かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

スターチャイルド≪金沢文庫ナーサリー≫(2回目受審)

対象事業所名 スターチャイルド≪金沢文庫ナーサリー≫(2回目受審)
経営主体(法人等) ヒューマンスターチャイルド株式会社
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 236 - 0016
金沢区谷津町35番地 VICSビル 4F
tel:045-787-3833
設立年月日 2012(平成24)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年12月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 よこはま地域福祉研究センター
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
スターチャイルド≪金沢文庫ナーサリー≫は、京浜急行本線金沢文庫駅から徒歩3分の交通の便の良いところにあります。近隣には金沢自然動物園や市民の森、称名寺、海の公園を始め多くの公園があり、山や海と自然に恵まれた立地となっています。平成24年(2012年)4月にヒューマンスターチャイルド株式会社によって開設されました。
園舎は、ビルの4階にあります。施設はワンフロアになっていて、事務室を囲むように1歳児、2歳児、3歳児、4歳児、5歳児保育室と並び、中央に独立した0歳児保育室、乳児用トイレ、幼児用トイレがあり、一目で園全体を見渡すことが出来る造りとなっています。幼児室の天井の傾斜部分はガラスで明るい日差しが差し込み、電動式調光ブラインドで採光を調節しています。調乳室、沐浴設備、多機能型トイレがあり、厨房は通路と反対側に位置した場所にあります。屋上園庭では、午睡後やわずかな時間を見つけて身体を動かしたり、夏期には子どもたちが水遊びを楽しんでいます。
定員は66名(生後57日目から就学前まで)です。延長保育を実施していて、開園時間は、平日7時〜20時、土曜日は7時〜18時です。
保育理念は、「子どもたちの無限の可能性を信じ、意欲を引き出し、伸ばす保育を実践します。」と定めています。保育目標・方針は、@よく考え、心身ともにたくましい子(自立と挑戦を応援します)A個性の豊かな子(個性を尊重し長所を伸ばします)Bやさしさと思いやりのある子(社会性=人との関わる力を身につけます)としています。


1.高く評価できる点  

● 子どもたちは、自己肯定感をもって活き活きと園生活を送っています
施設長は、子どもが自信を持ち自己肯定感につながる「褒める保育」の実践を心がけています。褒める言葉は子どもの存在を認める言葉を使用するよう、ただ「凄い」ではなく「お着替えできたね」「全部食べられたね」など子どもを認める具体的な言葉で伝えるように保育士に伝え日々指導しています。昨年度の園内研修では1年を通して「子どもとの関わり方」を毎月実施しました。保育士が一人一人の子どもの様子を見て声をかけたり、沢山褒めたり、人前に出る機会を作るなど、関わりを通して子どもの行動の変化や成長の様子を見ながら担任と一緒に他の保育士も学び、どの保育士も同様の関わりをするよう努め、その結果を職員間で話し合って自己研鑽しています。1年の研修を終えて振り返りをし、子どもがどう変わったか共有しています。このように保育士は子どもとの関わりの中で子どもたちが自信を持って行動出来るよう、学びを保育に活かし実践しています。
例えば、行事などでは子どもが自信を持って出来るよう取り組んでいます。5歳児の子どもたちは、運動会に向けて自分で頑張ること、目標を具体的な言葉にして表明し、文字にして掲示しています。目標に対して出来たことを褒めて保育士が花丸をしてくれると次の目標を決めます。2つ目、3つ目と花丸がつくと、頑張ったことへの保育士の言葉を添えた金色のメダルが授与され、子どもたちは自信につなげています。4、5歳児はリレーの順番を子どもたちが決め、さらに一人一人の良いところを皆で見つける時間を設けています。例えば「バトンを渡すのが上手」「転んでもすぐ起きて走る」「走る時は一生懸命」など本人の良いところを指摘して子ども同士で認めています。子どもの目を通して友達が自分を認めてくれたことで自信を持つことが出来ます。保育士は子どもが出した意見を文字にして掲示し、一人一人が自己肯定感を持って、個々の力を発揮しつつみんなで頑張ることが出来るよう工夫しています。
また、異年齢での交わりとして「なかよしかい」を開催しています。「なかよしかい」では、年上の子どもが盆踊りを教えたり、お楽しみ会の劇を見せ合ったりして年下の子どもが安心して行事に参加出来るように配慮しています。また、年長児が廃材で作った望遠鏡を年下の子どもにプレゼントをして散歩に持って行くなど、大きな家族のような交わりが出来ています。卒園近くになると5歳児は「一緒に遊んでくれた」「信号を教えてくれた」「給食をお代わりしてすごい」など頑張ったことを年下の子どもたちから言葉を貰い、年長児の子どもたちの自信に繋がっています。
このように、子どもが頑張ろうとする気持ちを後押しする様々な仕掛けを用意した保育活動の中で、子どもたちは活き活きと園生活を過ごしています。保育士は子どもの良いところを共有して、一人一人の子どもの頑張りを自信につなげ自己肯定感が持てるよう援助しています。

