かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

小学館アカデミーまいた保育園(6回目受審)

対象事業所名 小学館アカデミーまいた保育園(6回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社小学館集英社プロダクション
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 232 - 0016
南区宮元町1-15-1 エクセルマンション宮元町1階
tel:045-711-6901
設立年月日 2011(平成23)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]

小学館アカデミーまいた保育園は平成23年4月1日に開設した、0歳から5歳児までの定員50名の保育園です。現在は52名の子どもが在籍しています。運営主体は株式会社小学館集英社プロダクションで、教室及び通信による教育事業や保育所、託児所の企画、運営管理等をしています。
保育園は、横浜市営地下鉄「蒔田駅」「吉野町駅」から徒歩7分ほどの幹線道路沿いのマンションの1階にあります。道路を1本入った裏手には大きなまいた公園があり、散歩や遊びで毎日のように利用しています。
「あったかい心をもつ子どもに育てる」という保育理念のもと、「あそび・せいかつからまなびへ」の考え方をもとに楽習保育?を実施しています。


≪優れている点≫

1.職員間のコミュニケーションをとり、連携して保育活動をしています

保育士間、保育士と看護師、保育士と栄養士、保育士と事務員、園長と主任や乳児・幼児リーダーとの意思疎通や連携がうまくいき、保育活動がスムーズに進んでいます。食育では、保育士は子どもと一緒に調理室に行き、お礼の言葉とともに、子どもが苦手な食材も食べられたことを栄養士に報告しています。
担任が席を外した時に発生した子ども同士のけんかでは、ほかのクラスの保育士は担任に状況を報告しています。2、5歳児室、3、4歳児室と保育室は決まっていますが、その日の活動内容により、3、4歳児室を5歳児が利用するなど、柔軟に保育室を使用して保育室をうまく利用しています。幼児の食事室は一つで、クラスごとに時間差で食事をしています。食事をしているクラス外の保育士が午睡の準備を始め、食後はすぐに午睡に入れるように職員が連携しています。保育士同士が助け合いながらとてもスムーズに次の場面転換に移行しています。これは園長も含めて保育士の連携がうまく行われており、子ども達も戸惑うことなく次の活動へ移行出来ています。


2. 職員が創意工夫して「楽習保育?」を実施して子どもの成長に繋げています

法人が提唱している「楽習保育?」を職員一人一人の創意や工夫によって実践しています。「あそび・せいかつからまなびへ」をもとに、子どもの成長につながる活動に生かしています。子どもたちの自由な発想を受け止め、集団活動に取り入れています。鬼ごっこ、椅子取りゲーム、伝承遊びなどで楽しく遊びながら、友達関係やルールを守ることを大切にしています。
リズム遊びの時間に、楽器遊びや身体表現を楽しんでいます。タンバリンやカスタネットなどを使って、年齢や発達に合わせた鳴らし方ができるように工夫しています。子どもが自由に絵を描き製作ができるように、画用紙や廃材を用意しています。「生活発表会」では、クラスごとに合奏や合唱を披露するために練習を重ね、表現する楽しさを感じ達成感を得られるようにしています。「楽習保育?」の実践を通じて一人一人の子どもに職員は細やかな関わりを持っています。


3. 計画的な食育活動をとおして子どもたちが食事を豊かに楽しめる工夫をしています

「年間食育計画」に基づいて、年齢や発達を考慮した活動を毎月行っています。年間テーマを「子どもたちの食べたいものが増え、食に関する興味関心を高める」とし、年齢別の食育目標と食育活動を定めています。0歳児は後期に野菜スタンプで遊び、1歳児は野菜に触る体験、2歳児はそら豆のさやとりや白玉団子作りをしています。3歳児以上は、梅シロップや味噌づくり、出汁を取り、お米を研いでご飯を炊いたり、全クラスでのカレー作り等たくさんの体験をしています。
栄養士が各クラスで、食器の持ち方、三色食品群、旬についてなどの、食事や食材に関わる内容の話をする時間を設け、子どもたちが食事や食材についての興味や関心を持てるように配慮しています。4歳児のピザトースト作りでは、子どもたちは真剣に材料を切り、食パンの上に自分の好きな物を乗せていました。「苦手なものでも一つだけ乗せてみようか」という職員の声で、細かく切ったピーマンを一つ乗せていた子もおり、焼きあがったピザトーストをみんなで楽しく食べていました。栄養士と保育士が連携し、子どもたちが食に関わる体験を積み重ねて食事を豊かに楽しめるように工夫しています。


