かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

うみのくに保育園とつか(4回目受審)

対象事業所名 うみのくに保育園とつか(4回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 空のはね
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 244 - 0805
戸塚区川上町464-15
tel:045-410-6690
設立年月日 2011(平成23)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 園は2011年4月に横浜市認定保育室としてオープンし、現在は0歳児から5歳児までの認可保育園となっています。JR東戸塚駅から神奈川中央バスで川上小学校前バス停下車、徒歩1分のマンションにあります。園舎は1階に商業施設が入るマンションの2階です。定員66名で、休日保育、産休明け保育、延長夜間保育、一時保育、障がい児保育を実施しています。休園日は年末年始と海の日のみです。運営は株式会社空のはねです。園が大切にしていることは「子どもの気持ちや思い」「その子の今、自分でしたい」に答えられる環境作りです。園では2〜5歳児まで10名までの少人数制のユニットと呼ばれる縦割り保育を行っています。0〜5歳児まで全児童に個別指導計画を策定し保育にあたっています。子どもたちは、伸び伸びと毎日を過ごしています。

《特に優れている点・力を入れている点》
○縦割り保育の中で、他者を思いやる豊かな感性が育っています
 園では2歳児から5歳児まで一つのユニットで担当の保育士と食事や午睡など一緒に過ごしています。子ども同士が年齢の違いを認め合い、互いに尊重する心が育つことをねらいとし、縦割り保育を日常的に行っています。水曜日は年齢別保育です。「大きい子どもから小さい子どもへの思いやり」「小さい子どもから大きい子どもへのあこがれの気持ち」「異年齢のかかわりの中で生まれる葛藤の経験」などを通じ、豊かな感性をはぐくんでいます。一緒の場所にいながら年齢に応じて製作や戸外活動などでは、個別性も大切にしています。公園遊びでは縄跳びなどで「早くお兄さんのようにうまくなりたい」とあこがれ、まねしてやろうとする姿や、年上の子どもが小さい子どもの着替えを手伝っていたりする姿がよく見られました。年齢の違う子どもの姿を受け入れている生活の中で、思いやりの心も育っています。

○多種多様な保護者のワークスタイルに対応しています
 うみのくに保育園は、いつでも、安心して預けられる「場」作りを目ざしています。保育のテーマは2つ「つながる保育」「寄り添う保育」です。いつでも預けられるという安心を提供しています。園の保育時間は、7時から21時30分、突然の当日利用も受け入れています。土日祝日に仕事をする必要のある場合でも大丈夫です。休園日は年末年始と海の日のみです。今は保護者の就労形態もさまざまです。このような家庭環境の中で子どもが安心して毎日生活できるように、うみのくに保育園を設立しています。また、保護者が安心して子どもを預け仕事ができるように、安心して預けられる環境の提供に努めています。園内にはライブカメラを設置して保護者が好きな時に自分のパソコンやスマートフォンから子どもの様子を見ることができます。

○「園庭開放」「交流保育」「育児講座」など、子育て支援事業を通じて、地域の保護者の支援に努めています
 子育て支援ニーズに応じて、横浜市の子育て支援事業として、親子が参加できる園庭開放などのメニューを実施しています。育児講座では、五感を使い想像力をはぐくむ「小麦粉粘土」、音楽を楽しみ豊かな心をはぐくむ「リズム遊び」、異国を学ぶ「英語遊び」などがあります。また、交流保育では「夏祭り」「公園遊び」「コーディネーション運動」などがあります。募集にあたっては、園のホームページ、子育て支援拠点「とっとの芽」での広報、正門前の掲示版での告知を行っています。参加者にはアンケートを行い、次回のプログラム企画の参考にするほか、地域の子育て支援ニーズの把握に努めています。園では子育て支援事業を通じて、地域の保護者の支援に努めています。

