かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

新川崎みらいのそら保育園

対象事業所名 新川崎みらいのそら保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 神奈川県社会福祉事業団
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 212 - 0057
幸区北加瀬1-11-4
tel:044-589-5588
設立年月日 2017(平成29)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年01月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)
【施設の概要・特徴】
●新川崎みらいのそら保育園は、社会福祉法人神奈川県社会福祉事業団(以下、法人)の経営です。法人は、昭和37年4月神奈川県により財団法人神奈川県社会福祉事業団として設立され、平成21年4月神奈川県の第三セクターから自立し、法人として自主経営を行っています。法人は神奈川県内に保育所・児童福祉施設・高齢者施設など多数の社会福祉事業施設を運営し、地域社会に貢献しています。当園は、平成29年3月に神奈川県住宅供給公社が新築した5階建て集合住宅フロール新川崎5棟の一角において、平成29年4月に開園しました。当園は、JR横須賀線・湘南新宿ライン「新川崎駅」から徒歩8分程度、商業地・住宅地が混在した地域に位置し、周辺は小学校、公園等が点在する生活にも便利な環境です。また、園舎裏山には夢見ケ崎動物公園があり、自然も多く四季を感じながら動物とも触れ合える環境下にあります。
●園舎は、集合住宅フロール新川崎1棟の1階部分を占めています。園庭には防犯カメラが設置され、塀も高く、砂場には夜、シートをかけるなど安全性に配慮した対応を行っています。新川崎みらいのそら保育園は、保育方針の基、「意欲ある子ども」、「自分らしさを発揮できる子ども」、「自分も友達も大切にできる子ども」の3つの保育目標を掲げ、子どもを大切にした保育を実践しています。さらに、法人系列6園では、未来を創る子どもたちのために、9つの『私たちの目指す保育』の共通の具体的目標を掲げ、愛情深く子ども達を育んでいます。開園当初から地域に根差した保育園運営を目指し、一時保育事業を実施するなど保育園の機能を積極的に地域に提供しています。
〈特に良いと思う点〉
1.【保育園機能の地域への提供】
●新川崎みらいのそら保育園は、地域に根差した保育園運営を目標に活動しています。定員10名の一時保育事業を実施することにより地域の方々から認知してもらっています。地域子育て支援として、園庭開放・身長体重測定・園行事等へのお誘いを地域の子育て家庭に行い、育児相談では、園長・保育長・看護師・栄養士が専門性を活かして丁寧に対応しています。また、保育園のホームページを活用し、クラスの活動や一時保育、子育て支援の情報提供を行うと共に、保育園の掲示板に、園だより・保健だより・食育だよりを毎月掲示し、また、一時保育や子育て支援の活動もニュースとして掲示し、積極的に情報提供しています。
2.【子どもが安全・安心に生活する保育環境】
●子どもが日常生活を送る上で想定されるリスクに対して、組織として十分な態勢を構築し、各種マニュアルの整備・定期的見直しを実施しています。毎月、避難消火訓練を実施し、避難消火訓練後には園舎内の設備を安全点検チェックリストにて点検を行い、防犯対策では、玄関と園庭に防犯カメラを設置している他、年1回不審者対応訓練を実施しています。また、感染防止用のパンデミックファン(噴霧器)を活用して園内対策を行い、看護師による専門性を持った保健指導と、子どもの発達段階に応じた「自分自身で身を守る」力を培えるよう指導に力を入れています。防災・災害・子どもの安全確保等の対応では、職員一人一人が危機管理能力を高め、子どもが安心して活動できる保育環境の整備に努めています。
3.【保護者への子育て支援と信頼関係構築】
●朝・夕の受入れ時には子どもの健康や様子を保護者から聞き、園での様子を伝える等、密にコミュニケーションを図り、園内に子どもに関する情報を多く掲示して保護者が子どもの様子や保育への理解が得られるよう工夫し、保護者との信頼関係の構築に努めています。園長は、子育ての「気づき」として毎月、園だよりに「子育てのまなざし」と題して掲載を行い、園と家庭での子育て支援に尽力しています。また、年1回、自己評価に伴う保護者アンケートを実施し、また、年2回のクラス懇談会や、個人面談、行事後のアンケートを通して保護者の要望や意見を抽出し、受けた要望等に対しては速やかに対応するシステムを整え、保護者が発信しやすい環境作りに努めています。新川崎みらいのそら保育園が子どもの安心できる場所となるよう努め、保護者と共に子どもの成長を喜び合い、共に子どもを見守る姿勢を根幹に保育を実践しています。
<さらなる期待がされる点>
1.【三者(保育士・看護師・栄養士)の連携】                   
