かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

小学館アカデミーむさししんじょう保育園(5回目受審)

対象事業所名 小学館アカデミーむさししんじょう保育園(5回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社小学館集英社プロダクション
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 211 - 0053
中原区上小田中2-35-44
tel:044-753-2007
設立年月日 2012(平成24)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年12月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<施設の概要・特徴>
株式会社小学館集英社プロダクションが運営する「小学館アカデミーむさししんじょう保育園」は、JR南武線、武蔵新城駅から徒歩約10分にあります。
平成24年に開園され定員65名、生後5か月〜就学前の子ども受け入れています。平日7:00〜20:00まで開所し、延長保育、障害児保育を行い、スポット利用にも対応しています。周辺は商店街、住宅街にあり、地域になじんだ保育園になっています。
建物は鉄筋コンクリート造り2階建てで、1階は乳児クラス、2階は幼児クラスになっています。玄関を入ると園のイメージを表した動植物のイラスト壁画が描かれたり、園内貸し出しの本が置かれています。1階の園庭は砂場、固定遊具などがあり、屋上にも人工芝の園庭があります。園内は木目調のぬくもりのあるつくりで採光、風通しがよく明るい保育室です。
「小学館アカデミーほいくえんの楽習保育?」を基にした保育理念は「あったかい心をもつ子どもに育てる」で、子どもたちへの援助の原則として3つのH「ほめる」「はげます」「(視野を)ひろげる」を掲げ子どもたちの心に寄り添う姿勢を明記し、園全体で保育に取り組んでいます。


<特によいと思う点>

1.楽習保育?の特徴を生かした、幼児期までに育って欲しい姿への取り組みがあります
 本社の基本理念、基本方針、目標、援助の原則に基づき「楽習保育?全体的な計画」を園ごとに作成して、クラス別に年間指導計画を作成し、これを基に日常の指導計画を作成しています。
 幼児クラスの掲示物に、折り紙で作った三角などの形を集めて台紙に貼り、そこに丸いシールを貼ったものがありました。この表現あそびを通じて数や形に自然にふれ興味を持ち、学ぶ機会となっています。
 幼児期まで育って欲しい10の姿の中にある数量や、図形への取り組みを園独自の楽習保育?を通じて実施しています。

2.食に関する取り組みを保育士と栄養士が連携して行っています
 食べたいという意欲を育てるクッキング保育や食材に興味を持てるような食育を行っています。子どもたちが自分たちで育てたい野菜を決めて水やりや収穫を通して、見る・触る・嗅ぐ・味わうなどの体験しています。
 例えば、鰹節をかんなで削り、だしを取って香りや風味を味わうなど年間を通して食に対して興味をもってもらうよう食育に取り組んでいます。
 職員会議ではアレルギー児の食事の状況確認を行い、栄養士は毎日各クラスの喫食状況を子どもに話しかけながら見て回り確認しています。

3.看護師と保育士が連携して、子どもが好奇心を持ち健康、心身を知る機会があります
 看護師を中心に年間保健管理計画を作成し、年齢に合わせて絵本やペープサートなどを使い健康や衛生管理・体の仕組みに興味がもてるような取り組みを行っています。
 5歳児には写真を使って脳や骨など体の話をし、さらに子どもたちの目につきやすい2階の踊り場に掲示しています。
 園の基本方針には「好奇心」が伸びる環境を育てるとあり、すぐには目に見えない体の作りを知る、このような体験、経験が子ども自分の体に興味を持ち命の大切さについて考える機会を作っています。


<さらなる改善が望まれる点>

1.自園の中長期計画の作成
 法人の中長期計画に基づいて、理念、基本方針を自園の特徴を生かし実現するように、現状を見て園長が、中・長期の計画を作成するようにしています。
 昨年で以前の中・長期計画(3〜5年)が終了し、今期は単年度の計画のみ作成されています。内容的には職員の質の向上のための取り組み、保育事業内容、職員の健康管理、評価について、園として課題になっている事柄に対する改善の取り組みが丁寧に掲げられています。課題を中長期的とらえ、園が目指す姿を新しい中期計画で明確にされる事が望まれます。

2.「投書箱」の有効な活用
苦情解決責任者・苦情受付担当者・第三者委員会を設置し、苦情解決に向けた体制を整備しています。苦情の受付方法として、園以外にも本社の専用Eメールや運営事務局への連絡先、川崎市の保健福祉サービス課などがあり、それらを記載した「園のしおり(別紙)」を用いて入園説明会では園長が口頭で説明を行っています。
 園の玄関には「投書箱」を設置し、保護者から意見を収集していますが、保護者の立場を考えて、意見が出やすい場所・方法の検討が望まれます。

