かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

なないろ保育園

対象事業所名 なないろ保育園
経営主体(法人等) 株式会社ステーション
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 242 - 0023
大和市渋谷6-12-5 保田ビル2F
tel:046-267-7716
設立年月日 2016(平成28)年10月01日
公表年月 2020(令和2)年01月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]
なないろ保育園は、株式会社ステーションを経営母体とし、平成28年10月1日に大和市の地域型保育事業(小規模保育)として開園しています。0〜2歳の低年齢児を受け入れる、定員19名の小規模園です。園は小田急江ノ島線高座渋谷駅前の利便性の良い3階建てのテナントビルの2階にあります。
隣接するビルには同法人の姉妹園があります。給食は姉妹園で調理したものが届き、また、土曜日保育では姉妹園で合同保育を行うなど、日頃から連携を図っています。3歳からの進級園としてのバックアップ体制もあります。
園の周辺には公園のほか、渋谷学習センター(IKOZA)の多目的スペース、小田急線の踏切、新幹線が見える橋など子どもが楽しめる場所が点在し、散歩コースを選んでいます。食育に関しても、プランターでの野菜栽培と収穫、クッキング保育での食材の下ごしらえ(とうもろこしの皮むき、そら豆の鞘むき)、梅ジュースやピザ作りなど、低年齢の子どもでも無理なく取り組める内容にしています。また、月2回、外部講師による英語教室で楽しみながら異文化に触れる機会を持っています。


≪優れている点≫
1.子どもの気持ちに寄り添えるよう、個別の対応や環境の整備に努めています

小規模園の強みを生かし、園児一人一人の育ち、その時々の気持ちや状況に合わせ、園長以下全職員で連携を密に図りながら臨機応変な対応をしています。1歳児が2歳児のクラスで過ごす時間を個別につくったり、子どもが納得し、クールダウンができるまで職員がずっと付き添ったりしています。
会議の中で丁寧なケース検討を行い、現時点での様子、配慮や関わり方が適切かどうか話し合い、記録に残しています。個別の日誌に記録しきれない情報は、さらに「個別ノート」に記録をし、保育に生かしています。また、子どもの欲求に寄り添える、より良い保育室環境を作るため、0、1歳児保育室にテントを置いて小さな空間を作ったり、カラーボックスを数個、横に置いてコーナーを作り、リニューアルをしました。そこには玩具、絵本などを用意し、子どもが自分で選び、手にすることができるようにしています。壁の下の羽目板部分に線路模様のテープを長く貼り、電車遊びができる仕掛けをしています。
新しい環境での子どもの反応や遊びの様子を職員は観察し、さらなる改善を話し合っています。環境の一つである職員の声のトーンや大きさについても、常に冷静に言葉かけができるよう職員会議で意識づけを図っています。子どもが意欲を増したり、自信を持てるよう、自分でできた時は十分に褒めるのはもちろんのこと、子どもに注意を与えた場合は、そのままにせず、きちんと抱っこをして子どもの気持ちのフォローを忘れないことを確認しています。


2.豊富な食育活動や食事の提供、保護者との連携を通し、子どもの「食」の充実を図っています

「食育計画」で年齢別の年間目標、四半期ごとのねらい、配慮事項、活動を定め、低年齢の子どもたちも自然に無理なく「食」に興味を持てるようにしています。保育室のベランダでトマトやナスの栽培、収穫や近隣のお店に野菜を買いに行ったり、魚屋さんで魚を見せてもらうこともあります。とうもろこしの皮むきやそら豆の鞘むきをしたり、梅ジュースやピザ作りなどのクッキング保育も行っており、子どもたちは実体験を重ねています。
日々の給食は、旬の食材を利用し、季節の献立や地方料理、外国の料理等の多彩なメニューがあり、楽しく食事ができるように工夫しています。恵方巻、ゴーヤチャンプル、ガパオライスなどのメニューもあり、誕生日会の日は、絵本のお話の中に登場するケーキなどを作っています。保護者には、毎日の給食の写真と、人気のメニューのレシピを携帯アプリで配信しています。
保育参観日には栄養士が食育活動について説明し、給食の試食も行っています。食事に関する保護者からの相談に応じてアドバイスを行い、家庭と連携して子どもの食生活が充実するように配慮しています。


≪努力・工夫している点≫
1.指導計画作成、記録、振り返り、自己評価を丁寧に行っています

職員は、園目標である「さまざまな経験を通して、たくましく、心豊かな、思いやりのある子どもに育つ」の実践のため、指導計画、記録、振り返り、自己評価を丁寧に行っています。事例として、成長発達の進み方が特に著しい0歳児クラスは低月齢と高月齢で2種類の月間指導計画を作成しています。1、2歳児クラスの月間指導計画には「子どもの育ちを捉える視点」と「自らの保育を振り返る視点」の自己評価欄があります。2つの視点から記録をとっていくことで自らの実践の振り返りや、改善につなげやすいよう工夫しています。また、全クラス、個別日誌で子ども一人一人の成長を日々追っています。さらに全職員が3ヶ月ごとに行う健康、環境、情緒の安定など8領域に沿った保育の自己評価表での自己評価を通しても保育の質の向上に取り組んでいます。


