かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

京急キッズランド上大岡保育園(3回目受審)

対象事業所名 京急キッズランド上大岡保育園(3回目受審)
経営主体(法人等) 京急サービス株式会社
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 233 - 0002
港南区上大岡西3-10-17
tel:045-849-1212
設立年月日 2004(平成16)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年01月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 当園の運営主体は、京急サービス株式会社です。開設は2004年4月で16年目を迎えます。定員は60名で、2019年10月現在、在籍数は59名(48世帯)です。特別保育は、産休明け保育、延長保育、障がい児保育などを実施しています。場所は、京浜急行上大岡駅から徒歩で7分程度です。園の周辺は、戸建てやマンションなどの住宅地ですが、隣接して大きな商業施設があります。
 住宅地の中には、小・中規模の公園が複数点在し、子どもたちはその公園を利用しています。また、徒歩15分くらいの所には大きな広場公園や消防署、バス車庫などがあります。こうした環境の中で子どもたちは伸び伸びと過ごしています。

《特に優れている点・力を入れている点》
○「アプローチカリキュラム」を作成し、小学校へスムーズに接続する活動が充実しています
 小学校へのスムーズな接続を願って園長は「アプローチカリキュラム」を作成しています。このアプローチカリキュラムは5歳児の9月から小学校1年生の一学期くらいまでの期間を意識して作られています。具体的には学びの基礎力という命題のもとに、3つの視点(協同的な遊びや体験、学びの芽を大切にした活動、就学への期待)を設定し、主な活動を工夫しています。そして、港南区の「幼保小推進員会」に区内の園長と5歳児の担任たちが集まり、討議して具体的な活動を決めていきます。4月には「しんぱいないよ」というテーマで園の担任たちが小学校へ行き、1年生たちにエプロンシアターや手遊びなどを披露し、安心感を持たせたり、6月には、逆に小学校の先生が園に来て絵本の読み聞かせをしたり、秋には小学校の「秋祭り」の行事に行ったりするなど、小学校入学へ向けてさまざまな活動を計画・実行しています。

○保護者に寄り添った「共育て」の方針で職員たちは考え、実行しています
 廊下に大きな絵本ラックを置き、数多くの絵本や図鑑などを入れ、「貸し出し図書」を行っています。それぞれの本の表紙裏にカードを入れ、保護者は子どもと好きな本を選び、1週間の期間借りられるようになっています。また、「おかえりなさいボード」を各クラスに設置し、今日の保育の活動などを細かく担任が記録し、お帰りの際に保護者に見てもらうようにしています。さらに、給食のサンプルケースには、乳児食と幼児食の見本があります。このように、保護者には子どもたちの園での活動を細かく知ってもらうように、園長たちは考え、できるだけ保護者に寄り添う保育園にしていきたいと願っています。
 利用者調査では、「どの先生も、子どもはもちろん保護者に対しても温かい雰囲気で接してくれます」「貸し出し図書をはじめ園と親とのかかわりを大事にされています」といった声が数多く聞かれます。

○地域支援活動や地域の子どもたちとの交流などの活動が充実しています
 港南区で実施している地域支援事業に当園は積極的に参加しています。具体的には、「小麦粉粘土で遊ぼう」「公園で遊ぼう」という活動や、月〜金曜日の育児相談などです。これらの情報は区発行の広報紙に掲載され、それを見た地域の子育て中の親子が参加するようになっています。また、園独自では、大きな行事(夕涼み会、運動会など)へのお誘い、子育て支援講座(パラバルーンで遊ぼう、小学校の校長先生の講演会など)を実施しています。近隣の系列園やほかの保育園とは、「ドッジボール交流」「ミニ運動会」などにも加わり、交流しています。このように地域の子育て支援の重要性を強く認識して、積極的にお手伝いをしたり、子どもたちも自分の園の仲間だけでなく、他園の子どもたちと交流を図り、視野を広げるような取り組みを行っています。

