かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

フレール保育園

対象事業所名 フレール保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 春明会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 221 - 0853
神奈川区三ツ沢東町2-50
tel:045-322-0377
設立年月日 2017(平成29)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 フレール保育園は横浜市営地下鉄ブルーライン「三ツ沢下町」駅から徒歩6分程のところにある、社会福祉法人春明会が運営する定員49名の園です。0歳児から5歳児まで温かい家庭的な雰囲気の中で生き生きと元気に成長しています。フレールとはフランス語で「兄弟」という意味です。「子どもたちみんなが、兄弟のように助け合い、互いに成長してほしい」という願いが込められています。周囲は戸建住宅が並び、公園も多い閑静な住宅街で、徒歩15分圏内に公園が5つ、20分圏内に4つあります。育児講座や交流保育など地域の子育て支援にも力を入れています。 当園は平成29年4月開所で、産休明け保育、延長保育、障がい児保育、一時保育などを実施しています。開所時間は平日7時〜20時、土曜日7時〜18時、休園日は国民の休日および祝日、年末年始となっています。「よく食べ、よく寝て、よく遊ぶ・・・」と理念にあるように、食育を大切にし、提供する食事にも大変力を入れています。調味料は無添加のもの、米や野菜などの食材は国産のものを可能な限り使用しています。

《特に優れている点・力を入れている点》
○子ども一人一人の思いを大切にする、きめ細かな保育を実践しています
 園では小規模保育園の良さを生かし、全職員が子ども一人一人の成長、発達、個性を把握して、個々の状況に応じた細やかで、ていねいな保育を実践しています。子どもの気持ちを汲み取り、尊重することをとても大切に考えています。子どもに寄り添い、笑顔で穏やかに子どもとかかわる温かみのある保育が提供されています。 子どもたちは散歩、自由遊びの時間のほか土曜保育など、異年齢で一緒に活動する機会も多く、異年齢の子どもたちの交流は日常的です。そのため、保育士も子どもたちの個性や状況を把握し、年齢で分けることなく、子ども一人一人とていねいにかかわっています。園の名前が表しているように「フレール(兄弟)」をモットーに、年上の子どもと年下の子どもが園の中では自然にきょうだいのようなかかわりができ、良い刺激を与え合っています。

○遊びを重視して戸外活動に力を入れ、自然に触れ、人とかかわり、心を育てる保育につなげています
 天気の良い日は戸外活動を行い、園庭や屋上、散歩などで体を動かしています。四季折々の自然に触れて感性を磨き、地域の方と挨拶を交わして社会性を身につけています。異年齢の子どもが手をつないで公園まで歩きます。公園では小さい子どもが大きい子どもに憧れてまねをし、大きい子どもには思いやりの気持ちがはぐくまれています。せせらぎ緑道で釣ったざりがにや、かぶとむしやちょうの幼虫、めだかを園で飼育して、子どもたちが世話をしています。水槽を掃除したり、えさをあげたりするなかで、命がつながっていくことを子どもたちに伝えています。屋上では、たこ揚げや竹馬で遊び、また、自由にチョークで絵を描くことができます。みんなで屋上でおやつを食べることもあります。毎日のさまざまな体験を通して、優しく強い心を育てる保育が実践されています。

○人材育成、目標管理、人事評価など、総合的な人材マネジメントを展開しています
 職員は“園の宝である“との考えのもと「人材育成計画」を作成し、推進しています。さらに、新任、2年目以降、リーダー、主任の階層別に、組織の中での姿勢など、6分野別の到達目標を定めたキャリアパス(求められる職員像)を設定しています。また、キャリアパスに応じた職員の職業能力の開発、自己研鑽を支援するため、年度別の研修計画を作成して、職員の希望も踏まえて外部の集合研修に派遣しています。さらに「自己評価表」による目標管理を行うとともに、階層別の5段階評価による人事考課制度を運用し、努力した職員を公正、公平に評価するなど、職員のやる気向上につなげています。人材育成、目標管理、人事評価など、総合的な人材マネジメントを展開し、この成果として職員の定着率も高い結果として表れています。