3.園外掲示の工夫
 中原区総合こどもネットワーク、なかはら子ネット通信の子育て支援情報カレンダーに園の子育て支援情報が掲載されています。園のブログには、写真入りで園の活動を掲載し園を身近に感じてもらえるように努めています。
 地域の方に参加してもらえる行事、取り組みはポスターやチラシの参加を呼び掛けていますが、園の掲示板が設置されていません。園付近の門扉、フェンスなどにもお知らせを掲示をする事で、地域の方に情報が伝わりますので検討が望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

「あったかい心をもつ子どもに育てる」の理念の下、職員一人ひとりが子どもの心を受容し、温かみのある穏やか話し方に努め、否定的な言葉や態度にならないよう意識しながら保育に取り組んでいます。子どもの主体性を大切に考え、一人ひとりの意思を尊重して、子どもが自分の意思で選択できるように努めています。

利用者の権利に関しては、法人として新人職員は配属前研修を受け、定期的に振り返る研修を行っています。また、園でも外部研修に参加し、研修報告や川崎市の「川崎市こどもの権利に関する条例」・法人のマニュアルを使用して定期的に全体で確認することとしています。発表会やイベントではどういうものをやりたいか、子どもの気持ちを率い出すよう取り組んでいます。

虐待の防止・早期発見については日ごろから登園時や着替えの際に、子どもの体の視診を看護師や職員が行っています。身体的な部分だけではなく、服装や言葉遣いの変化などにも気を付けるように園全体で努めています。気がかりな点が見受けられた場合には、保護者とコミュニケーションを図り信頼関係を築きながら改善に向けて取り組んでいます。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

職員は保護者の声を引き出し、受け取れるために保護者が話やすい雰囲気となるよう心がけています。日頃より登降園時の際に保護者には口頭で子どもの様子を伝え、コミュニケーションを大切に捉えています。保護者会を年2回、保育参観または保育参加を年2回、個人面談を年2回行っており、保護者からの意見や希望を直接聞く機会ともなっています。

小学館アカデミー園独自の楽習保育?で子どもたちの成長を目指した保育を行っています。また、季節の行事や日本の伝統文化を感じられる行事を取り入れ、他園の同年代の子どもたちとの交流や、高齢者とのふれあいの機会など様々な年代との交流に取り組んでいます。配慮が必要な子どもには職員同士が連携して他の子どもと同じような生活が送れるよう配慮しています。

一人ひとりの成長や発達に合わせ、食事・排泄・衣類の着脱・衛生保持など無理なく基本的な生活習慣が身につくよう家庭と連携しながら進めています。一日の保育の様子は連絡ノートに記入すると共に口頭でも保護者に伝えるようにしています。また、玄関の近くに毎日の「保育記録」を記入し保護者に分かりやすく伝える工夫をしています

食べたいという意欲を育てるクッキング保育や食材に興味を持てるような食育を年齢に応じた体験ができるように、年間を通して取り組んでいます。アレルギー児の対応食は誤食のないように個別のトレイを用意し、配膳時は担任が食物アレルギーチェック表で確認しています。保護者には栄養士が除去する食材を詳しく記載した、個別の献立表を渡して共有・連携に努めています。

健康診断を定期的に行い、結果は「すこやか手帳」に記録して保管しています。保護者には必要に応じて受診を勧め健康管理に配慮しています。感染症が園内で確認された場合は、速やかに対応できるよう病気についての説明を掲示し保護者に予防情報を提供することとしています。SIDSに関しては午睡チェック表に0歳児は5分おき、1〜2歳児は10分、3歳以上は15分おきに呼吸・意識・顔色・向きを確認し予防に努めています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

ホームページには園の特徴、情報がわかりやすく掲載され、中原区の広報紙などにも情報を提供しています。月2回以上実施している見学日には園長が対応し、園のパンフレットを基に案内説明をし、保護者等の要望も聞いています。入園に際して、入園前健診、入園前説明会、個人面談と順を追って行い、面談や保護者からの提出書類から子どもたちの情報を得ています。保護者には重要事項説明書に記載している内容を説明会、面談などそのつど確認、説明を行い、同意を得て署名、捺印をもらっています。

本社の基本理念、基本方針、目標、援助の原則に基づき「楽習保育?全体的な計画」を園ごとに作成して、クラス別に年間指導計画を作成し、これを基に月間、週日指導計画を作成しています。さらに、栄養士や看護師が中心となる健康指導が行われています。3歳未満児と特に配慮が必要な子どもに関しては個別指導計画を作成し、一人ひとりの発達、生活の状況に 応じて見直しを随時行い、計画内容は、保護者、職員で共有し子どもにとって過ごしやすい環境になるように配慮しています。

