かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

保育室 ベルファミーユ

対象事業所名 保育室 ベルファミーユ
経営主体(法人等) NPO法人ファミーユ
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 230 - 0077
鶴見区東寺尾1-4-14グランシャリオ1F
tel:045-633-1925
設立年月日 2018(平成30)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 保育室ベルファミーユは、0〜2歳児を受け入れており、2018年4月にNPO法人ファミーユにより運営が開始されました。ベルファミーユとはフランス語で「すてきな家族」という意味です。園は、JRおよび東急東横線「菊名」駅よりバスで10分「東高校入り口」より1分の場所にあり、鉄筋コンクリート造り6階建ての住居マンションの1階部分を利用しています。近隣は住宅が多く、大型スーパーや四季の変化を感じることのできる自然豊かな公園があります。
 「よく食べ、よく遊び、よく寝る元気な子ども」「好奇心豊かで、自分で考え自分で行動する子ども」「思いやりがあり、あたたかい気持ちのもてる子ども」を保育目標とし、子ども、保護者と職員全体が家族であるという気持ちを持ち、みんなで成長し合い、楽しめるように保育に取り組んでいます。運動会やおゆうぎ会、夏祭りなどの行事の時にも、大人も子どもも楽しめるよう、さまざまな工夫をしています。昼食は季節や行事に合わせたメニューを提供しています。
 地域の子育て支援事業としては、室内開放を実施しています。開園時間は、月曜日から金曜日まで7時から19時です。

《特に優れている点・力を入れている点》
○子どもの本来持っている「育つ力」を十分に発揮できるように環境を整え、適切な援助を行っています
 0歳児では子どもたち一人一人と向き合って一緒にゆっくり過ごす時間を大切にし、1歳児では子どもの持つ可能性を広げ自分でできることを増やし、2歳児では集団で何かをするということを意識した活動を行うなど、子どもの育つ力を発揮できる環境を整えることを大切にしています。職員は園を子どもたちのもう一つの家庭と考え、全ての園児を一つの家族として保護者に協力しながら見守ります。子どもたちは自分でできること、やりたいと感じていることに挑戦し、一つ一つできるようになっていく達成感を感じながら育っていきます。最年長となる3歳は、好奇心が豊かで、自分で考え自分で行動する力の核となる個性をはっきり表現するようになっていきます。園では子どもの持つ力を信じて、自主性・主体性を育てるような援助を心がけています。

○職員と保護者の間のコミュニケーションもよく取れており、子どもを中心にアットホームな関係が作り出されています
 一つのフロアをパーテーションで仕切って、クラスを分けています。製作や運動などの年齢ごとに行う活動以外は、0〜2歳児が全員一緒に活動しています。ダンスや英語遊びの時には、年齢の小さな子どもが大きな子どものまねをして楽しそうに動く姿が見られます。また、食事の時にも、子どもたちは同じように挨拶をして、座って食べる姿が見られます。年齢の大きな子どもからは、小さな子どもをいたわる姿が多く見られ、日ごろから、きょうだいのようにかかわっています。職員と保護者の間のコミュニケーションもよく取れており、アットホームな関係が作り出されています。

○子どもだけでなく大人も一緒に楽しむことができるよう、行事を工夫しています
 子どもだけでなく大人も一緒に楽しむことができるよう行事を工夫しています。夏祭りには、子どもたちがみんなでおみこしを作って担いだり、保護者が参加して子どもと一緒にゲームをしたり、みんなで焼きそばなどを食べたりしました。運動会では、各年齢に合わせて障害物競走や親子競技を行うほか、2歳児は旗体操を披露しました。おゆうぎ会では、ダンスなどを踊るほか、2歳児はソーラン節を踊りました。行事後に実施している保護者アンケートからは「子どもの姿に感動した」「おみこしのクオリティーが高い」「大人も楽しかった」など感謝する声が多く見られています。また、季節に合わせて、子どもの日、七夕、クリスマス、節分、ひな祭りを工夫して行い、子どもたちに楽しんでもらえるよう、行事食を工夫しています。