≪課題や改善することが期待される事項≫

1.保育園の専門性を生かした地域支援が期待されます

保育園の運動会には連携園の園児を招待しています。毎月一回近隣の公園清掃に年長児クラスが参加し、自治会の方々と一緒に清掃をしています。また、地域交流会を催し、地域の高齢者とも交流しています。近隣の小学校とは特に年長児が交流を持ち、就学に向けての不安の軽減になっています。
中学校と連携して職業講話をし、保育士の仕事について広く知ってもらえるように努力しています。地域交流は盛んに行われていますが、保育園の専門性を地域のために役立てる地域支援はあまり進んでいません。園見学者には育児相談に応じていますが、地域での子育てを支援するためのサービスとして育児相談をもっと積極的に行われることが期待されます。例えば、地域でのイベント等を利用し、地域の保護者や子ども等に向けて子育てや保育に関する相談・講習・研修会を開催するなど、園の専門性を生かした地域支援が期待されます。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@ 「あったかい心をもつ子どもに育てる」という保育理念を掲げ、8項目の基本方針と3項目の保育目標を定めています。基本方針は、「思いやり」「生きる力」「主体性」「好奇心」「経験、体験」「得意」「ことば」「地域との関わり」を大切にすることを明示しており、理念・基本方針・保育目標は、子ども本人を尊重したものとなっています。

A 子どもの気持ちや発言を受入れ、子どもの自尊心を傷つけることがないように、職員間で相互に配慮しています。子どもの名前の呼び方は、「さん」「ちゃん」「くん」を基本としています。一人一人の子どもの、年齢や発達、心情に合った話し方で子どもに接し、連携して保育を行えるように、職員会議等で話し合っています。

B 子どもと一対一で話し合う必要がある時は、事務室や廊下、空いている保育室等を利用して、落ちつける環境を作っています。子どもが一人でいたい時や、周囲から声をかけてほしくない時は、カーテンで仕切ったり、玄関や廊下の絵本コーナーなどで、保育士がそっと見守って過ごせるようにしています。

C 個人情報の取扱いや守秘義務については、「施設運営の手引き」に明記されており、「個人情報保護基本方針」に沿った取扱いを行っています。入園時に「個人情報の取扱い等について」を配布して説明を行い、写真の取扱いや緊急連絡システムの利用などに関して「個人情報等の取扱い等についての同意書」をもらっています。個人情報が含まれる書類や写真の取扱いについては、職員会議等で徹底しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@ 子どもの発達や状況に応じて、年間指導計画、月間指導計画、週日指導計画を作成しています。各クラスの担任と園長、主任が協議して指導計画を作成し、全職員に周知しています。指導計画には、ねらい、保育士の振り返り、自己評価を記入し、次期の計画に反映するようにしています。日々の保育活動で、態度や表情から子どもの意思を汲み取り、言語化できる子どもからは意見要望を聞いています。子どもの自主性や主体性を育て、発揮できる指導計画となっており、計画には柔軟性を持たせています。送迎時の会話や保護者会、個人面談などで、保護者の意向を把握し指導計画に反映させるようにしています。

A 職員は、保育理念「あったかい心をもつ子どもに育てる」を念頭に置き、温かい態度で子どもに接し信頼関係を築くようにしています。子ども同士の気持ちのぶつかり合いは、職員が見守りながら子ども同士で解決できるように支援しています。保育室に子どもたちが考えた「ちくちくことば・ふわふわことば」を掲示しています。日常的に異年齢交流を行い、思いやりの気持ちや責任感を育むように配慮しています。

B 送迎時には保護者と会話し、その日の子どもの様子を詳しく伝えるようにしています。子どもの生活の連続性の視点から、保護者への連絡は連絡帳で丁寧に行っています。連絡帳で家庭と園での子どもの様子を共有しています。0・1・2歳児の連絡帳は複写式になっており、食事の量や体調なども記録するようになっています。保護者会はクラスごとに行い、保育内容や子どもたちの様子を詳細に伝えるようにしています。保護者会に出席できなかった保護者には、送迎時に時間を取って、個別に説明を行っています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