《事業者が課題としている点》
 認可保育園の役割の多様化に伴い保育に従事している職員に求められることも多くなっていて、園では職員の気持ちの余裕と時間の確保を課題と捉えています。引き続き、子どもに寄り添うていねいで安心安全な保育を実践していくとともに、園長、主任のもと、保育以外での職員間の業務連携や職員同士での意見交換、行事の見直しを行うなど、協力体制を整えて取り組んでいきたいと考えています。また、目ざす保育理念、方針、目標の実現のために、職員のさらなる共通理解を図り、人材育成も進めていきたい意向です。さらに、法人との連携を強め、働きやすい職場環境や人間関係の構築、職員のメンタルフォローなどにも努めていきたいと考えています。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  職員は入園の際に保護者と面談して確認した呼称に「ちゃん」または「くん」をつけて、子どもの名前を呼んでいます。子どもに話しかける時は、なるべく静かに、穏やかなトーンで話しかけるように心がけます。全国保育士会の「子どもを尊重する保育のために」をテキストにして園内研修を受け、子どもの発言や気持ちを受け止め、受け入れることが大切であると学んでいます。また、毎年グループワークを行って子どもの人権について学び、保育の中でどのように生かしていくかを話し合っています。子ども同士のトラブルに対しては、子ども一人一人の個性に合わせた方法で、子どもたち自身が解決できるように、見守ることを基本にしています。
 子どもが一人になりたい時は、職員自身が間に入るなど他者の視線から子どもを遠ざけるようにしています。子どもが廊下などで一人で過ごしたいと思っている時はドアを開けて、遠くから見守ります。家具をはさんで隣り合ったクラスの職員は声をかけ合って、子どもの様子を観察しています。パーテーションやマットを使ってコーナーを作り、子どもはその中で小集団になって遊んでいます。おねしょの対応をする時は、ほかの子どもにわからないようにそっと片付け、クラスの職員には声を出さずに伝えて、子どもをトイレに連れて行きます。絵本コーナーが各クラスと廊下にあり、子どもは自由遊びの時間に好きな本を手に取って読んでいます。
 日常生活では、子どもたちは男女で入り混じって遊んでいます。行事や運動する際に服装の形を指定することはありますが、それ以外は好きな色、好きな形の服装で登園してもらいます。運動会やお楽しみ会も男女別にすることはしていません。下駄箱や出席簿は月齢順としています。現在は父の日や母の日を行事として残しています。しかし、今後は保護者の様子や家庭構成を考えて配慮していくことにしています。人事異動は法人で行いますが、園長と主任はいつでも男性職員が入職できるようにしています。職員はクラスミーティングや職員会議の際に、男女の役割を固定的にとらえた話し方をしないように、お互いに注意しようと話し合っています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

 全体的な計画は、保育所保育指針の改定に伴い、系列7園の園長が話し合って骨子になる部分を作りました。計画の中では地域の状況や取り組みについて、園の独自性を出しています。園では幼保小、近隣園との連携、季節に合わせた行事の開催、子育て支援事業に力を入れています。港南区は幼・保・小連携の取り組みが盛んで、地域グループの交流や園長会でのエリアミーティングも開催され、エリアごとにネットワーク保育士がいるため園同士のかかわりも密になっています。園の利用者はフルタイム勤務の核家族が多く、保育時間も長めです。保護者には入園説明会や園便りで園の取り組みや全体的な計画の骨子を説明しています。
 全体的な計画に基づき、年齢ごとに指導計画を作成しています。指導計画を作成する際は、子どもの発達に応じた援助やかかわりを通じて心の成長をはぐくむ基盤となるように、各年齢の指導内容が連続的なつながりを持ちながら展開されて行くように、配慮しています。職員は子どもが安心して自分の気持ちを表現できるように、無理強いせず、子どもたち一人一人の思いを大切にします。保育室ではおもちゃの棚に、おもちゃの写真を貼り付けて片付ける際の目安にしたり、イラストで一日の保育の流れを絵カードにして掲示したりして、子どもがわかりやすいように工夫しています。園長は子どもたちの達成感と経験値が大切だという考えのもとに、職員を指導しています。
 パーテーションを利用して空間を仕切り、小集団保育が行われるようにしています。0歳児では部屋を比較的細かく仕切り、ほかのクラスの子どもが出入りしないように配慮しています。1、2歳児では遊びの種類によって場所を作ったり、2か所に分けたりします。4、5歳児は自由活動の時間は同じ空間で、友だちと好きなゲームをして遊んでいます。スペースの問題から1歳児以上の保育室は食事をした後、拭き掃除を行って清潔を保つようにしています。食事と午睡の場所は重ならないようにして、機能別の空間を確保します。子どもたちは朝と夕に2歳児、4歳児のクラスで異年齢交流していますが、午前の遊びの時間や公園などの外遊びでも一緒に活動したりしています。