《事業者が課題としている点》
 園の前の道路は交通量が多くスピードを出している車も多いので、子どもの安全確保のために日々模索しています。安全に散歩に行くため子どもたちに交通マナーを伝え、保育士が旗を持って交通整備を行うなど引き続き取り組んでいきます。園では地域向け子育て支援として交流保育や育児講座、園庭開放を開催し、ホームページやポスターで告知を行い参加者へのアンケートを実施しています。参加人数にばらつきがあるため、安定した参加者確保のため、さらに取り組んでいきたい意向です。また園で力を入れている食育の取り組みについて、保護者への発信方法を工夫し、子どもの成長発達に不可欠な食の大切さの相互理解をより図っていきたい考えです。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  園では、保育理念として「よく食べ、よく寝て、よく遊ぶ、フレールっ子、より愛し、より信じ、より高く、フレールっ人、そしてBIG SMILE」を掲げています。また、保育方針として「温かい家庭的な雰囲気の中で、一人一人を大切にし、愛情を持って保育します」など、全3項目を掲げています。職員は一人一人が理念、方針、目標を理解して保育にあたっています。入職時には、園長から理念や保育方針などについて説明があり、理解促進を図っています。また保護者に配付している重要事項説明書に記載しています。玄関、保育室などに理念を掲示し、園のホームページでも保育方針を紹介しています。保育は、保育理念、保育の目標、方針に沿って実践されています。
 保育士は、子どもの気持ちを受け止め、共感し理解する保育を心がけています。保育士は常に落ち着いた優しい声のトーンで子どもに話しかけていました。保育の基本方針にあるように、日ごろから子ども一人一人を大切に、愛情を持って保育することを心がけています。子どものことはニックネームで呼ばないこと、呼び捨てにしないことや、言葉づかいなどに関して定期的に職員会議などで学んでいます。おもらしをした場合には、ほかの子どもから見えないよう配慮しながら対応し、子ども同士のトラブルには、子ども一人一人の話にゆっくり耳を傾け、子どもたちが自分自身で解決できるように対応しています。子どもの人権に配慮し、自尊心を傷つけるような保育を行ってはならないことは日々の話し合いの中で全職員が認識しています。
 子どもが一人になりたい時には、部屋の隅や棚の横などのスペースのほか、パーテーションや保育マット、玩具棚などで仕切り、落ち着ける空間を作るなどの工夫をしています。廊下や他クラス、事務室などにもゆっくりできるスペースがあり、状況に合わせて臨機応変に使用しています。職員は必要に応じて声かけをして様子を見守っています。子ども同士のトラブルが起きた場合や、子どもと保育士が1対1で話し合う必要が生じた時には、子どもの自尊心やプライバシーに配慮して、事務室、一階ホールなどで話し合うなどしています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  全体的な計画は、園が大切にする保育の理念、方針、目標を踏まえて子どもの発達や年齢に応じてもっとも良い育ちを保証できるように考えて作成され、子どもの最善の利益を第一にした内容となっています。全体的な計画については全職員で保育や行事の振り返りをしながら確認し合います。また、地域性、周囲の環境も考慮して作成されています。周囲は戸建て住宅が多く落ち着いた環境です。園庭が狭いため散歩や、外遊びを積極的に取り入れ、園庭開放や交流保育で地域の方々との交流をしています。全体的な計画は、保護者には入園説明会や保護者会でていねいに説明しています。年度途中で改定があれば、そのつど説明しています。
 全体的な計画に沿って、年齢ごとの子どもの成長、発達を考慮しながら保育会議で話し合い、指導計画を作成しています。保育士は理解できる子どもには説明し、言葉にできない子どもには日ごろの様子や表情から気持ちを汲み取れるようにしています。指導計画は子どもの要望に応じて変更できるよう柔軟性をもたせています。保育士は、子どもがどのようなことに興味があるかを探り指導計画に盛り込むなど、子どもに合わせて柔軟に対応しています。子どもたちの自発的な声を大切にして、屋上で栽培する夏野菜を何にするのか5歳児が話し合い、苗の購入から栽培まで子どもが主体となって行っています。できる範囲で子どもの意見を取り入れるようにしており、子どもの自主性をはぐくむ保育を行っています。
 入園に際し、園長、主任が全ての保護者と面接をしています。4月入園の場合には3月の入園説明会で面接し、子どもの様子も確認しています。入園説明会に参加できない保護者や中途入園の場合には、個別に対応しています。面接内容は入所時面接票に記録し、子どもの様子と合わせて職員会議で共有しています。入園前の子どもの様子については、保護者に児童票、生活調査票に記載してもらい把握しています。児童票にはこれまでの生育歴、子どもを育てるうえで気をつけてきたこと、大切にしてきたこと、園への希望を記載する欄があります。児童票の内容は面接で保護者に確認し、把握した内容は、日々の保育に生かしています。
3 サービスマネジメントシステムの確立

