かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

キッズポケット木の葉保育園

対象事業所名 キッズポケット木の葉保育園
経営主体(法人等) 特定非営利活動法人キッズポケット
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 220 - 0072
西区浅間町1−17−5
tel:045-320-0377
設立年月日 2017(平成29)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
1.立地および施設の概要
特定非営利活動法人キッズポケットが運営するキッズポケット木の葉保育園は、平成29年4月開園し、今年で3年目を迎える保育園です。0歳児から5歳児までの子どもたち63名(定員60名)が在籍し、障がい児保育も受け入れています。JR横浜駅から徒歩11分ほどの市街地に位置し環状1号線に面しています。園舎は鉄筋コンクリート造り2階建て、建物面積は613u、園庭は77uあります。隣接して浅間下公園があるほか、三ッ沢公園など複数の公園があります。

2.園の特徴
1階に0歳児、1歳児の各保育室、2階に2、3歳児用、4、5歳児用の保育室があり、自由遊びでは保育室内で異年齢の子どもたちが自由に遊ぶことができ、2階の保育室はドアを介して自由に行き来できます。園舎の大通り側にウッドデッキがあり、雨天でも室外で遊ぶことができます。園庭に砂場や樹木があり、どろんこ遊びや木の実探しをしています。稲を栽培し、農園でサツマイモを育て、園舎内でカブトムシやメダカを飼育するなど、街中の環境にありながら動植物に接する体験をし、保育理念の「何よりも子どもの笑顔を大切にしたい」を実践しています。

【特に優れていると思われる点】
1.年齢や発達に合わせて工夫した環境構成
0、1歳児の保育室は興味のあるおもちゃを自分で見つけて遊べるようにしています。手で触れて感触を楽しむ布、引っ張ったり、穴に落としたり、振って音が出るおもちゃ、牛乳パックで作った調理台、段ボールのトンネルなど、様々なおもちゃやごっこ遊びの場があります。2、3歳児の保育室には自由におもちゃや絵本、教材を取り出して遊べるコーナー、段ボールのパーティションで仕切ったコーナーで落ち着いて一人で遊べるコーナー、キッチンセットなどのままごとコーナーがあります。4、5歳児の保育室には、様々なおもちゃ、ごっこ遊びの道具や絵本の他に、部屋の一角には梯子・ネット・下り棒・ボルダリングを備えた隠れ家を用意し、子どもたちは忍者遊びや探検ごっこなど想像の世界を楽しんでいます。作りかけた自由作品は棚に保管し、次の自由遊びのときに完成して達成感を味わっています。

2.子ども同士で遊びを進めていく取り組みの工夫
 2、3歳児室、4、5歳児室の保育室のそれぞれの内部は低い棚で仕切ってあり、年下の子どもが年上の子どもの真似をして遊ぶなど、年上、年下の子どもたちがお互いに一緒に遊びを工夫し、影響し合える環境になっています。もめごとがあると自分たちで解決しようと年上の子どもが介入を試みています。4、5歳児は夕方、振り返りの時間を設けて、活動で感じたことや明日したいことなどを自由に自分の言葉で一人一人が発言しています。職員は子どもたちの思いをキャッチして翌日の活動に結びつけています。

3.保育の質の向上を目指した取り組み
 各クラスのおもちゃの紹介、自分のクラスの環境設定をテーマにして6回の園内研修を行い、異なるクラスの職員間で意見交換し、より充実した環境構成を目指しています。日々の保育で気づいたことや経験をミーティングで話し合い、子どもに対する理解を深め、子どもを見る目を養い、保育の質の向上に取り組んでいます。年度末に保育実践、保護者対応、安全環境など主要項目について職員が自己評価をし、ミーティングで話し合い、園の自己評価と合わせて評価結果を園内に掲示しています。また、保護者アンケート結果と質問に対する回答を合わせて掲示しています。
 
【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.3歳未満児の月間個別指導計画に個別の振り返りの記録ができる書式の定型化
3歳未満児の月間指導計画については、クラス全体に対する自己評価をしていますが、個別指導計画ついては十分ではありません。「前月の子どもの様子」「内容」「環境構成と保育者の援助内容」を記載していますが、個別の子どもの支援についての職員の自己評価欄がありません。子どもの発達の差が大きい時期でもあり、個別に自己評価が記載できるように書式の改善が期待されます。

2.職員経験年数に応じた分野別期待水準と研修内容の策定
設置法人の人材育成計画があり、新規卒業者、中途採用者、経験年数3〜7年者に対して、理解し身につけるべき水準の概念が示されています。但し、経験年数に応じた必要分野別の期待水準(ねらい、内容)とその達成に必要な具体的な研修内容が定められていないので、策定することが期待されます。

3.ボランティアの受け入れ促進
 ボランティアを受け入れることにより、保育園の福祉人材の育成機能を果たす役割があります。ボランティア受け入れマニュアルを作成し、受け入れることが期待されます。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・保育理念に「子どもの笑顔を大切に」を掲げ、職員は保育の主役は子どもたちであることを常に意識し、子どもが思いや意見を自由に発言できる環境を常に心がけています。

