かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

 マーマしのはら保育園・マーマしのはら西保育園(4回目受審)

対象事業所名  マーマしのはら保育園・マーマしのはら西保育園(4回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 遊育会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 222 - 0026
港北区篠原町974-25
tel:045-439-0048
設立年月日 2003(平成15)年08月01日
公表年月 2020(令和2)年01月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の特色】
・立地および施設の概要
マーマしのはら保育園(本園)は、JR横浜線または横浜市営地下鉄ブルーライン新横浜駅から徒歩12分ほどの静かな住宅地にあります。社会福祉法人遊育会を経営母体とし、平成15年8月1日に開園しました。園舎は赤レンガ造りの2階建てです。南向きで陽だまりの保育室、間接照明の落ち着きの空間、天井の高さが生む開放感、子ども達が大好きな園舎1階中央部分の多数の熱帯魚(セルフィンプレコは園の主)が泳ぐ2メートルの丸型水槽、小さなおひさま文庫、毎月海外から取り寄せている本などもあるブックコーナーなど、環境作りにこだわりを持っています。園舎横の園庭には、斜面を利用したすべり台や、ジャングルジム、雲梯などの大型遊具が置かれ、子どもたちの遊び場となっています。
分園のマーマしのはら西保育園は、本園から徒歩10分ほど(新横浜駅から徒歩12分)の住宅地にあります。園舎は2階建てでエレベーターを備えたバリアフリー構造になっています。本園と同様に玄関ホールに小さなおひさま文庫があります。
本園は2歳児から就学前児童を受け入れ、定員は120名で現在134名在籍、分園は0、1歳児を受け入れ、定員は46名で現在46名が在籍しています。
・園の特徴
分園の1歳児クラスは、高月齢、低月齢で分け、保育室も1階(低月齢)、2階(高月齢)にしています。本園の2〜5歳児クラスは、各年齢2グループの保育室に別れていますが、同じ活動をしています。
遊育・知育・食育を三つの柱に、園生活は「もう一つの大きなおうち」、恵まれた豊かな環境の中で、安全や小さな危険を体験したり、自然やお友だちと積極的にふれあったり、様々な素材や遊具と主体的に関わったりして、自分で考えて行動する保育を目指しています。養護と教育の一体的保育の推進のため、プロの講師による、運動保育、リズム運動、わらべ歌、外国人交流、読み語りなどをとり入れ、マーマ・キッズキッチンという食育活動を計画的に行っています。

【特に優れていると思われる点】
1.子どもの発達過程に応じたきめ細かな対応
分園の子ども達は、成長発達が著しく、月齢による差が大きい0、1歳児なので、クラスごとに高・(中)・低月齢に合わせた指導計画にし、子どもの育ちを丁寧に見守っていこうとしています。また、子どもの生活を24時間で捉えるため、家庭での起床時間、降園後の夕食、就寝時間なども日課表に記載(毎月作成)し、園生活に生かしています。
進級時に作成する本園・分園の全園児分の一覧表は、健康・遊び・家庭支援など7項目から成り、子どもの状況をきめ細かく申し送り、進級後の生活につなげています。
2.環境構成の配慮
子どもにとって保育園は昼間過ごすもう一つのおうちとして、子どもの発達に合った、想像力を養える、見立てがきくおもちゃを置くことを心がけています。大切に扱えば長く使える木のおもちゃなど、質の良い本物に触れられるようにしています。また、子どもの興味関心を受け止めた職員の手作り品も重要なアイテムになっています。0歳児クラスの箱状のものに電気のスイッチ、鍵、電卓などを取り付けた道具は子ども達のお気に入りです。5歳児クラスでは、子どもが関心を示したエアコンを、段ボールを利用して作りました。部品のルーバーやフィルター、リモコンなど細かな部分も、子どもが自分の世界に入り込んで遊べるようこだわって再現しています。遊びは他の子どもにも広がり、エアコンは発表会の劇にも登場することになりました。

