての意識を持つよう取り組んでいます。
・子どもと一対一で話をする場合は、廊下や園庭、空いている保育室を利用しています。子どもが友だちや保育士の視線を意識せずに過ごせる場所としては、一人になれるコーナーを作ったり、保育室の一角で遊んでいる様子を見守ったりしています。
・個人情報取り扱いについてのガイドラインがあり、全職員と職場体験の学生、実習生に誓約書を提出してもらっています。保護者には、入園時に説明し、同意書を交わしています。個人ファイルなどの個人情報は事務室の鍵の掛かる棚で管理し、パソコンの個人情報の閲覧は施設長に限定しています。
・発表会の役決めなどは性差で区別をせず、子どもと話し合って決めています。人権についての研修で、性差による役割分担はしないことを指導し、父の日、母の日は「感謝の日」としています。日頃から風通しの良い職場作りに努めており、気づいたときに職員同士で話し合える関係が作られています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・全体的な計画は保育理念に基づき、子どもの発達過程に沿って、養護、教育などの項目が年齢ごとに作成されていて、子どもの最善の利益を第一義にしています。全体的な計画の作成にあたっては、前年度末に、職員から出た意見をまとめて見直しを行い、保育の基本方針や園の地域の特徴、周辺の環境等を考慮して作成しています。保護者には全体の計画に基づいて作成された指導計画で園が目指す保育などを入園時や進級時に説明しています。
・入園時に保護者と面談し、入園までの子どもの生育歴や家庭での状況を聞き、子どもの様子を観察して記録しています。入園までに提出された個人カルテと健康カルテなどと合わせて把握した情報は職員間で共有し、保育に活かしています。
・「衛生管理マニュアル」「清掃チェック表」に基づいて清掃がされていて、園内・外とも清潔に保たれています。保育室に温・湿度計、空調設備、加湿器、扇風機、空気清浄機が設置され、適切な温・湿度、通風・換気の管理をしています。保育室の窓は大きく陽光も十分取り入れられる構造となっていて、ロールカーテンを用いて調整しています。
・一斉活動は年齢に応じてルールのある遊びを取り入れています。子どもたちは遊びの中で、一緒に遊ぶ楽しさとルールを守ることを学んでいます。遊びの中で子どもが興味や関心を示した様子があるときは、保育士が声をかけたり見守ったりしています。
・園庭でナス、オクラ、キュウリ、ゴーヤなどの野菜の栽培をして、収穫した野菜を給食で食べるなどの体験をしています。秋には地域の方の畑でサツマイモ掘りをしています。マリーゴールド、フウセンカズラ、ヒマワリを種から育てて、近隣の保育園の園児と一緒に公園に植えています。
・発達に応じて運動能力が高められるよう近隣の公園などにほぼ毎日のように散歩に行き、短時間でも園庭で遊ぶなど屋外活動を積極的に取り入れています。屋外活動のときは、首を紫外線からガードする帽子を被り、夏のプール遊びのときには、タープで日陰を作っています。花粉症の子どもは専用のメガネを使用しています。3・4・5歳児向けの運動プログラムを導入して、運動能力向上につながる遊びやゲームを取り入れ全身を使って活動できるよう工夫しています。また、年2回、体力測定を行っています。
・献立の工夫としては、絵本の中に出てくる料理や絵本と連動するメニューを取り入れた「物語メニュー」、様々な地域の「郷土料理」、バイキング給食があり、お誕生会では手作りケーキでお祝いしています。玄関横に給食マップとして「郷土料理」を紹介した日本地図を掲示しています。食材は地産の食材を使っていて、食材を納入する業者がめずらしい野菜を持ってきてくれることもあります。盛り付けの工夫としては、野菜を型抜きで星や月の形にしたり、アイスディッシャーで丸く盛り付けたりして子どもが興味を持てるようにしています。おやつをテラスで食べることもあり、楽しい雰囲気で食事が摂れるようにしています。
・排泄については子ども一人一人のリズムを把握し、活動の合い間に声をかけるなどの対応をしています。トイレットトレーニングは、子どもの発達状況に応じて、保護者と連携して進めています。トイレに子どもが好きな絵本のプリントを貼って、リラックスできるように配慮しています。2歳児は、個人マットを用意して一人で脱ぎ着ができるように見守っています。おもらしをしたときの対応については、内部研修を行っています。
・保育の基本方針等については、年1回の懇談会のほか、進級説明会でも園のしおりに沿って説明しています。行事開催後にはアンケートを実施して保護者の意見を聞く機会を設けています。また、保護者代表が出席する運営委員会もあり、保育方針が理解されるよう努めています。
・玄関に各クラスのその日の活動の様子を掲示しています。個別では、お迎えのときに口頭で伝えています。個別面談は年2回実施しており、事前に家庭での様子、困っていること、相談したいことなど提出してもらっています。食事、排泄、睡眠など家庭での様子と園での様子、欠席、遅刻の連絡、各種お便り、行事前のお知らせなどは専用ウェブページで共有しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・特に配慮を要する子どもを受け入れています。配慮を要する子どもについては日々の様子を昼礼で伝えて情報を共有し、週ミーティングや園内会議で対応を話し合っています。職員は外部研修や運営法人の研修などに参加し、その内容を研修報告書や園内会議などで他の職員に伝え情報を共有しています。配慮を要する子どもの記録は、パソコン上に保管され、パスワードで管理されています。
・園は、ビルの1階に位置し、内部は段差をなくしたバリアフリー構造となっています。北部地域療育センターや緑区保健福祉センターと連携して、巡回訪問も受けており、個別の援助方法など専門的な助言を得ています。日常の保育において、他の子どもとの関係に特に配慮しています。保護者からの相談も受け入れやすい雰囲気を意識して作っています。週ミーティングなどで、配慮を要する子どもについてのカンファレンスを通して、情報の共有を図っています。