《事業者が課題としている点》
 保育所を取り巻くさまざまな環境の中にあって、当園でも職員の確保や定着率の向上を課題の一つと捉えています。積極的な職員の採用活動を行い、働き方改革を進めて職員が働きやすい職場環境づくりを図っていきたいと考えています。当園は0〜2歳児までを受け入れている施設ですが、今後は、地域との交流や地域向けの育児支援の機会を増やしていきたいと考えており、新たに借用の隣室スペースの有効活用について検討しています。さらに、高齢者施設との交流会についても、実現に向けて現在検討中です。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  園の保育理念は、1.両親が安心して働き続けられる園、2.一人一人の子ども達が、大切に守られ子どもの育つ力を伸ばす園、3.家庭的な温かさと集団の楽しさで子ども達の育ちを支え、子育てのサポートが出来る園、の3つの柱で構成されています。園長と職員たちは基本方針について話し合い、自分が行っている保育と基本方針がどのようにつながっていくかを理解したうえで年間指導計画を作成しています。保育の理念や基本方針は明文化され、パンフレットやホームページに掲載しているほか、重要事項説明書にも記載して保護者に周知しています。職員は子どもたち一人一人を大切にし、園児全員が1つの家族であると考えて日々の保育を行っています。
 職員が子どもを呼ぶ際は、保護者が家庭で子どもを呼んでいる呼び方に「くん」または「ちゃん」をつけて呼んでいます。園長は職員が子どもに話しかける時の語調や話しかけ方に気を配り「なるべくトーンを落とそうね」と声をかけています。職員たちは日常の保育の中で子どもの意思を大切にし、子どもの意見を聞いてから活動するようにしています。子ども同士のトラブルにはできるだけ介入せず、収まりがつかない場合には相手の気持ちをわかりやすく説明して、互いが納得できるようにします。現在、職員体制の関係で、研修などを十分実施できていないのが悩みですが、職員会議などで時間を取って子どもの人権について話し合うようにしています。
 保育室は仕切り壁のないワンフロアになっており、事務室からすべての子どもの活動を見ることができるようになっています。子どもが一人になりたい時や、ほかからの視線を遮る時は必要に応じてカーテンで仕切ったり、事務室を使ったりしています。子どもが小集団となって過ごす時は、フェンスやテーブル、いすなどを使ってスペースを確保し、職員と落ち着いて過ごしたり遊んだりできるようにしています。子どもがおねしょをした時など、職員は一人一人の個性に合わせて対応しますが、子どもたちは天真爛漫に布団を片付けてもらい、トイレに行っています。担当の職員は子どもたちが人恋しそうにしているような時には抱きしめて、安心できるようにしています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  全体的な計画は園長が中心となって、主任やクラスリーダーと話し合いを行ったうえで作成しました。3歳児で卒園となるため、転園する子どものその後の発達にも配慮して、園では3歳児以降の全体的な計画も作成しています。この地域は東京のベッドタウンに位置付けられており、駅には複数の鉄道会社が乗り入れています。住民は核家族が多く、主な利用者の勤務形態はパートタイム勤務者が中心です。利用時間帯は8時過ぎから16時過ぎが多数を占めています。保護者に全体的な計画を説明する際は、園便りに記載している「今月の保育目標」と関連付けて話をします。今後全体的な計画を改定した時は、随時保護者に説明することにしています。
 全体的な計画に基づき、年齢ごとに指導計画を作成しています。0〜2歳児までの子どもが保育対象の園なので、子ども一人一人の年齢や成長に合わせた指導計画を作成しています。低月齢の子どもと高月齢の子どもの発達の差に合わせて2つの目標を作っているクラスもあります。おもちゃのかごにおもちゃの写真を付けたり、個別の持ち物入れに持ち主が識別できるマークを付けたりするなど、子どもにわかりやすいように絵や写真を活用しています。職員は子どもの意思や意見をなるべく尊重し、子どもがやりたいと思っていることはなるべくやれるように、意見を言える子どもには子どもの意見を聞きながら、遊びの中で主体性や自主性を発揮できるようにしています。
