かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

ぶれすと尻手ほいくえん

対象事業所名 ぶれすと尻手ほいくえん
経営主体(法人等) 株式会社ブレストインターナショナル
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 230 - 0003
鶴見区尻手1丁目4-51
tel:045-834-7121
設立年月日 2017(平成29)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および施設の概要
 株式会社ブレストインターナショナルが運営する、ぶれすと尻手ほいくえんは、JR南武線尻手駅から徒歩7分の、国道1号線(第二京浜道路)と南武線の支線の線路に挟まれた、静かな住宅街にあります。鉄骨3階建てビルの2階・3階が園舎で、1階には鶴見区地域子育て支援拠点「わっくん広場サテライト」があり、屋上が園庭になっています。
 2017年4月開園の、3年目の保育園で、0歳児から5歳児まで、定員60名のところ現在67名が在籍しています。
・園の特徴
 保育理念に「違いを認めて学び合う」、保育方針に「まなびがあそび、あそびがまなび」「思いやりの心を育てる」を掲げています。ブレストグループの学習塾部門の資源を子どもの指導に取り入れ、外国人の多い鶴見区で英語が学べる保育園として、外国人スタッフが日常的に子どもと遊ぶなど、グローバルな心を育てる保育を実践しています。
 また、保育アプリを導入し、指導計画の作成から保育日誌、児童票、会議録、保護者連絡ほか、徹底してペーパーレスに管理し、職員間や保護者との情報共有と作業効率化に取組んでいます。

【特に優れていると思われる点】
1. 子どもたちの思いを尊重した遊びの展開
 5歳児クラスで、子どもたちからお気に入りの絵本の物語の「劇をやりたい」という声があがり、自分たちで話し合ってキャスト、衣装係、舞台係の役割を決めるなど、子どもの思いを尊重した遊びが展開されています。また、夏まつりに向けても1つのことを達成しようと楽しみ、励まし合いながら力を合わせて活動に取り組む姿がありました。みんなで話し合って「綿菓子とバッグ屋さん」の店を出したいという気持ちが1つになり、店の看板、一つずつ袋に入れた綿菓子、子どもたちが思い思いに絵を描いたバッグなどを手作りしてきました。職員の「お金はどうするの?」の言葉かけで子どもたちはレジも用意して、お祭りの参加者と夏祭りを楽しみました。

2. 食事を豊かに楽しむための食育年間スケジュールの作成と実施による工夫
 栄養士が0歳児〜5歳児までの食育年間スケジュールを作成し、年齢に応じた調理・栽培体験をしています。調理に際してはその都度食育計画書が作成されており、目的、必要なものが整理され、配置図・作業内容、配慮事項などが事前にきめ細かく検討されており、最後に評価・反省まで実施し、子どもたちが食事を豊かに楽しむ工夫がなされています。
3. 第三者委員に運営委員会の定例メンバーに委嘱し園運営の円滑化を推進
 地域の民生委員と児童委員に第三者委員を委嘱し、さらに運営委員会の定例メンバーとして参加してもらっています。運営委員会には各クラスから保護者代表も参加するので、保育園の状況を説明して理解してもらうとともに、保護者とも顔を合わすことができ園運営の円滑化が図られています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.長期的展望に立った人材育成計画の作成
 保育園の人材をどのような仕事を経験させ育成するのか、またどのような資質を持った人材に育成していくのかの考え方の設定が望まれます。これらは職員にとってもキャリアアップのためには必要な目標であり、速やかに作成し開示することが望まれます。また、現在、研修受講後の報告はアプリの閲覧によって共有していますが、研修効果を検証し、人材育成計画に沿った研修計画の作成が期待されます。

2.保護者の保育参観・保育参加の機会の提供
 保育園としては、保育参観は希望があれば受け入れる体制にしていますが、まだ受け入れの実績はありません。しかし、保護者のアンケートによれば保育参観、保育参加の希望がありますので、年間の行事予定表に含めて、保護者が参加しやすいようにして実施することが期待されます。なお、その際には保育園で提供している食事の試食ができるようにすると、さらに園での子どもの生活への理解が深まると思われます。

3.中長期計画の作成と着実な推進
 持続可能な保育所運営を可能とするためには、先を見据えた課題設定や外部変化に対応できる環境を備えることが大切です。現在作成されている中長期計画は一部不十分なところがあり現在見直し中ですが、具体的な計画の策定が望まれます。また、年度単位の事業計画を策定し着実な推進が期待さ

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・「違いを認めてまなび合う」という保育理念のもと、「まなびがあそび、あそびがまなび」「思いやりの心を育てる」の保育方針を設定し、子ども本人を尊重したものとなっています。