・保育室には低い棚やパーティーションなどで仕切り、子どもが友達や保育士の視線を意識せずに、落ち着いて過ごせる場所が備えられています。また、職員は子どもの状況に応じて、他を意識せずに過ごせる場所を作っています。

・個人情報保護マニュアルがあり、守秘義務については入職時、実習生などはカンファレンス時に必要性を説明し、同意を得ています。個人情報の取り扱いについてのマニュアルがあり、職員に説明しています。また、入園のしおりに「個人情報の取り扱い」について明記し、保護者に入園説明会で説明して同意を得ています。個人情報に関する書類は、施錠できる場所に保管、管理しています。

・遊びや行事の役割、持ち物などは性別による区別をしていません。保護者の役割も家庭によってさまざまであることを認識し、父親、母親の役割を固定的に捉えた話し方をしないようにしています。固定観念で保育をしていないかどうかについて、クラスミーティングや職員会議などで確認しています。

・虐待防止マニュアルがあり、虐待が疑わしい場合や見守りが必要な場合は、関係機関に伝えて連携を取り、家庭支援が必要な場合は、子どもや保護者の様子を観察し、声をかけたり見守るなど家庭の状況によって対応しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・おもちゃや絵本、教材は子どもが自分で取り出し、片付けがしやすいように、棚は子どもの目線に合わせ、おもちゃの写真を貼って子どもに分かるようにしています。おもちゃや絵本は年齢や発達に応じて、また季節ごとに入れ替えています。

・0歳児、1歳児の保育室は、動きのある遊びをする場と子どもが興味のあるおもちゃを見つけて落ち着いて遊べる場に分けています。2、3歳児の保育室は低い棚で区切り、子どもたちは自由におもちゃや絵本、教材を取り出して、マットの敷かれたコーナーや卓上で手作りのパーティーションで仕切って落ち着いて遊べる環境を整えています。4、5歳児の保育室の一角には大型固定遊具を備え階段や斜面、ネット、上り棒、ボルダリング、隠れ家などで十分に身体を動かして遊ぶことができます。図書棚の前は自由に絵本を読むコーナー、友達と一緒に組み立て遊びやゲームをするコーナー、卓上での製作活動など、子どもの発達にふさわしい環境構成に配慮しています。

・一斉活動を取り入れ、友達と一緒に遊ぶ楽しさを知らせるとともに、ぶつかり合いの中で相手の気持ちを考え、自分の思いを伝えることができるように、職員は子どもの思いに寄り添いながら代弁して、お互いの気持ちを理解し合えるように援助しています。また、生活の中で「順番・交代」などのルールがあることを丁寧に伝えています。3〜5歳児の子どもたちを縦割りにして、散歩や食事を一緒に行い、異年齢の交わりを深めるようにしています。

・農園の畑をかりて6月にサツマイモの苗植えを、9月に草刈りをして10月に芋ほりをしています。収穫したサツマイモは、園庭で焼き芋パーティー、クッキングでスィートポテトを作り、芋づるでクリスマスリースを作っています。また、カイコやアゲハ蝶を飼育したり、保護者からもらったオタマジャクシがカエルになるまでを飼育したり、地域の方からメダカをもらって世話をしています。子どもたちは生き物の図鑑で飼育の仕方や餌を調べ、町探検をしてミカンの葉や桑の葉を探し、世話をしました。

・天気の良い日は、園庭や公園に積極的に出かけています。5〜6か所の公園では子どもの発達や興味、年齢に合わせて運動遊びや集団遊びを取り入れています。

・保育士は子どもの食べるペースや好き嫌いを把握し、少食の子どもにはあらかじめ少なめに盛り付け、完食の喜びを感じとることを大切にしています。調理員は味付けや切り方を工夫しています。

・ 午睡の際はカーテンを閉め、0歳児、1歳児ではオルゴールの音楽をかけ、静かに安心して眠れるような環境づくりをしています。2〜4歳児の午睡は4、5才児クラスでしています。子どもたちは午睡の準備ができるまで、階段の踊り場で絵本を読んでもらい、心地よく入眠できるようにしています。

・0、1歳児はオムツ交換時に、それぞれの子どもの排泄のリズムを把握しています。2歳児は活動の節目に声かけをしてトイレに誘っています。3歳児以上は職員が給食の前などに声かけをしていますが、自発的にトイレへ行っています。トイレットトレーニングは一人一人の発達状況を重視して、家庭と連携をとりながらすすめています。

・長時間保育時は、家庭的雰囲気の中で子どもがゆったりとくつろいで過ごすことができるように配慮しています。夕食を提供(希望者に)しています。迎えが急に遅くなった際は、保護者の同意を得ておやつを提供しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・全体的な計画に保育理念・方針を明記し、その内容は子どもの最善の利益を第一義としたものになっており、保護者との連携・コミュニケーション・保育の共有方法、地域への子育て支援方法について基本的な具体項目を挙げています。指導計画の見直し、作成は主任やクラス担任を中心に年度末に行い、保護者には懇談会で説明し、園内に掲示しています。