危機管理、心得、コンプライアンス、実務からなる施設運営の手引き(マニュアル)が用意され、提供するサービスについて明示し、職員は入社前研修で説明を受けています。マニュアルは事務室に置かれ職員がいつでも見直すことができるようにしています。また、日々の保育は施設運営の手引きに沿って、子ども、自園に見合ったサービスを実施しています。職員のサービス内容でマニュアルと異なる事が見られた場合は(例えば不適切な言葉の使用など)園長、主任が確認し適切な対応ができるように指導しています。

苦情解決の仕組みとして園内に苦情受付担当者と苦情解決責任者を置き、外部の苦情解決第三者委員も設置しています。玄関には苦情解決に関する掲示もあり周知に努めています。園の玄関脇には「投書箱」を設置し、保護者から意見を出しやすいようにしていますが、保護者の見やすい位置に設置するなど更なる周知に努めることが望まれます。

4 地域との交流・連携

地域の子育て支援として、未就学児や保護者対象に園庭解放・育児相談・身体測定などを定期的に開催し、近隣の誕生月が同じ子どもを園の誕生会に招いてカードのプレゼントをしています。また、地域の方を園の行事に招待したり高齢者との交流もあり、地域の福祉施設として交流に取り組んでいます。

中原区総合こどもネットワーク、なかはら子ネット通信の子育て支援情報カレンダーに園の子育て支援に情報が掲載されています。園のブログには、写真入りで園の活動を掲載し園を身近に感じてもらえるように努めています。地域の方に参加してもらえる行事、取り組みはポスターや、チラシの参加を呼び掛けています。今後は門扉、フェンスなどにもお知らせを掲示をする工夫をされる事を期待いたします。

関係機関との交流、団体との連携では、中原区の公立・私立の園長会、幼保小連絡会、民生委員、児童委員との会議に参加しています。療育センターや子ども家庭支援センターなどと情報を交換したり、虐待ケースがある場合は見守りを依頼するなど連携を作っています。園は、「子ども110番の家」として、子どものための緊急避難所施設になっています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

小学館アカデミー保育園の保育理念は「あったかい心をもつ子に育てる」基本方針は「思いやり」の気持ちを大切にしますなど、全8項目からなり、保育目標はこころ、あたま、からだそれぞれの成長の目標を掲げています。職員は理念や基本方針などについて、採用時説明会、配属前の研修時に説明を受け、保護者に向けては、理念や基本方針を2月に開催する入園前説明会と4月に開催する保護者会で説明しています。さらに説明会では、楽習保育?全体的な計画をもとに自園の特徴なども説明し理解を得られるようにしています。

本社の中長期計画に基づいて、理念、基本方針を自園の特徴を生かし実現するように、現状を見て園長が、中・長期の計画を作成するようにしています。計画は、園長が、主任と打ち合わせをし、さらに計画については職員会議などで職員にも説明し、日常的な職員の意見なども加味して策定しています。内容的には職員の質の向上のための取り組み、保育事業内容、職員の健康管理、評価などが策定されています。今年度は単年度のみ計画なので、中長期の計画を作成されることが望まれます。

川崎市福祉サービス第三者評価基準に基づき、平成28年に第三者評価を受審しています。評価結果は、川崎市のホームページに掲載されており、地域に向けて情報発信することにより、透明性を確保しています。また、行事のたびに、保護者からの感想や意見を把握し、懇談会や登園や降園の際の保護者との会話から保護者の意向等を把握しています。また、運営委員会時に地域の有識者より意見をもらえる機会もあります。職員は、年1回以上自己評価を実施して自身の保育の質の向上の振り返りをしています。

6 職員の資質向上の促進

施設運営の手引きに、望ましい職員の資質が明記されています。採用に際し、本社として小学館アカデミー保育園に勤める職員としての専門性・社会人性・人間性を総合的に判断し、一般職員から主任、園長への人事管理へとつながる考え方を定めて採用しています。人材確保は本部で行い、首都圏、遠隔地でのセミナー、新卒、復職など多方面から人材確保に努めています。

園長は、職員とのヒアリングを行い、目標達成シート、面談などの内容を考慮して個々の育成状況、課題を設定し、具体的な助言をするなどして研修計画を作成しています。入職後1〜3年は必修研修、3年以降はエキスパート研修として 専門性向上の研修を任意で行っています。本社からは個別に研修リスト、受講履歴が送付され、職員が自分の立場を客観的に見る事ができるので、本人のスキルアップにつながっています。

園長は、日頃から職員とのコミュニケーションとり、気になる職員に対して、信頼関係を築き、働きやすい職場にするよう努めています。本社の福利厚生で、物品割引、海外研修、職員の心身の状態を良好に保てるように正規職員には無料健康診断(年1回)、「健康相談、メンタルヘルスカウンセリング」などの相談機関があり職員はいつでも相談できるシステムがあります。

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