・子どもの呼び名は保護者に確認し、その名前で呼んでいます。全職員は、「子どもの個々の発達過程を理解し、違いを認めてまなび合う」という保育理念に基づいて、子どもの人格を尊重する保育を大切に考えています。

・子どもが、友達や保育士の視線を意識しないで過ごせたり、子どもに威圧感を与えず話し合える場所として、空いている保育室やカウンセリングルーム、廊下などを使って1対1で話が聞けるようにしています。

・守秘義務の意義や目的については、新人研修で法人本部と園長が説明をしています。保護者には、入園説明会の個別面談時に個人情報についての説明をし、同意書に署名捺印をしてもらっています。

・「児童虐待防止マニュアル」により定義や早期発見方法、連絡先などを全職員に周知しています。虐待が明白な場合には、園長は「児童虐待防止マニュアル」に基づき、鶴見区こども家庭支援課並びに横浜市東部児童相談所に迅速に通報し、相談することになっています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・全体的な計画は保育の基本方針や家庭の状況などを考慮し、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を念頭に置いて作成されており、それに基づき、年齢ごとに年間指導計画・月間指導計画・週案が作成されています。

・0歳児保育においては、子どもの表情やしぐさを代弁し、子どもの思いをくみ取り、1対1での関わりの時間を持ち、職員も子どもの表情やしぐさに応答的に関わっています。興味が持てるような手づくり玩具や絵本を子どもがいつでも手が届く位置に置いています。

・1歳以上3歳未満時の保育においては、食事や着替えや遊びなどで子どもがやりたいと思っている気持ちを大切にし、できた時の喜びを一緒に共有して次への自信につなげられるように対応しています。天気の良い日は戸外への散歩を実施し、また天候の悪い時には室内でマット運動や鉄棒、ダンスなどをして、全身運動ができるようにしています。

・3歳以上児の保育においては、3歳児では、簡単なルールのある集団遊びから始めて、一人一人の子どもの気づきや感動に共感し、興味や関心を深められるようにしています。4、5歳児では、ルールを守ることでみんなが一緒に楽しめる遊びへと繋げるようにし、子どもたちが自主的に行動したり、相手の気持ちを考えたり、話し合ったりできるような機会を設けています。

・各保育室には空気清浄機が設置されており、また定期的に窓を開け空気の入れ替えをしています。0歳児室には沐浴施設があり、1歳児室と2歳〜5歳児が利用できる温水シャワー室があります。プール以外でも、散歩から汗をかいて帰園した際や園庭で遊んで汗をかいた後には、温水シャワーを浴び、体を清潔にしています。

・保育室の棚は絵本、ぬいぐるみ、ままごと道具などの種類ごとに分け、子どもが自分で取り出して遊べるように低くしたり、おもちゃを片付けやすいように、1、2歳児クラスは棚の手前におもちゃの写真を貼っています。保育室は必要に応じて、マットや牛乳パックで作ったパーテーション、机などを用いてコーナーを作り、子どもが落ち着いて遊べるようにしています。

・給食会議を毎月1回、栄養士、各クラス担任、園長、主任のメンバーで開催し、子どもの好き嫌いを発表し合って把握するようにしています。調理担当者は、嫌いなものは盛り付けや調理方法、材料の切り方などを工夫しています。

・年度初めにクラス懇談会を開催したり、園だより、給食だより、保健だより、日々の連絡帳などで、保護者が保育方針を理解できるよう努めています。

・保護者の個別面談は年2回実施し、担任が保育室で話をしています。保護者が子育てのことで悩みを抱えている場合などは担任がその都度、面談をしています。また、職員は子どもの送迎時に今日の子どもの様子や健康状態などを口頭で伝えて、保護者と日常的な情報交換をしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・入園前に保護者と子どもと担任職員・栄養士・園長で面接をし、家庭調査表・生育記録・健康診断結果・アレルギー情報・緊急連絡票などを提出してもらい、面接記録とともに個人別にファイルしています。 

・新入園児には短縮保育(ならし保育)を勧めており、保護者に無理のないように調整しています。また、0、1歳の新入園児に対しては、授乳やおむつ替えなどの主担当を決めています。

・配慮を要する子どもを受け入れており、定期的に行われている職員会議でケース会議を行い、議事録を保育アプリに残して全職員で閲覧し共有しています。ケース会議での話し合い、東部療育センターの担当者の訪問時のアドバイスなどを参考にして個別指導計画を作成しています。

・苦情解決体制については、苦情受付担当者、苦情解決責任者、地域の民生委員と児童委員による第三者委員の氏名・連絡先を「重要事項説明書」に明記して、保護者が直接苦情を申し立てることができるようにしています。年2回の運営委員会には第三者委員もメンバーになっており、第三者委員との話し合いができる場があります。

