かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

市場ポケット保育園

対象事業所名 市場ポケット保育園
経営主体(法人等) 有限会社KBC
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 230 - 0025
鶴見区市場大和町3-18
tel:045-642-8861
設立年月日 2016(平成28)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]
市場ポケット保育園は、京浜急行線「鶴見市場」駅から徒歩1分程と非常に利便性の良い、線路沿いにあります。建物の1階一部にコンビニエンスストアが入っている4階建てビルの1階(玄関フロアのみ)から4階(屋上園庭)を使用し、有限会社KBCが運営を行い、鶴見ポケット保育園の分園として平成28年4月1日に開園しています。
0歳児から就学前児童を受け入れ、定員は56名で現在51名が在籍しています。園長は、姉妹園の鶴見ポケット保育園の園長を兼任しており、もう一つの姉妹園である生麦ポケット保育園の3園で常に協力連携を図っています。
環境面の特徴として、0、1歳児クラス(2階)、4、5歳児(3階)クラスは2クラスずつオープンフロアでの保育を行い、2歳児クラス(2階)3歳児クラス(3階)はクラスごとの保育を行っています。4階には屋上庭園が設置され、近隣には大小さまざまな公園や広場などがあり、子どもの年齢や活動に応じて行き先を選んでいます。園の窓、散歩の通り道、広場などいろいろな場所で、子どもたちがお気に入りの電車の行き来を眺めることができます。


≪優れている点≫

1. 日常的な異年齢活動で子ども同士が関わり合い、育ち合っています

日々の活動や遊びを通して、子ども同士の関係が育つ異年齢活動が行われています。年間計画に基づいた計画的な交流だけではなく、日常的に異年齢の子ども同士の関わり合い、育ちあいの場を設けています。
朝の会とお帰りの会では、全クラスが3階の保育室に集合します。2階の乳児クラスの子どもは異なった環境で多くの子どもとのかかわりあいを体験します。乳児は自分で階段を昇ったり、保育士に手をつないでもらったり、抱っこしてもらいながら保育室に集まります。
幼児は歌に振りをつけながら歌い、「おはようございます」などの挨拶をして、低年齢児はそれを見ながら自然に模倣し、興味・関心も育んでいきます。
また、異年齢で散歩に出かける、食事を一緒に摂るなど、子ども同士協力し合う場面も作り、年上の役割を自然と担えるようにして、年下の子どもは年上の子どもに憧れを持って過ごせるようにしています。4、5歳児保育室は仕切りのないオープンフロアで、年齢別の活動時もお互いの姿が見えるようになっています。時には真似をしたり、時にはライバルかきょうだいのような雰囲気になったりと、刺激し合って過ごすことができます。
定員56名の「ポケットの中のようなぬくもり溢れる温かさと安心感」の保育理念のような家庭的な環境の中で、子どもたちを中心にした保育が実践されています。


2. 子どもの育ちを保護者と共に支える園の取り組みに高い満足度が得られています

職員は、職員会議等で理念・方針・目標に沿った保育について話し合っているほか、園長が作成した「園長から」「保育園児のつぶやき・・」などを全職員に配付しています。内容は、自らの保育士経験から培った保育観や保育への思いを表したもので、方針の共通理解のためのツールとして読み合わせをし、活用しています。
園長の力強いリーダーシップの下、副園長、保育士(常勤・非常勤)、栄養士、調理職員、事務員、本部の看護師・担当者といった全職員が職種に拘らず、子どもに関わる「保育者」として日常的に連携を図り、子どもの育ちを支えています。保護者との協力・連携についても、日ごろから子どもの情報を共有し合うことは園の保育や保護者の子育てに大切であると考え、送迎時の個別のやりとりでも子どもの1日の様子や職員が発見したエピソードなど、具体的に伝えるよう配慮しています。
第三者評価の保護者アンケートにおいて、総合満足度が100%を始め、「あなたのお子さんが大切にされているか」「「送り迎えの際のお子さんの様子に関する情報交換については」など殆どの質問項目が100%あるいはそれに近い回答が寄せられていることからも園の丁寧な取り組みが窺えます。


