かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

小学館アカデミーつなしま保育園(5回目受審)

対象事業所名 小学館アカデミーつなしま保育園(5回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社小学館集英社プロダクション
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 222 - 0001
港北区樽町2-13-27
tel:045-542-1521
設立年月日 2013(平成25)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]
 小学館アカデミーつなしま保育園は東急東横線、綱島駅から徒歩10分ほどの住宅街の中にあります。2013年(平成25年)4月に開設した6年目の保育園です。運営は、東京都・神奈川県を中心に多数の保育施設展開を行っている株式会社小学館集英社プロダクションです。
 鉄骨2階建ての園舎は日当たりが良く明るい環境の中で保育が行われています。園の近くには大小様々な公園があり子どもたちの散歩先となっています。定員は60名、開園時間は平日7時〜20時、土曜日は7時〜18時となっています。
 法人共通の保育理念「あったかい心をもつ子どもに育てる」のもと、日々の保育が行われています。


≪優れている点≫

1. 子どもの主体性と保育士の主体性を大切にした保育が実践されています

 園は保育理念に「あたたかい心をもつ子どもに育てる」を掲げ、保育士同士が連携して「子どもにとってどうなんだろう」ということを考えながら保育にあたっています。毎日行われるミーティングで子どもの様子や状況の変化などを確認し、子どもの困っている事、保育士が困っている事などを話し合い、互いに意見を出しあい解決策を模索しています。
 相手を思いやる行動や意見が子どもから自発的に出るよう、保育士は子どもたちを大切に見守っています。また、保育士同士でも基本を守りながらその場その場に応じた主体性が発揮できるよう、日ごろからコミュニケーションをとり、相談や意見が言いやすい環境作りを行っています。
 このような取り組みを通して子どもと保育士の双方の主体性を大切にする姿が見受けられました。


2. 子どもが遊びこめる環境設定がされています

 今年度の課題として保育室内の環境設定を掲げ、子どもたち一人一人が落ち着いて遊べる環境設定を目指しています。研修や他園の見学に参加し、良いと思われる事例を積極的に取り入れています。子どもたちの年齢や発達に合わせて、複数のおもちゃや絵本を購入したり、おもちゃや備品を手作りするなどして、子どもたち一人一人の興味や関心に合わせて自由に取り出して遊べるようにしています。
保育士は子どもたちが何をしたいか、どんなものに興味を持つか、必要なおもちゃを足したり、並び変えたりするなど、子ども一人一人が好きなことをして自分のペースで遊ぶことができるよう支援しています。


3.職員間のコミュニケーションを大切して温かく見守る保育が行われています

 保育士だけでなく栄養士、看護師、事務員がコミュニケーションを取り相談しながら子どもの保育を行っています。職員が働きやすい環境を整えて研修などの技術力向上に繋げています。職員の安心と自信が保育に反映して子どもたちの見本となるような活動につながっています。コミュニケーションは園だけでなく保護者との関係に配慮して、良い関係の中で子どもの育成を心がけています。


4. 食事を豊かに楽しめるよう様々な工夫がされています

 食育活動を計画的に行い、食事が豊かに楽しめるようにしています。地域の商店から購入した梅を使って梅ジュースを作ったり、子どもたちが散歩中に興味を持ったキンカンを甘煮にして提供するなど、子どもの興味を知識と食に繋げるようにしています。
 また、月1回、全国の「郷土料理」を取り入れ、日本地図で位置を確認すると共に特産品を確認するなど、食事と知識を結び、各地の生産物を楽しめるようにしています。
 今年は子どもがラクビーに関心を持ったことから、サモア料理のカレモアを取り入れ異文化の食を楽しんでいます。


≪課題や改善することが期待される事項≫

1.環境配慮の考え方を明文化し保護者に園の姿勢を伝えること

 園内にビオトープを設けたり、ごみの分別を行うなど環境に配慮した取り組みを実践していますが、園としての環境への取組みの明文化がされていません。
次代を担う子どもたちとその保護者に園として取り組んでいる姿勢を周知し、子どもや保護者に環境問題を意識してもらうことが望まれます。


