かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

小学館アカデミーかりやど保育園(5回目受審)

対象事業所名 小学館アカデミーかりやど保育園(5回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社小学館集英社プロダクション
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 211 - 0022
中原区苅宿3-6
tel:044-430-0180
設立年月日 2012(平成24)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年01月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<施設の概要・特徴>
株式会社小学館集英社プロダクションが運営する「小学館アカデミーかりやど保育園」は、東急東横線元住吉駅から徒歩約10分の所にあり、平成24年に開園され定員60名、1歳児〜就学前の子どもを受け入れています。平日の7:00〜20:00まで開所し、延長保育、障害児保育を行い、スポット利用にも対応しています。
園名は苅宿という地域名を使い、自然豊かな地域になじんだ保育園です。園は以前、個人の屋敷だったところに建てられた鉄筋コンクリート2階建てで、屋敷内にあった「蔵」を子ども達が使えるように改装し、周辺の木々の育つビオトープとして、自然の遊び場になっています。
園舎の2階に上がる階段下にはライブラリーがあり、貸し出し用の本が置かれ、お迎え時の保護者と子どもの憩いの場にもなっています。
小学館アカデミー保育園の楽習保育?を基にした保育理念は「あったかい心をもつ子どもに育てる」で、子どもたちへの援助の原則として3つのH「ほめる」「はげます」「(視野を)ひろげる」を掲げ子どもたちの心に寄り添う姿勢を全体的な計画にも明記し園全体で保育に取り組んでいます。


<特によいと思う点>

1.日々の保育を通して丈夫な体を作り、自分で体を守ることができるよう支援しています
園長は朝の会で体を温め、脳を起こすことが大切であることを子どもに伝えています。ピアノに合わせて歌を歌ったり、手遊びをしてその後リズムにあわせ全身運動などをしています。体を動かし体温を上げ、脳をめざめさせることは、病気に負けない抵抗力が強くなること、事故や怪我が起こらない柔軟な体を作るためである事を伝えています。また、災害の時には皆が大変になる事もあるので、自分の身を自分で守れるからだ、考え方の出来る子どもになれるように、遊びを通じて毎日積み重ねをして、命の大切さも学ぶ機会としています。

2.個々の保育の質の向上とモチベーションアップを見守る体制があります
園では、職員が自分が今年関わってみたい、得意な役割を自分で選択しています。例えば、園が大切にしている本育の係は、職員の経験値などにこだわらず職員が自分で立候補しています。子どもの心身の発達に沿った本を選ぶことで、本を通じて親子の触れ合いや、子どもの創造力、言葉への興味、関心、色への関心を育てる事ができます。職員がやってみたいことに対して、経営層は子どもへの援助と同じように3つのH「褒める・励ます・(視野を)ひろげる」をベースに職員の可能性を大切にして、職員の育成に努めています。

3.地域と自然に見守られた保育園
園は苅宿という地区名を付けたことで新設当時から親しみをもたれています。敷地のなかには、蔵、実のなる木、草花などビオトープがあり、四季の香、生き物を身近に感じる事ができます。蔵の梁はそのまま残し内部を改造しロフト、丸窓と子どもたちがワクワクする仕様です。園の入り口のガラスには蔵をイメージした格子模様が描かれ、近隣の方からも親しまれています。子どもたちの施設ですので、時には賑やかになることもありますが苦情が出たことはありません。子どもたちと高齢者との交流もあり地域に見守られています。


<さらなる改善が望まれる点>

1.園の計画も含めた研修計画達成率の確認
職員の質の向上にむけて研修制度が整備されています。研修計画は本部からの提案と、園独自の職員からの希望によるものとがあります。計画が確実実施されているかは計画達成率にあらわれます。現在は本社からの提案部分しか見ていませんが、職員の要望に基づいた計画もあわせて達成率を確認することによって、明確な振り返りが行え、より的確な職員の質向上計画立案が期待されます。

2.現場への権限委譲をよりすすめることによる保育の向上
園長は職員の保育の質向上にむけて、職員の配置の工夫を行っています。敢えて若い保育士だけのグループ体制で保育に挑戦させるなどしています。リスクも見定め、個々の職員と面談を重ねながら、現場への権限委譲を進めています。その結果、職員の成長が促されています。適度な権限委譲により職員の自主性を醸成します。引き続き権限委譲を進め職員の成長を追求していくことが期待されます。

