かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

京急キッズランド黄金町保育園(2回目受審)

対象事業所名 京急キッズランド黄金町保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 京急サービス株式会社
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 232 - 0005
南区白金町1-23-2
tel:045-260-6147
設立年月日 2013(平成25)年04月01日
公表年月 2020(令和2)年01月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 当園の運営主体は、京急サービス株式会社です。開所は2013年4月ですので7年目を迎えた保育園です。定員は60名で、2019年10月現在、59名(44世帯)の子どもたちが在籍しています。特別保育としては、産休明け保育、延長保育、障がい児保育などを実施しています。
 京浜急行黄金町駅から徒歩で約4分のところにあります。園の付近は、マンション、住宅、商業施設などが混在しています。その中にいくつかの公園があり、子どもたちは折に触れて散歩に行っています。そのような環境の中、子どもたちは伸び伸びと、楽しく過ごしています。

《特に優れている点・力を入れている点》
○年齢ごとの食育年間計画表を作成し、食の充実化を図っています
 当園は食育が充実しています。0〜5歳児とも年齢ごとの年間食育計画表を作成しています。0〜2歳児の表は、年間をごっくん、もぐもぐ、かみかみ、ぱくぱくの4期に分け、食べることに興味を持つ、食材に興味を持つ、意欲的に食べるようになるという柱のもとに食育活動を実施しています。3〜5歳児は年間を4期に分け、食べることの楽しさ、命の大切さ、3色表に興味を持つといった柱でそれぞれ活動を行っています。
 いずれも行事と関連させた食事の提供、旬の食材など毎月の食事の提供をするとともに、各年齢ともに調理活動を行っています。具体的には、0歳児の野菜の皮むき、3歳児のさつま芋のクッキング、5歳児のお泊り保育のカレーライス作りなど毎月のように実践しています。また、食することだけでなく年齢に合わせた箸の使い方、マナーなども習得できるようにしています。

○アタッチメント(愛着関係)形成のために、入園後数か月の間、0、1歳児の担当制保育を徹底させています
 0歳児や1歳児の入園の際は、担当制の職員配置を行っています。入園してくる子どもたちは違った環境になるので、不安や恐れを感じ、精神的に不安定な精神状態になることは否めません。そこで、0歳児の入園の際は担当職員数を多めに配置し、個々の子どもにかかわる職員を固定化し、子どもに安心感を持ってもらうとともにアタッチメントの形成を心がけています。1歳児も進級児のほかに数名の新入園児がいますので、やはり不安定な精神状態になりがちですので、0歳児と同様に職員数を多く配置し、担当制をとっています。この担当制は少なくとも入園から数か月は実施し、子どもたちの様子を観察し、徐々に職員全体が把握していくようにしています。園長や主任はこのアタッチメントの重要性を深く認識し、職員の協力を得て、毎年実施しています。

○職員同士のコミュニケーションが良く、保護者との連携にも力を入れています
 毎日の朝礼や毎月の職員会議、リーダー会議など各種会議で職員間で前向きな発言をして保育を進めています。また、栄養士や看護師など職種に関係なく子どもたち一人一人に目配りをしています。職員アンケートでも、「人間関係が良好なため、雰囲気が明るい」「職員同士のやり取りが密です」といった声が多く聞かれます。
 そのような家庭的な雰囲気の中で保育が進められているためか、今回の利用者調査でも、「先生と保護者の距離が近く、何でも相談しやすいです」「先生たちの目が行き届いて、温かく家庭的な雰囲気で子どもたちが落ち着いて過ごしています」「一人一人の先生が良く見てくれていて、安心して働く事ができます」など、感謝の声が多く聞かれます。

《事業者が課題としている点》
 園では参加している幼・保・小の交流事業のブロック内の小学校と交流していますが、5歳児の就学に向けた取り組みとして、さらに近隣の小学校とも交流の機会を設け、継続的な交流につなげていきたいと考えています。地域の子育て家庭への支援としては行事へのお誘いや育児相談を行っていますが、園見学に0歳児を連れた保護者が多数いることを捉え、離乳食の試食会などを栄養士たちと企画し実施することで、さらに地域に密着した子育て支援を図っていきたい意向です。また、家庭的な雰囲気の中で子どものこころ、からだ、えがおを育てるという保育理念の実現に向けて、保育者一人一人の質のさらなる向上にも取り組んでいきたいと考えています。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