≪努力・工夫している点≫

1. 子どもの育ちを記録から丁寧に追える仕組みを作り、保育の質の向上に努めています

「子どもたちひとりひとりの個性に寄り添いながら、認め、褒めて考えて、共に成長を喜ぶ」の保育方針の実践のため、記録、振り返り、自己評価を丁寧に行っています。一人一人の子どもの状況や育ちを話し合い、発達の個人差を踏まえた上で、個々に見合った育ちや保育につながるよう全園児の個別指導計画を作成しています。全クラスの保育日誌には個別欄があり、子どものエピソードやトピックがあった時に記録をしており、子どもの育ちを記録から丁寧に追える仕組みを作っています。
 職員は、クラスの保育のための自らの実践の振り返りと評価を積み重ねています。さらに全職員が毎月、自己評価表を用いて、保育の理念・保育観、実際の保育の内容について自己評価をして質の向上に取り組んでいます。


≪課題や改善することが期待される事項≫

1.体系的な人材育成計画の作成

体系的に人材育成を推進するための期待水準などを示した人材育成計画の確認ができません。人材育成計画を作成した後は、それを職員に示し共有することが必要です。職員に期待する人事基準を示し、連動させて職員のキャリア形成やスキルアップに見通しを持って取り組めるような検討が期待されます。


2.中長期計画および単年度の事業計画の作成

園長は、鶴見区の園長会、法人の役員会議(代表、姉妹園の園長、副園長、看護師)で事業運営にかかわる情報の収集をし、分析をしていますが、園の中長期的な方向性としての計画が明記されていません。中期計画に基づいた単年度の事業計画の作成が必要です。園の事業の方向性を明確にしていくための、計画の作成と職員との共有が期待されます。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@ 法人内の3保育園共通の保育理念のもと、「子どもたちひとりひとりの個性に寄り添いながら、認め、褒めて考えて、共に成長を喜ぶ」という保育方針を定め、保育目標を「ひとりひとりの個性を尊重し、その個別の状況に応じたきめ細かな、子ども支援と家庭支援」「心と体の健康を大切にし、情緒豊かな人間関係の構築」「よく食べ、良く遊び、良く眠る 基本的な生活習慣の確立」とし、いずれも利用者本人を尊重したものとなっています。職員は園内掲示の確認、職員会議で理念・方針・目標に沿った保育について話し合っています。

A 子どもに対し、威圧的な言葉遣い、呼び捨て、無視、叱り方をし、子どもの人格や自尊心を傷つけるような保育をしてはいけない事を園長がプリント等で職員に示しています。職員は子どもの人格を尊重した声掛けや関わりを共通確認し、意識して保育を行っています。園長は更に必要な事項が生じた時はプリントを作り読み合わせや職員会議で直接伝え、職員が日々子どもへの人格を尊重した保育を意識して行うように指導しています。

B 個人情報の取り扱いについては運営規定の“取り組みのガイドライン”に載っており、全職員で共通な認識として保育を行っています。実習生やボランティアに対しても守秘義務を伝えています。又、個人情報の取り扱いについては保護者に説明して入園時に了解を得ています。書類は施錠できるロッカーで保管・管理をしています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@ 全体的な計画としての保育課程に基づき年間指導計画を作成し、月間指導計画、週案につなげています。その他に、食育計画、保健計画を作成しています。言葉の理解ができる年齢では、廃材遊び、縄跳び、独楽など子どもの発想、興味関心を示したものなど子どもからの発信を十分に受容しています。また、子どもの遊びこんでいる様子や表情のほか、喃語、指差しに対しても子どもの思いを汲み取っており、個別対応を重視しています。子どもの行動には意味のあることを職員は理解し、ゆったり向き合い、受け止めるよう努め、計画に柔軟性を持たせています。

A 清掃・衛生に関するマニュアル、手順書に基づいた毎日の清掃を行い、清潔な状態を保っています。園舎内の窓を適宜開け風が通るようにしています。温・湿度は出席簿と安全点検表に毎日記録をしています。保育室の窓は大きく、すべての保育室に陽光を取り入れることができます。職員の声も環境と考え、大きさやトーンに注意しています。音楽も騒音にならないよう、適切な音量に配慮をしています。

B 一人一人の子どもの状況や育ちを話し合い、発達の個人差を踏まえた上で、個々に見合った育ちや保育につながるよう全園児の個別指導計画を作成しています。さらに全クラスの日誌にも個別欄があり、その日の子どもの様子やトピックなどの記録ができるようになっており、子どもの育ちを記録から丁寧に追える仕組みを作っています。