3. 第三者員など保育所外の相談窓口の周知
苦情申出窓口について保護者に向けて、苦情解決責任者などを明記して、解決の流れ、体制について周知できるようにしています。苦情に対しては速やかに対応し、必要に応じて面談をするなどして、改善に向けて会議で検討しています。しかし、保護者の約半数が苦情があった時に第三者員などの外部に相談できることを知りません。相談窓口があることが保育園への信頼に繋がりますので、保育所以外にも相談できることを周知する方法を検討することが望まれます。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

プライバシー、男女の差、生まれたルーツなどにある個々の違いを認め、子どもの心に寄り添っています。基本方針には「一人ひとりの(得意)」を大切にしますとあり、保育中の言葉使いや、声のトーンも気を 配り、できた事を認め褒めるように心がけています。日々の保育の中で遊び、ルール、お散歩なども子どもの意思を尊重する保育を実施しています。

施設運営の手引きコンプライアンス編には、虐待に気がついたときの対処、通報などについて記載があります。職員の視診、保育中の子どもの様子、着替え、おむつ 交換時のチェックを徹底し小さな変化にも気づけるよう努めています。保護者とのコミュニケーション を大切にし、声かけをするなどして家庭との連携も大切にしています。虐待が見られた場合は園全体で情報を共有し必要に応じて専門機関との連携を取れるようにしています。

入園にあたり、「個人情報の取り扱い等について」という説明書を保護者に配付し、保育園が取り扱う個人情報や、その利用目的について入園説明会等で保護者に周知して同意書を得ています。さらに園児の写真の使用などについて、その都度確認し保護者の同意を得てから実施しています。子どもが関わる療育センター、医療機関など発達に関わる機関を利用する場合は保護者の同意を得るようにしています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

園の行事後にアンケートを実施し保護者からの要望、意見などを把握しています。個人面談も年2回行い、園以外の家庭での困ったことや、園への要望を聞いています。運営委員会(各クラスの代表者1名、地域の方2名、本社施設担当、園長)でも、園への要望を聞く機会があり、そこで得た意見等は職員間で周知して保育に結びつけています。運営委員会での記録は玄関にあり保護者も見る事ができます。玄関には「意見箱」を設置して、保護者からの苦情や悩み、要望等を随時受け付けています。

「遊びから学びへ」のコンセプトから作られたラーニングセンターには、個別の遊びから全体遊びまで子どもの主体性を活かし創造力を伸ばす遊びのコーナーがあります。ルールのある遊びから自分以外仲間の気持ちを認める事を学び、階ごとにあるライブラリーでは本を通じて言語の理解、読解力を深めています。発達が気になる子どもについては個別の計画を作成しています。ルールや時間を伝える手だてとし て、視覚的に理解できる方法を使うなどして他の子どもたちと一緒に成長ができるように支援をしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

ホームページには園の特徴、情報が掲載され、さらにブログでは保育内容を紹介して、中原区の広報紙などにも情報を提供しています。見学は随時受付をしており、園長か事務員が重要事項説明書やパンフレット等を用いて丁寧に対応しています。入園に際し、入園健診、入園説明会、個人面談と順を追って行い、面談や保護者からの提出書類から子どもたちの情報を得ています。入園時には園生活をスムーズに過ごせるように慣れ保育を行っています。年長児は園独自のプログラムを実施して、文字、数字など就学に向けた活動を実施しています。

楽習保育?全体的な計画に基づいて各指導計画が作成されています。さらに、3歳未満児と特に配慮が必要な子どもに関しては個別指導計画を作成し、一人ひとりの発達、生活の状況に応じて見直しを随時行い、計画内容は、保護者、職員(看護師、栄養士含)、専門機関で意見を持ち寄り、職員がミーティングや会議で共有し子どもにとって過ごしやすい環境になるように配慮して作成されています。

施設運営マニュアルに安全管理、危機管理、事故対応に関する項目が明記され、マニュアルに沿って職員が対応を実施しています。感染症の発生時には、玄関に園内で発生している感染症を掲示し保護者に注意喚起を促しています。色々な想定で避難訓練を毎月実施しています。園のしおりには非常時の連絡についての項目があり、安心伝言板・災害伝言ダイヤル・園のブログなどで保護者に周知させています。保護者は、災害時の引き取りを想定した引き取り訓練を年3回行っています。

