かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

小学館アカデミーたまプラーザ保育園(5回目受審)

対象事業所名 小学館アカデミーたまプラーザ保育園(5回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社小学館集英社プロダクション
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 225 - 0002
青葉区美しが丘2-18-8
tel:045-905-2252
設立年月日 2012(平成24)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]
 小学館アカデミーたまプラーザ保育園は2012年4月に開園し、8年目を迎える園です。運営主体は小学館集英社プロダクションで、東京都と神奈川県を中心に保育園のほか、総合的な教育ビジネスを展開しています。園は0歳児から就学前児童を対象とし、定員は90名で現在76名が在籍しています。
 園は東急田園都市線たまプラーザ駅から徒歩7分の商業施設とマンションの混在する場所に位置しています。子どもたちは園庭で遊び、散歩や周辺の大小様々な公園に積極的に出かけています。
「?あそび・せいかつ“から?まなび”へ」の考え方をもとに、独自のプログラム「楽習保育?」を実施しています。


≪優れている点≫

1.遊びや生活の中で安全性の確保に十分配慮しています

危険個所や注意点が一目でわかるお散歩マップをクラスごとに作成しています。年齢や発達にふさわしい散歩のルートや外遊びの場所を地域の中から選択し、危険個所や注意点なども確かめています。クラスごとのお散歩マップを作成し、公園やルートごとに、公園の特徴、公園に至るまでのルートの危険個所などの注意事項を、写真も使用して各年齢の発達に応じて挙げています。
マップ作成に当たっては、保育士が実際に歩いて確かめ、バギー禁止個所、段差あり、交通量の多さ、側溝のふたの危険性などをチェックしています。危険個所や注意点が一目でわかり、職員間の情報共有の手段として有効に機能しています。お散歩マップに載っていない公園やルートをたどることは禁止されており、危機管理の徹底がなされています。


2.園内研修を充実させ、全職員が研修を受けて質の向上を図っています

非常勤職員も含めて全員が参加する園内研修が充実しています。非常時の際に子どもをおんぶして避難できるようスキルを身に着ける「おんぶ研修」をはじめ「嘔吐処理研修」「AEDの使い方の研修」「救命研修」「感染症予防研修」「プールの監視の研修」などを全職員参加で行っています。
非常勤職員には、午睡時等を利用して研修をしています。出勤日や時間帯の異なる非常勤職員に対しては、数日間にわたって研修予定を作成し、漏れがないように対応しています。非常勤職員も含め、全員が情報共有し、研修のスキルを等しくすることにより、保育の質のレベルの維持向上に努めています。


3.透明性のある情報提供に努め、保護者との信頼関係を築いています

 保護者からの要望で、感染症が1人出た段階で「安心伝言板」で配信し、情報提供しています。職員が感染症になった場合も同様に対応し、事実を正確に伝えるようにしています。健診時には保護者が医師に質問したい内容をあらかじめ記載してもらい、医師からの回答も記入し、連携して適切な健康管理を行っています。連絡帳や日々の送迎などの際にはコミュニケーションを密にし、クラスの掲示板では写真を多く取り入れ、クラスの様子をわかりやすく掲示しています。
引継ぎのボードには、職員から保護者への伝達事項を付箋で貼り、確実に伝達するようにしています。また職員連絡ノートには、翌朝に保護者に尋ねる内容を記録し、伝え漏れがないように配慮しています。保護者が担任からの回答を希望する場合は、連絡ノートにも記録し、お迎え時には子どものその日の様子を伝えています。特に「〜をして楽しそうにしていた」など具体的に伝え、保護者との信頼関係の構築に努めています。


≪努力・工夫している点≫

1.子どもたちの自主性、主体性を大切にし、自由な発想を保育に取り入れています

 職員は子どもの自主的な気持ちを受け止め、そこから生まれる自由な発想を大切にしています。年長児クラスでは芋ほりの後、畑のオーナーに芋ほりのお礼の手紙を書きたいとの子どもたちからの要望で、お礼の手紙を書きオーナーに手渡しに行きました。
運動会に向け、異年齢で旗のデザインをどうしたいかを話し合い、みんなが笑顔になる運動会にしたいと“えがお”の文字、転んでも頑張れるように“ゆうき”の文字を入れたいとのアイディアが出され、みんなで製作しました。
幼児クラスでは発表会の出し物の役作りはみんなで相談して行ったり、キッズフェスティバルの出し物のお店屋さんごっこで出すものを子どもたちが話し合って決めるなど、子どもたちの想いや考えを尊重して日々の保育を行っています。
  

≪課題や改善することが期待される事項≫

1.次代の園運営に備え、中堅職員の計画的な育成

 職員はキャリアパス制度や研修の実施などにより、資質の向上を目指しています。職員間のコミュニケーションも良好で、職員は協力し合いクラスを越えて保育に取組んでいますが、中堅職員の育成が十分に行われているとはいえません。
中堅職員が自らの知識や技術、価値観を示し実践することで、新人職員のスキルの向上と一貫性の確保とともに、中堅職員自らの保育を振り返り、能力的、内面的な成長を図ることが期待されます。