 入園直後の短縮保育(慣れ保育)については、子どもにとって大切なことであることを入園説明会の中で保護者に説明しています。仕事などの都合で短縮保育の実施が難しい保護者に対しては、相談に応じています。タオルやおしゃぶりなど、子どもの心のよりどころとなるものの持ち込みにも対応しています。0、1歳児については、クラス担任の中で個別の担当を決めています。保護者とは連絡帳を通して子どもの様子を毎日詳しく報告し合い、子どもの生活が家庭と園で無理なく引き継がれるようにしています。進級時にはクラス担任のうち一人が持ち上がり、担任保育士が変わっても、子どもたちが落ち着いて生活し、安定して遊べるように配慮しています。
 子どもの年齢ごとに年間、月間の保育指導計画と週案を作成しています。月間指導計画は自己評価欄を活用して、指導計画の評価、見直しを行っています。計画の評価改訂に際しては、保育会議で職員同士話し合い、再評価や見直しをして、子どもの発達や状況を正確に捉えるようにしています。また、保護者との情報共有を大切にして、送迎時に園の中での様子を話すなど、日ごろから保護者とコミュニケーションをとるように心がけています。保育に対する保護者の要望や意見が出された時には、保育会議で検討しています。行事後の保護者アンケートや日ごろの保護者との会話なども参考に、指導計画を作成しています。
 毎年3月初旬には就学に向けて5歳児の保育所児童保育要録を小学校に送付しています。子どもや家庭の個別の状況や要望は、入園時に保護者に記入していただく定型書式の児童票、児童健康台帳にて管理し、その後の変化は保育参加時の個人面談でうかがい経過記録に記載しています。児童票は毎年、年度初めに内容の確認をお願いし、把握しています。子どもの成長発達の記録は、経過記録と成長曲線を健康カードに記載し、ファイルにまとめて事務室に置き、職員が共有し確認できるようにしています。進級時には時間を取って、前担任から引き継ぎを行っています。転園の際も、必要な情報を保護者の要望があれば転園先に伝達しています。


4 地域との交流・連携  園内に「子育て支援係」を設置し、担当職員が中心となって地域向けの育児講座、交流保育、園庭開放など、未就園の親子が気軽に参加できる取り組みを行っています。参加した親子との交流やアンケートの実施を通じて、保育園に対する要望や、子育て支援の取り組みに対するニーズを把握しています。把握した要望などは、園の運営に反映するほか、子育て支援の企画の参考にしています。さらに横浜市社会福祉協議会の保育研究会に参加し、地域子育て家庭の支援の充実に向けた検討を行っています。研究会では、関係者と支援策の方向性を共有するとともに、事例の交流を通じて、企画の参考にしています。
 子育て支援係が中心になって、子育て支援事業や施設見学などの機会で得た要望、アンケート結果を整理し、月1回開催される職員会議に報告し、共有を図っています。さらに横浜市の「子ども・子育て支援事業計画」のニーズ調査など、市の全体のニーズ動向などを会議で共有し、園が取り組むべき課題の抽出に役立てています。子育て家庭の多様なニーズの動向を踏まえ、園では一時保育、交流保育、園庭開放、育児講座など、課題解決に向けた取り組みを行っています。なお、参加者の募集にあたっては、園外掲示やホームページでの広報などのほか、地域の回覧版に名刺広告を掲載するなどの取り組みを行っています。
 ホームページ、園外掲示板、神奈川区子育て支援拠点「かなーちぇ」を通じての情報提供などのほか、施設見学者や赤ちゃんの駅利用者への資料配付などを通じて、地域の子育て家庭が必要とする情報提供に努めています。なお、赤ちゃんの駅とは、保育園で授乳、おむつ替えの場所を提供するものです。また、育児相談は随時受け付け、子育てに対する地域の保護者の不安や悩みの解決に向けて支援に努めています。今後は育児相談の相談日、時間の設定などの広報にも取り組まれることを期待します。園外掲示板に行事のお知らせを掲示するほか、町内会の回覧版に名刺広告を掲載し、地域の保護者が関心をもってもらうよう取り組んでいます。
5 運営上の透明性の確保と継続性

