かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

めぐみ保育園(2回目受審)

対象事業所名 めぐみ保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人徳風会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 223 - 0058
港北区新吉田東3-39-15
tel:045-590-0590
設立年月日 2012(平成24)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
   社会福祉法人徳風会のめぐみ保育園は、平成24年4月に開園して、8年目を迎える保育園です。0歳児から5歳児まで89名(定員87名)が在籍し、障がい児保育、一時保育、延長保育を行っています。
横浜市営地下鉄グリーンライン高田駅から歩いて15分ほどのところにあります。近隣は住宅地で、比較的自然に恵まれた環境ですが、地域の道路状況はあまり良くありません。現在、周辺は新横浜方面への道路工事の最中です。

【園の特徴】
保育理念「乳幼児の実態に即した望ましい環境を作り、豊かな生活経験をさせる中で心身ともに調和のとれた人間形成の基礎を養う」のもと、保育方針は「仏教を基本とした情操教育のもと、家庭的な雰囲気の中で、自主性、社会性、創造性を培い、明るく優しく、そしてたくましい子どもを育成します。そのために、年齢に即応したカリキュラムに基づき保育を実施します。」としています。大正時代に開園した徳風保育園が基礎となっており、幼稚園を運営していた歴史があるため、幼稚園と共通点の多い保育をしています。3〜5歳児クラスは体育講師による体育指導、太鼓指導と月1回音楽の日があります。また、4、5歳児は漢字交じりの絵本を読み、漢字やひらがなにふれ、鉛筆を使って線やひらがなや数字を書く練習を行っています。

【特に優れていると思われる点】
1.子どもの意欲を大切にした基本的生活習慣を身に着けるための丁寧な援助
    保育目標に「自分のことは自分でできる子」を掲げ、0歳児クラスでは職員が園庭で遊ぶことを子どもに説明し、その間に、他の職員が子どものそれぞれの棚に帽子と靴下を取り出しやすいように用意しています。職員が子どもたちに「自分のマークのところに行って、用意しましょう」と声をかけると、子どもはよちよち歩きで自分のマークの付いた棚の前に行って、帽子と靴下を取って職員に渡し、履かせてもらっています。1歳児から食事の後片付けを職員の見守りの中で行っています。2歳児クラスでも「ズボンをパタパタしてたたもうね」「きれいにたためたね」と職員も手伝いながらパジャマのズボンを片付けています。自分で着替えようという意欲を大切にしながら、職員は子ども一人一人に応じた言葉かけをして、パジャマや靴下や靴を自分で履けるように援助し、達成感を味わうことを大切にしています。

2.子どもの表現活動を支援し保育の可視化で子どもの成長を伝える取り組み
  毎月、各クラスでは子どもの成長の姿や子どもの意見をもとに担任がテーマを決めて壁面製作を行っています。0歳児クラスでは「びっくり箱」をテーマに保護者から「子どものどんなことに驚いたか」を聞き取って製作をしています。5歳児クラスでは「絵本の原画づくり」をテーマに画用紙や折り紙、半紙をちぎって一つの作品を作ることに挑戦したり、名前の由来、遠足などをテーマに製作し、クラスの壁面に展示しています。また、子どもたちの園での生活の一こまを写真に撮って掲示したり、ビデオに収めてクラス懇談会で見る機会を持ち、保護者と一緒に子どもの成長を確認し合っています。

3.子どもたちが身体を動かして思い切り遊べる広い園庭の確保 
保育園の周辺は住宅地で公園が無く、大規模な道路建設工事のため、子どもたちが散歩を楽しめる環境になっていません。園では、子どもたちが十分身体を動かして遊ぶことができるように園庭を2つ備え、第一園庭には滑り台や鉄棒、砂場、小さな家を備え、三輪車や竹馬、アスレチック、ボルダリングなど、子どもの発達に合わせた遊具を備え、幼児クラスは異年齢児の交流が盛んです。第二園庭はボール遊びやかけっこなどの動きの激しい遊びをする場として備え、子どもたちが思い切り身体を動かして遊ぶ環境を整えています。また、玄関前は芝生広場や実の生る木があり、子どもたちは草花や虫を見つけて図鑑で調べるなど、生き物に興味を持てる環境を備えています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.子どもが主体的に遊べる保育環境の工夫
各保育室は広く、整然としています。子どもの年齢や興味、関心、発達に応じたいろいろな種類のブロックや積み木、人形などのおもちゃや教材は用意されていますが、子どもの「○○をして遊びたい」申し出や、子どもの様子を見て職員がその都度収納庫から出しています。遊びの場面が変わると、きれいに片付けて収納庫に収めることが子どもたちの生活の流れになっています。子どもが自由に自分でおもちゃや教材を選び、取り出して遊べる環境の見直しが期待されます。

2.積極的に園外活動の機会を
園近隣の道路工事のため、散歩には頻繁には出かけていません。園外活動としてじゃがいも堀りに出かけ、自然に触れる機会を持っていますが、地域を探検したり、近隣の人と交わる機会は少ないようです。保護者アンケートでも、園外活動についての満足度に低い結果が出ています。対策を講じて散歩に出かけ、地域を知る機会を設けることが望まれます。