《事業者が課題としている点》
 地域との交流や地域支援活動を課題とし、地域の方への積極的な挨拶や声かけ、地域の避難訓練などへの参加、小学校との連携などを強化したいと考えています。職員の資質向上も課題とし、園内研修を実施して、より具体的な対応などを考える機会としたいと考えています。また、事務作業時間を確保するため、シフト作成の段階で事務作業時間を組み込んでいきたいと考えています。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  うみのくに保育園の運営方針は、家庭的で温もりのある「寄り添う保育」、地域や発育に応じ「つながる保育」、安心して預けられる場所がここにある「安心」、家庭のようにのんびりと過ごす長時間利用の子どもへの配慮など、6項目を掲げています。保育目標は、心身ともに元気で健やかな子どもの気持ちを支援するなど、5項目を掲げています。大切にしている方針は、利用者本人を尊重した内容であり、職員一人一人が基本方針、園目標を心得、保育にあたっています。保育の質向上の研修の時間など、全職員で話し合う時間を設けて共通理解し、日々の保育活動に生かしています。園の保育方針は、玄関や各クラスに掲示し保護者にも周知しています。
 園では毎月「保育の質向上シート」を使用し、保育士間の評価、反省を行い、子ども一人一人を大切にすることを心がけて保育を行っています。保育士は子どものことを呼び捨てにせず、「〇〇ちゃん」と呼び、常に落ち着いた優しい声のトーンで話しかけています。また、保育中、子どもをせかしたり強制したりする言葉は使用せず、子どもの気持ちをくむよう心がけて保育にあたっています。おもらしをした場合にはほかの子どもから見えないようドア付きのトイレで、子どもの気持ちに配慮しながら対応しています。子ども同士のトラブルの際には個々の特性を考慮しながら、それぞれの話にゆっくり耳を傾け対応しています。
 0歳児と1歳児の保育室は広々としています。0歳児室には柔軟に動かせるパーテーションがあり子どもたちにとっては居心地の良いスペースになっています。また、部屋の隅や棚の横などには子どもが一人になれるスペースがあります。トラブルがあったり、子どもと一対一で話し合う必要が生じたときなど状況に応じて、子どもの自尊心やプライバシーに配慮して事務室やランチルームなども使用し、一人でいられる時間や安心して過ごせる環境に配慮しています。その場にいる子どもに対して職員は必要に応じて声かけをして様子を見守っています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

 全体的な計画は子どもの最善の利益を第一に考え、年齢ごとの子どもの成長、発達を考慮しながら作成しています。作成の際には園長中心に職員で検討しています。地域特性として長時間保育への配慮欄を作成しています。園庭が狭いため公園に出かけるなど、外遊びを積極的に取り入れ、育児講座や交流保育、園庭開放で地域の方々との交流をしています。全体的な計画は年度当初の懇談会、入園の際の説明会で園長から保護者全員に説明しています。園では、2〜5歳児までが日常的に異年齢での縦割り保育を実施し子どもの自発的な思いを大切にし、できる範囲で挑戦する機会を提供し、子どもの自主性をはぐくむ保育を実践できるよう計画を策定しています。
 指導計画は全体的な計画に基づき、年齢ごとの子どもの成長、発達を考慮しながら作成しています。保育士は子どもの様子や意思を日ごろからくみ取るよう心がけ、計画については子どもの要望に応じて変更できるよう柔軟性をもたせています。行事や新しい活動を導入する際には、エプロンシアター、絵本などを使用して、子どもたちが理解しやすいように説明しています。異年齢でのかかわりが多い環境の中、子どもたちの自発的な思いを大切にし、子どもの自主性をはぐくむ保育を行っています。指導計画は、ユニットのリーダーが中心となって作成し、園長、主任のチェックを経て、職員会議で全職員に周知しています。
 入園説明会の後の個人面談ではあらかじめ保護者に記入してもらった児童票、利用時健診票、パーソナルカードをもとに子どもの状態や保護者の意向を聞き、面談記録に追記しています。子どもたちが遊んでいる様子もよく観察しています。入園説明会に参加できない場合や途中入園の場合は、別途個別に面談を行います。また、保護者から要望があれば随時面談を行っています。入園時に把握する子どもの生育歴や家庭の状況、子どもの特性などについては、職員会議などで情報共有し、記録類は事務室で保管、共有し、全職員が子どもについて理解したうえで保育にあたっています。


