かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

あい保育園高田東(2回目受審)

対象事業所名 あい保育園高田東(2回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 アイグラン
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 223 - 0065
港北区高田東4-23-17 
tel:045-859-9302
設立年月日 2014(平成26)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年01月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および施設の概要
 「あい保育園高田東」は、平成26年4月に開園しました。横浜市営地下鉄グリーンライン高田駅より徒歩2分の、住宅地にあります。園舎は鉄筋コンクリート造り3階建てで、屋上を園庭としています。0〜5歳児定員90名で、現在88名が在籍しています。近隣に、交番、消防署があります。周辺に、川沿いの散歩道、大小様々な公園があり戸外活動に利用しています。
 設置法人は広島県に本社を持つ、株式会社アイグランで、全国で保育事業を展開しています。横浜市内には当園のほか、金沢区に「あい保育園富岡東」があります。
・園の特徴
 設置法人統一理念は、「私たちは子ども達に『自分の夢を自分の力で実現できる人』になってほしいと願っています」としています。園独自の園目標を「自ら主体的に挑戦し、何事も楽しんで行動できる子」としています。子どもが楽しめるイベントの実施、リトミック、体操教室のプログラムや地域に向けての子育て支援や交流の取り組みなどを積極的に行っています。

【特に優れていると思われる点】
1. さまざまな体験を通して子どもたちの興味、探求心を培う保育活動
子どもたちがさまざまな体験を友達や職員と一緒に楽しむとともに、色々なことに興味を持ち積極的に物事に取り組むことができるよう、保育活動を工夫しています。
散歩や戸外活動を積極的に行い、近隣の公園や、遠足でズーラシア、日本丸メモリアルパークなどに出かけています。鶴見区の人形劇団体公演の人形劇を定期的に見に行っています。年長児は近隣の商店に買い物に行ったり、高田地域ケアプラザでの野菜販売会に出かけたり、高齢者施設に行き、歌を歌ったりして交流するなど、地域に暮らす様々な人々と関わり、地域に親しみが持てるようにしています。
園内の活動では、週1回幼児クラスでは縦割り保育の時間があり、栽培や製作を一緒にしています。食育活動で、季節の野菜を栽培したり、ジャムづくり、手作り中華麺などのクッキングを楽しんでいます。また毎月、絵本に出てくる料理を給食として提供する「絵本献立」(例:「ばばばあちゃんのおこのみやき」の絵本から「お好み焼き」)があります。専門講師によるリトミックや体操のプログラムで、友達や職員と一緒に身体を動かすのを楽しんでいます。
地域の文化や風土に関連した紙芝居を作っているグループが来園し、郷土をテーマにした本の読み聞かせや紙芝居をしてもらっています。また粘土細工や折り紙の講師、えんぴつの使い方の講師に来てもらったり、食品会社のマスコットキャラクターが来たり、マジックショーを観覧する機会もありました。

2.積極的な地域子育て支援への取り組み
 高田地区の子育てネットワーク会議や、高田地区園長会、高田地域ケアプラザ、NPO法人横浜たかたネットワークなどと連携し、子育て支援ニーズを把握するとともに、高田地区のイベント「たかたんこどもまつり」に職員を派遣し、紙芝居や絵本の読み聞かせなどを行っています。園では、今年度から、毎月、地域の子育て世帯向けに「歯科講座」「腰痛予防」「肩こり講座」「親子ヨガ」「親子英語」など、親子で楽しみながら学べる講座を開催し、喜ばれています。また、地域の未就園児の一時保育も積極的に実施しています。定期的に身長体重測定の日を設け、地域の親子が自由に参加でき、常時15組程度の利用があります。講習の日や身長体重測定の日には、職員と気楽に子育てについての相談や話をするほか、参加者同士がお互いの「子育ての悩み」を話し合ったりするなど、地域の子育て世帯の交流の場ともなっています。

3.ケガや事故からこどもの安全を守るための取り組み
 前年度に受診を要するようなケガが多く発生していたところから、前年度の秋以降に「ヨクナル」という名称の記録用紙を事務所入口に置き、職員は発生した時や気づいたときに記入するようにしています。「ヨクナル」には、日付、場所、時間、内容(ケガ、ヒヤリハット、意見、要望など)、結果と経過、改善、報告者、対応職員の各欄があり、状況や改善点がすぐに分かるような書式となっています。看護師が1か月分を集計・分析をして報告書「ヨクナル通信」を作成し、職員に職員会議で説明しています。「ヨクナル通信」は、ケガやヒヤリハットについて、場所や時間帯、曜日、内容の報告と、特に注意すべき事例も記載しています。職員個々が、その時々の状況や対応に気づくことができるようになり、また職員間で共有することにより、今年度は受診を要するようなケガや事故は大幅に減少しています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.体系的な個別研修計画の策定
 園内研修、園外研修、国のキャリアパス制度に基づくキャリアアップ研修などを計画的に実施していますが、職員個々の目標設定や振り返りを踏まえた個別研修計画は作成されていません。キャリアパスを見据え、職員の経験、習熟度に応じた体系的な年間個別研修計画を作成し、実施していくことが期待されます。