 職員が子どもを呼ぶ時は、0〜2歳児までは「ちゃん」3歳児以上では「さん」をつけて呼んでいます。園長は職員がなるべく静かに子どもに声をかけるように指導しています。職員は子どもと話す時、目線を合わせ、否定口調にならないように、気持ちを受け止めるようにしています。子ども同士のトラブルはなるべく子ども同士で解決できるように、まだ十分に言葉で伝えられない年齢の子どもには「叩かれたら痛いよね」と、相手の気持ちを代弁して伝えています。毎年4月には園内研修を行って、保育士の心得について学ぶほか、職員が自己評価をする際には全国保育士会倫理綱領の読み合わせを行って、子どもの人権を尊重することの大切さを確認しています。
 法人共通のマニュアル「勤務にあたっての諸注意事項」では児童福祉法を基に守秘義務について規定しています。実習生・ボランティアの受け入れでは、オリエンテーション時に「保育実習・ボランティアにあたっての心構え」を配付して説明しています。保護者には、個人情報の取り扱いについて重要事項説明書を使って説明し、了解を得ています。個人情報は施錠のできる書庫に保管し、取り扱い担当者を決めています。法人共通の文書管理規定があり、個人情報の記録・保存期間・最新版について定めています。廃棄は保存期間の終了後、シュレッダー処理と溶解処理で行っています。地域交流などで子どもの写真を撮る場合は毎回保護者に確認して、許可を得ています。
 日々の遊びや持ち物、服装は清潔で活動的であれば良く、性差に関係なく子どもが好きなものを選べるようにしています。出席簿は月齢順で作成しています。出かける時や行事でも男女混合のグループで活動しています。子どもたちは絵を描いたリ、製作物を作ったりする際にも好きな色を使っています。父の日、母の日は行わず、5月にファミリーデーと呼ぶ日を設けて、おうちの人に感謝の気持ちを伝える製作物を作り、子どもたちが持ち帰ります。保護者に対しても性差を役割として捉えるような話し方をしないように、職員間で話し合っています。新入職員は、法人が行う一般職研修のカリキュラムの中で男女共同参画社会について学ぶとともに、園内研修を受けています。


2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  全体的な計画の年齢ごとの保育のねらいに合わせて、指導計画を作成しています。職員は毎日の保育活動の中で、子どもと目線を合わせ、表情や声色から子どもが求めていることを察知して受容し、子どもの思いを受け止めます。おもちゃの写真を収納する棚に貼って、遊んだ後は片づける生活習慣を身につけられるようにしたり、毎日の食事が自分の体を作っていることを説明する掲示板を作ったりして、子どもの理解が進むようにしています。子どもが意見や意思を表した時はまず聞き、否定せず、どうすればできるのかを一緒に考えるようにします。子どもが自分の気持ちを表現しきれないときは、待ちの姿勢で見守り、子どもが話すことができるようにしています。
  年齢ごとに年間、月間指導計画があり、月間指導計画を基に週案を作成しています。法人共通の書式として0〜2歳児用、3〜5歳児用の2種類があり、年齢に合わせて子どもへの配慮、教育、食育などの指導計画を作成しています。実施後の週案は、クラスミーティングの際にまとめを行い、振り返り、改訂が必要な部分は担当職員が青字で修正し、変更内容が妥当かどうかを職員会議で話し合います。個別の対応が必要な場合は「れんらくちょう」を使って保護者に報告したり、必要に応じて個人面談を行ったりしています。保護者から出された要望は、月に1度行うクラスミーティングと職員会議で検討し、できるだけ意向を反映するようにしています。
 おもちゃは、どのクラスの保育室も子どもが取り出しやすいように種類ごとに低い棚にしまってあります。0歳児クラスでは振ると音が出るおもちゃや柔らかいもの、1歳児クラスでは見立て遊びのできるおもちゃや指先を使うもの、2歳児からブロックなどの友だちと一緒に遊ぶ機会が増えるものを、3歳児からはルールのあるゲームを用意するなど、子どもたちの発達や年齢に合わせて適宜おもちゃを用意しています。また、パーテーション、敷物でコーナーを作って、少人数で好きなことをじっくり遊べる空間、時間を設けています。一斉保育以外の朝夕の時間は自由時間となっており、子どもたちが思い思いのコーナーで自由に遊んでいます。
3 サービスマネジメントシステムの確立