3 サービスマネジメントシステムの確立  保育所児童保育要録を小学校に送付しています。子どもや家庭の個別の状況や要望は、定型書式の児童票、パーソナルカード、「お子さまの健康について(健康調査票)」に保護者に記入してもらっています。児童票は毎年の年度初めに確認をお願いし把握し、成長発達経過記録も含めてファイルにまとめて事務室に置き、職員が必要に応じて随時確認できるようにしています。進級時は前担任が「進級時引き継ぎファイル」を作成し、時間を取って引き継ぎを行っています。転園の際も必要な情報を転園先に伝達することもあります。
 特に配慮を必要とする子どもについては受け入れる体制があります。子どもの様子や状況などで気になることがあれば、随時話し合い、また定例の月案会議や職員会議でも検討し記録を残し対応しています。職員が外部研修などに参加して得た最新の情報については、報告書を全職員に回覧するとともに職員会議で園内研修を行うなど、全職員への周知を図ります。記録類は事務室で保管し、情報共有しながら保育に生かしています。
 園内はバリアフリー構造で、玄関前にはスロープが設置され多目的トイレやエレベーターも設置されています。保育室内や廊下などの床部分は平らです。園では、障がいのある子どもの受け入れにあたっては障がいの特性に合わせて生活、遊びなど綿密な個別指導計画が作成されています。保護者と密に連携し、子どもが楽しく安心して園生活を送れるよう努めています。また、保護者の同意を得たうえで、横浜市戸塚地域療育センターなどの関係機関と連携をとれる体制にあります。地域療育センターの巡回相談で得たアドバイスも記録に残し、保育に生かしています。子どもの状況については月案会議や職員会議で情報共有し、対応方法を話し合い、全職員が子どもの特性を理解したうえで保育にあたっています。

4 地域との交流・連携

 地域子育て支援事業に取り組んでおり、一時保育や休日保育のほか、親子が参加できる園庭開放、育児講座、交流保育などの機会を通じて、地域の保護者の意見、要望などの情報を収集するよう努めています。収集した情報は、職員会議を通じて共有し、地域支援事業などのプログラム作りに生かすなど、意見、要望を事業に反映しています。また、横浜市や戸塚区の園長会に参加し、市の保育行政資料や運営の参考となる事例などの収集に努め、職員の間で共有に努めています。さらに戸塚区保育、教育施設ネットワークなどに参加し、子どもを取り巻くさまざまな課題の解決に向けて、関係者と協働して取り組んでいます。
 園では、地域子育て支援事業に参加した保護者のニーズ把握に努めるとともに、横浜市や戸塚区の研修会などに参加しています。受講した職員の研修報告を通じ、子育て支援ニーズの情報共有に努め、今後の企画、運営に反映しています。地域の保護者の子育て支援ニーズや、多様な就労形態に対応していくため、一時保育や休日保育を実施するほか、延長保育では、21時30分までの受け入れを行い、子どもの「行き場」の確保に努めています。地域子育て支援事業では、「保育園に遊びに来ませんか」というチラシで参加者を募集し、園庭開放のほか「小麦粉粘土」「リズム遊び」「英語であそぼ」などの講座、「夏祭り」「公園遊び」「コーディネーション運動」などの交流保育に取り組んでいます。
 地域子育て支援事業の案内ポスター、チラシを制作し、園外の掲示版に掲示するほか、戸塚区地域子育て支援拠点「とっとの芽」に掲示、配付の協力をしてもらっています。また、園のホームページ、ブログを運営するほか、法人本部のホームページでは、保育園や子育て支援情報を掲載するなど、保護者に対して必要な情報提供に努めています。また、横浜市や県の保育園紹介サイトに協力して、保育内容の情報開示に努めています。電話や見学者、地域子育て支援事業に参加した保護者の悩みや困りごとへの相談対応など、未就園の保護者の支援に努めています。相談日や時間など育児相談の内容を明記することで、保護者は安心して相談できます。日程設定、情報の提供など、今後の取り組みを期待します。


