かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

金沢ぴよっこ保育園(3回目受審)

対象事業所名 金沢ぴよっこ保育園(3回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 新緑会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 236 - 0054
金沢区堀口19-3
tel:045-791-7444
設立年月日 2005(平成17)年09月01日
公表年月 2020(令和2)年01月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 金沢ぴよっこ保育園は京浜急行の能見台駅から徒歩5分程度のところにある、社会福祉法人新緑会が運営する定員60名の小規模園です。産休明けの0歳児から5歳児まで小さい保育園ならではの温かい雰囲気の中、子どもたちは、きょうだいのような関係を作り、生き生きと生活し、たくましく、元気に成長しています。また、専門の講師による絵画教室や体操教室も取り入れています。園が立地する一角は、マンションや戸建てが並ぶ閑静な住宅街で、四季の変化を感じることのできる自然豊かな公園が多くあります。 園庭開放や子育て相談、育児講座や絵本の貸し出しなど、地域の子育て支援にも力を入れています。 平成17年9月開所で、通常の保育のほか、延長保育、障がい児保育、一時保育などを実施しています。
開所時間は、平日:7:00〜20:00、土曜日:7:00〜17:00、休園日:国民の休日および祝日、年末年始(12月29日〜1月3日)となっています。明るく家庭的な雰囲気の中で一人一人の子どもが安心して自己を発揮できるように見守っています。

《特に優れている点・力を入れている点》
○子ども一人一人としっかり向き合って、個性豊かな子どもの感性をはぐくむ保育を実践しています
 当園は保育理念に「ひとりひとりの伸びゆく個性を尊重し、可能性を信じて、豊かな人間性をもった子どもの育成に保護者や地域社会と力を合わせる」ことを掲げ、小規模園であることを生かし、全職員が子ども一人一人の成長、発達、個性を把握して、保育を実践しています。園長をはじめ全職員が子どもの気持ちを受容し、尊重することをとても大切に考えていて、子どもに寄り添い笑顔で穏やかに子どもとかかわる温かみのある保育が提供されています。子どもの個性が発揮できるように絵画は外部の講師に指導を仰ぎ、子どものイメージが湧き出るようなさまざまな素材、用具、玩具などを適切に使えるようにしながら、創造性を豊かにはぐくむように配慮しています。言葉かけも内部研修を実施し保育士のスキルアップに努めています。保育の指導計画も、子どもの成長、発達に合わせて作成しています。

○子どもたちは外遊びやリズム運動、体操教室などで、元気よく体を動かしています
 園では外遊びを積極的に行っています。園の隣にある公園から30分以上かかる場所まで、さまざまな公園などへ体力や目的に合わせて出かけています。公園で子どもたちは、かけっこや遊具遊びなど、さまざまな遊びを楽しそうに行い、0歳児もシートを敷いて、少し坂になった場所を自由に這ったりよちよち歩きをしています。夕方には園庭遊びを行い、季節に合わせて泥んこ遊びや水遊びをしています。室内で行うリズム遊びは0歳児から参加し、年下の子どもが年上の子どもの動きを見る機会を持ちながら、年齢に合ったさまざまな動きを音楽に合わせて行っています。3歳児からは外部講師を招いて体操教室を行い、毎月マット、跳び箱、鉄棒、ボールなどを使った運動遊びをしています。保育でもこの運動を取り入れ、子どもたちは元気よく体を動かしています。

○子どもたちが食べるものや健康について、自分で気をつけられるようにしています
 園では食育に力を入れ、子どもたちは稲や夏野菜、じゃが芋、さつま芋などを栽培し、調理して食べています。また、ヨモギ、フキ、つくしなど、自然の中にあるものを摘んで調理をしています。0歳児からそら豆のさやむきをし、じゃが芋など食材を見たり触れたりすることで、食材について知識を得ています。3〜5歳児は食品カードや三色図表を使い、栄養士から食品には「熱や力になるもの」「血や肉になるもの」「体の調子を整えるもの」があり、どの食品がそれにあたり、そうした食品をまんべんなく食べることで健康になることを学んでいます。さらに、毎月看護師からの「保健の話」で、虫歯や感染症の予防、けがをした時の対応などについて話を聞いて知識を得ています。健康について子どもたちが自分で考え、気をつけられるように保育を行っています。