  入園・進級の際、毎年「ご利用申請書」を保護者に記入してもらい、子どもと家庭の状況、生活歴、環境の変化を把握しています。経過記録、健康診断結果は定められた書式に記録し、クラスごとにファイリングしています。子どもに関する必要な情報はクラスミーティング、職員会議、園日誌などで共有し、対応できるようにしています。進級時には担当の職員が、各種の記録を基に新任の職員へと申し送りを行い、一人一人の子どもの発達について情報共有を行っています。転園先の保育所から依頼があった場合には、保護者の同意を得たうえで情報提供を行います。卒園時には担当職員が作成した保育所児童保育要録を小学校に簡易書留で送付しています。
 健康に関するマニュアルがあります。職員は受け入れ時に子どもの体調、けがの有無などを確認し保護者に健康記録に記載してもらうなどマニュアルに沿って実施しています。既往歴については入園時の記録、日々の会話などから把握して、職員はミーティングなどで周知しています。子どもが熱を出した時には保護者に連絡し、子どもは事務室(医務室用のスペースあり)で休ませて、保護者が迎えに来るまでの様子を保護者に伝え、降園後の対応について話し合っています。歯磨きは歯が生え始めたころ、歯ブラシを口に入れることから始めています。年2回の歯科健診では歯科衛生士が歯磨き指導を行い、そのうちの1回5歳児クラスでは赤染めをして磨き残しのない磨き方を学んでいます。
 法人共通のマニュアル「クレーム(苦情)対応」で、苦情受付責任者や対応手順、注意すべき点を明確にしています。第三者委員には年3回ほど「えんだより」を持参して近況報告を行っています。法人では保護者の意見を参考にし、幅広く保育園運営に生かし、信頼の確保に努めることを大切にしています。苦情申し立て者が満足できない場合には、外部の権利擁護機関との連携をすることも明記しています。苦情や要望は主任から園長に報告され、重要なものは法人に連絡して対処を行った後、職員会議で職員に周知します。苦情やトラブルのデータは「苦情相談記録簿」に時系列に蓄積されて、同じようなクレームが発生しないようにしています。


4 地域との交流・連携  園行事の夕涼み会や運動会などの行事では地域の方々に参加を呼びかけています。その際、参加された方にアンケートを実施して、感想や要望を聞くようにしています。そのようなアンケート結果や、園見学に来られた方々の育児相談(離乳食や食物アレルギー対策などの話題が多い)に対応する中で、地域の子育て中の親のニーズを把握するようにしています。また、南区合同の園長会が年4回ほど開かれる際、南区こども家庭支援課や横浜市の家庭支援課の職員が参加していますので、その職員から近隣の地域事情の説明を受けています。そのほか、幼・保・小の交流会に園長が出席し、地域の実情について意見交換をしています。
 南区のいろいろな地域支援の活動(お話し会や製作など)は、園の外にある掲示板で地域の方々にお知らせしています。また、育児相談については「育児相談をしています。お電話で予約を受け付けています。受け付け時間は月曜日〜金曜日10:30〜15:30」との文言と電話番号、担当者名を記したポスターを掲示板に貼っています。掲示板では、夕涼み会や運動会などの行事へのお誘いなどもお知らせしています。そのほか、ハグ・クミ・パークという広場が系列の京急百貨店にあり、そこで当園を含む系列園の情報や食に関する情報紙を配布しています。育児相談については相談者が極端に少ないので、園長や主任は何か別の方法もと考え、多く受けている園見学者の「ついでの相談」に対してていねいに対応しているところです。
 「実習生・ボランティアの受け入れマニュアル」という文書が作成されています。ボランティアの受け入れについては、小学生、中学生、高校生、大学生・社会人の項目で記載されています。受け入れ担当は主任が行い、実際にボランティアに入ったクラスの職員が指導をしています。まずは、実際にボランティアに入る時の服装や言葉遣い、保育の補助など注意すべきことを説明しています。特に、園内で知り得た情報については外部に漏らさないことについて約束をしています。このような心構えの文書はボランティアに配付しています。保護者には、ボランティアの名前、入る期日などを玄関前に掲示してお知らせをしています。
5 運営上の透明性の確保と継続性

