かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

桃の木保育園

対象事業所名 桃の木保育園
経営主体(法人等) 特定非営利活動法人 桃の木保育園
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 220 - 0051
西区中央2-42-15 リーベルステージ横浜NE01
tel:045-322-3414
設立年月日 2015(平成27)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 桃の木保育園は、昭和63年に開園した横浜保育室の運営を経て、平成27年4月開設の保育園で、運営法人である特定非営利活動法人桃の木保育園により運営されています。保育園は京浜急行戸部駅から徒歩10分の、国道1号線から一本路地を入った静かな住宅街の中にあります。園舎は白いタイル張りの5階建マンションの1階部分にあります。園内には0歳児から5歳児まで年齢別の部屋と、厨房、事務室、多目的ホールなどがあります。0歳児、1歳児保育室の間と2〜5歳児の各保育室の間に壁はなく、睡眠時間にはカーテンで仕切りますが、それ以外は子どもたちや保育士が互いの姿を見ることができ、自然に触れ合えるつくりになっています。定員は60名で、生後57日の産休明けから小学校就学前の子どもを対象にした保育園です。休園日は日祝日と12月29日から1月3日の年末年始で、開園時間のうち標準時間は7時30分から18時30分です。延長時間は7時から7時30分、18時30分から20時です。保育方針は「思いやりのある心を持ち、友達と力を合わせて物事をやり遂げたり、自分の思っていることが言え、人の話も聞くことができる子どもを育成」をうたい、一人一人を大切にした家庭的な保育を行っています。

《特に優れている点・力を入れている点》
○ 「第二の家庭」となって、一人一人の子どもたちにていねいに向かい合う保育を行っています
 子どもたちにとっての保育所は、1日の大半を過ごす生活の場所であると考え、園を第二の家庭と位置付けています。一人一人の個性に合わせて、子どもの良いところを伸ばせるような取り組みをするとともに、主体性を重んじながらも無理はさせないように保育を行っています。0〜2歳児では子どもたちの発達の様子を見ながら、安心して生活し、自分の要求を十分に満たして情緒を安定させていく活動をすることを大切にしています。3歳児以上では基本的な生活習慣を身につけ、さまざまな活動を通して友達と共感し合ったり、思いやりを持って年下の子どもに声をかけたり、遊んだりできるようになってほしいと思っています。職員は、子どもたちが自分の気持ちを素直に相手に伝え、相手の気持ちがわかるように育って欲しいと考えて毎日の保育を行っています。

○職員が協力し合って、子どもたちがのびのびと過ごせる環境づくりに努めています
 職員は、チームワーク良く協力し合って、子どもたちが、いろいろなことに興味を持ち、好きな遊びを見つけられるよう、環境づくりを行っています。保育室には、色彩豊かにペイントされた木製の動物パズルや模様入りの布で作られたスナップ付きの棒状のおもちゃなど、手作りのおもちゃを多く準備しているほか、コーナーづくりで使用する木製の仕切りも安全性に配慮して手作りしています。また、夏まつりや運動会の飾りつけを保育士が製作したり、おたのしみ会では、子ども一人一人に手渡しするおやつをアレルギーのある子どもも同じものが食べられるように、調理職員が米粉でケーキを作ったりしています。子どもたちは、手作りの温かみが感じられる環境の中で、想像力を膨らませて日々の遊びを展開し、節目の行事では、自分たちで相談して決めた劇を発表するなど、さまざまな経験を積み重ねながら、のびのびと園生活を送っています。

○仕事をするうえでも、労働条件のうえでも、働きやすい環境の職場です
 園長、主任は、職員面談を行うとともに、常日ごろから声かけして、業務上の心配ごとだけでなく、家庭での悩みなどにも相談にのるよう配慮していて、職員が安心して相談できる環境があります。年間行事はベテランと若手でチームを作るなど、ベテランの保育技術を若手が学ぶことができるよう工夫しています。園には職員の休憩室があり、休憩時間もしっかり保障しています。また、有給休暇は全員が取得できるよう職員同士で配慮し合い調整しています。園には職員の紹介により入職した職員がおり、また、昨年の実習生3名が当園に入職希望をしています。仕事や労働条件の面などで、人に勧められるような、働きやすい環境です。