C 保護者の保育参加については子どもの様子を見る参観とは違い、親子で楽しんで園生活を知ってもらう機会として参加形式で行っています。各クラスの保育内容で参加してもらい、散歩に一緒に行ったり、保育士役になり紙芝居を読むなど親子で楽しむ場となっています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

@ 子どもの経過記録は3ヶ月ごとに作成しています。子どもの記録はクラスごとにファイルしてあり、職員はいつでも見ることができます。進級時には担任が、経過記録を基にして子どもの性格や特徴など、配慮すべき事項を次の担任に伝えています。転園があった場合、必要に応じて口頭で情報を伝えています。

A 障がいのある子ども、アレルギーのある子ども、外国籍の子どもなど、特に配慮を要する子どもを積極的に受け入れる姿勢があり、受け入れています。毎週開催の乳児、幼児会議、毎月の職員会議の中でケース検討を行い、現時点での様子、配慮や関わり方が適切かどうか話し合って、会議録に残しています。

B 保護者からの意見、要望は、意見箱、懇談会、個別面談のほか、保護者との普段のコミュニケーションを密に図ることで把握するよう努めています。事例はありませんが、園単独での対応が難しい場合は、法人本部、第三者委員、鶴見区こども家庭支援課と連携を図っていく体制を整えています。

C 健康管理、衛生管理、安全管理に関する各マニュアルを整備し、対応しています。行政、医療機関、児童相談所など必要な関係機関・地域の団体をリスト化しています。

4 地域との交流・連携

@ 地域への子育て支援事業として、登録制の一時保育を行っています。0〜2歳児を対象に毎月第3水曜日の午前10時〜11時30分(0歳児は10時〜10時45分)に同じ年齢のクラスに入って遊び、給食も食べる交流保育、夏のプール遊び、栄養士や看護師による講座をいずれも定員制で行っています。

A 4、5歳児が高齢者のデイサービスに出向き交流を図っています。地区イベントでは劇を行っています。公共交通機関を使い鶴見区内の姉妹園に行くこともあります。園の入口に隣接しているコンビニエンスストアからは地域の情報提供や子どもの災害時対応で協力頂くなど交流があります。

B 利用希望者の問い合わせや見学については園長や副園長が担当しており、1回10人程で年10回程度保育に支障がない範囲と時間で受け入れを行っています。見学会は1時間ほどで、希望者は書類に記入してもらい、パンフレットに沿って園の紹介や説明をした後、各クラスを案内し質問に応じています。見学者の中にはその後に育児に関しての相談にくる場合もあります。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@ 職員が守るべき法・規範・倫理などは「就業規則」に示し、職員には入職時に説明しています。また、近年頻発している保育所あるいは子どもに対する不正、不適切な事案については、緊急会議を開催して、情報の共有、意識の再確認をしています。法人としての考え方についても職員に周知しています。

A 園長は法人内の鶴見ポケット保育園の園長を兼務しています。園在籍の副園長と連携を密に図り、運営に支障が起きないようにしています。今年度は、主任がクラスを持ちながらの勤務で、自主的な状況把握の場は持ちにくくなっていますが、職員同士が積極的にコミュニケーションや情報共有ができるよう、職員会議、乳児、幼児会議などの開催頻度を状況に応じて調整しています。さらに副園長、フリーの常勤職員と協力しながら個々の職員の業務状況を把握し、少しずつ指導や助言を行ったり、相談に乗ったりしています。

B 園長は、鶴見区の園長会、法人の役員会議(代表、姉妹園の園長、副園長、看護師)で事業運営にかかわる情報の収集をし、分析をしています。重要な情報は、職員会議で職員に周知しています。園の運営面での重要な改善課題は全職員で検討の上、改善に努めることとしています。

6 職員の資質向上の促進

@ 年間、月間の指導計画に対する自己評価のほか、毎月、保育サービス向上のための職員自己評価を行い、自らの保育を振り返っており、自己評価を計画的に行う仕組みになっています。今年度、第三者評価受審での自己評価にも取り組んでいます。

A クラス運営に関しては、自分のクラスに何が必要なのか、子どもの発達に適切な指導になっているかなど職員は責任を持って対応しています。園長は職員に対し、常にオリジナル保育を身につけていって欲しいと話しています。判断が難しい場合の最終的な結果責任は、園長が負う体制になっています。

B 園長との面談で満足度や要望などの把握に努めているほか、職員に気づきを与えるような言葉かけを心がけ、モチベーションの維持、向上への働きかけを行っています。

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