5 運営上の透明性の確保と継続性  保育園の入園希望者のため、わかりやすい表現で園の内容を紹介した、カラー刷りのパンフレットを作成するとともに、ホームページを通じて情報提供に努めています。提供する情報は、保育内容、料金、職員体制など、保護者が知りたい内容を伝えるよう努めています。パンフレットは、地域交流事業「保育園に遊びにきませんか」のチラシとともに、戸塚区地域子育て支援拠点「とっとの芽」に置かせてもらい、希望者に配付してもらっています。さらに横浜市のホームページや戸塚区保育所一覧に情報を提供し、広く保育園の情報発信を行うなど、多様な方法で必要な方に情報が届くよう努めています。
 利用希望者の問い合わせには、園長、主任が窓口となって対応していますが、不在のときはほかの職員が対応できるよう、パンフレットやチラシを常備し、説明内容にずれがないよう徹底しています。また、必要に応じて折り返しの連絡を約束し、迅速に対応するよう努めています。見学希望については、子どもたちの活動を見学できる午前中を勧めますが、希望者の都合に合わせて日時を設定して対応しています。受け付けた後、予約表とカレンダーに記録し、職員に周知しています。見学後には記録簿に見学時の様子を記入して保管しています。
 職員は、日誌、月案において評価、反省を記述し、振り返りを行うとともに、職員会議で確認し合うなど、自己評価結果を職員間で共有し、課題を抽出するよう取り組んでいます。また、自己評価シートの結果は、園長面談を通じて他者評価を行い、個人ごとの改善点を導き出すよう努めています。さらに、法人では360度評価を採用するなど、自己評価と他者評価を効果的に組み合わせた人事評価を採用しています。前月の月案の反省、評価は、月初に前月分を行い、これを積み上げて、年度末の職員会議で園における課題を明らかにし、次期の保育の計画に反映しています。保育士の自己評価結果を踏まえ、園の自己評価を行い、玄関ホールに掲示して、保護者に公開しています。

6 職員の資質向上の促進  園長は運営に必要な人材構成であるか、常に職員の状況の確認を行い、保育の質の維持を図るよう努めています。法人では、運営する各保育園の人員に不足が生じる際、法人本部から代替保育士を適切なタイミングで派遣し、各保育園の保育水準の低下を招かないように取り組んでいます。法人では役割等級ともいえるグレード制が構築され、階層に応じた役割期待水準が示されています。年間の研修計画を作成し、個人ごとに研修目的が明らかにされています。職員は年度初めに目標設定シートを作成し、これを踏まえて自己評価、園長面談を通じて、目標の達成状況を確認するなど、目標管理が適切に運用されています。
 園内に研修担当者を選任し、職員の研修ニーズや園全体で取り組むべき課題を踏まえて、園内研修の企画を立てています。園内研修は、実務的な技術習得を目ざして、ロールプレイングやグループワーク形式で行うよう工夫しています。また、法人では社内研修を行うほか、外部研修の情報を収集し、各保育園に情報提供を行っています。この情報をもとに、各職員の希望や設定目標、自己評価結果などを踏まえて、必要な研修に職員を派遣するとともに、研修参加者の不在時に備えて、保育に支障が生じないよう体制を整えています。研修参加者は、研修受講報告書を作成して振り返りを行い、園内研修で発表することで成果の共有を図っています。
 業務の標準化を図るため各種のマニュアルを整備しています。常勤職員、非常勤職員の区別なく閲覧などによって、マニュアルの周知、徹底を図っています。非常勤職員の指導担当は園長、主任があたり、日常のコミュニケーションを図りながら保育実践の支援や技術指導に取り組んでいます。さらに非常勤職員の配置については、常勤職員のスキル、経験に応じて適切な組み合わせとなるよう配慮しています。職員会議で決まったことや、伝達すべき事項は、会議で確認するほか、各職員用のウォールポケットに文書などを配付し、必要な情報が漏れなく伝達できるよう配慮しています。

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