《事業者が課題としている点》
 園では、職員が常に心穏やかに過ごし、安定した子どもたちの保育環境を整えるためにも十分な職員数の確保は課題と捉えています。働きやすい環境作りとして職員が代休や有休を取りやすく相談などをしやすいように、引き続き取り組んでいく考えです。また保育士が保育に対して常に向上心を持って臨めるよう、園内研修を含む研修受講や会議以外での話し合いへ全職員が参加する機会を作っていきたい意向です。園では、近年の社会で物の「使い捨て」が横行する中、子どもたちに資源の大切さを教えていきたいとの思いから、生活雑貨などの不用品を子どもの大好きなおもちゃに作り変えるなど、手作り感を大切にした保育環境を作っていきたい考えです。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  保育の理念、方針、目標は子ども本人を尊重したものになっています。園長は園の理念、方針に沿い、子どもの主体性を重んじ、生きる力を身につけられるような家庭的な保育を行うことを大切にしています。職員も年度末のクラス会議で、理念や方針に沿って1年間の保育活動の振り返りを行ったうえで、職員会議で各クラスでまとめた結果を発表しています。保育の理念はホームページや入園のしおり、重要事項説明書に明文化されています。2月に行う保護者懇談会では園長がクラスごとに、保育の理念や方針について説明しています。また、新入園児の説明会の前にしおりの見直しをしています。子どもたちが大半の時間を過ごす園での生活を充実させ、第二の家庭としての機能を生かし、地域の子育て支援活動に貢献し、信頼される保育所であることを目ざしています。
 日常生活の遊びの場面では、性差に関係なく各クラスの子どもたちが一緒になって活動しています。名簿や下駄箱は月齢順としています。毎日の服装は清潔で健康的なものであれば良く、安全面からスカートやフリル、フード付きのものは控えてくださいとお願いしています。父の日、母の日は子どもたちが楽しみにしているため継続していますが、誰に手渡せば良いか確認が必要な保護者には職員が事情を聞いています。園長は子どもたち自身が育つにつれて感じる性差については成長の一環として捉え、自然に変わっていけば良いと考えています。クラスごとの男女の構成比率がかなり違うため、異年齢交流を取り入れて男の子と女の子の数にあまり差がつかないように配慮しています。
 職員が子どもを呼ぶ時は、家庭で保護者が呼んでいる呼称に「くん」「さん」「ちゃん」のどれかを付けて呼んでいます。園長は保育活動の中で職員の子どもとの会話のトーンと内容に耳を澄ませ、大きな声だと感じた時は控えめに話しましょう、と声をかけています。職員は子どもと向かい合う時には一人一人の子どもに合った話し方や態度で接しています。子ども同士のトラブルは可能な限り見守る姿勢を取りますが、危険な行為をした時には止め、双方の話を聞いたうえで相手の立場を代弁して互いの気持ちを理解できるようにします。今後は職員会議の中に園内研修の時間を作るなどして、全職員に男女共同参画の意識づけをして行く予定です。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  3月中旬に行う入園前の説明会の後、クラス担任2人と保護者が面接しています。面接時間は15分から30分ほどで、子どもの様子を中心に聞き取りします。その際には同伴してもらっている子どもの様子を観察し、親子のかかわり合いについても観察するようにしています。面接する際はクラス担任の一人が記述係となって年齢別に作成された書類を記入します。面接後、クラス担任を中心として、主任、園長も含めて新入園児について情報共有を行っています。入園後、児童票や提出された書類を確認して年間指導計画を立てます。ねらいや目標はおおむね半年ごとに大きく分けて、入園した子どもの心身や家庭の状況に合わせて月間指導計画を作成しています。
 保育室は年齢ごとに棚やカーテンで仕切っていますが、0、1歳児と2歳児以上の部屋の間には扉が設置されています。子どもたちはテーブルやマットで仕切った空間で、小集団になって遊んでいます。職員は子どもたちの興味や年齢ごとの発達に合わせたおもちゃを揃え、自由遊びや交流遊びの際に出して、子どもたちが遊びこめるようにしています。食事をするスペースと午睡をするスペースは分けられていて、職員は子どもたちが食事をする前に午睡の支度を済ませます。保育室の衛生管理や子どもの食事のペース配分も考えて、機能別の空間を確保しています。保育室の前面に位置するホールは、多目的に利用することができ、異年齢交流もそこで行っています。
