かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

あい保育園富岡東

対象事業所名 あい保育園富岡東
経営主体(法人等) 株式会社アイグラン
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 236 - 0051
金沢区富岡東6-3-10
tel:045-349-3515
設立年月日 2013(平成25)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年01月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および施設の概要
  あい保育園富岡東は、京浜急行本線京急富岡駅から徒歩約4分、国道16号線沿いにあります。平成25年に開所し、0歳児から5歳児まで66名(定員60名)の園児が在園しています。駅周辺や国道沿いには商店が連なり、国道から少し離れると、団地のある静かな住宅街となります。近隣には公園が10カ所ほどあり、園児は天気がよければ毎日散歩に出かけ、地域に親しんでいます。園舎は鉄筋造り3階建てで、最上階は屋上園庭となっています。1階に0、1歳の保育室、廊下から中が見える給食室、2階には2〜5歳の保育室のほか、子ども達が「おもちゃの王国」と名付け、様々なおもちゃを納めたり、子どもと先生が静かに話をするなど、多様な使い方ができる多目的室があります。
・園の特徴
  広島市に本社を置き、認可保育園のほか、事業所内保育園を全国的に展開する株式会社アイグランが運営しています。設置法人は、2001年に保育事業に参入するまでは病院内のテレビや、スーツケースのレンタルを本業とし、常に時代の新しい流れを取り入れてきたユニークな会社で、この園でも、保護者が携帯電話やパソコンからいつでも保育室の様子が見られるウェブカメラシステムやSIDS(乳幼児突然死症候群)防止のためのセンサーを導入しています。子どもたちに「自分の夢を自分の力で実現できる人」になってほしいと願い、保育方針として、自主性を育てること、個性を大切にすること、思いやりの気持ちが育つ「心の基地」を目指すこと、自然との触れ合いを大切にすること、を掲げています。園目標は、園名を取り入れ、「あかるくげんきに、いっぱい遊ぼう」としています。

【特に優れていると思われる点】
1.多様性や個性を積極的に受け入れる姿勢
個性を大切にし、“Only One”を尊重し、「自分らしさ」を発揮できるように援助することを保育方針に明記し、特に配慮を要する子どもを積極的に受け入れる姿勢を明らかにしています。また、特別な配慮の要否にかかわらず、それぞれの子どもの異なる個性を受け入れて活動していく、という考え方で保育をしています。各年齢の年間指導計画には、統合保育の欄があり、子どもの個々のペースを大事にしながら、子どもが友だちの存在に気づき、互いに認め合いながら関わっていけるように、職員が遊びの設定や仲立ちをすることが明記されています。定員60名という規模を生かして、日頃より、個別のケースについて、職員会議やケース会議などで話し合って、子どもの状況について共有し、全職員がすべての園児のことを知って関わっています。職員更衣室内には、災害時などに備えて、配慮を要する子どもと配慮事項の一覧を掲示し、どの職員でも常に適切な対応ができるようにしています。

2.子どもの主体性を大切にする職員の働きかけ
職員は、子どもが主体的に活動できるよう、やりたいことを自由に発言できる雰囲気づくりに配慮し、つぶやきも聞き逃がさないように心がけています。活動の導入に当たっては、よく話をすること、子どもが納得できることを大切にしています。0歳児では、歌に合わせて動いている様子から、好きな歌を見つけて、運動会での手遊びに取り入れました。5歳児では、夏祭りのお神輿をどのようなものにしたいか、お泊り保育で何をしたいのかなど、子ども同士で何度も話し合って決めるように導き、5歳児の子どもたちは縦割りクラスの活動で、3、4歳児と協力して「花と星」をテーマとするお神輿を作ったり、お泊り保育で、自分たちで考えた「ナイトプール」(夜間のプール遊び)が実現しました。また、職員は、子どもが取り出しやすく片づけやすいおもちゃの収納について話し合い、持ちやすい箱を購入するなど環境づくりの工夫をしています。自由遊びの時間には、0〜2歳児は、保育室内の手の届く棚から自由に好きなおもちゃを取り出して遊び、3〜5歳児は「おもちゃの王国」(多目的室)からキャスター付きのボックスなどに収納されたおもちゃを、友だちと協力しながら、自由に運び出して遊んでいる姿が見られました。

