かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

しらゆり宮内保育園

対象事業所名 しらゆり宮内保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 しらゆり福祉会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 211 - 0051
中原区宮内1丁目4番55号
tel:044-741-1050
設立年月日 2017(平成29)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年10月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

 <施設の概要・特徴>
・立地および概要
  社会福祉法人しらゆり福祉会のしらゆり宮内保育園は、JR南武線武蔵小杉駅より川崎市バス(杉40)で、上河原バス停下車徒歩2分、またはJR武蔵中原駅より徒歩25分の多摩沿線道路沿いにあります。平成29年4月1日に開設され、3年目を迎えています。現在、0歳から5歳の子どもたち65名(定員60名)が在籍しています。設置法人系列園として、しらゆり中原保育園、しらゆり新城保育園があります。
  園舎は鉄筋コンクリート2階建てで、園庭や屋上園庭があります。周辺には多摩川や等々力緑地があり、外遊びや自然に触れる環境が整っています。

・特徴 
  保育理念は「子ども一人ひとりを大切にし、子どもと保護者から信頼され、地域に愛される保育園を目指す」としています。園では、跳び箱やマット運動、鉄棒、ボルダリングなどの運動遊びを積極的に保育に取り入れています。また専門講師による「英語遊び」「音感遊び」のほか、食育を取り入れ、子どもの楽しむ心や学ぶ楽しさを育むプログラムを提供しています。

<特によいと思う点>
1.保護者と連携を密にした保育
   園児全員が連絡帳を使用し、園と家庭の様子を共有しています。特にトイレットトレーニングや離乳食について、保護者と連携し進めています。降園時に担任が不在でも伝達ノートやクラス連絡ノートで申し送りを行い、保護者に口頭で伝えるほか、ホワイトボードやクラス便りで、園の出来事や家庭でも取り組んでほしいことを伝え、保護者と連携を図っています。また、廊下の壁面には子どもの絵や制作物を展示し、園生活の一こまを写真にして掲示するなど、子どもたちの成長の様を伝えています。

2.子どもの自主性や表現力を尊重した保育
  子どもの年齢や興味、関心に応じた環境を整えています。子どもたちとの会話の中で興味を持っていることを参考に、玩具、絵本、図鑑や素材などを揃え、自由に遊ぶことが出来るようにしています。また、ゲーム遊びのルールや生活発表会の催しの役柄やストーリーなども子どもたちに「どう思うか?」「どうしたらよいか?」を問いかけ、子どもたちは意見を出し合っています。職員は子どもたちの主体性を大切にし、子どもを尊重した保育を心掛けています。

3.職員の就業状況や意向への配慮
  園長、主任は職員の勤務状況から有給休暇取得状況、時間外労働状況を出勤簿に記入し、把握しています。週休2日制を徹底し、職員の有給休暇消化率や公休取得状況を踏まえ、休暇の希望や相談、要望に沿って可能な限りシフトを調整し、職員が長期休暇を取りやすくなるよう配慮しています。職員一人一人が生き生きと子どもに向き合い、楽しい保育園づくりができるよう、職場環境づくりに努めています。

<さらなる改善が望まれる点>
1.園独自の中・長期計画と事業計画の策定を
  園の地域性、特徴などを含め、園の進むべき方向性を明確にするため、中・長期的な視野に立った計画の策定が期待されます。さらに中・長期計画の内容を反映した、単年度で実施すべき事項を盛り込んだ事業計画を策定し、定められた時期、手順に基づいて事業計画の進捗状況を職員会議などで話し合い、継続的に取り組むことが期待されます。

2.保護者が相談しやすい第三者委員のさらなる充実を
  第三者委員のしくみはありますが、設置法人の監事が第三者委員を担っています。園行事に参加可能で、保護者が相談しやすい顔の見える関係の方に第三者委員を委託するなど、保護者が直接苦情を申し立てやすい人材の確保が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・子どもの表情、しぐさ、遊んでいる様子などから一人一人の気持ちを尊重し、集団の行事に参加したくない子どもには、落ち着いて過ごせる場所を提供し、個々の状況に合わせて日常生活の支援をしています。行事や作品作りでも、子どもの希望や意見を取り入れ、思いに寄り添いながら活動に参加できるようにしています。

・個人情報の取り扱いについて、保護者から「個人情報使用同意書」の提出を受けていますが、療育相談などで外部機関と連携する場合には、その都度、保護者に説明し理解を得ています。ホームページなどの外部へ発信を望まない家庭については、個別に対応するとともに、職員については、年度初めに園内研修で、個人情報の取り扱いや職員個人のSNS(ソウシャル・ネットワーキング・サービス)の対応について再確認しています。

・幼児用のトイレやシャワー室にはドアがあり、嘔吐やお漏らしの場合は、他の場所で着替えするなど、子どもたちのプライバシーを大切に考え、個々の状況に合わせて支援をしています。