2.定期的な育児相談の実施と地域への周知
育児相談は見学時や一時保育利用、イベントの際に受けていますが、曜日や時間を決めてはいません。地域の保護者が育児相談しやすいように、受付時間や曜日を決め、さまざまな媒体などで相談できることを周知することが期待されます。

3.園と保護者との相互理解を深める更なる工夫を
園の運営や保育内容、行事などについて保護者の意見を聞く機会はありますが、継続的な話し合いや、保護者が十分に理解できるような説明は不十分な面があります。
家族アンケート結果では、「園の基本理念・保育方針の認知度」は約55%の水準にとどまっています。また、「送迎の際の子どもの様子に関する説明」については「不満」「どちらかといえば不満」の回答が合わせて35%となっています。
園と保護者との相互理解を深める更なる工夫と改善が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・「私たちは子ども達に『自分の夢を自分の力で実現できる人』になって欲しいと願っています」を保育理念とし、保育方針「自主性を育てます」「個性を大切にします」「思いやりの気持ちが育つ、『心の基地』をめざします」「自然との触れ合いを大切にします」は利用者本人を尊重したものになっています。

・食物アレルギー、発達の遅れ、障がいなど特に配慮を要する子どもを積極的に受け入れています。個別のケースについて、職員会議、昼礼などで報告、検討して議事録に残しています。

・虐待が疑わしい場合や見守りが必要な場合は、各会議や昼礼で報告しています。食事の様子や身体状況を観察し、明白になった場合は、港北区、都筑区こども家庭支援課、横浜市北部児童相談所に連絡する体制となっています。家庭支援が必要と思われる場合は、職員がそれとなく声かけしたり、保育園の休みが続くときなどに、電話連絡を入れたりしています。

・個人情報マニュアルは「あい保育園高田東マニュアル」の中にあり、園長は職員に入職時に説明し、周知しています。重要事項説明書に個人情報の取り扱いについて明記し、入園時に説明し、保護者が撮影する映像の取り扱いについてもプライバシーに配慮してほしいことをお願いしています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・子どもが主体的に遊べるようにおもちゃや絵本は子どもが取り出せるような高さの棚や箱に置かれ、自由に遊べるようになっています。子どもの年齢や発達に合わせて、いろいろなおもちゃを用意し、室内遊びの時間では子どもの興味に合わせていくつかのコーナーを作っています。

・天気の良い日は、ほぼ毎日、屋上園庭や公園に出かけ、子どもの興味や関心、年齢に応じて公園を決め、ドッジボールや鬼ごっこなどをし、みんなで一緒に遊ぶ楽しさとともにルールを守ることの大切さがわかるようにしています。

・0歳児においては子どもの表情や仕草をよく見て、子どもの伝えようとする思いや意向を汲み取るようにし、職員は喃語にも言葉で応答したり、スキンシップをとるなど、ゆったり関わるようにしています。

・1歳以上3歳未満児の保育においては、着替えや靴の着脱、手洗い、排泄、食事、ものを片づけたり、後始末など基本的な生活習慣についても自分でやりたい気持ちを大切にし、時間がかかっても見守りや助言をしています。

・3歳児の保育においては、自分の興味を持った遊びや活動ができるように、コーナーやスペースを作り、それぞれ興味を持った遊びができるように、おもちゃ、教材、素材を十分用意しています。

・4歳児の保育においては、友達と一緒に、遊びや活動を楽しんだり、自信を持って行動できるよう職員が声かけをしたりしています。友達と一緒に楽しめるように、遊びや活動のルールを守ることを伝えています。

・5歳児の保育においては、友達と協力しあって一緒に製作物を作ったり、ルールのある遊びを楽しんだりしています。日常の中で、お互いに意見を言い合ったり、自分の思いを伝えられるようにしています。

・献立は栄養士が作成し、旬の食材を使い、味付け、切り方に工夫をしています。絵本献立を月1回提供し、「かえるとカレーライス」からカレーライスや「ばばばあちゃんのお好み焼き」からお好み焼きなどを提供しています。

・職員は子どもの好き嫌いやその日の体調を把握し、子どもの苦手なものは子どもの申し出で減らし、一口でも食べることができるように支援しています。苦手な食材を食べたときには、ほめて食べる意欲を育んでいます。

・各クラスに園児の名前が書かれた「保育メモ」が置かれ、送迎時に聞き取った子どもに関することを記載し、また保護者に伝えたいことを記載して引き継ぎを行ない、保護者に伝えた担当者は名前を書いて、伝え漏れを防いでいます。