@ 入園説明会で個別面談を行い、子どもの生育歴や家庭での状況を把握しています。園長、主任、担任が面接を行い、必要に応じて看護師や栄養士の面談も行っています。「児童票」「生活記録表」等の入園時の提出書類や、面接で把握した情報は職員で共有し、日々の保育に生かせるようにしています。

A 虐待関連の研修に参加し、その内容を全職員で共有し、虐待への理解を深められるようにしています。疑わしい場合には写真に残すなど、早期発見に努め適切な対応を心がけています。虐待が疑われる子どもだけでなく、家庭全体の支援が出来るように南区のケースワーカーや保健師との連携を密に取れるように準備をしています。また、日ごろから保護者にこまめに声掛けをして話しやすい雰囲気を作るようにしています。時には個別に話し合い、保護者の気持ちや心身の状況に寄り添いながら、支援できるように心がけています。

B 意見箱や個人面談などで意見や要望を聞く機会を設け、運営委員会でも広く意見を求めるようにしています。また、送迎時には保護者に積極的に声をかけ話しやすい雰囲気を作り、日常会話や普段の様子から意思をくみ取るように心がけています。時には時間を取って個別に話を聞いています。

C 子どものケガについては、軽症であっても状況を保護者に丁寧に報告し、「事故・ヒヤリハット報告書」に記録しています。軽症であっても、首から上のケガは受診することとし、その他は看護師と相談して個別に判断しています。安全委員の職員が中心になって、事故やヒヤリハットの分析や改善点などについて職員会議で話し合っています。

4 地域との交流・連携

@ 地域との連携を図るため、近隣の小学校とは行事や給食交流、花育、学校探検などで交流、連携を図っています。南区園長会議に出席したり、近隣の保育園とも連携を図ることで、地域の情報を得ています。また、地域療育センターや南区の保健師とも連携を取ることで、多種多様なニーズに対応できるようにしています。

A 入園を考えている見学者の園見学の際に、保育園の特色や特徴を伝えつつ、保育園の役割や目的も丁寧に伝えられるように工夫しています。保護者の知人等からの相談にも丁寧に対応するよう配慮しています。

B ボランティアの受け入れにあたり、「ボランティア(実習生)の心得」に基づいて、留意事項や個人情報等の守秘義務についてなどを説明し、誓約書を提出してもらっています。高校生のインターンを受け入れた実績があります。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@ 保育理念、基本方針、保育目標は、玄関や事務室に掲示してあり、職員が常に意識できるようにしています。入社時の研修や職員会議で、全職員が理念や基本方針を理解し、保育実践に生かすことができるように話し合っています。パンフレットや入園のしおりに掲載し、入園時や保護者会、運営委員会などで説明を行い、保護者への周知を図っています。

A パンフレットは区役所や園の玄関に置いてあります。南区からの依頼で外部の情報提供媒体に情報提供し、インターネットで園の情報が見られます。また、設置法人のホームページからも園の情報が見られます。ご利用案内や地図の他、ブログには日々の保育の様子が写真付きで載っており、園の様子がよく分かります。パンフレットはホームページからダウンロードできます。

B 職員が守るべき法・規範・服務規程などは就業規則や業務マニュアルに明記されており、全職員に配布し、入職時にも説明をしています。社会人として保育士としての倫理観を高められるように配慮しています。

6 職員の資質向上の促進

@ 内部研修が定期的に実施され、常勤、非常勤職員ともに受講しています。OJTを通して、保育の質の向上が図れるような取り組みを行っています。職員会議での研修報告を通して、情報共有を図り知識や教養の幅を広げられるようにしています。シフトの調整をして研修への参加率を高められるように、各職員が協力しています。

A 保育士一人一人が自己の保育の振り返りや行事の振り返りをその直後にすることで、習慣化させ、意識的にPDCAを回せるように工夫しています。職員それぞれの課題を明確にし、その課題に対してどのようにアプローチしたのか振り返る機会として園長との面談を年2回設けています。

B 園長はトップダウン型のリーダーシップではなく、現場職員の意見や考え方を尊重できるように留意しています。子どもと保護者の状況に応じ自主的に判断できるように、現場職員に可能な限り権限を委譲しています。

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