かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

やまゆり中山保育園(2回目受審)

対象事業所名 やまゆり中山保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 山百合会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 226 - 0019
緑区中山1-22-22
tel:045-934-3897
設立年月日 1978(昭和53)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年12月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 市民セクターよこはま
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
やまゆり中山保育園は、JR横浜線あるいは横浜市営地下鉄グリーンラインの中山駅から歩いて2分ほどの所にあります。駅に近い街中にありますが、近くには緑豊かな公園や恩田川沿いの散歩道があり、子どもたちが季節の自然に親しむことができます。
やまゆり中山保育園は、1978年(昭和53年)4月に八朔乳児保育園として開設され、2010年(平成22年)4月に中山駅前に移転してやまゆり中山保育園と改名しました。2015年(平成27年)には近くに分園(1歳児)が開設されました。運営法人は社会福祉法人山百合会で他に緑区内に1園、港北区に4園、旭区に1園保育園を運営しています。
保育室は、ビルの1階にありますが、窓が大きく明るい印象です。2階には、事務室と会議室があります。園庭、テラスがあり、夏には子どもたちがプール遊びを楽しんでいます。
定員は110人(産休明け〜5歳児)、開園時間は、平日(月曜日〜金曜日)は7時〜21時、土曜日は7時から18時半です。
経営理念は「女性が安心して子どもを産み育てられ、仕事と育児が両立できるような社会をつくりたい。そのような社会づくりに保育を通して貢献(支援)する。」で、保育目標は「子ども達の笑顔と未来のために」園目標として「元気に明るくのびのびと」「遊びを大切にして、集団の中で成長発達の芽を育てる」「一人一人の思いを受けとめ、その子らしさを大切に」を掲げています。

◆高く評価できる点
1、子どもたちはのびのびと自分の思いを表現し、元気いっぱいに園生活を楽しんでいます
 保育士は、子ども一人一人の思いを大切に保育しています。
乳児は、クラスを分け、小グループで活動できるようにしています。保育士は、子どもの表情や仕草、反応などで子どもの気持ちを汲み取り、言葉にならない小さな発信にも一つずつ耳を傾けて、子どもの思いに応えています。子どもの活動に参加したくないという気持ちにも丁寧に応じ、個別の関わりの中で子どもが自分から参加したいと思えるように働きかけています。幼児クラスは、子ども同士で話し合って、遊びの内容やルールを決めたりしていますが、友達との関わりの中で自分の気持ちをうまく表現できない時には、保育士に個別にやりたい気持ちや悔しい気持ち、負けたくない気持ちなどを素直に伝え、受けとめてもらっています。
自由遊びの時間には、子どもたちは、一人で好きな遊びをしたり、ブロックで立体的な作品をつくって友達とごっこ遊びを楽しんだり、グループでトランプやカルタなどのゲーム性のある遊びをしたりして、思い思いに過ごしています。遊びの中で、子どもたちはお互いの得意なことや良さを理解し、仲間としての意識を育んでいます。晴れていれば毎日、近隣の散歩に出かけたり、園庭で遊んだりしています。外での子どもたちは元気いっぱいで、全身を使って自分の思いを表現し、友達と鬼ごっこをしたり、ドッジボールをしたり、虫を探したりしています。遠くまで散歩に出かけたいという子どもの声を受けて、遠くの公園まで出かけることもあります。
このように、子どもたちは自分らしさを素直に表現し、園生活を元気いっぱいに過ごしています。

2、職員はコミュニケーションを大切に保育にあたっています
 7時から21時と長い時間開園していること、経営理念に沿い子育て中など職員一人一人のライフステージを配慮していること、などにより、職員数が多くなっています。そのため、園は職員間のコミュニケーションに力を入れています。
 年度初めの職員会議、パート会議で園目標や方針について周知するとともに、折りに触れて取り上げ確認しています。パート会議も複数に分けて行ない、全職員で方向性を共有できるようにしています。園長、主任はこまめに保育室を回って保育の様子を見て回り、職員が園の方針を理解しているかを確認し、指導やアドバイスをしています。園が大切にしている子どもの人権を守るためには、職員がストレスをためないような環境作りが大切との考えから、園長、主任は職員に声をかけて体調などを確認し、シフトを調整するなどの配慮をしています。また、分園を折りに触れて回って職員の様子を確認し、密にコミュニケーションを取って職員が本園との距離感を感じないようにしています。
 また、人材育成にも力を入れていて、非常勤職員を含む全職員に対して「目標管理シート」を用いて目標設定と園長面談で達成度の評価をしています。園内研修や運営法人の研修、外部研修など研修の機会も多くあり、職員が研鑽を積めるようになっているので、職員それぞれのライフステージに合わせてキャリアアップすることができます。
 このような取り組みを通して職員は方向性を共有していて、職員間で常に声を掛けあってコミュニケーションを取り、連携して保育しています。