● 職員は連携して子ども一人一人の姿を捉える保育が出来るよう配慮しています 
子どもの一人一人の姿を大切に個々の発達に応じた援助をするよう心掛け、カリキュラム会議や職員会議、園内研修などを通じて職員全員が情報を密に共有しています。乳児の個人記録・毎月の発達記録や幼児の期ごとの発達記録と共に園では個人成長記録として「共有ノート」を作っています。「共有ノート」は、保育士が子どもの姿に成長が見られたことやその子の良さや輝きを見つけられたことなどを個別に子どもの姿や様子を記載して職員間で共有しています。また、緊急時の対応を要する子どもに対しては、どの職員も同様の対応が出来るように見やすい場所に手順書を置いています。このように職員は、?職員全員で全員の子どもたち見守る”という共通認識のもと、保育に臨んでいます。


2.工夫・改善が望まれる点 

● さらなる地域の子育て支援が期待されます 
園は、ビルの4階にあるため中々地域と交流する機会がないなか、保育士は散歩で公園に行くたびにビニール袋を持参して公園内の危険物やごみを拾うようにしたり、絵本を持参して絵本の読み聞かせをする時に、公園で遊んでいる地域の親子がいれば誘うなどして、地域と交流が進むように工夫をしています。今年度は交流保育を企画して「親子リトミック」を実施しました。今後は、保育園の持っている専門性を活かして、「離乳食」や「手遊び歌」「絵本の読み聞かせ」「手作り玩具」など、地域の保護者や子どもに向けて子育てや保育に関する講習・研修会を開催することが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・園の理念を「すべては、子どもたちの輝く未来の為に」として子どもの最善の利益を第一に考えています。施設長は園内研修や職員会議等で子どもの気持ちを受け入れて肯定的な言葉掛けで接することを職員に伝えています。幼児クラスでは、せかしたりせず、子どもに気付きを与える言葉で子ども自身が考える言葉かけを工夫しています。日々の保育の中で子どもへの対応について職員同士で話し合ったり、会議で意見交換するなどして実践につなげています。
・運営法人はプライバシーマークを取得しており、園は守秘義務の意義や目的を職員やボランティア・実習生に周知しています。個人情報取り扱いについてのガイドラインとして「個人情報管理マニュアル」が整備されており、全職員に周知しています。個人情報の取り扱いについては、入園説明会で保護者に説明し、同意書を得ています。また、職員からも同意書を、ボランティア・実習生からは誓約書を得ています。個人情報に関する記録はすべて施錠出来る場所に保管、管理しています。
・保育マニュアルに「差別禁止マニュアル」があり、性差による差別や固定観念による話し方や表現を戒めています。職員は定期的にマニュアルを確認する機会を持ち、施設長は気づいた時に助言するようにしています。遊びや行事の役割、服装などで男女の区別することなく、クラス内での順番やグループ分け等も区別なく活動しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・全体的な計画は保育理念に基づき、子どもの最善の利益を第一義にして作成しています。地域特性として、山の緑に囲まれ、また海にも近い環境であり、自然豊かな場所の特性を生かして、自然物を見つけ工夫して遊ぶ経験を大切にするなど、地域の実態を取り込んで全体的な計画を作成しています。作成にあたっては、前年度末に職員から出された意見をまとめた計画をさらに、職員にフィードバックして作成しています。入園時や年度初めに保護者に対して説明しています。
・0、1、2歳児クラスの保育室はマットなどを用いたり、可動棚などを用いてそれぞれコーナーを作って小集団の保育が出来るように工夫されています。寝る場所については、0、1歳児クラスでは食後、丁寧に床を拭きとって清潔にしてから布団を敷いています。2歳児以上クラスは寝るときはコットを用いています。園自体はワンフロアであり、日常的に異年齢の交流が出来るようになっています。さらに、運動会などの行事を目指して、「なかよしかい」を開いて準備活動を異年齢で展開しています。
・室内で育てられるラディッシュや豆苗、ブロッコリースプラウトを栽培して成長を観察したり、収穫して食べたりしています。園長は毎月の誕生会で季節の花や虫などを画像を示しながら話すことにより子どもが関心を持てるようにしています。子どもたちは戸外活動で昆虫や小動物、植物の名前などに関心を持って図鑑や絵本で調べています。