2.ボランティアや実習生の受け入れ、地域に向け開かれた運営

 ボランティア受け入れマニュアルを作成し、受け入れ・育成の担当者を主任と定めるなど受け入れの体制を整えています。しかし、最近数年は受け入れ実績がありません。子どもの生活の広がりに寄与する観点から、受け入れへの働きかけが期待されます。
実習生については、実習生受け入れマニュアルを作成し、受け入れ・育成の担当者を主任と定めるなど受け入れの体制を整えています。また、実習生と職員との意見交換の機会も設ける体制を整えています。最近数年は受け入れ実績がありません。実習生受け入れが子どもの生活の広がりをもたらすと同時に地域の福祉人材の育成にもつながることから、実習生受け入れのための積極的な働きかけが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@ 「あったかい心をもつ子どもに育てる」という法人の保育理念や、思いやりの気持ち、生きる力、主体性、好奇心、経験・体験、一人一人の得意、言葉の美しさ・楽しさ、地域との関わりを大切にするという8項目からなる基本方針を掲げ、利用者本人を尊重したものになっています。保育目標は「こころー認め合う子ども チャレンジする子ども」「あたまー興味を表現する子ども 発見を大切にする子ども」「からだー楽しくよく食べる子ども からだじゅうであそぶ子ども」とし、園目標は毎年職員が話し合って作っており、今年度は「進んであいさつをしよう」を掲げ、実践に繋げています。

A 園長は、日ごろから職員に子どもの性格や発達状況をふまえた対応をとるように指導しています。おもちゃや制作の素材を選ぶ際には子ども一人一人の好みを尊重し、性差による固定観念を植え付けないようにしています。オムツを替えるのはトイレの陰で行い、5歳児用のトイレにはドアを設置するなど羞恥心に配慮しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@ 全体的な計画に基づき、年齢ごとに年間指導計画、月間指導計画、週案を作成しています。作成にあたっては日々の子どもたちの態度・表情などから子どもの意思を汲み取り、言語化できる子どもからは自分で意見を言ったり、考えることを見守る姿勢を常に持つように努めています。子どもの考えや発言、やりたい気持ちを取り入れ、子どもたちが主体的に取り組むことができるよう努め、計画には柔軟性を持たせています。

A 0〜2歳児については、一人一人の発達に合わせて、個別指導計画を作成しています。幼児についても特別な配慮が必要な子どもには、個別支援計画を作成しています。指導計画の作成、見直しは担任が行い、職員会議などで情報を共有し、意見交換を行い、子どもの発達状況に合わせて、その都度柔軟に計画を変更・見直しています。保護者には離乳食の進め方、トイレットトレーニングなど子どもの状況に合わせて説明し、同意を得ています。

B 0歳児保育において、職員は一人一人の生活リズムを大切にし、子どもの発する喃語には、優しく言葉で応答し、泣いている時は職員がそばに寄り添うなど、受動的、応答的な関わりの中で子どもが生理的欲求や依存的欲求を満たし、職員と信頼関係を築けるように心がけています。1歳以上3歳未満児の保育において、自我の芽生えを大切にし、自分の気持ちを言葉で伝えたり、身の回りのことを自分でしようとする意欲を受け止め、自主的に行動したり、考えたりできるようにしています。3歳以上児の保育において、年齢ごとに関わりを見ながら、活動内容の範囲を広げるよう、環境を整備しています。また、自主性や自立性を育み、子どもが自ら遊びを考え、答えを出せるように、職員は子どもと一緒に考え、行動するようにしています。

C 保護者からの要望もある散歩や戸外活動を行い、積極的に体を動かすように努めています。遊具遊び、フラフープ、平均台、ハードル、なわとび、コンビカー、三輪車などを取り入れています。また、青葉区から派遣された体操講師に運動の基礎を指導してもらっています。講師には、保育士に指導方法も教授してもらっています

D 栄養士がその時の子どもの状態に合わせた園独自の献立を作成しています。喫食状況は栄養士が保育室を回り観察しています。栄養士と保育士が連携し、食育に取り組み、野菜を栽培・収穫し、おやつ作りに生かしています。午睡の時間には、乳幼児突然死症候群に対する対策として、タイマーを使い年齢ごとに決められた時間ごとに呼吸を確実に確認しています。2歳児から3歳児クラスにかけて、個々の子どもの状況をみながらトイレットトレーニングを行っています。保育時間が長くなる子どもについては、家庭的な雰囲気の中で保育し、甘えや欲求を受けとめ、スキンシップを大切にしています。希望者には、補食や夕食の提供を行っています。

E 保育理念等、園の基本方針は年2回の保護者会、年3回の運営委員会で保護者に説明しています。年2回の保護者会は、保護者が参加しやすい土曜に設定し、年間行事予定を年度初めにあらかじめ知らせています。その他、園だよりには2か月分の行事予定を記載し保護者に便利なようにしています。クラス別に参観日を3日にわたり設け、参観後に面談も行っています。加えて参観予備日を設ける工夫をしています。保護者主体の活