3、地域の施設として子育て支援に取り組んでいます
園は経営理念、経営方針に基づき、子育て支援を始めとする地域貢献に積極的に取り組んでいます。子育て支援としては、園庭開放、交流保育、育児講座、育児相談などを実施しています。一時保育も実施していて、子どもたちは該当するクラスで過ごしています。また、地域のニーズに応え、休日保育事業も実施しています。
地域との交流も盛んで、園長は緑区社会福祉協議会の役員となっていて、地域の福祉施設と連携しています。地域の保育園と交流するほか、近隣の中途障害者地域活動センターの祭りに参加したり、地域活動ホームに子どもたちの作品を展示するなどしています。災害時に備え、近隣の福祉施設で回覧板を回しつながりを深める取り組みも始めています。また、中山商店街の会員になっていて、地域住民が福祉員として子どもたちの見守りをするなど、地域住民とのつながりもあります。
このように、園は地域の施設として地域に根付いています。

◆さらなる取り組みが望まれる点
1、子どもが落ち着いて主体的に遊べる保育環境に向けて、実践中の保育環境の見直しをさらに進めていくことが期待されます
 園は、子どもが落ち着いて過ごせるように保育環境の整備に向けて取り組んでいますが、保育観察時には、一人の子どもが大きな声を出すとクラス全体の声が大きくなるなどの場面が見られました。また、クラスによってはおもちゃや教材を子どもが自分で選んで主体的に遊ぶためのさらなる工夫が必要なクラスも見られました。
現在、園では子どもの年齢や発達にふさわしい環境構成の見直しに取り組んでいて、保育士は、運営法人の年齢別部会で話し合い、おもちゃの設定の仕方を増やしたり、手作りおもちゃを用意したりしています。また、子どもの様子を見て、仕切りを作ったり、保育室の配置を見直したりしています。保育室が吹き抜けになっていて声が通りやすくなっている、パーテーションで仕切られているため棚などを置くスペースが少ないなど、構造上の問題はありますが、今後も実践中の見直しをさらに進め、子どもが主体的に遊べる環境構成を実現されることが期待されます。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・園目標は、「元気に明るくのびのびと」「遊びを大切にして、集団の中で成長発達の芽を育てる」「一人一人の思いを受けとめ、その子らしさを大切に」で、子ども本人を尊重したものとなっています。園目標を玄関、保育室、事務室などに掲示するとともに、年度初めの職員会議で園目標や年度の方針について話し合い、確認しています。非常勤職員に対してはパート会議で周知しています。保護者に対しては、入園説明会や4月の保護者総会で園長が説明しています。
・職員は、園内研修で人権について学んでいます。子どもを守る観点から虐待、支援家庭などについて職員全員で話し合い、人権について考え方を共有しています。
・園長、主任は、職員が子どもの気持ちや発言を受け入れることができる環境を構築するため、職員の体調や家庭事情に配慮する働き方ができるようにし職員がストレスを溜めることがないよう努めています。
・個人情報、守秘義務についての取り扱いマニュアルがあり、職員には入職時、守るべきことを再確認しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・保育士は子どもの言葉や態度、表情、反応などから子どもの意思を汲み取り、言葉にして返し確認しています。もっと遠くまで散歩に行きたいという子どもの声を受けて散歩の行き先を決めるなど、子どもの意見や関心、興味を指導計画の見直しに反映しています。
・各保育室には子どもの目線に合わせた棚におもちゃや絵本、筆記用具などが置かれ、子どもが自由に自分で取り出して遊べるようになっています。子どもの年齢や発達にふさわしい環境構成に配慮するため、法人内で行われる年齢部会で話し合いを行い、おもちゃの設定を増やしたり、子どもの好奇心に応じたおもちゃを用意するようにしています。
・子どもたちは小さいブロックを組み立て様々な怪獣や乗り物を作り戦いごっこをしたり、ぬいぐるみを背負いままごとをするなどごっこ遊びを楽しんでいます。また一人でテーブルについて粘土遊び、本読み、パズルなどをして思い思いに遊んでいます。
・子どもたちは川沿いで見つけた草花や虫を観察しています。園に戻った後、図鑑で確認しあうなど、自然と触れ合っています。
・子どもたちが自由に表現する力を培えるよう、リトミックや体操を取り入れたりCDに合わせて踊るなどしています。職員と一緒に頻繁に歌を歌ったり、キーボードを取り入れたりと年齢に合わせています。幼児クラスでは、月1回外部講師による運動指導を取り入れています。
・個々の子どもの食欲や好き嫌いを配慮し、自己申告でおかずの量を減らしたりお代わりをできるようにし、完食することを強制していません。