・発達に応じて運動能力が高められるよう積極的に散歩や戸外活動を取り入れています。午睡後や少しの時間を利用して屋上で身体を動かしています。また、乳児はマット、跳び箱などを工夫し、発達に合わせた運動遊びを行っています。幼児は月2回外部講師による体操の時間を設け、また様々な遊びの中で全身を使って活動出来るよう工夫しています。紫外線対策としてネックガード付帽子を着用し、希望者はUVカット対応の上着を着用しています。
・月に一度、系列園の栄養士が集まり栄養士会議で統一した献立を作成しています。季節感を大切に旬の食材を使い、季節の行事にあわせた献立を取り入れています。食材は、国産で産地の明確なものを使用するなど安全性を重視し、納品後の食材は適切な温度管理をして保管し記録しています。食器は強化磁器を用い、食器の大きさやスプーンの種類や箸への移行などを年齢や発達に応じて変えるなど配慮しています。
・午睡は、明かりを調節して保育士がトントンしたり、子どもの体をさすったりして子どもたちが安心して眠りにつけるよう配慮しています。眠れない子どもには、身体を休める時間として静かに過ごすよう援助しています。
・降園時にその日の子どもの様子を伝え、保護者と情報交換するよう努めています。乳児クラスは園が用意した、毎日の家庭と園生活の連続性を考慮した書式の「育児日記」を使用し、幼児クラスは保護者が用意した個人ノートを必要な時に使用しています。個人面談は、年1回「個人面談強化月間」を設けて実施するほか保護者の希望に沿って随時行われています。懇談会は、年度末に実施して、次年度の担任と保育の内容や目的を伝えています。
・園だよりやクラスだよりは、保護者専用アプリに配信するほか、園内に掲示して園や子どもの様子、子どもに関する情報などを伝えています。全クラスのその日の保育の様子をホワイトボードに記載して玄関に掲示するほか、行事や保育活動を写真に撮って掲示して活動内容を保護者に伝えています。また、保育の様子をブログで知らせています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・入園希望見学・入園説明会での口頭説明や入園のしおりに、慣らし保育について説明記載をしています。0歳児、1歳児の新入園児については担任全員が把握出来るようにしていますが、個別に主担当保育士を決めてはいません。心理的拠り所とするものの持ち込みは保護者と相談して対応しています。在園児の進級時には、交流を続けてきた上のクラスと継続して関係性が保たれるように配慮しています。
・乳児については個別の指導計画を作成し、毎月振り返りを行って、次の月の計画に反映しています。共有ノートという個別の子どもについて特記するノートを用意し、関わった保育士が誰でも気が付いた点、成長が見られた点について記載しておき、これも参考にして、カリキュラム会議では幼児についても話し合って計画作成に反映しています。こうした会議には、日常的に保護者とのコミュニケーションの中での要望・意向も反映しています。
・配慮を要する子どもを受け入れています。要配慮児対応マニュアルが作成されており、職員は要配慮児への対応を周知しています。運営法人の研修や、神奈川県のキャリア研修に参加した職員が研修内容を他の職員に伝え、共有しています。
・園はエレベータが設置されているビルの4階に位置し、内部は段差をなくしたバリアフリー構造となっています。障害のある子どもについては、南部地域療育センターと連携しており、巡回訪問も受けており、カンファレンスや専門的な助言を得ています。日常の保育において、他の子どもとの関係に特に配慮しています。保護者からの相談も受け入れやすい雰囲気を意識して作っています。カリキュラム会議などで、配慮を要する子どもについてのカンファレンスを通して、情報の共有を図っています。
・食物アレルギー・誤食防止マニュアルが作成されており、これに加えて横浜市子ども青少年局から送られてきたアレルギーに関する通達も参考にしています。入園時の状況確認書・健康診断書等でアレルギーについて調査しており、アレルギーのある場合は医師のアレルギー疾患生活管理指導表を入手しています。保護者と連携し除去食の提供をしています。アレルギーに関して園内研修をしたり、アレルギー児に関する会議を開いて対応しています。アレルギー食を提供するときには他の子どもとは異なったプレートを用いて、テーブルも別にして、保育士がついて見守っています。
・苦情受付窓口は事務が担当し、責任者は施設長となっています。重要事項説明書には、第三者委員の名前と電話番号が記載されており、誰でも直接苦情を申し立て出来るようになっています。運営法人は保護者に対するアンケートを実施し、その結果は園にフィードバックされています。自分で意見を表明することが困難な保護者に対しても、日常的な登園・降園時の話の中で聞くように努めています。入園時の重要事項説明書には苦情対応の説明がされており、かながわ福祉サービス運営適正委員会の電話番号も掲載されています。