 3歳児未満の子どもには個別指導計画があり、子ども一人一人の様子や配慮の内容を書いています。3歳児以上の子どもについても健康面や発達の様子、家庭の状況など個別に配慮が必要だと思われる場合には個別の指導計画を作成し、取り組む課題を決めて、クラス会議で検討しています。クラス会議では日々の子どもの様子や発達の状態を把握し、目標や個別指導計画が妥当かどうかについて話し合い、柔軟に見直しを行って次月の計画を作成します。クラス会議で話し合った内容は職員会議で共有します。保護者の要望や意向は送迎の際の会話や懇談会、個人面談などで聞き計画に反映させるとともに、重要な内容は保護者に説明し同意を得て実施しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立  年齢ごとに年間指導計画、月間指導計画、週案を兼ねた日案を作成し、年間指導計画は期ごとに自己評価を行っています。月案は園長と主任も参加するクラス会議で取り組み状況を確認し、振り返りを記入し、評価したうえで見直しをするかどうか検討します。クラス会議で取りまとめた内容は職員会議で発表し、全職員に周知します。連絡帳への記入や、送迎時に口頭で伝えられる保護者からの要望や意向は、内容によって即時に対応するものとクラス会議で検討するものに分け、即時に対応するものは担任と主任または園長で対処の仕方を決めます。園の運営全体にかかわるような要望についてはクラス会議や職員会議で検討するようにし、必要に応じて指導計画へ反映しています。
 就学に向けて、5歳児担当の職員が保育所児童保育要録を作成し、園長が内容確認を行った後、簡易書留で小学校に送付しています。小学校職員が来園して子どもの情報を共有することもあります。児童票、面談表に、子どもの発達や家庭の状況を記録しています。入園後は経過記録、健康管理台帳に子どもの発達記録を残しています。子どもの発達記録は個別にファイリングされ、必要に応じて全職員が共有できるようになっています。「知っとこノート」には、その日の引き継ぎ事項が書かれており、職員は業務に入る前に子どもに関する必要な情報を確認しています。進級時の引き継ぎは新担任、現担任、主任、園長で行い、内容を職員会議ノートに記載しています。
 健康管理に関するマニュアルには、登園時の健康チェックや発熱時の対応方法などが明記されており、職員はマニュアルに基づいて、日々、子どもの健康状態の把握に努めています。保健年間計画には、月ごとの健康管理内容について記載されており、年齢に応じて指導計画にも反映させ、子どもの健康管理を行っています。入園時には、健康台帳に既往症などについて保護者に記入してもらい、入園後は毎年度末に保護者に渡して変更事項などを追記してもらっています。保育中に子どもの体調などで気になることがあった際は、お迎え時に保護者に伝えて、その後の対応について話し合っています。また、0歳児から、給食のあとに歯ブラシを持つことから始め、食後の歯磨きが習慣となるよう指導しています。
4 地域との交流・連携  園の見学者や、毎月1回の「土曜・子育て広場」の取り組み、西区で行っている出前保育の際に、離乳食や子どもの食べ物の好き嫌いへの対応などの育児相談を行っています。この取り組みの中で育児相談や子どもを遊ばせる場所が欲しい、などの地域の要望を把握しています。西区の出前保育の取り組みで、保育園8施設が協力して、年1回、地域の子育て支援について検討会を開いています。その中で検討した子育て支援の一環として、「親子ふれあい会」を開催しています。
 ボランティア受け入れ時には、職員会議で受け入れの意義などを話し、園全体で対応することを確認するとともに、保護者にも口頭などで説明しています。ボランティアの受け入れ担当は園長と主任としています。水曜会という絵本の読み聞かせのボランティアが月1回、来園しています。ボランティアの終了後、感想や意見を聞き、今後の活動に生かすようにしています。しかしながら、ボランティアの受け入れに関するマニュアルがないので、今後の作成が期待されます。