3.丁寧な食育活動
「楽しい・美味しいを食する」をイメージし、丁寧な食育活動を展開しています。横浜市が推奨するゴミを減らすための環境教育の一環として、「3R夢農園」を作り、調理で出た残りものから土作りをし、クラスごとに野菜や果物を育てています。クッキングは2歳児から、栽培したイチゴでジャムづくりをしています。4歳児は味噌作りをする体験もあり、発達に合わせて食に関心がもてるような取り組みをしています。4歳児の3月から、キッズキッチンとして、五感で楽しむお料理体験として、「道具が肝心、お料理ってどうやるの?に始まり、ご飯を炊く、だしをとる、炒める・煮る、すりつぶす、焼く、揚げる、こねる・のばす、形を作ろう」をテーマにして、年間食育計画を立てて行っています。さらにさんまの炭火焼きや収穫したサツマイモを焼き芋にしたり、餅つきをして、食文化を大切にしています

4.すこやかサークル交流を通しての地域連携
篠原・岸根地区の幼・保・小、中、高、養護、PTA、自治会との連携サークル(すこやかサークル)が活発に機能しています。カリキュラム交流を行い、幼稚園、1年生、5年生との交流会や、中高生、養護学校生の職業体験を受け入れています。また、岸根高校の文化祭の中で行われるすこやか祭りに子ども達が参加したり、篠原中学校の吹奏楽部がクリスマスの時期に園を訪問し、演奏を披露してくれたり、職員が中学校に職業紹介の話をしに出向いたりして、地域の中で育っていく子ども達のための連携や支援などについて積極的な活動を継続し、取り組んでいます。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.定期的な育児相談体制
園開放や育児講座など、参加者の育児相談には随時応じています。育児相談については、さらに定期的(最低週に1回)に相談日を設けて対応する体制をつくることが期待されます。

2.職員への人材育成計画の周知と人事考課制度の開示
設置法人が策定した、人材育成計画(職員のキャリアステージにおける人材育成指標)と給与規程に人事基準の規定がありますが、職員により周知度にばらつきがあります。人材育成計画を全職員に周知するとともに、昇進・昇格に関する人事基準、人事考課制度を開示し、職員のキャリア形成やスキルアップに見通しを持てるようにすることが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・保育理念は「一人一人の子どもの個性と健やかな育ちを支えます」以下3項目から成り、保育方針は「遊育・食育・知育の調和のとれた環境の中で生きる力を育む」などを掲げ、園目標もつくり、それらはすべて子ども本人を尊重したものとなっています。

・子どもの気持ちを尊重し、せかしたり、否定的な言葉は使わず、子どもたちに分かりやすい声かけや、共感して、寄り添った保育を心がけています。気になる対応については職員間で意見を言いあえる関係ができています。子どもの人格を尊重した保育について、自己評価の項目にも取り入れて確認を行い、全職員が認識する機会を作っています。

・「園生活のしおり」に個人情報の取り扱いについて記載し、園内での撮影禁止、個人情報についての問い合わせには答えられないことを保護者に伝えています。入園時に、ホームページや印刷物への子どもの写真掲載の可否を聞いています。

・職員は採用時、ボランティアと実習生にはオリエンテーション時に個人情報の取り扱いや守秘義務について説明し、誓約書を提出してもらっています。個人情報に関する書類の園外持ち出しの厳禁、本園と分園の間でも、個人情報のやりとりはファックスやメールも控えています。

・名簿の順番は生年月日順にし、遊びや役割、劇の配役やグループ分けを性別で分けていません。性差について、固定観念をもって保育してはならないことを全職員が理解していますが、特に意識することなく、反省する仕組みはありません。

・虐待対応マニュアルがあり、職員に虐待の定義を周知しています。港北区こども家庭支援課、横浜市北部児童相談所、小学校、保健師など適切につなげ、連携を図る体制があります。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・分園の職員は担当制で2〜4人の子どもを受け持ち、一人一人の生活のリズムに沿った個別のデイリープログラムを策定し、毎月見直しをして対応しています。