・虐待防止マニュアルがあり、職員は虐待や疑わしい事象を発見した場合、園長・主任への報告や関係機関への通告・連携体制について周知するとともに、登園時や着替えの時や子どもと保護者との関わりなどにも注意し、家庭支援が必要であれば、保護者と会話し、面談の機会を設けるなど信頼関係を築くよう努めています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・クラス懇談会前アンケートの実施や、クラス懇談会、保育参観や行事のほか、毎日の送迎時に園長が保護者と積極的に会話し、保護者が相談や要望を気軽に話せる機会を設けて利用者の意向の把握に努めています。意見・要望は、保育活動推進組織の各部会や職員会議などで検討し、可能なものから改善に努めています。

・日常の保育の中で保育士が「○○についてどう思う?」「こんな時はどうしたらいいと思う?」などと子どもたちに問いかけ、子どもたちが自由に意思を表明し、相手の意見も尊重するようにして、ゲーム遊びのルールや生活発表会の催しの役柄やストーリーなども子どもたちの希望を取り入れています。

・公園での鬼ごっこやドッジボール、室内でのリトミックやボルダリング遊びなどバランスをとり転倒しにくい体を作る活動を行っています。4、5歳児クラスでは、専門講師による音感遊びを取り入れて、友達と一緒に協同して音を出すことを体験して、感受性や表現力を伸ばす取り組みをしています。

・職員は、障がいのある子どもが他の子どもと関わりが持てるように、中原区などの研修を受け、クラス会議で話し合いながら、個々の特性や状況に応じて個別指導計画を立てて支援しています。

・登園時には、子どもたちを観察し保護者に家庭での様子を聞き、子どもの体調や様子を確認して、外遊びやプール遊びを控えたり食事への配慮をしています。お迎え時には、クラス担任がその日のエピソードや家庭でも取り組んでほしいことなどを保護者に伝えています。

・手洗いをして食事の挨拶をして、遊びから食事の場に切り替えて、落ち着いて食事をするようしています。食に関する絵本を読み聞かせ、食材の種類や栄養素について興味を持たせ、職員が「おいしいね」「一口食べてみようか」などと声をかけ楽しみながら食事をするよう工夫しています。

・アレルギーのある子どもや食文化の異なる家庭の場合は、入園時の面談で職員や調理士が情報を共有し、除去食の献立や、豚肉の除去など使用する食材に配慮しています。また、離乳食を進める場合は、事前に、保護者に家庭で食べたことがある食材かどうか確認して使用しています。

・健康診断と歯科健診を定期的に受診しています。体調や成長面で留意する必要がある場合は、その後の診療機関の受診結果などについて、担任と看護師が連携して保護者と連絡を取り、継続して観察しながら保育しています。

・感染症に感染した場合の登園基準については、入園時に「入園のしおり」などで説明し、食中毒やインフルエンザなどの疾病情報はホワイトボード、クラス便りなどで発信するとともに、乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防のため、定期的に呼吸の様子とうつぶせ寝になっていないかを確認しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・入園前面談で保護者に「入園のしおり」と「重要事項説明書」に沿って、保育プログラム、年間行事、延長保育の利用方法や料金、その他の費用など詳しく説明しています。また、園長または主任が保護者からの入園の相談や特記事項を記録し、入園後の保育業務に活用しています。

・新入園児には、入園前面談で保護者に「慣らし保育」の重要性について説明し、各家庭の状況や保護者の就労の都合も考慮して、2週間程度、徐々に保育時間を延ばして子どもが園生活に慣れるための支援をしています。

・個々のサービス実施状況は各クラスの「クラス保育日誌」に記録し、毎日振り返りを行い、必要なら計画の変更を行っています。職員によって、日誌・指導計画などの書き方に差異が生じないよう、次年度に向けての職員合同研修で確認、指導を行うとともに、新人職員には個別に指導しています。また、年度の途中で書式に変更が生じた場合は、その都度職員会議や担当ごとに変更内容を周知しています。

・職員会議、部会、ケース会議、給食会議、カリキュラム会議、企画会議などを行い、職員間で情報を共有しています。また、保育中にあったことを保護者に伝えるために、保育日誌、伝達ノート、クラス連絡ノートに記録して、保護者にもれなく伝えるよう配慮しています。

・保育サービスの基本事項、手順、標準的な実施方法などは設置法人の「保育業務に関するマニュアル」「重要事項説明書」「入園のしおり」に明記しています。標準的な実施方法については全職員が、毎年、次年度に向けての職員合同研修で、サービスの実施方法についての詳しい資料の読み合わせを行いながら、スキルアップを図っています。

・標準的な実施方法に基づいて保育が実施されているかどうかは、「保育日誌」や「保育経過記録」、「個別経過記録」、「指導計画」の実施後に振り返り、評価を行っています。園長・主任は随時保育室に入り、安全面や子どもの様子を観察し、確認しています。