3.食について興味を持ってもらうための様々な取り組み
子どもの頑張りをほめ、食べる楽しみを感じられるよう職員で改めて勉強会を行い、「完食について」とする資料をまとめ完食を強要しない支援の仕方を確認し合いました。毎年テーマを決め、今年度は、三色食品群のことを歌にした「えいようのうた」の歌詞を各クラスに掲示しています。玄関ホールには、給食食材仕入れ先の契約農園の通信が掲示され、ピーナッツのでき方や、今月の野菜が紹介されていました。年1回、設置法人による企画で、仕入れ業者が珍しい野菜を持ってきてくれることもあります。職員が「いらっしゃいませ、レストランへようこそ」「○○定食のお客様」と声をかけながら給食を運び入れたり、パーティ風にテーブルの配置を変えたり、室内を暗くしたりして、楽しい雰囲気づくりをクラスごとに工夫しています。陶器を用い、できる限り無農薬・減農薬野菜、国産の食材を利用しており、玄関ホールには、当月の給食食材の産地一覧表が掲示されていました。天然だしを用い、化学調味料は使わず、薄味を心がけ、おやつも含め手作りしています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.子どもがゆったり過ごせる場の確保を
自由遊びの時間帯には、多目的室からのおもちゃの出し入れなどで子ども達の移動が多く、やや落ち着かない雰囲気が感じられました。遊びによって部屋を分けたり、静かな遊びをしたい子どものために、コーナーを作ったり、体を休めたい子どもがいた場合には休める場所を作るなど様々な配慮をしていますが、さらに、子どもがそれぞれ落ち着いて遊べる環境や、ゆったりとくつろいで過ごすことが出来る場の確保について継続して検討することを期待します。

2.地域の子育て支援ニーズを把握し、専門性を生かした子育て支援機能の充実を
園庭開放日を月1回、育児相談日を毎月1回設けているほか、おむつ替えなどの場所を提供する「赤ちゃんの家」(金沢区の取り組み)への参加、富岡・並木地区の8園で協働して行う区や地域の子育て支援事業への協力を通じて地域の子育てニーズを把握するよう努め、育児相談を受けていますが、ここ数年は園の施設の利用や園への育児相談の実績がありません。週1回以上の定期的な相談日を設けての育児相談の実施や、園庭開放、赤ちゃんの家の継続により、地域の子育てニーズを把握し、育児相談事業の充実や保育所の専門性を生かした子育てに関する地域に向けての講習会などの開催を検討していくことが期待されます。

3.職員のモチベーション維持のための人事基準の明文化を
設置法人により、人材育成計画は策定されているものの、配置や昇進・昇格、昇給に関する人事基準の明確な定めはありません。キャリアアップ研修と処遇改善など加算への反映の仕組みを職員に周知していますが、副主任以下は園長の裁量で職務遂行の結果や専門性を評価し、昇格や配置を決定しています。人材育成計画とともに、配置や昇進、昇格に関する人事基準が明文化され、職員に周知することが望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・職員は個々に、子どもに対して威圧的な言葉遣いや無視をしないように努め、子どもをせかしたり強制したりせず、穏やかに接するように努めています。

・子どもの気持ちや発言を受け入れ、子どもの自主性を引き出せるような保育を行うように努めています。

・職員会議で子どもの人権について議題に挙げ、職員に注意喚起しています。金沢区主催のリーダー研修に参加した職員が、人権について学んだ内容を職員会議で伝え、日ごろの保育について振り返りました。

・多目的室や事務所など、必要に応じてプライバシーを守れる場所を用意することができます。

・職員は入職時に守秘義務について説明を受け、誓約書を提出しています。個人情報取り扱いマニュアルが整備され、入職時に周知しています。

・職員会議の中で年2回程度、性差について職員間で話し合い、性差による固定観念で保育をしないように留意しています。

・虐待対応マニュアルがあり虐待が明白になった場合は区役所や関係機関に通告・相談する体制ができています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・全体的な計画は、子どもの主体性が、入園から卒園まで発達に応じて育まれていくことを重視して、子どもの最善の利益を第一義として策定されています。

・トイレットトレーニングや離乳食について、保護者の意向や家庭での様子を確認しながら個別支援計画の評価・改訂をしています。

・睡眠や排泄、食事、機嫌、園や家庭での様子について、日々の連絡帳のやり取りや送迎時の会話などにより情報共有をし、保育に生かしています。

・一人一人に合わせ、発語には丁寧に応えていく、「自分で」という気持ちを大事にする、やる気の出る声かけを工夫していくなどの配慮をしています。

・園内外の清掃をし、換気扇や窓開けで換気し、エアコン、加湿器により適切な温湿度を保っています。保育室内に沐浴室、温水設備があります。

・0〜2歳児については、個別の月間指導計画があり、現在の子どもの様子、ねらい、内容、保育士の配慮、評価・反省が記載されています。

・子どもたちは自分でぬいぐるみや絵本を取り出して遊び、朝夕の室内遊びではコーナーづくりやジョイントマットの活用などしっかり遊びこめる環境にし、作りかけの作品などは後日、続きに取り組めるようにしています。

・食育計画に沿ってピーマン、ひまわりなどを育て、カブトムシを観察し、天気がよければ散歩に出かけて積極的に健康増進に努め、地域を知ったり、自然に触れたりしています。