3 サービスマネジメントシステムの確立

@ 慣らし保育の必要性について、入園前面談で説明しています。期間は1週間を目安にしていますが、子どもの状況や保護者の就労状況などに応じて期間の短縮、延長は柔軟に対応しています。保育園と家庭が連続した成長の記録となるように、0〜2歳児は複写式の個別の連絡ノートを使用し、3〜5歳児は必要に応じて連絡ノートを活用し、個別に子どもの変化など情報を交換しています。

A 年間指導計画を基に、クラスごとに月間指導計画、週案を作成しています。月間指導計画には反省・考察欄、週案には備考・配慮欄があり、担任が反省・考察、備考・配慮を行っています。0歳児クラスは毎月、1、2歳児クラスは2か月ごと、3歳以上児は4か月ごとに発達状況の確認を行い、記録しています。入園時に把握した児童票等の記録は個別にファイルし、事務室の鍵のかかる書庫に保管され、職員は必要に応じていつでも見ることができます。

B 法人でも健康管理等のマニュアルを作成していますが、園独自で看護師などの専門職が主体となり健康管理、衛生管理のマニュアルを作成しています。健康管理については健康台帳で保護者と情報共有しています。健診時には、前もって医師への個別の質問事項を募り、回答を保護者に伝えるなどの工夫をしています。感染症の子どもが出た場合は、掲示板で状況を知らせるなど保護者にわかりやすく情報を伝える工夫をしています。

C 危機管理、安全管理に力を入れています。「事故防止・安全委員会」で、誤食や誤飲、外遊びや散歩の際の事故やヒヤリハットなどを検討し、内容を職員会議で話し合っています。地震を想定し、地域の避難所まで歩く訓練を行っています。緊急時に備え、0歳児のお散歩カートにはブルーシートも搭載し、「おんぶ研修」を実施し、緊急時の避難におんぶを役立てられるようにしています。メールでの職員伝言板を利用し緊急連絡体制を整えています。また、園長不在時の責任者については周知し、掲示もしています。

4 地域との交流・連携

@ 入園を考えている見学者から子育てに関する様々な相談を受けたり、園庭開放、育児講座、交流保育を提供し、地域の子育て支援ニーズを把握しています。 園長が出席する区の園長会や幼保小連絡会の中で話し合われた地域の子育て支援ニーズに関する事項について、職員会議などで話し合っています。

A 「地域交流」を実施し、園の行事を地域に向けて開放しています。年長児が近隣の小学校の行事に招待される、近隣の他園と交流するなど行っています。また、「こどもの国」や「電車とバスの博物館」を見学し、体験を広げています。しかし、地域の団体と協力しての行事、地域への施設開放、地域の行事への参加などの実績はありません。

B 園の情報は、パンフレット、園のホームページ、行政のホームページなどに掲載されています。ブログも活用し、タイムリーな情報を掲載するように工夫しています。利用希望者への見学は、園児のいる時間を設定し、園の様子が伝わるように工夫しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@ 職員は指導計画の狙い通りに保育が実践されたか自己評価したものを基に、日々の保育や行事などについてクラス内で話し合いを行っています。園の自己評価は公表する前に職員に報告し、理念や保育方針、全体的な計画に沿って行われているか意見交換しています。

A 職員が守るべき法・規範・服務規程などは就業規則や施設運営の手引きに明記されており、入社時研修で説明し、職員に周知しています。職員には理念や基本方針を明記した重要事項説明書を配付しています。入社時研修、園内研修で保育理念について学んでいます。理念を全体的な計画や職員会議録のアジェンダに入れ、常に職員の目に触れるようにしています。

B 主任はフリーな立場で積極的に職員と関わりを持ちながら、適切な助言や指導を行っています。また個々の職員が精神的、肉体的に良好な状態で業務に取り組めるよう考慮しながらシフト表を作成しています。

C 園運営に関する中期的な方向性として2018〜2020年までの中期テーマ「保育サービスの質の向上」「安全な施設環境の確保」「人材の育成」「地域との交流」に沿った中期計画を策定しています。

6 職員の資質向上の促進

@ 本社のキャリアパスに基づき人材の育成に取り組み、職員の経験年数や職種・職能に照らした職務体制表を策定しています。 職員は年度始めに目標を設定し、年2回自己能力シートで自己評価を行い、園長・主任はコメントを記載し、職員にフィードバックしています。年1、2回園長との面談や日々の会話により達成度を確認し、次年度に繋げています。

A おんぶ研修、感染症、個人情報、虐待・人権、危機管理などの園内研修を定期的に行い、保育に生かしています。研修後に研修報告書を提出し、研修に出席できなかった職員は、研修報告書を閲覧して情報を共有し、研修の成果を職場で生かすようにしています。非常勤職員は常勤職員同様に園の状況を把握できるよう、職員会議録、研修報告書、職員連絡ノートなどを自由に閲覧できるようにしています。

B 年間指導計画、月間指導計画の狙いや目標に基づいた週案があり、反省・自己評価ができるよう書式が定型化されています

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