 リーフレットやホームページで園の情報を地域の方々に見てもらっています。リーフレットには、保育理念、保育方針、保育目標をはじめ、保育園の特長、施設の見取り図、保育時間、設備、保育園の一日、延長料金、系列各園の紹介など詳しく記載されています。ホームページも同様にわかりやすく紹介されています。また、区役所の一角には当園の情報がほかの保育園と一緒に掲示されています。そこには、園舎のフォト、現住所、保育時間、行事、定員などが記載されていて、常時見ることができます。南区のこども家庭支援課発行の「はぐくみ」には、散歩マップや子育てサロンのほかに、区内の福祉施設(保育園、小規模保育、認定こども園、幼稚園など)が紹介されています。なお、京急百貨店の広場には、園のリーフレットを置き、来られた方が自由に持っていけるようにしています。
 職員が一人一人行った自己評価については職員会議の場で話し合われています。例えば、その中で「保育士の言葉かけ」についての話題が出ました。子どもに優しく、落ち着いた言葉かけを常時するために、どのようにしたら良いか話し合われたのです。保育所の自己評価は保育士の自己評価をもとに実施してきました。その自己評価の内容を保護者にお知らせする方法として「○○年度 保育所の自己評価の結果について」というタイトルで、本園の保育方針、今年度の課題、取り組み状況、保護者アンケートより、次年度の目標という項目で簡潔にまとめ、玄関前に掲示しています。
 園内には事務員が在籍しており、会計・出納に関しては責任を持って処理し、園長への報告・連絡を着実に行っています。また、園内には、「職務分担表」が作成され、看護師や栄養士も含んだ全員の役割がが明文化されています。その職務については権限や責任が明確になっています。園長の職務としては、園の管理全般、対外交渉、人事管理、出納責任者など、主任の職務は園長補佐、保育士の指導、各種記録作成、保育計画作成・指導などです。こうしたそれぞれの業務のもとに円滑に園の運営が進められています。また、法人から年に1回、内部監査を受けていて、外部の公認会計士の指導もあります。


6 職員の資質向上の促進  園長は「健康で、前向きな人」を求めて、法人に人材確保をお願いしています。保育を行うには、何よりも健康であってほしい、そのうえで積極的に何事にも取り組んでほしいと願っています。法人では系列園全体を考えて採用を行っています。法人での一括採用にあたっては、系列園の園長3名が法人のマニュアルを基に各分野の研修を行い、その後、配属になります。当園に配属された職員の育成は、まず1か月「業務日誌」をつけ、その日誌の中に記載された保育の疑問点や悩みについて園長が指導をしていくという方法で行います。その間、複数担任のクラスに入り、そこでは先輩の職員が指導を受けもちます。職員には春の主任面談、秋の園長面談が行われ、そこで資質向上に向けた目標なども話し合って達成度を見ています。
 年度初めに園の課題について職員会議で話し合い、年度末に園としての自己評価を確認しています。具体的には、職員個々の自己評価及び保育園の自己評価を行っています。特に、横浜市作成の保育所の自己評価を活用し、その中の保育分野に関して、職員をグループ別に分け、検討し、発表し合うようにしています。また、系列園の事例も参考に取り上げるようにしています。今回、プールの片付けについて系列園の方法が良かったので、参考にしました。なお、救急救命法を数人単位で消防署の協力で学ぶようにしています。
 各職務によってなすべき職務が明記されています。例えば、リーダー保育士は保育の計画・立案、保護者との連絡・懇談、各クラスの備品管理・整頓、一般保育士の指導など、リーダー栄養士は給食の献立作成、給食の指導、一般栄養士の指導、給食設備の衛生管理など、看護師は健康管理、日常の応急処置、保健衛生指導(子ども、保育士、保護者など)、事務職は出納管理、会計事務、庶務事務全般などです。このほか、新卒の職員には業務日誌を1か月つけてもらい、その間、日常業務に関する具体的な仕事のほかにも、疑問に思っていること、悩んでいること、わからないことなどを正直に書いてもらい、園長が毎日点検し、適切な指導をしていく制度があります。なお、法人主導で職員の「満足度調査」も実施しています。

詳細評価(PDF566KB)へリンク