・入園前の面接時に子どもや親子の関わりについて観察し、家庭での過ごし方を確認しています。入園後に、児童健康台帳(けいれん、既往症、アレルギーの確認)、発達曲線、歯科検診票、児童票、離乳食食材チェック表を項目別ファイルに綴じ、職員で内容を共有して日々の保育に生かしています。

・全体的な計画を基に、年齢ごとの年間指導計画、月案(3歳未満児と要配慮児は個別指導計画)、週案を作成しています。日々の保護者との連絡ノートや会話、アンケートなどで意向の把握に努め、指導計画に反映しています。子どもたちの活動の様子を写真にとって掲示し、子どもの育ちを共有し合うものとしています。個人面談は年2回期間を設け、それ以外にも保護者からの希望に応じて随時応じています。クラス全体の様子を伝える保護者懇談会を年2回、保育参加を年1回行っています。

・全園児について毎月「成長記録」に発達成長の諸項目に関して記録しています。進級時には、新旧の担任が児童票を基に引き継ぎを行っています。年長児が入学する小学校に「保育所児童保育要録」を送付し、必要に応じて子どもの状況を伝えています。

・健康管理に関するマニュアルに基づき、朝の受け入れ時にマニュアルに沿って「生活チェック表」を見ながら健康観察を行い、子ども一人一人の健康状態を把握しています。

・安全管理、事故防止、災害対策に関するマニュアルがあり、睡眠中(乳幼児突然死症候群予防マニュアル)、プール遊びを行う際の注意事項、散歩など園外保育を実施する場合の留意点、園内アレルギーマニュアルなど、子どもの遊びや生活の様々な場面で起こる可能性のある事故について安全策を講じ、対応できるように職員の意識化を図っています。避難訓練や通報訓練、通報体制をとる訓練を行っています。毎日、近くの交番の巡回があります。

・苦情受付担当者(主任)と苦情解決責任者(園長)、第三者委員2名の氏名、連絡先を重要事項説明書に記載し、玄関ホールに掲示しています。玄関に意見箱を置き保護者の要望や苦情の把握に努めています。公的機関の苦情申出先として、かながわ福祉サービス運営適正化委員会のポスターを玄関に掲示しています。

4 地域との交流・連携

・園のホームページ、見学者用のパンフレット、地域子育て拠点の冊子、子育て情報サイトなどを通じて、園の情報を提供しています。サービス内容の詳細、料金、職員体制など、必要な情報はホームページで提供しています。

・毎月、育児相談を、また今年度から新たに栄養相談を毎月第1火曜日に設けています。園見学時にアレルギー対応食や離乳食に関する相談に栄養士が対応しています。

・地域とのつながりや地域への貢献について職員は意識を持っており、西区の認可保育園の園長会や子育て施設連絡会が主催する出前合同育児講座に参加し、地域の子育て支援ニーズに関する情報交換をしています。

・自治会に加入しており、地域との交流を兼ねて園の情報提供に努めています。
警察、消防、医療機関、西区こども家庭支援課、福祉保健センター、横浜市中央児童相談所、横浜市中部地域療育センターの連絡先一覧を作成し事務所に掲示してあります。関係機関との連絡担当者は園長。主任です。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・職員が順守すべき法律や行動規範は「就業規則」に明文化して、全体的な計画の「人権尊重」の欄に、「職員は保育の営みが子どもの人権を守るために法的・制度的に裏付けられていることを認識し、理解する」と掲げています。新人職員には、新人研修で説明し、中途採用職員には、園長が説明しています。他園の不適切事例を職員会議やミーティングで話し合い、職員間で注意喚起しています。

・就業規則に職務に関するルール、組織を明示し、いつでも確認できるように事務所に置いています。園の事務、経理、取引などについて設置法人理事長が内部監査を行い、設置法人契約の税理士が外部監査を行っています。

・牛乳パックや段ボールなどの廃材を子どもたちの製作に利用し、裏紙をコピーやメモ用紙として利用しています。照明器具のこまめな消灯で、節電を推進しています。

・重要な事項を決定する場合は、園長が保護者と意見交換し、運動会の開催場所、保育料金の納入方式などについて保護者懇談会で丁寧に説明し、運営委員会経由で保護者アンケートを取り決定しています。

・設置法人では、業務全般にかかる環境の変化や情報を収集・分析して今後の事業展開に備え、園長は行政、メディア、設置法人本部などから情報を収集し分析しています。

6 職員の資質向上の促進

・全職員は年度末に1年間を振り返り、次年度の達成目標を個人別に作成して園長と面談し、目標達成に向けて外部研修、内部研修に取り組んでいます。

・年度末に職員の自己評価、園の自己評価を行い、評価結果を保護者アンケート結果とともに園内に掲示しています。

・理念や方針に沿った保育を行うために、人材育成方針として「NPOキッズポケット人材育成計画」があり、新規卒業者、新卒及び中途採用者、経験年数3〜7年者に対して理解し身につけるべき概念が示されており、配置や昇進・昇格に関する基準にしています。職員の専門性や職務遂行能力をもとに職務を任命し、職務によって昇給する仕組みとして「キャリアパスフレーム」があります。職員評価結果は、年度末の職員面談のときに園長が職員に伝えています。

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