《事業者が課題としている点》
 園庭が狭いので、天気の良い日には積極的に散歩に出かけて子どもの体力をつけ、交通ルールを学び、季節を感じ、地域を知る機会を積極的に持ちたい意向ですが、昨今の保育園児が巻き込まれた事故事例の後は、職員間で話し合い、地域の方とも連携し、より安心安全への配慮や対策を講じたうえで、園外活動の充実を図りたい考えです。また、子育て中の職員が仕事と子育てを両立し継続的に働き続けられるように、さらに全職員が有給休暇を取りやすく働きやすい職場づくりを目ざす意向です。現在、キャリアアップ研修に力を入れていますが、今後は常勤、非常勤職員のさらなる資質向上に向けた研修にも積極的に取り組んでいきたいと考えています。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  園の保育理念に「ひとりひとりの伸びゆく個性を尊重し、可能性を信じて、豊かな人間性をもった子どもの育成に保護者や地域社会と力を合わせ、乳幼児の福祉を積極的に推進し、併せて地域における家族援助も行います」と掲げています。子どもの最善の利益を考慮した内容です。また、保育目標は「健康で明るい素直な子ども」のもと、1.明るくのびのびと思いやりのある子ども、2.友だちと協力して遊ぶことができる子ども、3.健康でたくましい子ども、4.よく見、よく聞き、思ったことが言え、創造ができる子ども、としています。 園の理念や保育方針は、玄関や各クラスに掲示し保護者にも周知しています。保育理念や保育方針は職員会議で共通理解を深め、年間、月間計画案を作成しています。
 全国保育士倫理綱領や保育理念の読み合わせなどで、職員は子どもの気持ちを受け止め、共感し理解する保育を心がけることを確認しています。保育士の言葉は、子どもをせかすことなく穏やかで落ち着いており、おむつを替える際に歩き回る子どもにも、「きれいにしよう」「おいで」などの言葉がけをしながら子どものほうから来るのを待っています。子どもの名前を「さん」付けで呼ぶようにし、保育士は子どもの気持ちや発言を受け止め、気持ちを代弁したり友達との間の仲立ちをしています。子どもの人権に配慮し、自尊心を傷つけるような保育を行ってはならないことは日々の話し合いの中で全職員が認識しています。
 保育室内の押し入れの下、本棚などを利用してコーナーが設けられており、子どもたちはそこで落ち着いて過ごすことができます。また、一時保育室、図書コーナーなど、友達や保育士の視線を気にせず過ごせる空間を作っています。事務室にもスペースがあります。おもちゃが用意してあり、保育士、看護師などが子どもを見守る体制が整っています。 気持ちが落ち着かず、子どもが朝の受け入れ時に泣いてしまうような時には、事務所で落ち着いてから保育室に向かえるようにしています。子どもがおねしょをした時などには、沐浴室、トイレなどで処置を行って布団もほかの子どもに見つからないように干すなど、子どもの気持ちに配慮しています。 トイレにはドアがあり、プライバシーが保たれています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  全体的な計画に基づき、年齢ごとに保育の指導計画を作成しています。指導計画の配慮事項欄には、子どもの発達に合わせて気をつけて対処していく内容を記載しています。行事や保育を導入する際には、エプロンシアター、ペープサート、パネルシアター、絵本などを使用して、子どもたちが理解しやすいように説明しています。園では可能な限り子どもたちに個別の対応をしています。理解できる子どもには説明し、言葉にできない子どもには気持ちを汲み取れるよう、じっくり話を聞くようにしています。保育士は子どもたちとの会話の中で、どんなことに興味があるかを探り指導計画に盛り込み、子どもの状況に合わせて柔軟に対応しています。
 入園に際し、園長、主任が全ての保護者と面接をしています。4月入園の場合には3月の入園説明会で面接し、子どもの様子も確認しています。入園説明会に参加できない保護者や中途入園の場合には、個別に対応しています。面接内容は入所時面接票に記録し、子どもの様子とあわせて職員会議で共有しています。入園前の子どもの様子については、保護者に児童票に記載してもらい把握しています。児童票にはこれまでの生育歴を記載する欄があります。児童票の内容は面接で保護者に確認し、さらに子どもを育てるうえで気をつけてきたこと、大切にしてきたことについて聞き取りをしています。把握した内容は、食事、午睡など日々の保育に生かしています。
 保育の指導計画は子どもの発達、状況に応じて作成しています。月間指導計画では自己評価欄を活用して、職員は指導計画の評価、見直しを行い、次月につなげています。計画の評価改定の際は、カリキュラム会議でクラス会議や乳児会議の記録を用いて職員同士で話し合い、再評価や見直しを行い、子どもの発達や状況を正確に捉えるようにしています。保護者との情報共有を大切にして、送迎時に園での子どもの様子を話すなど、日ごろから保護者とコミュニケーションをとるように心がけています。保育に対する保護者の要望や意見が出された時にはカリキュラム会議で検討しています。行事後の保護者アンケートや日ごろの会話なども参考に、保育の指導計画を作成しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立