「苦情申出窓口」の設置について保護者に向けて、入園のしおりに苦情解決責任者(園長)、相談窓口(クラス担任)第三者委員(園内掲示)、公的機関として中原区の保健福祉センターを明記して、解決の流れ、体制について周知できるようにしています。意見箱も設置しています。苦情に対しては速やかに対応し、必要に応じて面談をするなどして、改善に向けて会議で検討しています。日ごろから、子どもの登降園時、 挨拶など保護者とのコミュニケーションを大切にして信頼関係を深められるように努めています。

4 地域との交流・連携

中原区こども支援室から発行されている機関誌に情報を載せています。園見学にいらした方々には、機関誌の存在をお知らせして、利用を促しています。ブログ等でも近況を発信しています。ボランティアの受け入れについて、地域中学校の体験学習を受け入れ、窓口担当者を決め、積極的に受け入れの体制を整えています。「ボランティアの心得」を基に、オリエンテーションを事前に設け、保育理念や守秘義務について知らせています。

園では、地域の子育て支援に積極的に取り組んでいます。毎月、地域交流会を開催し、園庭開放を行い、リトミック・絵本の読み聞かせ・パネルシアター・ペープサート・エプロンシアターなど多彩なプログラムを提供しています。地域中学校の体験学習を積極的に受け入れ、地域の高齢者との交流等、園児と交流の機会を設けています。沢山の方に園に来てもらい園児との交流を楽しんでもらっています。

地域との連携については、中原区公立・私立園長会議、幼保小の連絡会議に参画し、民生委員、児童委員との会議に出席し、交流計画や情報共有を図り、連携して取り組んでいます。町内会とは良好な関係が保たれています。協働の取組として、園庭開放や絵本の貸し出しなどを他の区内公私立認可保育園とともに実施しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

保育理念や基本方針は、園のホームページ、パンフレット、入園のしおり等に記載し、法人の目指す方向や、考え方をわかりやすく示しています。職員は、法人主催の様々な研修や勉強会で保育理念や基本方針について説明を受け、園内でも討議し、理解を深めています。質の高い保育へ向けて、園の中・長期目標を設定し、現状分析や課題や問題に取り組み、より良いサービスの提供に努めています。

園長の役割・責任・職務については、施設運営の手引き及び事業所の管理規程にて明文化されています。職員は、法人主催の新人研修、フォローアップ研修、ステップアップ研修等で学び、職務を確実に実行できるよう研鑽しています。園長は日々活動現場に入り、職員個々の精神面、健康状態を気にかけ、職場環境に配慮しています。日常業務の効率化に向けて主任とともに保育業務や役割分担を常に見直しています。

小学館アカデミーかりやど保育園では、プロジェクト活動を推進し、自主性と責任の明確化を図り、保育士の質の向上に向けて取り組んでいます。職員は各プロジェクトに所属し、項目ごとの目標に向けてプロジェクトメンバーが中心となって日々取り組んでいます。サービス内容について、定期的に評価を行う体制を整備しています。毎月、月目標に対する振り返りを行っています。また、年間指導計画については評価基準に基づき半期毎に、職員の自己評価を実施しています。

6 職員の資質向上の促進

小学館アカデミー保育園に勤める職員として、求める行動目標を役職別に定めています。一般職員から主任、園長へのキャリアパスや、要素・資格などで明示した求められる保育士像を全職員に提示しています。法人本部では、専門性・社会人性・人間性を総合的に評価しています。また、新卒・保育士取得予定者・復職・現職・遠隔地等の対象者別に分けて保育士の人材採用戦略を立てています。園見学会を開催し、小学館アカデミー保育園の理解する人材の採用に取り組んでいます。

法人本部において研修計画があり、年度の始めに研修スケジュールが示され、職員は入社年次に応じて研修に参加しています。職員は資質向上に向けた自己目標を立て、実績・達成度について自己査定を行います。園長が個別面談により目標の達成状況を把握し、各職員の評価を行っています。研修受講後は、研修報告書に記録し、発表を行い、職員間で共有を図り一人ひとりの資質向上に役立てています。研修の受講を機会に、新たな課題の気付きを得て、研修報告書により研修内容も精査を図り、次年度の研修計画に反映させています。

園長は、職員の就業状況や意向を把握し、休暇の取得、福利厚生の利用の促進に努めています。また、有給休暇の消化バランスを確認し、月次のローテーションに当たり、必要に応じて休暇、振替等の調整に配慮しています。年1回、法人本部職員と面談できる機会を設けています。職員の希望に応じて相談できる窓口を法人本部に設けていることを職員に文書で知らせています。いつでも相談できる体制を構築し、職場の精神面・健康管理に活用しています。

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