3.中長期的な計画作成
年度末には園としての自己評価を行い、園の課題の把握に努めています。単年度の事業計画を作成し、活動内容、保育内容、給食などについて記載し、「園児の実態に即した望ましい環境を作る」として、将来にわたって子どもの理想の姿を求めていく目標を立てていますが、中長期計画がありません。持続可能な園運営を可能にするためにも、長期的な視点で課題設定や環境を整えておくことが大切です。進むべき方向を明確にするため、中長期計画の策定が望まれます。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・理念は「乳幼児の実態に即した望ましい環境を作り、豊かな生活体験をさせる中で心身とも調和のとれた人間形成の基礎を養う」とし、子ども本人を尊重した保育を目指しています。

・職員は子どもの人権について内部研修を受け、子どもに対する呼び方や接し方、対応の仕方を職員間で話し合っています。

・職員は入職時の研修で守秘義務について研修を受けています。ボランティア・実習のしおりにも守秘義務について記載し、ボランティアや実習生に説明しています。個人情報の取り扱いについて、保護者には入園説明会で説明し、書面で渡しています。保護者が撮る写真の取り扱いについてもプライバシーに配慮してほしいことを伝え、同意書をもらっています。

・遊びや行事の役割は子どもの意思を最優先にし、製作の際の色選びも男女関係なく好きな色を選ぶようにしています。父親・母親の役割について、職員も固定的にとらえた話し方はしないようにしています。気になる言動があった場合は、その都度職員間で話し合っています。

・職員に「虐待の類型や早期発見のポイント」を周知しており、職員は、虐待は重大な人権侵害であることを理解しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・保育室は年齢に合わせてゴザやマットを敷いて間仕切りをしてコーナー遊びができるようにし、3〜5歳児クラスではパズルや塗り絵、ブロックが用意され、工作ができるように廃材などを用意して好きなことをして遊べるようにしています。
 園庭にはアンパンマンハウスや滑り台、砂場、走り回れる広いグランドがあり、三輪車に乗ったり、相撲やドッジボール、ままごと遊びができるようになっています。

・職員は子どもたちの意見を聞きながら遊びを決めたり、子どもたち同士で話し合って、興味・関心を持てる遊びを取り入れています。遊びが見つからない子どもに対して、職員は興味のありそうな遊びを提案したり、一緒に遊んだりしています。

・食事では子ども一人一人に合わせて盛り付けを少なくし、嫌いなものも少しは食べるように声かけをしています。苦手な食材を食べたときには褒めて食べる意欲を育み、子どもが楽しんで食べられるように声掛けをしています。

・眠れない子どもには一定の時間は休息が取れるように横になって静かに過ごせるようにしています。状況により、絵本を読んだりパズルをしたりして静かに過ごしています。3歳児クラス後半から午睡を減らし、4、5歳児は午睡をしていません。乳幼児突然死症候群に対する対策として、0歳児クラスは5分、1歳児クラスは10分毎に呼吸チェックを行っています。

・排泄表を作成し、一人一人の排泄リズムを把握し、個々のタイミングで排泄を促しています。オムツは布おむつを使用し、1時間おきに取りかえています。トイレットトレーニングは一人一人の発達状況に応じて、個別に対応しています。排泄間隔のあいてきた子どもには様子を見てトレーニングパンツに移行しています。

・長時間保育では3〜5歳児クラスではテーブルを出し、着席してブロックやぬりえなどでじっくり遊びに取り組めるようにしています。0〜2歳児クラスでは歩ける子どもと歩けない子どものために部屋を仕切って、それぞれが落ち着いて過ごせるようにしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・全体的な計画は、保育理念・方針・目標に則り、子どもの自主性、社会性、創造性を大切に育てることを掲げ、保護者・地域への支援として、保護者との情報交換、地域の実態とそれに対応した事業・行事を考慮した計画となっています。指導計画は全体的な計画に基づき、年齢ごとに、年間指導計画、月間指導計画、週案を作成しています。週案・日案では、その日の子どもの様子から計画に縛られることなく、柔軟性を持って対処しています。

・入園説明会では園の全体的な説明の後、各クラスで個別面談を行っています。離乳食やアレルギーについて、栄養士も同席して保護者と話し合っています。

・ならし保育については、入園説明会でその重要性を保護者に説明しています。ならし保育の期間は原則2週間とし、3週間目から通常の一日保育に移ります。保護者の就業の都合などによっては、個別に対応しています。

・児童票ファイルには、身体発達記録、精神発達記録、保育経過記録、月例測定体重記録があり、子どもの成長発達記録が綴られています。進級時には、新旧の担任が児童票をもとに引き継ぎを行っています。年長児が入学する小学校に「保育所児童保育要録」を送付し、必要に応じて子どもの状況を伝えています。

・マニュアルに沿って子どもの健康管理を行い、既往症については入園前の面談や家庭調査票で確認し、入園後の健康診断や保護者からの聞き取りで情報を得て、児童票に追記し、必要に応じて職員に周知しています。熱性けいれんなど特別な配慮が必要な場合は一覧にまとめてすぐに対応できるようにしています。