 5歳児については、毎年3月10日までには保育所児童保育要録を小学校に送付しています。子どもや家庭の個別の状況や要望は、定型書式の児童票、健康台帳に保護者に記入してもらっています。児童票は毎年、年度初めに確認をお願いし把握しています。子どもの成長発達の記録は、経過記録と成長発達曲線を健康台帳に記載し、ファイルにまとめて事務室に保管し、職員が必要に応じて随時確認できるようにしています。進級時は前担任が「進級時引き継ぎファイル」を作成し、時間を取って引き継ぎを行っています。転園の際も必要な情報を転園先に伝達することもあります。
 特に配慮を必要とする子どもを積極的に受け入れ、それぞれの子どもの個性や特性を把握して、園で落ち着いて過ごしながら、ほかの子どもたちと、ともに成長していけるよう支援をしています。金沢区の担当者から事前に受け入れの打診がある時は職員と相談し積極的に受け入れるように努めています。個別のケースについて職員会議やカリキュラム会議、クラス会議、乳幼児会議などで話し合い、職員全体で情報を共有しています。職員は金沢区や横浜市南部地域療育センターなどの研修に参加し、最新の情報を職員会議で報告しています。また、これらの情報はいつでも確認できるようファイルしています。
 虐待防止のためのマニュアル、早期発見チェックシートを整備し、研修で周知しています。虐待の定義の中で虐待が重大な人権侵害であることを示し、職員全員がそのことを認識したうえで保育に携わっています。虐待の定義については園長が職員会議で話をし、職員に周知しています。送迎時の様子や毎日の健康観察により虐待の発見に努め、疑わしい場合は金沢区役所の保健師や児童相談所などに迅速に連絡を取る体制があります。また、職員間で情報を共有しながら様子を見守り、気になる時には保護者に声をかけて相談にのるなど、家庭支援により保護者を援助して虐待の予防に努めています。