 入園前の説明会を行う際に日程を調整して、園長と担当職員が保護者全員と面接を行っています。時期は3月の中旬頃で、30分から1時間ほどかけて聞き取りします。最近は両親が子どもを連れて来園するケースが増えています。面接時には子どもの様子、保護者と子どもの親子関係も観察して、個人記録の書式に記入します。その後行う職員会議で、子どもの呼び方、好き嫌い、体質などの情報をすべての職員が共有するとともに、議事録と職員連絡ノートにも記載します。新入園児担当の職員は記録を確認したうえで大筋の計画を作成し、入園後の子どもの様子を観察し、保護者と連携して一人一人の子どもに合った指導計画に変更していきます。
3 サービスマネジメントシステムの確立  新入園の保護者に対して行う説明会で短縮保育(慣れ保育)を行っていること、子どもの発達や家庭の状況に合わせて柔軟に対応することを説明します。期間は3日から1か月ほどですが、子どもが無理をしないで園での生活に慣れることができるようにしています。0、1歳児の新入園児に対しては個別に担当者を決めています。タオルやおしゃぶりなど、子どもが心理的よりどころとする物の持ち込みを許可しています。子ども全員に連絡帳があり、子どもの生活の様子や心身の状態を書いて、子どもの生活が家庭と園で無理なく引き継がれるようにしています。園長は子どもと職員の相性を見て担当職員を決め、子どもが安心して過ごせる環境づくりを心がけています。
 年齢ごとに作成されている指導計画は、毎月振り返りを行ったうえで次月の分を作成します。園長は園便り・日案・週案は手で書くことにより、考え方や記憶が整理された状態になると考え、できるだけ手書きで作成するよう職員に勧めています。職員会議では各クラスの子どもの発達や状況を話し合い、一人一人の子どもの個別目標に対して計画が妥当であったかどうかを評価します。職員会議には全職員が参加して、各クラスの職員が意見を述べ、議事録を作成して話し合った内容を確認します。保護者の意向や要望は、朝の会や職員連絡ノートで情報共有しています。計画を変更する際には、すぐに保護者に伝えています。
 子どもの発達や置かれている状況は、「月極保育確認書」「園児生活調査票」「経過記録」などの決められた書式に記録し、蓄積しています。子どもに関する情報は、朝の申し送り、午睡時の申し送りのほか、職員連絡ノートに書いて全職員が共有できるようにしています。少人数保育を行っているため、職員は入園児全員の個人情報を把握していますが、進級の際には経過記録や職員会議のノートを基に、旧担任と新担任が一人一人の子どもについて申し送りします。園長は、子どもが転園または卒園する場合は必要な事項をまとめて書面にして転園先の保育所に伝達するほか、必要に応じて、連携している保育園に直接連絡して、園長間で情報共有しています。
4 地域との交流・連携  鶴見区こども家庭支援課が主催する育児支援のイベント「あつまれ!えがお」に園長と職員が参加しています。イベントでは、手作りおもちゃの作り方を紹介するなどして、地域の保護者や子どもと交流しています。また、親と子のつどいの広場Kitsch(キッチュ)で、園長が定期的に地域の保護者から、入園に関することや、離乳食などについての育児相談を受け付けています。園長はじめ職員は、こうした地域の保護者や子どもたちとの交流を通して、園に対する支援ニーズの把握に努めており、イベントに参加した他園の園長や職員と情報を交換するなどしています。近隣の公立保育園が行う研修会に職員が参加して、地域の状況や他園の取り組みなどについて情報を収集しています。
 収集された地域の子育て支援ニーズについては、職員会議で情報を共有し、園として、地域に提供できるサービス内容などについて意見交換を行っています。園内開放の実施について、地域の子育て支援団体が発行する情報誌に掲載しているほか、見学に訪れた地域の保護者に周知するなどしています。鶴見区主催のイベントや親と子のつどいの広場などで、手作りおもちゃの作り方を保護者に教えたり、子どもたちに紙芝居や読み聞かせを行ったりしています。今後は、園でも子育てに関する講習会などを行えるよう検討しています。