・保育士は登園時に子どもの様子を観察し、保護者から連絡帳や口頭で様子を聞くなどしています。乳児は「育児日記」に記録し、健康状態をチェックしています。また、必要に応じて園での子どもの健康状態について保護者と電話連絡したり、降園時に口頭で状況を伝えたりして、保護者と降園後の対応を話し合っています。食後の歯磨きは、1歳児から食後の習慣として歯ブラシを持ち、保育士が仕上げ磨きをしています。幼児から歯磨きの大切さを絵本で知らせ歯磨き指導をしています。
・衛生管理に関するマニュアルがあり、運営法人では定期的に見直しをしています。見直されたマニュアルには、改訂日時が記載され、改訂された内容は赤字で表示して改訂されたことを示しています。改訂時は随時職員に周知しています。園では、園内研修や職員会議、カリキュラム会議などで読み合わせを実施するなど、マニュアルを確認する機会を設けています。
4 地域との交流・連携 ・園は子育てを支援するためのサービスとして、育児相談、交流保育を提供しており、その取り組みの中で地域の子育て支援ニーズを把握しています。施設長は金沢区公私合同園長会議や幼保小連絡協議会、主任児童委員連絡協議会、金沢区健やか子育て連絡会等に参加して子育て支援ニーズを把握するよう努めています。
・育児相談は電話予約で何時でも対応しています。育児相談は電話や来園のほか、園見学、交流保育の参加者などに対して実施しています。園からのお知らせを玄関に掲示したりホームページやブログで情報を提供していますが、ビルの4階に位置し地域への情報提供が難しい立地となっており、地域にお知らせなどを回覧するなどの情報提供は実施できていません。
・園が主催する子育て支援活動の「親子リトミック」を実施し、未就園児の親子が参加しています。自治会や町内会には所属しておらず、決まった地域団体、機関と定期的に交流をすることには至っていません。
・ホームページを作成しており、その中で園の様子や保育の内容を積極的に公開しています。また、横浜市金沢区子育て情報冊子「キラキラMAP」に情報提供し、園に対する理解を深めてもらっています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・半年に一度ずつ、職員の目標設定シートを使って、保育業務や研修への取り組み方などを、本人が自己評価し、施設長がそれをチェックする仕組みがあります。職員はグループワークを実施し園の評価について議論し、まとめています。園の自己評価については保護者にも公表しています。
・職員の倫理規定が作成されており、職員に配付されています。マスメディアに取り上げられた保育園での不正・不適切な事例について職員間で議論しています。簡単な事業報告書は作成されていますが、経営・運営状況の情報提供は行われていません。今年度末には運営法人は個々の保育園の収支等の経営情報を公表する予定です。
・今回の保育料無償化及び消費税の10%への改定に伴って、保育料、給食費等の改定が必要となってきました。これについて保護者への説明を行った後に、同意書を提出してもらいました。今後も、例えばアレルギーへの対応方法を改訂するなどの園にとって重要な課題が生じた時には栄養士、保育士、リーダー、サブリーダーが検討チームを作り対応することになっています。
6 職員の資質向上の促進 ・施設長及び運営法人は人員構成について常にチェックをしています。運営法人では職員の経験年数や技量に応じた人材育成計画を作成しており、これに従って職員のキャリアパスが設定されています。職員は、毎年期の初めと中間時点で自分自身の目標を定め能力・技術の向上に努めています。期末には施設長との面談により、どの程度目標を達成したかを、自己評価する仕組みを作っています。
・非常勤職員を含めて内部研修は誰でも受けることができます。運営法人では、職員の階層別に研修メニューを用意し、神奈川県や横浜市が主催する職員研修には、職員は必要な研修を申請して受講することができます。研修報告では日常の業務にどのように役立っているかの評価も実施しており、研修内容のチェックも行っています。
・年度の始めと半期の終了時点で職員は自分の目標を設定し、その実行計画を作成していくことが求められています。期が終了した時点で施設長とともに振り返りを行い、その達成状況を評価しています。園内研修が計画的に開かれており、職員の能力向上に努めています。南部地域療育センターからは巡回指導に来てもらっており、障害児の対応について指導を受けています。
・月案や、週案では、保育士たちは目標を設定し、終了時点でその目標の達成状況を振り返り、次の計画の作成時に反映しています。

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