かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

プチアンジュ保育園(2回目受審)

対象事業所名 プチアンジュ保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 なつめの会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 240 - 0035
保土ヶ谷区今井町502番地5
tel:045-351-7333
設立年月日 2012(平成24)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および施設の概要
プチアンジュ保育園は、相模鉄道線二俣川駅からバスで約15分の左近山第五バス停から徒歩1分のところにあり、近くには広大な左近山団地があります。社会福祉法人なつめの会を経営母体とし、平成24年4月1日に開園しました。法人は他にエルアンジュ保育園と川島保育園を運営しています。園は0歳児から就学前児童を受け入れ、定員は90名で現在90名が在籍しています。園舎は鉄骨造り2階建てで、園庭は裸足遊びや水遊びが展開できるよう砂地にしています。固定遊具のほか、マテバシイ、百日紅、もみの木、アジサイなど、植栽が豊富です。

・園の特徴
幼児クラスは、外部講師による造形、リズムダンスを定期的に行い、自由な表現活動を楽しんでいます。また、4、5歳児クラスは月に2回、園の向かいにある民間のスポーツクラブのプールで活動をしています。夏季の約1か月は、3〜5歳児クラスで縦割り保育を行っています。グループを3つに分け、それぞれグループ名を決め活動をともにしています。

【特に優れていると思われる点】
1.生活や遊びの充実に向けた取り組み
「ムーブメント活動」を5年前より保育に取り入れています。大学で学んだ職員のほか、他の職員も外部研修で学び、全クラスが年齢に応じた活動をしています。ムーブメント活動は、統合保育の一つとして、配慮が必要な子どもも無理なく活動ができる教具を用意し、子ども自身が教具・場・音楽などの環境を活用しながら動くことを学び、動きを通して「からだ」「あたま」「こころ」の行動全体の発達を促すようにしています。ムーブメント活動の取り組み方について、保護者に知ってもらうため、取り組み方の簡単な説明や、子どもたちが実際に使っている教具(スカーフ、パラシュート、カラーコップなど)の写真を添えて、園内掲示で紹介をしています。
 また、外部講師による造形活動を職員も学び、製作などに生かしています。子どもの観察時、画用紙の角を切ることを繰り返しながら丸型を作る方法で作品作りを楽しむ子どもの様子がありました。大きくきれいな丸、切り過ぎて小さくなってしまった丸などで個性的な作品に仕上げています。本物のイカをモデルに描画をした時には、ピンク、グレーなど本人が感じたままの自由な色使いで表現しています。

2.丁寧な食育活動
日々の食事作りは、旬の野菜や果物を使い、素材の味が生きるような薄味を心がけ、提供しています。1歳児クラスでも、月齢の低い子どもは、離乳食にするなど配慮をしています。全体的な計画に食育欄を設け、0〜5歳児クラス別にねらいを定めています。子どもたちの「食」に関する取り組みとして、全体の食育計画、幼児のクッキング計画に基づいた活動をしています。4、5歳児のクッキングは、テーマを決め(4歳児は味噌、5歳児は旬・食材の変化)、年間を通して行っています。その他、食べ物の話や絵本の読み聞かせ、調理委託業者の栄養士に食についての話を子どもたちにしてもらう機会を作っています。また、調理委託業者の協力を得て、板前さんを呼び、ブリの解体を子どもたちに披露する機会もあります。解体したブリはその日の給食に照り焼きで登場しました。子どもたちは楽しみながら「食」への興味関心を育んでいます。

3.ステートメントブック(職員の心得)の活用
非常勤職員を含む全職員に法人共通のステートメントブックを配付しています。理念・方針・保育目標、言葉かけや対応など子どもに対する基本姿勢について、守秘義務や個人情報の取り扱いについて、法令遵守や職員としての基本行動などを網羅し、職員が必要な時に立ち返るためのツールとして活用しています。毎年の法人研修でもステートメントブックの理解を図っています。年度始めのステートメントブックの読み合せでは、園が培ってきたものを再確認し、意識を高めています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.園の保育に対する保護者理解の向上
日々の保育や行事などを通し、保護者の理解を得るよう努めています。しかし、第三者評価の保護者アンケートから、園の保育理念・方針の認知度のほか、送り迎えの際の子どもの様子に関する説明、保育や行事に保護者の要望が生かされているかなど、満足度の低い結果が出ている項目があります。保護者とのさらなる信頼関係を築いていく上で、保護者の声に丁寧に対応し、園の保育に対する保護者の理解度を向上させていく取り組みが期待されます。

2.人材育成計画、人事評価の職員への開示
法人作成の人材育成計画や、職員の人事考課については、職員のキャリアアップマインドの醸成や職員のやる気、定着化につながるものと考えられますので、職員に開示することの検討が望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・保育理念は、「ひとりひとりの個性を大切にする保育」で、子ども本人を尊重したものになっています。