 鶴見区が主催するイベントや地域の子育て支援の場で、育児に関する情報の提供や育児相談を実施していますが、園における定期的な相談の実施には至っていません。園長は、園での育児相談を受け付けられるよう、職員体制の整備やスペースの確保などについて、検討を進めており、理事会や職員会議で話し合いを行っています。今後は、定期的な相談日を設定し、相談の受け付けに関する情報をホームページなどで知らせるなど、園がこれまで培ってきた専門性を生かして、地域ニーズに対応できるよう、また、専門的な機関へのつなぎ役として地域貢献が行えるよう、さらなる検討が期待されます。
5 運営上の透明性の確保と継続性  園のホームページには、運営方針と保育目標を掲載するとともに、日々の活動の様子や年間行事を写真などを用いて、わかりやすく紹介しているほか、保育サービスの内容など、必要な情報を提供しています。また、ホームページでは、「ばぁばのブログ」と題して園長がブログを記載していて、子どもたちのエピソードや園長の思いなどを伝えています。地域の子育て支援団体が作成している情報誌やマップのほか、横浜市や鶴見区のホームページにも園のサービス内容の詳細などについて、情報を提供しています。
 園の見学希望や利用に関する問い合わせは、電話で受け付けることが多く、主に園長が対応しています。見学は、金曜日の16時半から受け付けていますが、保護者の都合に応じて、日時を調整しています。園のパンフレットには、運営方針と保育目標のほか、一日の活動内容について、わかりやすく掲載されており、パンフレットに基づいて、見学者や利用希望者にていねいに説明を行っています。また、園長は、保護者の仕事の都合が許す限り、子どもと一緒にいる時間を大切にしてほしいことを伝え、家庭と連携して子どもの育ちを支えていく方針を説明しています。
 毎年、年度末に、保育のねらいおよび内容、低年齢児の保育に関する配慮事項などの項目について、職員一人一人が自己評価チェックリストを用いて、自己評価を行っています。職員の自己評価結果を踏まえて、職員会議で意見交換を行いながら、園としての自己評価を行い、課題点や改善点について確認し合っています。園の自己評価は、運営方針と保育目標、全体的な計画に沿って行われており、課題に対する取り組み状況や次年度に向けた課題点についてなどを掲載したものを、玄関に掲示して保護者に周知しています。
6 職員の資質向上の促進  これまでに、実習生の受け入れ実績がなく、実習生を受け入れるためのマニュアルは作成されていません。今後は、実習生の受け入れ方針や受け入れの対応手順、来園する実習生に対する注意事項などを明記したマニュアルや指導プログラムなどを作成するとともに、実習生を受け入れるための取り組みを検討されることが望まれます。福祉人材の育成の観点から、積極的な実習生の受け入れを行い、実習生を指導することで、園の保育内容や保育姿勢をあらためて見直す機会とし、さらなる保育の質の向上につなげられることが期待されます。
 職員個々が資質向上に向けた目標を毎年設定しています。年度末に、目標に対する自己評価を行うとともに、園長との個別面談を通して、達成度の評価が行われています。園長は、園の運営方針と保育目標に沿って、保育が行われるよう、適正な人材構成とその補充を行うべく、尽力していますが、現状では、必要な人材の確保ができていない状況です。今後は、職員の経験年数や能力に応じて期待する保育士像を明確にし、人材育成計画を策定するとともに、キャリアパスを見据えた研修計画を策定されることが望まれます。
 職員は、鶴見区こども家庭支援課などが主催する外部研修や近隣の公立保育園の公開保育などに参加しています。参加した職員は、報告書を記載して、職員会議で報告したり、園内研修で、講師役となり、伝達研修を行ったりしており、職員、非常勤職員とも全員が参加して学び合っています。また、外部研修などで学んできた内容について意見交換を行い、わらべうたを活動に取り入れたり、手作りのおもちゃを作成したりして、実践につなげるようにしています。研修の成果を評価して、次年度に必要な研修内容について、園長と主任が話し合い、見直しをしています。今後は研修計画を作成されることを期待します。

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