・分園から始めた「わらべうた」は、膝の上で心地よい言葉の響きに触れ、職員との愛着が深まります。職員の側にも自然と子どもの目線に合わせ、発達にあった対応ができるようになってきた効果が見られ、本園でも取り入れています。

・分園の乳児にも、クレヨン、のり、絵の具、小麦粉粘土、寒天、おりがみなどを用意して、夏には水や泡に触れるなど、子どもが感触を楽しみながら表現できるようにしています。

・本園は園庭使用時間割表を使い、クラスごとに午前中の前半・後半や午睡後に園庭に出る日を決め、安全に配慮し、また遊びが偏らないようにしています。

・子どもの心身の発達が整ってからトイレットトレーニングをするようにしています。大人の都合でおむつとパンツを併用することはしない方針であることを保護者に伝えています。

・園の立地が土砂崩れ警戒区域に指定されていることを重要事項説明書に明記し、対策も含め消防署と検討し、乳幼児が移動できる避難方法、場所を想定して、避難訓練を行っています。電気・ガス・水道のライフライン不通を想定した訓練を行い、発電機を備え、備蓄品の確認と全職員への周知をしています。

・事務所にヒヤリハット報告ボードがあり、半期でまとめて分析し、事故を未然に防ぐ努力をしています。園内の安全点検を毎月実施し、また、散歩マップへ危険個所を書き込み、全員で確認しています。

・保護者参観でリズム運動などの特別活動を見てもらい、保護者にいかに生き生きとした子どもの姿や、園の目標である身体づくり、心づくりのための保育の内容、園の方針を理解してもらえるか、内容を検討しています。

・懇談会のお知らせを配付し、事前に、懇談会で話し合いたいテーマや質問などを保護者から募っています。懇談会ではテーマを決めて、保護者同士話し合う機会を設け、他者の保育観を知る機会としています。

・分園では、保育参観「すこやか広場」を年2回土曜日に設定し、親子のふれあい遊び、コーナー遊びを体験してもらい、そのほか生活の様子のビデオを上映して、子ども中心の園生活の様子を伝えています。 

3 サービスマネジメントシステムの確立

・理念・方針・保育目標を掲示し、日々確認できるようにしています。3月下旬の職員会議(スタート会議)で、理念に基づいた年間の方向性・活動内容の周知や、園が培ってきたものを再確認し、意識を高めています。

・各年齢や個性に応じて、その子どもに分かりやすい説明(伝え方)をし、子どもが理解して納得することを大切にしています。年齢によっては、決め事をする際に子ども達から意見を募り、その中から全員が納得をして決定できるようにしており、それらを指導計画に反映させています。

・新入園児が園生活を無理なく始められるよう、導入保育(期間は0〜2歳児は8〜10日間、幼児は5日間を目安)を行い、2歳児クラスまでは年間を通した担当制など配慮をしています。在園児に対しては、分園から本園での生活に変わる2歳児クラスは環境の変化が大きいため、特に意識して配慮しています。

・異年齢でふれあえる場として、子育て支援スペースや小さなおひさま文庫、ブックコーナー(本園)があります。

・外国籍で文化の違う子どもとの関わりは、絵本、紙芝居、世界地図、地球儀などを通して、色々な国の人が暮らしていることやみんな違いがあることを子どもたちに伝え、自然に受け止めることができるようにしています。4、5歳児クラスは毎月外国人交流で異文化に触れる機会を持っています。

・保護者が苦情や要望を表せる仕組みとして、意見箱の設置、連絡ノート、送迎時のコミュニケーション、アンケートなどがあります。第三者委員の来園時には出された苦情や要望の報告をしています。職員会議や非常勤職員向けのサポート会議、昼礼などで全職員が情報を共有し、話し合うようにしています。

4 地域との交流・連携

・篠原・岸根地区のすこやかサークルが活発に機能し、地域での連携や支援などについて活動を行っています。港北区、社会福祉協議会、公私立保育園が開催の「わくわく子育て広場」の活動に参加し、各地域の子育て支援情報を得ています。