・法人共通の「ステートメントブック」には、正しい言葉遣いや守秘義務、個人情報の取り扱いについて記載しています。職員に対し、子どもにやさしく丁寧な言葉遣いをすること、公共の場や家庭において子どもの情報について話したり、個人情報に関する書類を園外に持ち出すことがないよう徹底しています。

・保育中、食事中、園庭遊び中の子どもに対し、職員は命令口調や制止言葉を使用することなく、穏やかにわかりやすい言葉で話をし、呼び捨てや愛称は使用していません。

・幼児会議で製作について、「子どもがやりたいように、子どもの気持ちを受け入れて、大人は声かけややり方を伝えていく」ことを申し合わせています。

・入園時に個人情報の取り扱いについて保護者に説明し、園のホームページへの子どもの写真掲載や写真購入サイトへの掲載について承諾書をもらっています。

・虐待対応マニュアルがあり、必要に応じて全職員で見守る体制を作っています。朝の子どもの表情や着替え時に良く確認し、判断が難しい場合は写真に残すこととし、子どもの何気ないつぶやきも聞き逃さないように注意しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・全体的な計画は、保育所保育指針の改定を踏まえ、昨年度の保育の振り返りをしながら子どもの発達や生活の連続性を考慮し、子どもの健全な育ちを中心に作成しています。全体的な計画に基づき、年齢ごとに前年度の反省をふまえた年間指導計画を作成し、それを基に月間指導計画、週日案につなげています。

・0〜2歳児については、個別指導計画を作成しています。幼児で特別な配慮が必要な子どもについては、月間指導計画の個別配慮欄を活用しています。

・年齢ごとに子どもの興味や関心、発達に沿ったおもちゃや絵本、製作の素材を用意して、適宜入れ替えもしています。それらは子どもが取り出しやすいように、低い棚に分けて入れています。

・0歳児クラスでは、職員はスキンシップをとりながら、安定した関係性の中、生活や遊びが充実するようにしています。1〜2歳児クラスは、子どもが自分でやりたい気持ち、意欲を大切にしながら、子どもの興味関心、発達に合わせてコーナー遊びや、探索活動が十分にできるようにしています。

・3歳児クラスはまずはやってみて楽しかったという気持ちになれるように一人一人の様子を見守ることに努めています。4歳児クラスは集団遊びを取り入れながら、友達と一緒に遊ぶ楽しさや充実感を味わえるようにしています。5歳児クラスは個々の力を発揮し、友達と協力して一つのことをやり遂げるような活動をしています。

・園の畑とプランターで野菜を自分たちで育て、収穫し、クッキングで食べています。カイコを飼育した時は、繭になるまで育てました。季節を感じられる場所、製作に生かせる木の実、落ち葉などがある場所、虫探しなど活動の目的で散歩先を選んでいます。

・描画、製作、音楽、身体表現などの表現活動を行っています。子ども一人一人が好きな表現方法で自由にのびのびと自分を表すことを大切にしています。

・夏季の約1か月間、3〜5歳児クラスで3つのグループに分けて縦割り保育を行っています。普段と違う環境で過ごしながら少しずつ打ち解け、縦割り保育終了後もクラスの枠を超えて、一緒に遊んだり、会話を交わしたりしています。

・職員は、子どもが気分良く食事ができ、意欲につながるような声かけを心がけ、楽しく食べることを大切にしています。夕おやつ、夕補食の提供は一律でなく、保護者の状況を考慮し、保護者に選択してもらっています。

・乳幼児突然死症候群(SIDS)に対する対策として、0歳児は5分、1歳児は10分間隔でチェックをして午睡チェック表に記録しています。0歳児に関しては、体動とうつぶせ寝をチェックするセンサーを併用しています。

・0〜2歳児クラスは個別の連絡帳で、3歳児クラス以上は玄関ホールのホワイトボードでその日の保育の様子を伝えています。

・クラスノートは、通常のことは黒字、昼礼の連絡事項は青字、保護者への連絡事項は緑字、伝達事項は赤字にし、一目で分かるように工夫しています。

・年2回のクラス懇談会では、保育の内容や、日常の様子などを伝えています。また、保護者同士の交流を深める目的で、一つのテーマで話し合ったり、悩みや子どもの成長などについて意見を交換しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・子どもの成長発達記録は、0〜2歳児は毎月、3歳児以上は3か月ごとに経過記録に記録しています。

・障がいのある子どもの特性に合わせ、個別の指導計画を作成しています。すべての職員が同じ認識を持って保育をするよう話し合っています。

・食物アレルギーのある子どもに除去食を提供する際は、マニュアルに従い、専用のトレイ、食器、名札、布巾を使用しています。

・苦情解決の体制として入園のしおりに、苦情受付担当(主任)、解決責任者(園長)、第三者委員2名の氏名・連絡先を明記しています。玄関に、外部の相談機関として、かながわ福祉サービス運営適正化委員会の連絡先を掲示しています。