≪課題や改善することが期待される事項≫
1.体系的な人材育成の計画の作成

職員の外部研修参加を推奨しており、計画的に職員が学べる機会を設けています。しかし、体系的に人材育成を推進するための期待水準などの人材育成の計画の確認ができませんでした。人材育成計画作成後はそれを職員に示し、人事基準と連動させて職員のキャリア形成やスキルアップに見通しを持てるよう、活用することが期待されます。


2.園独自のマニュアルの作成

健康管理・衛生管理・安全管理については、保育士エキスパート等研修の資料「保健衛生・安全管理」を暫定的なマニュアルとして使用しており、園独自のマニュアルは現在作成中です。園の状況を踏まえたマニュアルを全職員が共有することで、業務の標準化を図り、健康管理・衛生管理・安全管理の取組みが、より一層充実することが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@ 法人内の姉妹園共通で「子どもの人権や主体性・個性を尊重し、保護者からも信頼され、地域に愛される保育園を目指す」という保育理念を掲げています。保育方針は「子どもや家庭に対してわけへだてない保育をおこない、プライバシーを保護する」を定め、保育目標を「様々な体験を通して、たくましく・心豊かな・思いやりのある子どもを育てる」とし、いずれも利用者本人を尊重したものとなっています。職員は園内掲示の確認、社員研修、職員会議で保育について話し合っているほか、園長が、理念・方針・目標に基づいて、「(子ども)一人一人が大事」「家庭とのつながり」を常に考え保育をするよう職員に話をし、職員は実践につなげています。

A 子どもの人権や主体性・個性を尊重した保育を行っています。職員は、おだやかに分かりやすい言葉で話し、子どもの気持ちや発言を受け入れられるように配慮しています。威圧的な態度や言葉にならないように職員間で意識し、職員会議で話し合っています。子どもの呼び方は家庭での呼び方を聞いて、「ちゃん」や「さん」付けで呼んでいます。

B 守秘義務や個人情報の取扱いについては、採用時にガイドラインに沿って説明を行い、全職員に周知しています。本社で個人情報の取扱いについての社員研修を毎年行っています。子どもの写真の掲示等の、個人情報の具体的な取り扱いについては、入園前に保護者に説明を行い「入園前事項確認書」で承諾を得ています。個人情報を保管している職員室は、最後に退勤する職員が施錠することになっています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@ 保育課程に基づき年間指導計画を作成し、それを基に月間指導計画、週・日案につなげています。その他に、食育計画、保健計画を作成しています。言葉の理解ができる年齢では、子どもの発想、興味関心を示したものなど子どもからの発信を十分に受容しています。また、子どもの遊びこんでいる様子や表情のほか、喃語、指差しに対しても子どもの思いを汲み取っています。子どもの行動には意味のあることを職員は理解し、ゆったり向き合い、受け止めるよう努め、計画に柔軟性を持たせています。

A 子どもの発達の個人差を踏まえた上で、子ども一人一人の状況や成長を話し合っています。その上で、園で心身ともに安定した生活が送れるねらいや配慮事項などが、子どもの育ちや保育につながるよう全園児の個別指導計画を作成しています。0歳児は特に新しく改訂された保育所保育指針が示す三つの視点(健やかに伸び伸びと育つ、身近な人と気持ちが通じ合う、身近な物と関わり感性が育つ)をふまえて作成をしています。

B 旬の食材を使用し、季節の献立や地方料理、外国の料理など多彩なメニューで、食欲が湧くような食事作りに配慮しています。恵方巻などのメニューもあり、お誕生日会には、絵本のお話に出てくるケーキなどが出ます。食器や食具は、子どもの成長や発達を見極めて選んでおり、スプーンは子どもの口の大きさや発達に合わせて4種類を用意しています。

C 連絡帳や送迎時の会話で子どもの様子についての情報交換を行っています。連絡帳の「一日の様子」の欄に、子ども一人一人の様子を具体的に記入し、園での様子を保護者に詳細に伝えています。年に2回、保育参観・懇談会・個別面談を同日に行っています。懇談会はクラス別に行い、子どもたちの様子や保育内容を詳しく報告しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