 園では、毎週木曜日を園の見学日とし、園の見学者対象の育児相談を実施するほか、「土曜・子育て広場」では、毎月午後2時30分から2時間、園開放を行い、育児相談を行っています。「土曜・子育て広場」は、地域の子育て家庭が交流をする場にもなっています。園の外の掲示板に、園便り、「土曜・子育て広場」や園行事の案内などを掲示し、園の情報を提供しています。園のホームページには園行事や西区などの問い合わせ先が掲示され、情報を提供しています。離乳食や睡眠時間の相談など、育児相談は毎月行っています。運動会では地域の自治会長や第三者委員、連携している近隣の園を招待しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性  園のホームページや入園案内パンフレットにより、将来の利用者などに園の情報を提供しています。横浜市のホームページ、ヨコハマはぴねすぽっとや、西区のホームぺージ、地域子育て支援拠点「スマイルポート」に園の情報を提供しています。横浜市や西区のホームページで料金の情報などを見ることができます。園のホームページでは保育理念、保育方針、保育目標のほか、行事やデイリープログラム、開園時間、受け入れ年齢、定員、職員体制、写真入りの給食メニューなどを閲覧できます。また、園のブログにもリンクして、毎日の園の活動を閲覧することができます。
 園の見学および利用希望者の問い合わせには、園のパンフレットに基づいて案内し、園の理念、保育方針、保育内容などを説明しています。電話や直接来訪しての問い合わせは、園長、主任を担当者として、常時対応できるようになっています。見学は基本的には子どもの活動の様子が見られる時間帯に案内をするようにしていますが、見学者の都合に合わせ、保育に支障をきたさない範囲で、柔軟に対応し、平日は常時、また土曜日も対応できるようになっています。
 横浜市の事業案内説明会や西区のこども家庭支援課、区の園長会議などから、地域の子どもの動態や、保育所保育指針の運用、虐待の動向、地域の子育て家庭の支援の動向など、福祉ニーズや事業経営に影響のある情報を収集し分析しています。重要な情報は園長と主任で意見交換し、必要な場合は職員会議などで職員と情報共有し話し合っています。保育士不足への対応では職員に呼びかけ、紹介してもらったりしています。また、改めて保育指針を学びなおし、全体的な計画や指導計画の見直しなどを改善課題としてあげ、職員会議で話し合い、園全体で取り組んでいます。
6 職員の資質向上の促進   研修担当者は園長、主任で、研修計画と園内研修の計画を作成しています。園内研修は外部研修の内容を全体に発表して情報を共有したり、マニュアルの基本を確認したりするなど、非常勤を含む全職員を対象に行っています。また、全職員が異年齢保育、感染症対応、接続期の保育、年齢別の子どもの対応、気になる子どもに関することなど、多様な外部研修を公平に受講できるようにしています。研修受講後、研修報告書を提出し、職員会議で報告するとともに、回覧して内容を共有しています。園長、主任との職員面談や、研修報告書の内容、次年度の取り組みの重点を踏まえ、次年度に向けて研修内容の見直しを行っています。
 保育目標、保育内容、行事、クラス運営、安全・保健衛生、人材育成、地域支援などの内容に基づく保育園の自己評価の仕組みがあります。保育技術に関する26項目の保育士の自己評価の仕組みも確立し、保育技術の向上に努めています。毎月の職員会議では、例えば、転ぶ子どもが増えている中で体操前にストレッチを行うことの大切さなど、他園の事例や自園の良い点をもとに学び合っています。配慮を必要とする子どもへの対応として、年1回保育士が横浜市中部地域療育センターから来園するケースワーカーに巡回指導を受けています。
 指導職、主任、中堅、初任といった階層ごとの人事考課表により、人事考課が行われます。人事考課表(評価基準)には、経験や習熟度に応じた役割が期待水準として明文化されています。職員の職種別の権限は運営規程に明記され、指導計画の作成、クラス運営など、通常の保育業務は職員に権限委譲されています。対外的な業務や、人事、施設運営、職員の統括は園長や主任が行います。偶発的な問題が発生した場合には職員は園長、主任に報告、連絡、相談することが徹底されています。職員との面談により職員の意見や要望を聴取し、音の出るおもちゃや、スナップを使ったおもちゃの充実など、保育室環境の改善などが提案され、業務に生かしています。また年2回、園長面談を行って、次年度の配属や業務への希望、研修希望、業務への満足度などを把握しています。

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