2.早急な危機管理の総合的な見直し

 園では、安全管理のマニュアルに基づいて、園内にある備品の面取りを行ったり、照明の飛散防止、吊戸棚の耐震ラッチの設定を行うなど子どもや保護者が安心できる環境を作っています。
また、保育園のある一帯がハザードマップで浸水地域と指定されているため浸水に対する備えを行っています。災害食として3日分の食料を2か所以上に分けて保管したり、職員室にラジオや携帯電話を備えたり、職員全員が救急法を受講するなど、安心・安全を大切にする環境を構築しつつあります。
 様々な安全対策が取られていますが、危機管理としてこれまで想定した範囲以上のことが起こっている現状を鑑み、保育園を継続するためにどのような危機があるかを検討して対策を講じる必要が出てきています。災害時の職員体制、保育園の休園や近隣の子どもの支援など、事例に即した総合的な新しいマニュアルの作成を行うことが望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@ 保育理念に「あたたかい心をもつ子どもに育てる」、基本方針に「思いやり」「生きる力」「主体性」などを大切にする8つの項目を掲げ、子ども本人を尊重したものとなっています。

A 職員の配属前研修で人権に関する研修を行い、子どもへの声掛け、かかわり方などを学んでいます。職員会議やクラス会議で呼び方や叱り方などを確認して、子どもに人格を持った一人の人としての接するように心がけています。子どもの意思を尊重し、タイミングを考え、意欲の出る声掛け、公平に優しく温かい言葉がけで接しています。

B 遊びや行事などで役割や服装など性別による区別はしていません。行事の前や職員会議で職員がお互いに話し合い性差について確認しています。保育の中で性別にとらわれず個性を尊重して可能性を引き出す保育を心がけています。クラス名簿は生年月日順、製作などで使用する色や・形も子ども自身が好きに選べるようにしています。職員の配属前研修でも性差による保育はしないことを学んでいます。  

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@ 乳児クラスの保育士は子どもの表情や仕草、反応から子どもの意思をくみ取り計画に柔軟性を持たせ子どもに満足感が持てるようにしています。幼児クラスでは、子どもの発想を大切にし、毎年の神輿つくりや散歩先などを子どもたちの意見、要望を聞き、子どもの意見や興味を指導計画の中に取り入れたり、見直しをしたりしています。

A 子どもが主体的に好きな遊びができるように環境整備にしています。遊びが一斉活動にならないように配慮して、子どもから出た発想を行事に取り入れるように話し合いの機会を作っています。幼児クラスは3つの異年齢「なかよしグループ」で夕涼み会でのテーマやお店を決めて活動しています。素材を揃え、自由に遊びを考えるようにして、子どもは独自に製作したもの身に着けています。

B 遊びを通じて子ども同士の関係を職員は見守っています。子どものけんかは子ども同士で解決できるように見守り、難しい場合には仲裁に入り、両者が納得できることを大切にしています。基本方針の「あったかい心をもつ子どもに育てる」を大切にして、職員の行動が良い見本となるように、その姿をみせるように努めています。

C トイレットトレーニングは個人差があることに配慮して、開始時期や持ち物などを保護者と相談して子どもの様子にあわせて行っています。お漏らしをした場合でも、本人の気持ちを傷つけないように言葉を選び、下着などの交換はプライバシーに配慮して人目に付かないところで行っています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

@ 全体的な計画に基づき、年齢ごとに年間指導計画、月間指導計画、週案を作成しています。それぞれの計画に子どもの成長の振り返りと自己評価を記入するようになっており、子どもの姿や状況に応じて指導計画の作成、見直しをしています。指導計画の評価、改定にあたっては、クラス会議、乳幼児会議、リーダー会議、職員会議などを通して話し合い作成しています。会議の中で給食時の子どもの姿勢を正すにはどうしたら良いかなどが話し合われ、担任、栄養士、看護師の意見を基に計画の見直しを行ったこともあります。

A 子どもの健康管理に関するマニュアルを整備して正しい姿勢づくりなどを心がけて健康管理を行っています。既往症については保護者から情報を得て、園長、担任、看護師により対応策を協議しています。必要に応じて嘱託医やかかりつけ医に相談することもあります。