・衛生管理に関するマニュアルがあり、健康状態の把握、観察、感染症の対応などについて記載しています。看護師が毎朝、クラスを巡回し、一人一人の健康状態を把握しています。

・感染症に関するマニュアルがあり、登園停止基準や感染症の疑いが生じた場合の対応が明記されています。熱性痙攣などに対応するため、子どもの発熱によるお迎え時間を保護者から「連絡基準体温」を事前申請してもらい、「緊急対応一覧表」にまとめ対応しています。

・安全管理に関するマニュアルがあります。睡眠中は0〜2歳児についてはブレスチェックを行い、プール遊びの際は保育者のほかに監視員を配置し、食事中はアレルギーの誤食や、誤飲がおきないよう安全管理に努めています。

・毎年、「避難訓練計画表」を作成し、毎月、火災・地震などを想定した避難訓練や引き取り訓練を実施しています。救急対応訓練として、消防署職員やAED設置業者から、AEDの使い方や心肺蘇生法について学んでいます。

・「2019年度救急対応訓練年間計画」を作成し、「午睡時の見守り方とSIDSの理解」「ケガの手当てと緊急性の判断」「AEDの使い方、心臓マッサージ」「食物アレルギー対応とエピペン」などをテーマとして、研修を実施しています。

4 地域との交流・連携

・一時保育やボランティアグループによる読み聞かせの会、育児講座(ベビーマッサージ)などの機会に地域の保護者から育児相談を受け、子育て支援ニーズを把握しています。

・毎年、区こども家庭支援課主催の合同育児講座「にこやかほがらか親子の広場」に職員を派遣し、地域の未就学児を対象にした活動(玩具や運動遊びコーナーなどで子どもと遊ぶ)に参加しています。また、今井エリア子育て連絡会に出席し、近隣保育園と子どもの発達段階に応じた話や遊びを行っています。

・地元の今井町盆踊り大会に、毎年4、5歳児が参加して踊りを披露しています。4、5歳児が老人ホームを訪問し、ダンスを披露しています。年長児が小学校の運動会に参加したり、1年生と交流を図っています。近隣4保育園の年長児と近隣公園で体操・ドッジボール・リレーなどをして一緒に遊んでいます。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・入園希望者からの問い合わせに際し、園のパンフレットに基づき、園目標や園の概要、施設紹介、子どもの生活などについて電話で説明しています。見学希望者には、曜日や時間帯は極力希望に合わせて実施しています。

・保育士の自己評価結果と保護者アンケートを基に、園長、主任が中心となり、園としての自己評価を行い、「保育所における自己評価・自己点検」としてまとめ、園のホームページで公表しています。

・就業規則に服務規律が明記され、「ステートメントブック」に法令遵守や職員としての基本行動が示され、職員は年度末の法人研修で再確認しています。

・法人のホームページには、役員名簿、報酬規程を公開し、ワムネット(財務諸表等電子開示システム)を通し現況報告書や決算諸表などを公開しています。

・横浜市の「エコ保育所」に認証され、太陽光発電や省エネタイプの空調器、節水型便器などを取入れています。

・園のエントランスに保育方針を掲げ、毎年、年度始めに理念・方針が明記された「ステートメントブック」の読み合わせを行い、職員に周知しています。

・法人共通の平成31年度から4年間の中長期計画を策定し、重点項目として、経営管理、事業管理、財務管理、人事管理をあげています。本年度の取り組みとして、区内他園との交流、系列園との保育交流、職員交流をあげています。

6 職員の資質向上の促進

・職位・等級・経験年数を加味し、必要とされるスキルや研修が一覧で表示された設置法人共通の人材育成計画が策定されています。

・系列の3園共通のキャリアパスを見据えた「ヒューマンスキル研修計画」が作成され、管理者層、リーダー層、サブリーダー層、初任者層別に、実施回数、実施日が計画されています。

・園内研修は、安全衛生面を中心として看護師が講師となり、年6回ほど、常勤職員主体に実施しています。非常勤職員は造形講座やアレルギー対応などの必要とされる研修のほか、年度末に行われる法人研修に参加しています。

・市や区、療育センター主催の乳児保育研修や中堅保育士研修、発達障害などの外部研修へ参加しています。研修参加者は、研修終了後に研修レポートを提出し、必要により職員会議で報告しています。

・園長は原則として年1回職員面接を実施し、職員の業務実績や自己評価結果を加味して、職員の人事評価を実施しています。個別面談時に、勤務の継続や異動希望、退職予定などについて相談に乗り、職員の意向把握に努めています。

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