@ 入園時に把握した生育歴を始め、入園後の子どもの成長発達記録をファイルしています。全園児、個別の保育日誌があり、毎日子ども一人一人の育ちの丁寧な記録をしています。年度末の職員会議では全園児の申し送り(特に食事と排泄は丁寧に)をしています。2歳児クラスまでの受け入れのため、その後の進級園には必要に応じて児童保育要録を送付し、伝達しています。

A 職員会議の中で特に配慮が必要な子どものケース検討を行い、現時点での様子、配慮や関わり方が適切かどうか話し合い、記録に残しています。日々の個別の日誌に記録しきれない情報はさらに「個別ノート」に記録をしたり、子どもの特性に応じた項目について細かく記録し、保育に生かすよう配慮しています。また、外部研修を積極的に受講し、受講後は研修報告ファイルに綴じ、全職員閲覧後は事務室に保管管理をしています。その他、大和市ほいく課の巡回相談、大和市公立保育園の保育士の訪問など、配慮が必要な子どもの保育について情報やアドバイスを得て、保育に生かしています。

B 保護者からの意見、要望は、個別の連絡帳、懇談会、個別面談、アンケートのほか、保護者との普段のコミュニケーションを密に図ることで把握するよう努めています。寄せられた意見や要望は「意見(苦情)ノート」にまとめています。開園からの記録があり、解決に生かそうとしています。園単独での対応が難しい場合は、法人保育事業部、第三者委員、大和市ほいく課と連携を図っていく体制を整えています。

C 健康管理、衛生管理、安全管理に関する各マニュアルを整備し、対応しています。園独自のマニュアルを現在製作中です。

4 地域との交流・連携

@ 散歩や戸外活動時には、地域の人と挨拶を交わし交流を図っています。近隣の商店に野菜を買いに行ったり、散歩の際などに商店や高齢者施設の前を通り、挨拶をするなど交流があります。ハロウィンパレードの時は、近隣の商店等に協力をお願いして、前もって準備したお菓子を子どもたちに渡してもらっています。

A 利用希望者からの問い合わせには常時対応しており、見学ができることを案内しています。見学の日時は保護者の都合に合わせて行い、パンフレットや「重要事項確認書」を用いて、園の基本方針や保育内容を説明しています。実際の保育内容を見てもらい、持ち物についての説明も行っています。また、日常の保育内容、食育や行事の写真をアルバムにして、見学日以外の保育の様子も分かるようにしています。年間30〜40名の見学があります。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@ 職員が守るべき法・規範・倫理などは「就業規則」に示し、職員には入職時に説明しています。また、毎年就業規則の読み合せをしたり、他施設で起きた不適切な事例や、新聞やニュース報道などを職員会議で取り上げたり、不正、不適切な行為を行わないよう啓発しています。

A 経営、運営状況に関しては、求めに応じて公開することができます。

B 理念、基本方針、目標を玄関や保育室に掲示し、園のしおりを全職員に配付しています。園長は、理念、方針、目標について、職員会議で、毎回意識づけを図っています。また、職員面談時のほか、会議での職員の発言や保育の姿勢からも理念、方針を理解しているか確認しています。

C 園長は、大和市の園長会、法人内の園長会で事業運営にかかわる情報の収集をし、分析をしています。重要な情報は、職員会議で職員に周知しています。環境整備、園独自のマニュアルの整備など、園の運営面での重要な改善課題は検討の上改善に努めることとしています。

6 職員の資質向上の促進

@ 外部研修、園内研修計画を園長が作成をしています。職員一人一人に必要なスキルアップ内容に合わせて積極的に受講をしています。研修受講後は、研修レポート提出をし、内容によっては園内研修に組み入れて学んでいます。さらに、法人内姉妹園6園による合同の内部研修においても学んでいます。常勤、非常勤に関わりなく全職員が協力し役割分担をしながら責任を持って業務にあたっています。

A 指導計画作成時にねらいを記入し、その後保育実践を振り返り自己評価できる書式になっています。1、2歳児クラスの月間指導計画には「子どもの育ちを捉える視点」と「自らの保育を振り返る視点」の項目があります。2つの視点から記録をしていくことで自らの実践の振り返りや、改善につなげやすいよう工夫しています。また、全クラス、個別日誌で子どもの育ち、意欲、心の動きなど子ども一人一人のその瞬間やエピソードを日誌に丁寧に記録をしていくことを大切にし、自らの実践を振り返り、積み重ねています。その積み重ねに基づき子どもたちの成長に合わせて次の指導計画を立てています。

B クラス運営に関しては、自分のクラスに何が必要なのか、子どもの発達に適切な指導になっているかなど職員は責任を持って対応しています。判断が難しい場合の最終的な結果責任は、園長が負う体制になっています。

C 法人が行う職員アンケート、理事長や園長との面談で満足度や要望などの把握に努めているほか、職員に気づきを与えるような言葉かけを心がけ、モチベーションの維持、向上への働きかけを行っています。

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