・0〜2歳児は毎日個別連絡ノートで、園での様子、家庭での様子、諸連絡などを保護者とやりとりし、幼児クラスでも各自連絡帳を用意し、保護者と情報を交換しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・全体的な計画に基づき、年齢ごとにクラス担当職員が話し合い、年間指導計画、月間指導計画、週案を作成しています。栄養士が食育計画、看護師が保健指導計画を作成しています。

・理解できる子どもには、必要なことは、年齢に応じ分かりやすい言葉でゆっくり説明し、次の予定などを前もって伝えています。時計の文字盤、イラスト、絵などを利用し、目でも確認できるようにしています。無理強いしたり、せかしたりして行動させることはありません。

・入園前に親子での面談を行い、入園時に保護者が記入した「児童票」「健康台帳」と面談時の「面談シート」により、生育歴や家庭状況を把握し、日々の保育に生かしています。短縮保育について、入園前面談で保護者に説明し、めやすは2週間とし、各家庭の都合を考慮しています。

・3歳未満児について、毎月個別指導計画を作成し、3歳以上児でも、特別な課題や配慮が必要な場合は個別指導計画を作成しています。

・個別の「児童票」「健康台帳」「面談記録」に子どもや家庭の状況を記録しています。身長・体重は毎月計測後「健康台帳」に記録し、発達や成長の記録は「連絡ノート」や個別の児童票(発達記録)に0〜2歳児は毎月、3歳児以上は3か月ごとに記録しています。

・健康管理、衛生管理、感染症対策などに関する各種マニュアに基づいて子どもの健康状態の把握や健康診断・歯科健診の実施や感染症対策などを行っています。

・安全管理マニュアルに基づいて、乳幼児突然死症候群(SIDS)予防対策、アレルギー対策、調理での食中毒予防などを行っています。毎月地震や火災のなどの様々な想定で防災訓練を行っています。

・職員はケガやヒヤリハットなどが発生したときや気づいたとき「ヨクナル」に発生場所や、時間帯、内容、結果、改善内容などを記入し、毎月、看護師が「ヨクナル通信」としてまとめ、職員会議で報告し、再発防止策を検討し、改善策が実行しています。

4 地域との交流・連携

・園のパンフレットや設置法人のホームページで園の情報を提供しています。利用希望者にはパンフレットや重要事項説明書に基づいて保育園の基本方針や利用条件・保育内容について、説明しています。

・毎月、地域の保護者や子どもに向けてイベントを行い、「腰痛予防」「歯科講座」「肩こり講座」「親子ヨガ」などを開催しています。地域の親子に園での身長体重測定や歯科健診に参加してもらっています。

・近隣の保育園と年長児の交流会を年2、3回持ち、ドッジボール大会を行い、交流を図っています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・職員が守るべき法・倫理・規範などは就業規則と「あい保育園高田東マニュアル」に明記しています。職員は「あい保育園高田東マニュアル」を所持し、会議、打ち合わせ時には必ず持参し周知しています。園長が折りに触れ、保育理念や保育方針について話し、職員は定期的に「あい保育園高田東マニュアル」をチェックしています。

・保育理念、運営方針を玄関内に掲示し、「重要事項説明書」「全体的な計画」に明記し、職員は朝礼、職員会議で確認しています

・職員は年2回園長と面談し、状況の確認や、今後の見通しなど話し合っています。また「自己評価チェックリスト」を使って、評価反省を行っています。

・保育園の重要な改善課題や新たな取り組みなどについて、職員会議、担当者会議、昼礼で話し合い、保育所全体で取り組んでいます。年度末に園全体の自己評価を実施し、次年度の課題を明確にし、園内研修や担当者会議で、保育の質の向上に向け取り組んでいます。

6 職員の資質向上の促進

・園長は園運営に必要な人材や配置状況を把握し、担任、役割分担を決め、加配が必要な場合などは設置法人に伝え、人材補充を行っています。

・設置法人策定の人材育成計画があり、その中に保育士として身に付けたい社会性、専門能力などが「新任保育士」「3年保育士(3〜4年目)」「5年保育士」「10年保育士」の段階に応じて明確に示されています。

・毎月、常勤職員に向けて「アレルギー対応」「感染症対応」「危機管理」「チーム力アップ」などのテーマを決めて内部研修を実施しています。非常勤職員は感染症対応やノロウイルス消毒手順などの説明を受けています。各研修について、無記名でのアンケートを取り、次期の計画に反映しています。

・職員は希望する横浜市主催、港北区主催、保育専門講師による外部研修に参加しています。研修受講後、研修報告書を作成し、職員会議、昼礼、担当者会議で報告をし、職員間で共有しています。

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