3 サービスマネジメントシステムの確立

 年齢ごとに月間指導計画、週案を兼ねた日案があり、園独自の書式で作成しています。月間指導計画は0〜2歳児、3〜5歳児が共通書式となっています。また、保育メモ、0歳児保育日誌、個人月案、記録も独自書式にして、職員の負担を軽減しています。月間指導計画を作成する際は、複数の担当職員で作成した原案を主任と園長が確認し、助言します。指導計画を見直す際はクラスミーティングを行って子どもの発達について検討し、持ち回りで記載した内容について主任がコメントし、必要な課題の検討や加筆を行った後に園長の承認を得ています。保護者とは日常の送迎時だけでなく、希望がある場合は面談を行って意向を聞き、対応できるものは反映しています。
 苦情受付担当者は主任、苦情解決責任者は園長です。法人共通の「皆様の声」という用紙を毎月保護者に配付し、日々の保育で気づいたことや、要望などを書いて、声のお便り箱に投函してもらうように呼びかけています。用紙は毎月集まった数や内容を確認し、集計して記録を残しています。保護者には重要事項説明書を使って、苦情受付の手順や解決方法を説明しています。懇談会では出席した保護者一人一人に、子どもに関する要望にどのようなものがあるかを聞き、会議録を作成します。園の廊下にはご意見ポストも設置しています。園の玄関には重要事項説明書を置くとともに、横浜市福祉調整委員会のパンフレットを掲示しています。
 園舎の構造上、完全なバリアフリーになっていません。園では少しずつ、例えばトイレの改修など、安全な環境整備に配慮しながら施設を改修してきました。今後も港南区のこども家庭支援課と連携しながら、障がいのある子どもの受け入れをしていきたいと考えています。法人の事業部にも相談しています。障がいのある子どもの保護者の同意を得たうえで、よこはま港南地域療育センター、こども家庭支援課、地域の保健師から必要な助言を得ています。子どもたちは障がいのある子どもを自然に受け入れ、助けながら一緒に生活しています。園長は保護者同士のコミュニケーションの取り方が難しいと感じる時もありますが、どちらの子どもにも職員が平等に接していることを伝えて理解を求めています。


4 地域との交流・連携  港南区では子育て支援事業として地域支援も行っています。その中で年4回機関紙「保育園に遊びに来ませんか」を発行し、港南区の保育園の地域支援の活動を紹介しています。当園においても、育児相談や子育て支援講座(小麦粉粘土で遊ぼう)などのご案内をしています。また、そういった活動の中から、あるいは園見学に来られた方々から、子どもの離乳食やトイレットトレーニングなどの相談を受けています。園長や主任はそのような質問にていねいにお答えするとともに、地域の方々の要望にはどういうものがあるのかなどを把握するようにしています。そのほか、主任や職員は他園との交流を通じ、子ども同士の触れ合いとともに地域の情報を交換し、検討会なども行っています。
 園の前にある掲示板で、当園の行事について地域へお知らせし、参加を呼びかけています。具体的には運動会や夕涼み会などがあります。そのほか行政から来たポスターなどは、地域の方々にも知っておいてほしいものは掲示してお知らせをしています。当園で行っている育児相談については、港南区の地域子育て支援事業の広報紙に月〜金曜日まで行っていることが掲載され、外の掲示板でも毎日実施していることをお知らせしています。ただ、地域の方々はこういったお知らせを見て相談のため来園されるよりも、園見学や行事への参加時に相談されることが多くあります。なお、当園の情報は、近隣の小学校や地域の運営委員をされている方に園便りをお届けしています。
 ボランティア受け入れについての文書があります。希望者は事前に来られますので、そこで、担当の主任がオリエンテーションを行っています。その際、「心構え」という文書を配付しながら、保育現場に入る際の姿勢(言葉遣いや身だしなみなど)、保育に関すること(積極的に聞く、疑問点は質問、記録するなど)、子どもに関する事(子どもと積極的かかわる、子どもと共感するなど)、義務(守秘義務、人権尊重、性差の差別など)といったことなどをていねいに説明して理解を図っています。保護者には、園便りや掲示(本人同意のもと顔写真付き)でお知らせしています。終了後は感想文などをいただきますので、参考になることが書いてあれば、職員会議で取り上げます。
5 運営上の透明性の確保と継続性