B 安全管理マニュアルを整備して、安全点検表に沿って毎週に安全チェックを行っています。安全委員会を設置して情報を集め、協議して安全に努めています。ハザードマップ、ヒヤリハットなどを参考にして、事故・災害時の対応を全職員で確認しています。事故対応マニュアルがあり、職員、保護者、嘱託医、行政などへ連絡する体制を確立しています。

C 要望・苦情受付担当者は主任、担任保育士、苦情解決責任者は園長、第三者委員を2名定め、名前と連絡先を重要事項説明書に記載すると共に玄関に掲示し保護者に周知しています。保護者からは自転車置き場のスロープの改善の要望が出されたため、設備の改善を行っています。

4 地域との交流・連携

@ 保育園に対する理解促進のために園の行事である「夕涼みの会」に近隣の方を招待しています。近隣の介護施設の敬老会や夏祭りで訪問して、高齢者とも交流しています。園は近隣への「ベビーステーション」として、授乳やおむつ交換の場として活用していただいています。

A 散歩で地域の「菖蒲公園」「大曾根公園」などを活用して、地域の保育園や子育て中の保護者や子どもと交流しています。地域の「つなしま商店街」に子どもが買い物に出かけ交流しており、商店街のお店から給食食材を定期購入しています。近くの公立保育園の大きなプールを使わせてもらい、子どもの交流となっています。

B 園では担当を決めて年度始めにどのような支援活動を行うかを話し合い、地域の子育て支援の年間計画を立案しています。保育園見学時には園の紹介資料を渡し、園庭開放は火曜日と決めて地域に案内しています。毎月の誕生会に地域の方が2名参加したこともあります。港北区の「港北野菜紹介」では食育紹介や子育て相談タイム・身体測定で専門知識を提供しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@ パンフレットを配り、ホームページ・ブログなどで定期的に発信して情報提供しています。港北区のホームページや保育園紹介の「ビーノビーノガイド」に園の情報を提供して掲載しています。園への基本方針や利用条件などの問い合わせや見学などにも常時対応しています。

A 就業規則やマニュアルに組織及び職員が守るべき法・規範・倫理などが明文化され、職員に周知しています。就業規則やマニュアルは職員がいつでも確認できる位置に置かれると共に配属前研修で学んでいます。他施設での不正、不適切な事案については、昼打ち合わせや職員会議で取り上げ、情報共有や啓発をしています。

B 園には経理起票マニュアルがあり、それに則り補助金申請、保護者からの集金を行っています。園内の金銭については常に2名体制で確認を行っています。

C 運営法人の策定の「中・長期計画事業計画」があります。3ヵ年計画となっており、進捗状況をチェックするようになっています。3ヵ年計画を踏まえ、年度毎の具体的な取り組みも策定されています。

D 運営法人の、施設経営課、キャリアデザイン室などで、保育業界やその他、社会の動向を考察し新しい仕組み作りを常に検討しています。新主任、新園長などの研修を定期的に取り入れ、次世代の園運営に向けて計画的に後継者を育成しています。

E 運営に関して監査法人、弁護士、危機管理に関する専門機関、臨床心理士などの意見やアドバイスを取り入れています。

6 職員の資質向上の促進

@ 運営法人の人材育成計画に基づき、人材育成を行っています。OJT研修、育成研修、エキスパート研修、男性保育士研修、看護師、栄養士、事務職などの専門分野研修など様々な研修があり、個人の成長を促す人材育成計画となっています。

A 研修担当は主任となっています。個別研修計画は運営法人の育成計画と園長、主任の考える求められる職員像、職員の希望する研修を基に作成しています。理念や方針、 嘔吐処理、AED心肺蘇生講習会、夏季プールあそび前指導などの内部講習が行われており、常勤、非常勤ともに必要な研修を受講できるようになっています。園内研修の場合、研修を担当した職員が研修成果の見直しを行い、次の研修に備えています。外部研修の場合は、主任が中心となって研修報告書をチェックし、成果を確認し、次年度の研修を見直しています。

B 職員は個人能力向上シートを用いて自己評価をしています。職員の自己評価、保護者アンケート、運営委員会での意見を基に園としての自己評価を毎年行う仕組みがあります。

C 年3回行われる面談やアンケート、日ごろのコミュニケーションから職員の満足度や要望を把握すると共に業務改善の提案を募っています。職員からは備品の整理、保育室の環境整備についての提案がありました。

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