・重要事項説明書には、第三者委員の名前と電話番号を記載し、園内にも掲示しており、誰でも直接苦情を申し立てが出来るようになっています。また、外部の苦情解決窓口として横浜市社会福祉協議会を紹介して園内に掲示しています。自分で意見を表明することが困難な保護者に対しても、日常的な登園・降園時の話の中で聞くように努めています。
・健康診断、歯科健診ともに年2回実施しています。聴視覚健診と尿検査はそれぞれ年1回実施しています。健診結果は「健康カルテ」に記載し、身長と体重はグラフにして成長を分かりやすくしています。保護者には健康診断の結果と医師からの所見を書面で知らせています。
・衛生管理に関するマニュアルがあり、年度初めに職員で読み合わせをしています。マニュアルの内容について穴埋めテストを行って、全職員が共有するよう取り組んでいます。マニュアルは法人で年1回見直しをしています。マニュアルに基づいて保育室、厨房、トイレなどの清掃を行い、チェック表で日々の清掃管理をしています。全体では月間管理表で清潔な状態を保てるようにしています。
・安全管理に関するマニュアルがあり、事務室に掲示しています。地震等を想定し、棚やロッカーには滑り止めマットで転倒防止対策をしています。毎月避難訓練を実施して火災や地震などの災害に備えています。緊急時の連絡体制については、職員はメールで、保護者には災害伝言ダイアル、緊急掲示板を活用しています。第1避難場所は園庭としています。第2避難場所は散歩コースの先にあり、散歩のときに子どもたちと行って確認しています。救急救命法は全職員が受講しています。
4 地域との交流・連携 ・横浜市緑区の園長会に出席して、地域の情報を収集しています。園に見学に来た方から相談を受けたり、近隣の幼・保・小の職員で研修会をしたりして地域の支援ニーズについて話し合いをする機会を持っています。
・横浜市緑区こども家庭支援課、地域療育センター、緑区福祉保健センターなどの関係機関の連絡先はリスト化されて事務室に掲示しています。地域療育センターの虐待についての講習会に参加するなど、日常的に連携する体制が整えられています。連携の担当は施設長としています。
・夏まつり、運動会のポスターを門扉と近隣の郵便局やスーパーなどに掲示し、地域の方や卒園児を招待しています。横浜市緑区のイベント「みどりっこまつり」では、近隣の保育園と協力して遊びのコーナーを担当し、手作りおもちゃの貸し出しもしています。年長児は小学校入学準備として小学校探検に参加しています。近隣の商店街に食育の材料を子どもと一緒に買いに行ったり、地区センターのお祭りに子どもの絵を提供したり、近隣の商業施設や公共施設等と良好な関係が作られています。
・園の情報は法人のホームページで情報提供しています。横浜市緑区のホームページでも園の空き情報等を確認することができます。法人のホームページには、保育の様子や園での取り組みなどを確認することができます。また、見学に来られた方には見学者用のしおりを配布して保育方針等を説明しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・保育士等の自己評価の結果は、各クラスで話し合い会議で報告しています。会議などで自己評価を話し合い、園としての課題を明らかにして改善に取り組んでいます。例えば遊び込める環境を作りたいが、園庭に危険個所を発見し、速やかに枝を切ったり、クッションを付けたりして安全を確保しています。
・ハンドブックに全国保育士会倫理要綱を掲載し、職員に配布しています。また、運営法人が毎月発行している「運営要綱」や就業規則の服務規程に職員の守るべき法・規範・倫理等が明記され職員は周知しています。園の財務諸表は公表されており、園のしおりに公表していることを明記しています。施設長は、運営法人の会議などで他施設での不正、不適切な事例の情報を得て、園内会議などで職員に周知し、啓発しています。
・園は日頃から保護者の代表が参加する運営委員会や懇談会、進級説明会などで保護者と意見交換をしています。降園時間の変更などサービスの変更を伴う重要な意思決定においても保護者と継続的に意見交換をし、変更の目的、理由、経緯を職員、保護者に説明しています。今後も園にとって重要な課題が生じた時には保育士、栄養士、事務職、副施設長など異なる部門の職員が検討チームを作り対応することになっています。
・運営法人は保育運営に影響のある情報を収集し、分析して施設長会議で話し合っています。また、施設長は緑区園長会の集まりなどからも情報収集しています。重要な情報は園運営ミーティングや園内会議などで職員との情報共有に努めており、運営面で重要な情報は園全体の問題として取り組んでいます
6 職員の資質向上の促進 ・運営法人では、職員の階層別に研修を用意し、神奈川県や横浜市が主催する職員研修には、職員は必要な研修を申請して受講することができます。職員は「スタッフできたかな表」に研修計画を立て、研修担当者の施設長はれぞれの個別の研修計画にアドバイスをして園としての研修計画を作成しています。研修報告では研修を受けて向上した点などの評価もしており、研修内容のチェックも行っています。研修報告書を提出すると共に、園内会議で発表して職員間で共有し、研修の成果を保育に活かしています。
・保育士が振り返りを文章化出来るよう、年間指導計画、月間指導計画、週案などの指導計画や日誌などの記録は書式が定型化されています。自己評価は意図とした保育のねらいが達成されたか記入し、クラス会議や週ミーティングなどで話し合って確認しています。保育の自己評価は子どもの成長や意欲を大切に、結果だけでなく取り組む過程の子どもの言動を重視しています。保育士は、自己評価を行い、自己評価の振り返りを次の計画に反映させています。

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