・健康管理マニュアルがあり、健康診断、健康管理、病気の時の対応など一人一人の健康状態を把握しています。感染症への対応に関するマニュアルがあり、登園停止基準や保育中に感染症等の疑いが生じた場合の対応について明記した書類を保育アプリに掲載して、保護者に知らせています。

・衛生管理マニュアルがあり、それに基づいて、職員トイレや3階トイレなどの共用スペースは掃除チェック表を用い、保育室や手洗い場などはクラス掃除チェック表を用いて毎日、清掃等を行っています。

・安全管理マニュアルがあり、事故や災害に備えた安全対策を実施しています。保育マニュアルの中にプール活動、睡眠中、食事中に分けて掲載して事故防止に取り組んでいます。

4 地域との交流・連携

・週1回、園見学説明会を、月1回、屋上園庭開放を実施して参加者からアンケートを取ったり、地域ケアプラザ(ゆうづる)からの情報や、毎年実施する地域保育フェアーで保護者から直接相談を受け、地域の子育て支援ニーズを把握しています。

・鶴見区こども家庭支援課主催の園長会での打ち合わせや、専門講師を呼んでの研究会、年2回の区役所保健師・療育センター・保育園による検討会などを開催しています。また、地域保育フェアや屋上園庭開放日に、トイレットトレーニングや離乳食の献立など、保育に関する内容を中心に講習を行っています。

・保育園の行事の夏まつりには、近くのマンションにチラシを配り、地域の小学生が10人位参加しています。また、園長は、市場小学校主催の地域交流会議に年1回参加しています。園長や職員が鶴見区子育て支援ネットワーク会議のメンバーになっており、年間活動予定を一緒に考えています。

・ボランティア受け入れのためのマニュアルがあり、今年の夏休みに大学の保育科の学生を4日間ボランティアとして受け入れ、記録は保育アプリの「園日誌」に残しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・保育所保育指針に基づき全体的な計画を作成しており、子どもの最善の利益を第一義にしています。職員は、入社前の研修で保育理念や保育方針を理解したうえで、指導計画を作成し保育活動を行っており、全職員が理念や保育方針を理解しています。

・保育所として守るべき法・規範・倫理などが明文化され、「指南書」に明記され、職員は自由に閲覧できるようになっています。不適切な事案が発生した場合は職員会議で報告し、グループの園長会議で審議し、会社としての対策を講じるようになっています。

・職員は、年2回自己評価を実施しています。園長は、全員の自己評価結果をとりまとめ、課題を抽出して保育園としての自己評価としており、保育理念や保育方針、全体的な計画にそって実施しています。  

・保育理念・保育方針は明文化されており、「指南書」「保育園案内」「重要事項説明書」に明記されています。また、事務室にも掲示されており、職員が常に意識できるようになっています。

・園長は、鶴見区の園長会議に参加し外部環境の変化情報を収集・分析しています。重要な情報や改善課題については、月1回開催される本部とのグループの園長会議の議題として審議しています。

・中長期事業の方向性を定めた計画は策定していますが、中長期的な計画を踏まえた単年度の事業計画は策定されていません。具体的な計画の策定が望まれます。

6 職員の資質向上の促進

・園長は保育園の運営に十分な人材構成であるかをチェックし、本部の人事担当者が必要な人材を採用しています。昇進や昇格を目指しキャリアアップする長期的な職務展望や資質向上のための研修計画、長期を展望した人材育成計画が作成されていません。職員のキャリアアップのために、これらの計画の策定が望まれます。

・年初に年度目標を定め、自己評価表を前期・後期でチェックし、年度末に達成度を評価する仕組みを持っています。毎月の職員会議やクラスミーテイングで保育の質の向上を目指した会議が開かれており、反省点や改善点の話し合いを行い、振り返りは次期計画へ反映しています。

・園長は職員の研修ニーズを把握し、職員から研修受講希望を募り偏りがないように研修を計画しています

・非常勤職員の指導担当は乳児・幼児のリーダーで、定期的に(3か月に1回)面談し、働きやすい環境にしています。

・「配置や昇進・昇格等に関する人事基準」があり、本部の人事担当者が給与や昇進関係を設定し職員に周知しています。また、職員の専門性や職務遂行能力、職務に関する成果や貢献度などについては、職務の専門性の発揮やクラス運営、出勤率などで評価し、本部の人事担当者と園長の打ち合わせで意見を出し合い決定しています。

・本人の経験・能力や習熟度に応じて、主任、乳児・幼児リーダーという職務役割を与え、やりがいや満足度を高めています。

・実習生受け入れのためのマニュアルがありますが、実習生は受け入れていません。
将来の人材育成の面からも、実習生の受け入れに積極的に取り組むことが望まれます。

詳細評価(PDF882KB)へリンク