・園長は毎日園内を見回り、子どもの様子や設備の状況を確認し、事故発生防止に努めています。園内には保育活動推進組織内に安全に関する各部会(環境衛生部・運動安全部・保健部)があり、各分野別のリーダーを決め、全体の取りまとめは園長が担っています。

・火災・地震などの災害に備え、事務所には火災受信板、火災通報装置、消火器、AEDなどを設置し、保育室内のロッカーや棚などに転倒防止策が講じられています。緊急時の保護者への伝言方法は緊急時災害用伝言ダイヤルで一斉配信できる仕組みがあります。

・園長は設置法人や「川崎市メール配信システム」「ガイドマップかわさき」「川崎市防災情報ポータルサイト」、各メディア、警察署などから情報を収集しています。様々な事故事例を担当部会や園内研修で検討し、園で発生した事故事例に関しては「アクシデント報告書」にまとめ、対応策を検討し、再発防止に取り組んでいます。

4 地域との交流・連携

・ホームページで園の概要、保育理念・保育方針、子どもの一日の活動の様子、年間行事、その他個人情報や苦情の取り扱いなど、事業所や入園に関する情報を公開しています。

・中原区主催の年長児作品展に園児の作品を出展し、職員を派遣し受付など運営に参加しています。

・大戸地区の民生委員連絡会、中原区園長全体連絡会、幼保小連携担当者連絡会、主任保育士連絡会、子育て支援担当者会議などに参加し、地域の子育て世代の実状やニーズについて情報交換し、共通課題について、園長と主任がとりまとめ園内の保育活動推進組織の該当する部会(企画会・行事部・研修部・環境整備部・運動安全部・保健部・給食部)で検討しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・理念や基本方針はパンフレット、「重要事項説明書」「入園のしおり」「全体的な計画」に記載され、安心・安全に子どもが成長できる楽しい保育園を目指していることが読み取れます。また、保育方針が職員の行動規範になっており、これを実行するため設置法人は「職員10か条」を定めています。

・次年度に向けての園内研修で、保育理念や基本方針の再確認を行い、子どもの健やかな育ちを保障するための園内研修のテーマや職員会議の話し合いに繋げています。園長は各指導計画が保育理念や保育方針、保育目標に沿っていることを確認し、日頃の職員との会話や会議中の発言の中でも、職員のスキルを把握し、説明や助言を行っています。

・保育理念・保育方針・保育目標について、入園前面談やクラス懇談会で保護者に丁寧に説明し、それを達成するための具体的な方法や職員の保育に対する基本姿勢についても示し、保護者にも職員の行動規範が理解されるよう工夫しています。

・園長は、週案、月間指導計画、年間指導計画のねらいや評価の視点が全体的な計画の内容とずれがないかを毎月確認し、自ら保育現場に入り、指導を行い、職員の保育への思いを引き出しながら、職員自ら課題に気付き、改善できるように支援しています。

・園長は、職員の役割分担を決め、適正な人事配置、公平なシフト、残業時間の削減、適切な休暇取得などを考慮して、人事、労務、財務などの分析を行い、健全な運営に努めています。働きやすくやりがいのある環境作りのために、園長がやりたいと考えていることを職員に随時伝え、同じ意識で前進するための努力をしています。

・全職員は年2回、設置法人の自己評価表に従い、45項目からなる自己評価を行い、評価結果は設置法人の理事長と園長が分析・検討しています。園としては、新設のため、川崎市の基準により本年度より福祉サービス第三者評価を受審することとしています。

6 職員の資質向上の促進

・人事管理や必要な人材に関する基本方針は、就業規則や運営規程などで定められており、園長は、個人面談で職員一人一人から今年度の反省と来年度の意向を確認し、園長の意向などをまとめて一覧表にし、人材確保及び適材適所への職員配置に役立てています。

・基本方針の中で「職員一人一人が自己研鑽し、自らの資質、専門性の向上に努める」ことを掲げています。園長は、研修の強化に取り組むため、個別面談、日常の保育や会話、勤続年数、担当園児の様子などを通じて、職員の技術水準、知識、専門資格など必要なスキルを把握し、年間研修計画の立案や、必要な研修が受けられるようシフトの調整などに配慮しています。

・職員は研修終了後「出張復命書」を作成して研修報告会を実施し、内容を共有しています。園長は研修後の職員の習熟度や業務状況を把握し、職員のスキルと研修内容の整合性、研修後の自己評価や課題を次期の研修計画に反映しています。

・職員は、年2回自己評価を行い、園長と2回の個人面談を通じて、査定を受けています。設置法人が定めた「給与規程」を用いて、園長が職員に結果や査定理由の説明を行っています。

・園長は職員との年2回の面談で、就業上の相談や個別の相談を受けています。

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