 園のパンフレットは二種類あります。カラー刷りのリーフレットは園の概要を写真、イラストで紹介しています。主に見学に来られた方に配付します。入園案内は重要事項説明書を兼ね、保育内容、利用料、職員体制など、入園に必要な情報が掲載されています。主に入園説明会などで配付します。園便りは保育実践などを保護者と共有するために発行し、地域の関係者にも配付しています。さらにホームページでは同様の情報に加え、写真を使って年間行事を紹介するコーナーや、行事や子育て支援事業などを写真とコメントで紹介し、随時更新しています。このほか自治体ホームページや保育園情報提供サイトの協力を得て、園の情報を広く紹介してもらっています。
 入園希望の保護者からの問い合わせに適切に対応できるよう、事務所の電話の近くにパンフレット(重要事項説明書)などを用意しています。問い合わせの対応は、主に園長、主任が担い、不在時には折り返しの電話で対応しています。口頭では伝えられない保育内容や、子どもたちの姿を見てもらうため、見学を勧めています。見学は、子どもの活動を見ることができる午前中を勧めていますが、希望者の都合に合わせています。さらに見学が難しい方には、ホームページの閲覧を勧めています。
 日誌の作成を通じて、自己評価の結果を職員同士で話し合い、日々の保育実践の振り返りを行っています。これを積み上げ、週案、月間指導計画に反映するなど、課題を計画に反映して、保育会議で確認、共有に努めています。保育計画などの自己評価、保育士としての自己評価の結果を踏まえ、園として取り組むべき課題を抽出し、この解決に向けて次期の事業計画、保育計画の作成に取り組んでいます。保育所の自己評価では、年間指導計画の振り返り、個人の自己評価を積み上げ、課題を明確にして、全体の自己評価にまとめています。さらに保育所の自己評価は、年度末に公表し、保護者と共有するよう取り組んでいます。


6 職員の資質向上の促進  園長は将来にわたる園の人材構成を確認し、保育士養成校、公私の職業紹介事業者を通じて、人材確保に努めています。園では、近い将来、遠い未来を見定め、今よりさらに飛躍するため、「人材育成計画」を作成し、推進しています。さらに新任、2年目(以降)、リーダー、主任など階層別に、組織の中での姿勢など6分野別に到達目標を定めたキャリアパス(求められる職員像)を設定しています。キャリアパスに応じた職員の職業能力の開発、自己研鑽を支援するため、年度別の研修計画を作成して、実施しています。また、「自己評価表」では、4月に目標設定、9月に中間評価、3月に最終評価を行うなど、年間を通じて自己・他者評価による目標管理を行っています。
 年度末の自己評価面接で希望のテーマを確認し、これを参考にしながらキャリアパスに応じて、職員の年間研修計画を作成しています。外部の集合研修派遣は年間で延べ48回、内部研修は年5回開催しています。法人研修では、系列3園のクラス(年齢)別職員を対象に分科会を設け、交流を通じて学んでいます。園内研修では、リズム遊びや嘔吐処理などについて非常勤職員も参加するほか、年間を通じた実践研究方式で「連絡帳」の活用について学び、保育実践に対する保護者との共有など、テーマを深めています。さらに机上研修に限らず、公開保育など、さまざまな形態で資質の向上に努めています。外部研修参加者は報告書作成を通じて振り返り、会議、園内研修の場での発表を通じて、研修成果の共有に努めています。
 職員全体の業務の標準化を図る必要があるので、非常勤職員もマニュアルを参照して、保育にあたっています。非常勤職員の指導は主任が担当し、コミュニケーションをとりながら必要な支援に努めています。配置にあたっては、正規職員のスキルや、非常勤職員の勤務時間、家庭の状況、経験年数などを踏まえながら、最適な組み合わせとなるよう努めています。午睡時間に研修の機会を設けるなど、非常勤職員の勤務時間に配慮して、資質の向上に取り組んでいます。

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