4 地域との交流・連携  地域向けの育児講座や園行事、地域への育児支援活動の参加者にアンケートを行い、園に対する要望などを把握しています。さらに園庭開放や給食体験などの場で、アドバイザーや職員が気軽に声かけをして、保護者の困りごとなどを把握するほか、育児相談では保育士、看護師、栄養士が対応し、専門的知見に基づく相談記録を作成し、職員の間で共有するよう努めています。また、アンケート結果や育児相談の記録は、次回の企画や、次年度の事業計画を作成する際に参考にしています。町内会連合会での子育て会議や、幼保小教育交流事業でのブロック研究会に参加し、地域における子育てをテーマとした課題に対して、関係者と協働して解決に取り組んでいます。
 地域の子育て家庭支援として、園や行政のホームページで情報提供に努めるほか、主任児童委員、子育てグループに行事参加者を募るポスターを郵送して、募集の協力を得ています。また、地域の子育て拠点「とことこ」や近隣マンションにポスター掲示をお願いするなど、必要な人に情報が届くよう広報活動に努めています。さらに育児相談を定期的に受けつけるほか、園庭開放時に来園した保護者に声かけするなど、話しやすい環境づくりに努め、相談業務に結びつけるよう努めています。地域の方から園の活動に対する理解、協力を得るため、町内会長さんに行事への協力依頼の文書を手渡して説明し、会員各家庭に周知していただくよう働きかけるとともに、園の外にポスター掲示を行っています。
 緊急時の迅速な対応や、連絡事務の効率化のため、行政各部署・機関、医療機関、関係団体などの連絡先をリスト化し、ラミネート加工して事務室に常備し、職員誰もが使えるようにしています。園長、主任のほか、専従の地域支援担当者、看護師、栄養士など、担当別に連携先と情報交換を行っています。また、関係会議や研修などに参加し、日ごろから関係者との顔の見える関係づくりに努めています。夏祭りの前には、近くの交番にポスターを掲示してもらうとともに、当日は見回りを行ってもらうなど、防犯面で警察の協力を得られるよう取り組んでいます。町内会の行事に参加するほか、長寿会の方々をお招きし、子どもたちとの交流の機会を作っています。
5 運営上の透明性の確保と継続性  園のパンフレットには必要な情報をコンパクトに掲載し、入園のしおりには、園生活に必要な情報を詳細に掲載するなど、媒体の特性に応じた情報提供に努めています。園のホームページには、一般の方に提供する情報のほか、在園児の保護者専用ページを設け、対象者に応じた広報活動に努めています。園では情報開示の趣旨を踏まえ、ホームページで事業報告や決算書などの情報提供に取り組んでいます。また、行政の保育園紹介サイトを通じて、必要な方に適切に情報が伝えられるよう協力しています。さらに園掲示板に行事や育児講座の案内を掲示するほか、チラシを作成し、地域の育児拠点「とことこ」や主任児童委員へ配布の依頼をしています。
 園の見学者には、パンフレットをもとに基本方針、利用条件、保育内容などを説明しています。また、詳細な情報を得たい方には、入園のしおり(重要事項説明書)も併せて提供し、入園手続きなど必要なことなども説明しています。全職員が電話での問い合わせに正確に対応できるよう、電話対応用の資料を一括したファイルを常備し、職員が対応時に参照できるようにしています。見学は子どもたちの活動が観察できる午前を推奨しながらも、いつでもできる旨を説明し、希望者の都合に合わせるよう努めています。さらに見学時のやりとりを記録し、対応や支援の継続性を確保するとともに、園に期待されている内容などは共有し、運営の改善に結びつけるよう努めています。
 日誌の作成を通じて、自己評価の結果を職員同士で話し合い、日々の保育実践の振り返りを行っています。これを積み上げ、週案、月間指導計画に反映するなど、課題を計画に反映して保育に取り組んでいます。保育計画などの自己評価、保育士としての自己評価の結果を踏まえ、園として取り組むべき課題を抽出し、この解決に向けて保育計画の作成に取り組んでいます。保育所の自己評価は、「保育理念」「子どもの発達援助」「保護者に対する支援」「保育を支える組織的基盤」に分類し、評価を積み上げて園の自己評価としています。また、保育所の自己評価は、年度末に公表し、保護者と共有するようにしています。
6 職員の資質向上の促進  研修計画の作成担当は主任が担い、前年度の職員の希望を集約するとともに、園が取り組むべき課題などを勘案して作成しています。園内研修は年19回(平成30年度)開催し、常勤・非常勤とも参加できます。参加できなかった職員には同様の研修の機会を別の日に設け、知識、技術を学ぶ機会に差が生じないよう配慮しています。外部の集合研修には、常勤・非常勤の別なく参加できます。自主性を尊重し、募集に応じて参加者を募るほか、人数や要件に限定がある場合、園長の指名で派遣しています。平成30年度の派遣実績は127回です。受講者は振り返りのため研修報告を作成し、園内研修での発表を通じて共有に努めるとともに、実践に生かせるか協議を行っています。
 職員の自己評価は、保育日誌、指導計画などに評価欄を設けており、実践を振り返る自己評価を計画的に行う仕組みが整っています。また、保育計画などの自己評価のほかに、職員は年に一度、自己を振り返る「自己評価」を行っています。これと保護者アンケートの結果を踏まえ、保育園の自己評価を行い、公表しています。また、保護者アンケート結果により改善すべき点があった場合、職員会議で話し合い、改善するよう取り組んでいます。さらに改善した事例の効果を検証、共有し、標準化を図って質の底上げに努めています。公立園長OBの理事の日常的な指導のほか、絵画教室の指導者、横浜市南部地域療育センター職員による相談、支援など、外部の技術指導を受けています。
 法人の「キャリアパス」には階層別の専門性、「職能力層」には役職別の役割や期待水準が示されています。さらに子どもの状況に応じて、職員が自主的に判断できるよう、職務分担表に基づき権限が委譲され、園長が最終責任者として位置付けられています。また、これを担保するため法人には「職務権限規程」があり、組織図をもとに指揮命令系統が明確になっています。さらに組織の活性化と職員のやる気に資するため、「提案活動実施要項」を定め、職員から業務改善提案を募るほか、アンケートを実施して、結果を踏まえて精査し、業務改善に取り組んでいます。園長は、給与支給日などには、可能な限り、個人面談を行い、満足度や要望の把握に努めています。

詳細評価(PDF566KB)へリンク