・授乳は、ゆったりした雰囲気で、抱っこをして優しく声をかけながら与え、食事では頑張りをほめ、食べる楽しみを感じられるような援助をしています。

・午睡時には部屋を暗くして安心して心地よい眠りにつけるよう配慮し、0、1歳児は5分毎、2歳児以上は15分毎に呼吸チェックをしています。

・トイレットトレーニングは保護者と連携しながら1歳ころから始めています。

・夕方以降はぬり絵や折り紙のコーナーを作るなど子どもがそれぞれ自分の好きな遊びができるようにし、ゆっくり座ってのんびり遊べるように配慮しています。

・保護者会で園の意向を伝え、園運営について話し合い、保護者の意見要望を聞くなど、常に保護者とコミュニケーションをとるように努めています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・慣らし保育については子どもの様子や保護者の考え方、事情に合わせ、柔軟に対応しています。

・特に配慮を要する子どもについては、個別の配慮事項を考慮した年間指導計画案、月間個別支援計画を立てています。

・園内にエレベーター、多目的トイレ(2階)を備え、階段通路には点字ブロックを設置し、フロアに段差はありません。

・アレルギー対応マニュアルがあり、医師の生活管理指導表に従って対応し、複数の職員による除去食内容の確認、専用トレイの使用、食事中の見守りを行っています。

・苦情対応として受付担当者は主任、解決責任者は園長とし、第三者委員の氏名・電話番号を案内しており、園内に意見箱を設置しています。

・健康診断と歯科健診はそれぞれ年2回実施し、身体検査表、歯科健康診査表に記録し、健診の結果は書類で保護者に伝えています。

・感染症対応マニュアルがあり、保育中に発症したときは保護者に電話連絡して迎えを要請しています。嘔吐や下痢があった時の処理の仕方や手洗いなどについて、看護師が指導しています。

・安全管理マニュアルがあり、緊急時連絡先を掲示し、地震・火災などを想定して毎月避難訓練を実施しています。

・病院、救急機関、警察などの連絡先一覧表を掲示し、保護者への緊急時メール体制、警備会社との緊急連絡体制があります。子どものケガは保護者に報告し、事故報告書やヒヤリハット報告書に記録して再発防止を検討しています。

4 地域との交流・連携

・園庭開放日(月1回)、赤ちゃんの家(おむつ替えなどの場所を提供)の利用者を通じて子育て相談を受ける機会を設けています。育児相談日を毎月1回設けています。

・金沢区こども家庭支援課、中央児童相談所、横浜市南部地域療育センターなどの関係機関と常時連絡を取り合い連携しています。
・園の行事として毎年実施している夏祭り、運動会のポスターを園のフェンスに掲示し、見学者や卒園児の家庭に行事案内の手紙を送り、地域住民や子どもたちに参加を呼び掛けています。

・散歩のときに地域住民と大きな声で挨拶を交わしています。年長児交流が年2〜3回行われ、富岡・並木地区8園でドッジボールによる交流をしています。

・ボランティア受け入れマニュアルがあり、専門学校生2名が保育補助として2日間活動しました。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・指導計画の実施結果の振り返り、日常業務などを通して保育所としての課題を明らかにし、中長期計画に反映して改善に取り組んでいます。

・園として守るべき法、規範、倫理などを就業規則に明記し、職員に周知しています。就業規則、職務分担表に職務内容を明記し職員に周知しています。

・牛乳パックなどの廃材を使って子ども達の帽子入れなどを作って、再利用を図っています。電気・エアコンをこまめに消すなどで、省エネを実施しています。

・生活発表会の場所、年長児のアルバム製作、設置法人が導入する「あい運動教室」など重要な意思決定に際し、職員、保護者と話し合い、実行に取り組んでいます。

・主任は職員の体調や勤務内容などを把握し、効率的に気持ちよく勤務できるように配慮しています。また、職員の能力や人柄を把握し的確な助言をしています。

・平成30年度〜令和4年度の長期計画、中期計画があり、令和元年度の事業計画があります。

6 職員の資質向上の促進

・実習生受け入れマニュアルがあり、本年度5月に専門学校の学生1名の実習を2週間受け入れました。

・保育所運営に必要な職員構成を園長がチェックし、不足があれば設置法人に相談し補充をしています。職員研修はキャリアアップ研修(県委託、横浜市や金沢区主催)をベースにしています。

・職員は、各自で年間目標を定め、個別の研修計画を立て、年度末に振り返りを行い、園長、主任と意見交換し、次年度の研修計画を作成しています。

・非常勤職員用のマニュアルがあり、職員会議などで決定した事項など伝達すべき事項について非常勤職員にも伝えています。

・職員が年間、月間、週間指導計画に基づいて行った保育結果について、評価・反省する欄を設けています。

・職務分担表に基づいて職務内容・権限を明確にし、現場における権限移譲を可能にしています。

・職員からの改善に関する意見は日常業務や会議の場で提案があります。法人として職員表彰制度があります。

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