●日々の生活や活動を通して子ども一人一人の発達や個人差を理解し、基本的な生活習慣を身に付けられるよう、また、積極的に身体的な活動ができるよう、二者(保育士・看護師)・三者(保育士・看護師・栄養士)で連携を図り、子どもの健康教育・安全教育に取り組んでいます。看護師は朝8時から勤務し、朝の受け入れ時から子どもの体調、心身の変化等に迅速に対応し、保護者の健康に関する相談も受け付ける等、全体の「健康」に留意しています。今年度から保育士・看護師・栄養士の三者の連携をより深め、各専門職と力を合わせて子どもの健康に力を入れています。三者連携による専門性の協同作用により、内容の充実が図られることがさらに期待されます。
2.【新入職員の教育とさらなる職員の質の向上】
●新川崎みらいのそら保育園では、新入職員6名、正規職員の平均在職年数11年と、若い職員が中心の人員構成ですが、法人の階層別研修等に参加を促し、職員の資質向上を図り、専門性が高められるよう力を注いでいます。園内研修では、アサーティブ(自己表現)研修を実施し、職員間の良好なコミュニケーションが図れるよう研鑽を積んでいます。園内研修・外部研修の内容については職員の要望や意見を聞き、各職員が主体的に学べる研修内容を採用し、意欲的に取り組めるよう支援しています。保育は、一人一人の保育士の質とその連携が重要であり、特に「報告・連絡・相談」によるコミュニケーションを取ることが必要と考えます。個別的には園長、保育長の統率力や、経験値の高い保育士の指導に負うことが大きいと思いますが、全保育士の底上げが「園の力」となり、1つのベクトル作りへと、さらなる職員の質の向上に取り組んでいかれることを期待しています。
評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ●園では、常に子どもの気持ちや意思を尊重した保育を行っています。子ども一人一人に人権があることを理解して園児の名前をフルネームで呼び、子ども一人一人の思いを大切にした保育を実践しています。職員は、子どもの意見を尊重して傾聴し、「肯定的な保育」を活動や行事の取り組みにつなげ、遊びも子ども自身が主体的、自主的に選択できるよう支援し、一人一人の思いを尊重するようにしています。各職員の子どもとの関りについては自己評価で振り返る機会を設けています。
●子どもを尊重した保育方針・保育目標を掲げ、保護者に説明及び配付を行い、園内にも掲示して理解を促しています。子どもの人権に対するマニュアルを作成し、園内研修で職員に周知を図り、子どもの人権を意識した保育を行っています。園長・保育長は、「川崎市子ども権利条例」を職員に周知し、意識統一を図って保育運営に当たり、職員会議でも子どもの人権について繰り返し伝えています。
●個人情報保護については、保護者に重要事項説明書に明示して説明及び同意を得ています。医療機関、就学や地域の関係機関への情報提供に関しても「個人情報使用同意書」で同意を得、外部とのやり取りが生じた場合は一人一人に連絡を取り、同意を得るようにしています。また、写真等の肖像権についても同意を得て配慮しています。職員は守秘義務に関して園、法人と誓約書を交わし、「個人情報取り扱いマニュアル」を用いて園内研修を行い、周知徹底を図っています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ●利用者満足の把握に向けて、保護者アンケートを定期的に実施しています。保護者参加の行事(運動会、お楽しみ会等)開催時や、年1回のサービス全般に対してのアンケート実施により保護者の意向・満足度を把握するようにしています。また、年2回のクラス懇談会や年1回の個人面談実施により、保護者の要望や意見の把握に努め、保育参観・保育参加時にも意見等を聞いています。園の自己評価結果や保護者アンケートの意見等は掲示を行い、保護者が閲覧できるようにしています。
●子どもや保護者からの苦情・意見などについては、職員からの「報告・連絡・相談」を園長・保育長が受け、職員会議で対応や改善について検討し、迅速に対応しています。会議では、全職員が共通認識を持ち、最適な改善策を見出すよう努めています。園の「苦情解決対応マニュアル」は定期的に見直しています。
●園では、「自己肯定感」、「主体性」を育む保育に取り組んでいます。職員は、子どもに対して常に応答的で穏やかに言葉をかけるよう心がけています。子ども一人一人の発達や日常生活を把握し、個人情報とした「経過記録」から一人一人の援助方法を検討しています。子どもの家庭環境・成育歴・発達状況を把握し、一人一人の理解を深め、ありのままの姿を受容し、一人一人に合わせた援助を行っています。
●登園時は、必ず保護者と子どもに挨拶や声掛けを行い、家庭での子どもの様子を聞き取り、その内容を記録に残して担当職員へ引き継ぎ、情報を共有しています。0歳、1歳児は登園時に検温を行い、乳児は視診を含めた健康観察をし、申し送り表は統一した記入方法で行っています。子どもの様子は、乳児は連絡帳(成長記録)、幼児は申し送り簿等を通して家庭での様子を確認しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ●園の必要な情報は、園のホームページ、パンフレット・保育園のしおり等に掲載し、情報を提供しています。園だより・献立表・食育だより・健康だより等は所定の掲示板に掲示して園の情報を発信しています。年間を通じて園見学日を設定し、園見学希望者には園長が丁寧に対応し、保育室や保育の様子を見学してもらい、パンフレットや入園時準備するもの一覧表を配付して説明をしています。職員紹介も玄関にわかりやすく掲示しています。