・衛生管理マニュアルが整備され、専任の用務員による清掃がなされ、マニュアルに沿って施設、設備、おもちゃなど清掃消毒がされ、清潔・適切な環境が保たれています。マニュアルは必要に応じてその都度見直しています。消毒や嘔吐処理の方法は毎年研修を行っています。

・安全管理マニュアルの中にSIDS予防対策、アレルギー対策、調理での食中毒予防などのマニュアルがあり、睡眠中は呼吸チェックをし、プール活動では監視員を立て、食事では一人一人の発達に合わせた食事形態で提供し、アレルギーを持つ子どもの配膳は専用のトレイで提供し、複数の職員で確認しています。事故が発生しやすいことを理解し、保育の人数配置や役割分担をして、安全に過ごせるようにしています。

・保育室内の棚やピアノなど転倒防止シートを敷き、ロッカーの上は滑り止めシートを敷いて安全対策を行っています。園舎内、遊具の点検を週1回行い、修繕内容を記録しています。

・ケガがあった際には保育日誌に記録し、保護者に発生した状況、症状を口頭で伝
えています。病院で受診が必要な事故やケガ場合は災害報告書に記入しています。ケガや事故について職員会議や終礼、引き継ぎノートで報告し、改善すべき点を話し合い、即時に対応するようにしています。他園での事故例や再発防止策を参考に話し合っています。

・虐待が明白になった場合は、園長は横浜市港北区こども家庭支援課に通報する体制があり、今後の対策を相談しています。横浜市北部児童相談所と電話連絡を取り、3か月毎にカンファレンスを行っています。

・苦情解決体制として、苦情受付担当者を主任、苦情解決担当者を園長と決め、重要事項説明書に記載して、入園説明会で保護者に説明しています。苦情解決体制は玄関に掲示しています。第三者委員を2名依頼し、直接苦情の申し立てができる体制を整えています。横浜市福祉調整委員会のポスターを玄関に掲示して、数か所の苦情受付機関があることを知らせています。

4 地域との交流・連携

・園の身体測定に参加した地域の子どもの保護者から、また保育園主催の「いちにちどうぶつえん」や「子どものためのコンサート」に参加した保護者から保育園に対する要望を聞いています。地域の子育て支援ニーズについて横浜市と園長会役員会で検討会を行い、把握するように取り組んでいます。

・園のホームページや自治会の回覧板に園の情報を提供しています。

・問い合わせや見学に対する担当者を主任・副主任に決め、問い合わせや見学にはパンフレット、デイリープログラムに沿って説明しています。園見学は子どもの午睡明けの15時45分から約1時間を予定しています。曜日は保護者の希望を聞いて実施しています。

・「実習・ボランティアのしおり」が作成され、それに基づきボランティアに説明しています。ボランティアの受け入れについて、職員には事前に説明し、保護者にはポスターで知らせています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・園情報は、パンフレットやホームページに掲載し、外部情報提供媒体発行の「幼稚園、保育園ガイドブック」や保育ナビ、横浜市営地下鉄日吉駅・片倉駅の看板などに園情報を掲載しています。園の福祉サービス内容、料金、職員体制など情報はパンフレット、入園説明会資料に掲載しています。

・守るべき法・規範・倫理などは就業規則に規定され、職員には入職研修で、非常勤職員には入職時に主任から話しています。

・園長は毎月開催される横浜市認可保育園園長会、2か月毎の港北区園長会に出席し情報の収集を行っています。園長が得た重要な情報は、主任と各クラスチーフで構成するチーフ会議で話し合っています。改善課題として職員配置、3〜5歳児の夕方の外遊び、新しく始める行事などの検討を行っています。

6 職員の資質向上の促進

・職員に求められる職務内容、求められる職能能力を階層別に職務基準を策定して、それに基づいた職務手当、標準昇・降格基準を明確にし、研修を裏付けにした人材育成を行っています。園のキャリアパスの考え方を明確に職員に周知しています。階層別に職員に求められる知識の習得のため、外部研修・園内研修の計画を立て、受講した職員は報告書を作成し、職員会議などで報告しています。

・指導計画には自己評価・振り返り欄を設け、年間指導計画については年度末に、月間指導計画は月末に、毎日の振り返りは保育日誌に記入しています。指導計画には、計画のねらいや目標が掲げられ、ねらいや目標に対して自己評価・振り返りを行っています。自己評価・振り返りは「ルールが分からずにいる子もいたが、教えあいながら遊ぶことができた」など子どもの姿を具体的に記しています。

・園のキャリアパスについての考えを職員に周知し、階層別に職務手当、標準昇・降格基準を明確にしています。

・各クラスの保育についてはチーフ職員に権限を委譲しています。権限を委譲された職員は、報告の義務があることを周知しています。

・実習生受け入れ担当者を主任と決め、学校側と日程調整などを行っています。今年度は短期大学から1名の実習生を受け入れています。

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