 法人の研修や外部研修で「コンプライアンス」のテーマで法令順守の大切さを職員に伝えています。また、全国保育士会倫理綱領があり、職員の倫理について園長が話をしています。就業規則にも職員の服務について不正、不適切な行為をしないことが記されています。なお、「コンプライアンス指針」についての法人作成のカードを職員一人一人が携帯しています。他園での不適切な事例、例えば職員による虐待が疑われる行為やプールでの事故などについて職員会議で話をしたり、日常的にも園長や主任が口頭で伝えたりして、自園ではそういうことのないように努めています。なお、園の情報については外の掲示板や港南区の広報紙で地域の方々に積極的に情報を提供していますが、園にかかわる損益など経営状況については開示されていません。
 重要な行政との話し合いについては園長が率先して務めています。会計や事務に関しては事務職員が常駐していますので、日常的な会計処理は園長許可のもとに事務職員が実践しています。各担任は、リーダー格の職員のもとクラス内のことは自主的に判断して行い、必ず、主任に報告をする形になっています。また、行事の係、マニュアルの係など、各係が担当する内容については各係の責任のもとに行い、実施後に振り返りを行い、職員会議で報告をしています。内部監査については、法人の経理、人事、CSRなど各職員が来園して行っています。外部監査については、法人委託の税理士の目を通して見ていただき改善につなげるようにしています。
 ごみ減量の一環として、牛乳パックや段ボール紙などは製作に利用したり、空きキャップの資源回収などに取り組んでいます。エコ対策として職員が水筒を持参することや、保育室の電球や災害時の懐中電灯のLED化などを実施しています。そのほか系列園同士で互いに不要になった物品の交換、再活用をしています。法人としても資源のリサイクルとして、京急電鉄グループですので使用済みの切符を再利用してトイレットペーパーに再生させる活動を数年来実践しています。また、門扉から玄関までのスロープに植栽をし緑化の取り組みを行っています。朝顔のグリーンカーテンなど数年来取り組んでいますが、なかなか上手にできないということでした。現在、法人に環境についての取り組みの新しいポスターを発注しており、届き次第掲示予定です。


6 職員の資質向上の促進

 系列各園で人材の補充などの要望をまとめ法人に報告します。法人では要請を受けて人材採用を実施します。採用では法人の部長、人事部担当者、持ち回りの園長が面接をします。試験は実技、そのほかSPI診断などです。配属が決まった後は、法人の初任者研修後配属先の園長が指導をしていきます。人材育成については園長や主任が行いますが、研修そのものは法人作成のものと、園が計画する外部研修、園内研修などがあります。キャリアパス研修計画を作成し、それを含んで計画的な研修計画が作成されています。なお、職員は個々に自己評価を実施しています。そこには本人の年度の目標、考察がありますので、それに基づいて園長面接を行い、アドバイスや指導が行われています。
 職員の資質、専門性の向上のために必要な研修計画が作成されています。法人で行う採用時の新任研修のほかに経験年数によって各分野の研修があります。このほか、園においては園長が担当となり行政や保育関係機関による外部研修の計画を立て実施しています。本部及び自園を含めた研修についてはキャリアパス研修も含めて個人研修計画表が作成されています。そして、研修後は報告書を作成するとともに職員会議で発表しています。このほか、横浜市の保育フォーラムや他園の公開保育に積極的に参加しています。次年度は当園が公開保育園になります。なお、園内研修は年間計画表を作成し、毎月、職員会議の中で実施しています。具体的には、避難訓練の反省、衛生管理、保育計画の振り返りなど実際の保育に直結するテーマが多くあります。
 職員は個々に「保育士の自己評価」を行っていて、そこで振り返りも行っています。そのほか、「保育所の自己評価」を実施しています。そこでは、保育目標、保育について、日程、行事について、経営・組織、研修・研究、情報について、施設・整備、出納、開かれた保育所作りといった柱で、それぞれ数項目ずつあり、その項目ごとに4段階評価及び意見・改善策を記していきます。また、系列園や他園の良い事例、例えば運動会の種目や運営の流れ、生活発表会の展示の仕方、内容など、良い事例を自園に取り入れるようにしています。従って園長は職員に積極的に他園を参観するように勧めています。また、法人の合同研修会に外部から講師を招いて職員全体が指導を受ける機会があります。最近では災害について専門の講師による勉強会を持ちました。


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