●全体的な計画は法人系列6園で共通であり、全園の園長・保育長で計画を作成しています。全体の計画を基に、年間指導計画は各クラスで話し合い、園長・保育長が確認しています。また、保育所保育指針を踏まえ、「養護」と「教育」の各領域を考慮して年齢ごとに月案・週案・日案を作成し、子どもの様子に応じて柔軟な保育が可能になるようにしています。また、食育年間計画・保健年間計画は、栄養士・看護師が中心となって策定し、全職員に周知しています。
●法人の理念・方針に沿って園の保育方針、保育目標を作成し、それらに基づいて全体的な計画等を策定しています。提供するサービスの標準的な実施方法については、保育の内容・子育て支援・職員の資質向上等が法人の「提供する保育・教育の内容に関する全体的な計画」に明示されており、職員に周知しています。サービスが標準化できるよう各種マニュアルが整備され、マニュアルに沿って保育を実践しています。
4 地域との交流・連携 ●園の情報は、法人のホームページ、川崎市のホームページに写真入りで保育園や行事の様子を紹介し、一時保育や子育て支援等の情報提供を行い、園の掲示板に毎月、園だより・保健だより・食育だよりを掲示して情報を発信しています。幸区のこども・子育て情報イベントカレンダー「お散歩に行こうね!」に、園の子育て支援の行事を掲載し、園見学者、園庭開放参加者にも配布しています。
●地域子育て支援として、一時保育、園庭開放、身長体重測定、育児相談、園行事(誕生会、七夕、クリスマス会、移動動物園等)の案内を行っています。一時保育は定員10名で、年間延べ人数で約900名受け入れています。育児相談に関しては、園長・保育長・看護師・栄養士が専門性を生かして親身に対応しています。
●関係機関との交流では、幸区各種連絡会(全体園長連絡会・主任保育士連絡会・保健担当者連絡会議・栄養士連絡会・子育て支援担当者連絡会・幼保小実務者担当連絡会)に積極的に参加しています。年長児は、近隣保育園同士の年長児交流会に参加し、就学につなげるよう支援しています。
●地域の福祉ニーズを把握するために町内会との関わりを強め、信頼・協力関係を築いています。町内会の方にお芋畑を提供していただき、さつまいもを育て、芋堀りの実体験ができたり、伝承遊び・けん玉を教えてもらう等、参画してもらっています。また、幸区の子育て支援担当者連絡会に参加して地域の子育て状況を把握し、地域子育て支援に生かしています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ●法人理念・保育方針・保育目標は、ホームページ、パンフレット、重要事項説明書、保育園のしおり、玄関掲示板、各保育室に掲示しています。園の保育目標は、「意欲ある子ども・自分らしさを発揮できる子ども・自分も友達も大切にできる子ども」を掲げ、『私達の目指す保育』を実践しています。保護者には、新入児説明会や懇談会等で理念・方針内容を説明し、周知しています。
●法人では、理念・基本方針の実現に向けて5年間の第4次総合経営計画を策定し、中・長期的な視点で目標を明確にしています。法人計画に沿って園でも全体的な計画を策定し、中・長期視点に立ち福祉サービスの内容、設備等の改善計画や地域のニーズに応じた新規事業等についても記載しています。
●園長は、職員一人一人の育成に注力し、業務の進捗確認や指導を随時行っています。法人の階層別研修に参加を促し、園内研修ではアサーティブ(自己表現)研修を実施する等、職員の質の向上に取り組んでいます。年3回の人事考課面接や年2回の非常勤職員との打ち合わせ等を通して、職員の質の向上、園のサービスの質について評価・分析を行い、改善に向けて具体的に指導に当たっています。
●サービス内容の評価については、今年度第三者評価を受審し、サービス内容の質の向上につなげていきます。また、年1回、法人保育園共通項目による職員の自己評価を実施し、自己評価の結果を基に保育に臨む姿勢等について振り返りと反省を行い、職員の質の向上につなげています。また、廊下にアンケート結果と対応について記入した表を掲示し、保護者に周知を図っています。
6 職員の資質向上の促進 ●法人では、各園の規模、利用者・職員数のバランスを考慮した人材配置やキャリアアップ体制を採用しています。職員の人員配置については、国基準、川崎市民間保育所基準に従って適正に配置しています。正規職員中心の運営方針を踏まえ、クラス担当は正規職員を必ず配置し、フリー保育士や非常勤職員を加配して、職員一人一人の能力が発揮できる環境作りと子どもの発達を保障するための人的環境を整備しています。
●職員の教育・研修について、理念や基本方針の実現に向けて、職員会議等で示しています。法人の経営理念に「活力ある経営」を掲げ、職員行動指針では自己研鑽・効果的な業務遂行・企画参加等を示しています。組織が求める専門技術・専門資格が明示され、法人主催の「階層別研修」と「実践演習研修」への参加の機会を多く設け、職員の資質向上と園全体のサービスの質の向上に努めています。
●園長は、職員の日々の様子を確認し、就業状況や意向を把握し、職場環境に配慮しています。有休消化率や時間外労働の状況を毎月末に集計及び確認し、改善の必要性が生じた場合は改善に努めています。また、年3回の人事考課の面接や自己申告時の面接、新年度の面接を定期的に実施し、業務の振り返りや要望・希望を把握し、より良い働きやすい環境作りに努めています。

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