・食材はできるだけ、国産の低農薬野菜を使用しています。食器は強化磁器を使用し安全性に配慮しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・全体的な計画に基づき、年齢ごとに年間指導計画、月間指導計画、週案を作成しています。乳児は毎月、幼児は3か月ごとに個別の目標を立てて計画を作成しています。特別な配慮が必要な子どもに関しては、年間および月間個別指導計画を作成しています。個別の目標、計画は毎月のクラス会議で話し合い、作成しています。
・健康管理、衛生管理、安全管理などの各種マニュアルを整備し、職員に周知しています。
・不審者の侵入防止対策として、玄関はオートロックになっており、保護者、職員は専用のカードキーを使って入ることになっています。また、朝夕の送迎時間帯には玄関前に見守りの福祉員が立っています。警備会社との契約で緊急通報体制ができています。
・相談・苦情受付担当者は主任、相談・苦情解決責任者は園長で、第三者委員2名を定め、園のしおり(重要事項説明書)に記載するとともに玄関に掲示し、保護者に周知しています。要望や苦情はリーダー会議や職員会議で報告し、改善策について話し合っています。要望や苦情は記録し、データとして活用しています。運営法人のホームページに苦情とその対応を載せています。
4 地域との交流・連携 ・緑区社会福祉協議会、育児相談を通じて地域の支援ニーズを把握するように努めています。園庭開放や育児講座、交流保育等の参加者からは保育所に対する要望を把握するよう努めています。
・子育て支援サービスとして、一時保育、交流保育、園庭開放、育児講座などを行っています。交流保育では、リトミック、七夕まつり、水遊びなどを行っています。地域の保護者に向けて育児講座において、ベビーマッサージ、お弁当作りなどの講習を行っています。また、休日保育事業も実施しています。
・緑区社会福祉協議会、中山商店街に所属し定期的に交流しています。幼保小の連携事業で小学校を訪問したり、中学生には職業講話を行ったり職業体験を受け入れたりしています。
・緑スポーツセンター、こどもの杜児童野外活動センターなど近隣にある地域の施設を利用したり、近隣の中途障害者地域活動センターの祭りや地域活動ホームの行事に参加したりして交流を図っています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・服務規程および行動規範に職員が不正・不適切な行為を行なわないよう守るべき法・規範、倫理等が明文化されています。園内に児童憲章と保育士倫理綱領を掲示するとともに、職員会議やパート会議で読み合わせをし、子どもの人権について確認しています。新聞記事や行政から得た他施設での不正・不適切な事案を職員に周知し、職員会議で話し合っています。他施設での事故事例を受けて散歩経路の見直しをしたなどの事例があります。
・定款、事業報告書、決算書、苦情報告等をホームページに掲載し、情報公開しています。
・食物アレルギーについては担任、看護師、栄養士、感染症については園長、主任、看護師、リーダー保育士でチームを組んで検討するなど、異なる部門の職員により検討する仕組みがあります。
・運営法人作成の5ヶ年計画があり、それに基づき、年度ごとの事業計画が策定されています。
・運営に関して、税理士や社会保険労務士、臨床心理士、産業医、連携する大学の教授などの意見やアドバイスを取り入れています。
6 職員の資質向上の促進 ・運営法人の教育訓練規定に基づき、園としての人材育成計画を作成しています。非常勤職員を含む全職員が「目標管理シート」を用いて、年度初めに目標設定をし、年度末に自己評価をしています。達成度の評価は、日常の保育を見ての主任評価と、個別面談による園長評価が行なわれています。
・研修担当は主任で、職員のキャリアパスや経験、希望などを考慮して研修計画を作成しています。嘔吐処理、AEDなどの園内研修を実施するほか、運営法人による階層別、担当年齢別の部会や給食委員会、看護師委員会があり、該当する職員が参加しています。また、職員は、横浜市や緑区、私立園長会、横浜市北部地域療育センターなどの外部研修に積極的に参加しています。研修に参加した職員は、研修報告書を提出しています。研修報告書を回覧し読んだ人はサインをする、職員会議で報告するなどし、全職員で共有しています。
・非常勤職員も内部研修、外部研修に参加していて、職員と同様の資質向上の取り組みがなされています。非常勤職員の指導担当は主任です。主任は、クラスを回って職員に声をかけ、コミュニケーションを図っています。2か月に1回程度、園長、主任、非常勤職員によるパート会議を開き、情報交換しています。パート会議は2回に分けて開き、参加できなかった職員には個別に対応しています。
・職員は「目標管理シート」を用いて自己評価をしています。年度末には、保育士の自己評価と保護者アンケートの結果を基に、園としての自己評価をする仕組みがあります。
・職員会議やパート会議で職員の意見や要望を聞くとともに、園長、主任は日常的に職員とコミュニケーションを密に取り、意見や要望を聞き取っています。必要に応じて運営法人が契約する臨床心理士による職員面談も実施しています。

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