・子育て支援事業の園開放で、本園と分園でそれぞれプロの紙芝居の読み語り、リズム運動を毎月行っています。絵本の貸し出しは両園とも毎週水曜日に行い、分園で「マーマ学びのお部屋」(育児講座)として、ベビーマッサージ、食育講座など年2、3回行っています。

・事務長が篠原中学校区防犯パトロールに参加したり、庭で遊ばせてもらっている方の竹林の裏山や近隣の公園の清掃をしています。音の出る行事の前には事前に掲示や手紙で知らせ、地域と友好的な関係を築いています。

・分園の0、1歳児は近隣の高齢者施設を訪問し、デイサービスに来る高齢者と交流の機会をもっています。また、年長児が南部エリアドッジボール大会や、地域すこやか音楽交流会に参加したり、小学校訪問に行っています。

・見学は保育に支障が出ないよう、1日4組まで受け入れ、可能な日をホームページに開示して直接申し込みができるようにしています。本園で園の基本方針などを説明し、必ず本園・分園両方を見てもらうようにしています。

・年3回地域向けに「ぴょんニュース」を発行し、すこやかサークルの定例会で配付したり、自治会の掲示板に貼って園の開放日程や育児講座、貸し出し絵本などの子育て支援の内容や園の保育の様子を知らせています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・園の3R夢農園での生ごみを利用した土づくりや野菜作りは、横浜市資源循環局の指導サポートを受け、廃材の活用、LED照明など環境配慮の考え方、取り組みを「当園はECOの芽を育てます」として玄関掲示で保護者に知らせています。

・設置法人の人材育成計画により、主任クラスの人材育成が計画的に行われています。主任は積極的に現場に入ってコミュニケーションを図り、各クラスチーフからの情報なども得て、個々の職員に指導・助言を行い、相談に乗っています。

・園長は、横浜市や港北区の園長会、全国社会福祉協議会が主催する施設長会議、法人内の管理職会議などで事業運営に関わる情報の収集をし、分析しています。

・2019〜2023年「マーマ保育園の未来像中長期計画」を立て、園の方向性を定めています。単年度事業計画として、安定した園運営を基に、保育の質の向上、安全保育管理を上げています。2018年自己評価表(保護者アンケート含む)のまとめから、2019年度の方向性を決め、取り組んでいます。

6 職員の資質向上の促進

・毎年の法人研修は全職員出席を基本とし、昨年度はチームワーク、今年度はマネジメント(保育理念を考える)をテーマに学んでいます。園内研修は現場ですぐに生かせる内容にし、嘔吐処理、心肺蘇生など外部講師を招き、全員が出席できるよう日程は2日間、時間帯も昼・夜で設定しています。その他、「食事」「保育のつながり」などグループ討議形式でも行っています。

・職員会議の翌日に非常勤職員向けのサポート会議を実施しており、常勤職員と同じ内容を共有しています。

・実習生受け入れ時にはオリエンテーションを行って、園と実習生の趣旨を明確にしています。実習生の感想や意見・職員の気づきは記録に残し、今後の運営に生かしています。

・園の自己評価は職員がグループごとに5分野全38項目について話し合い、計画的に行う仕組みになっています。園長は、職員の自己評価結果から園としての課題を抽出し、翌年度にさらに力を入れるべきことや研修計画に反映させ、改善に取り組んでいます。

・第三者評価受審にあたっての自己評価は本園、分園それぞれで行い、評価の違いが出た項目の分析を行い、両園での意識や考え方について、再度話し合い、園の自己評価としてまとめています。

・園長は、職員と人材育成指標や給与規定に基づき面談をし、成果・貢献度を評価しています。その他、必要に応じて随時、満足度や要望など把握に努めるとともに、職員に気づきを与えるような言葉かけを心がけ、モチベーションの維持、向上への働きかけを行っています。

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