かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

にじいろ保育園 南平間

対象事業所名 にじいろ保育園 南平間
経営主体(法人等) ライクアカデミー株式会社
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 211 - 0013
中原区上平間1183
tel:044-511-0010
設立年月日 1969年06月01日
公表年月 2019(令和元)年12月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 園は昭和44年6月「川崎市南平間保育園」として開園し、平成21年4月に指定管理園(公設民営 )となり、ライクアカデミー(株)が運営していました。今年度、平成31年4月に民設民営園となり、園名が「にじいろ保育園南平間」となりました。定員は0〜5歳児までの120名、令和1年8月現在118名を受け入れ、延長保育、障がい児保育、一時保育を実施しています。園は開設51年目で、来年度末に完成予定で現在園舎の新築工事が進行中です。
 園はJR南武線鹿島田駅から徒歩6分、JR横須賀線新川崎駅から徒歩10分で、首都圏への交通の便に恵まれ、幹線道路から一本奥に入った、幸区と接する中原区の住宅地の中にあります。園内はびわ、梅、ぶどう、柿などの果樹が毎年実をつけて、子どもたちと保育士がいっしょに収穫しています。園の畑では子どもたちがさつま芋を育て、秋にお芋掘りと焼き芋を楽しんでいます。また、クラスごとの花壇や畑で野菜や草花を育てています。広い園庭やいくつもの公園で遊びを楽しみながら、子どもたちは伸び伸びと育っています。

《特に優れている点・力を入れている点》
○子どもの人権を尊重し、一人ひとりの子どもを大切に見守り一人ひとりの心に寄り添う保育の実践に努めています
 園長は保育にあたる際、最優先しなければならないことの一つに「人権の尊重」があると考えています。子どもは個性を持った一人の人間であり、大人のミニチュアではない、子どもの自尊心と自己肯定感を大切にしなければいけないと感じています。子どもの気持ちを尊重すること、大人の気持ちを押し付けないこと、共感と同調を忘れないことを大切にしています。職員会議では子どもとどのように向き合えば良いのかを話し合い、園独自のケーススタディと振り返りを行って、職員が人権に対する意識を高めるように啓蒙しています。

○不測の事態を想定し、子どもたちの安全を守る活動を積極的に行っています
 園では系列園共通の「にじいろ保育園事業継続計画書」だけでなく、園独自で「洪水に備えて」を作成して、災害や不測の事態に備えられるような体制づくりをしています。マニュアルでは、基本的な優先順位・災害リスクの想定・危機管理体制・職員の役割分担について記載し、災害時に迷うことなく対処できるようにしています。園長は最近の気象状況などを考慮し、訓練や想定の種類が少ないと感じています。今後は想定を増やして「預かった時の姿で子どもたちをお返しする」ことを徹底していくための訓練を行うことを検討しています。

○園庭ではさまざまな収穫体験ができ、また音楽を通して子どもたちの情緒、感性をはぐくむなど園独自の保育を実践しています
 園は開設後51年目で2021年2月に新園舎が完成します。広い園庭ではさまざまな果樹が毎年実をつけ収穫でき、畑で子どもたちが育てたさつま芋は秋のお芋掘りにつなげています。また、クラスごとの畑や花壇で野菜や草花を育てています。朝の会や日々の保育の中で経営層や職員の楽器演奏に合わせて子どもたちは好きな歌を歌い、音楽を通して子どもたちの情緒、感性が豊かにはぐくめるよう心がけています。さらに外部講師による、3歳児以上は月2回の体育教室、4、5歳児は月1回の造形教室で、体作りと創造力向上を図っています。

《事業者が課題としている点》
 園では園舎の建て替え工事に伴う保育環境の変化を想定し、子どもたちが安心して過ごせる環境作りに配慮したいと考えています。また、園で大切に考える「子ども達の心に寄り添う保育」「子どもの人権を大切にする保育」を、全職員が同じ思いで実践できるよう、職員の外部研修への参加や園内研修の充実を図っていくことを課題ととらえています。園長は、保育の実践に関して、常勤、非常勤を含む職員間でさらなる共有理解を深められるよう、意見を出し合い話し合えるさまざまな場を作り、環境を整えていきたいと考えています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  園長は職員に子どもの人権についてのケーススタディシートを配付し、子どもの人権を尊重しない場面を目撃した時などを想定し、職員にどう対処するか意見を記述してもらっています。「大人はえらくない」「子どもは大人のミニチュアではない」「生活習慣は育てるもので押しつけるものではない」「私は『北風と太陽』であれば太陽との関わりを心がける」「自尊心、自己肯定感を大切にする保育」「できないことを叱る保育ではなく、できるようになったことを褒める保育」といった人権尊重を大切にする方針を、園長は職員に伝えています。
 子どもの気持ちを尊重し大人の気持ちを押しつけない、共感と同調を大切にした保育を行っています。特別な配慮を必要とする子どもも同じ保育室で周りの子どもたちに助けられながら楽しく毎日を過ごしています。日ごろ活動する際には年齢や発達に応じ、好みのおもちゃで遊び、好きな色を使用して製作するなど、性差を感じさせない保育をしています。職員は自分の担当するクラスの子どもたちの育ちについて話し合い、現在の計画が理念や基本方針に合っているか確認しています。本社は成長支援制度で職員のレベルアップを支援しています。
 系列園共通のマニュアル「保育ガイド」で、運営母体であるライクグループ個人情報保護方針を規定して、プライバシー保護を徹底するようにしています。子どもや保護者のプライバシー保護に関する基本的知識や、取り扱う姿勢などはレベル別の本社研修で行い、職員がプライバシー保護に関する共通認識を持てるようにしています。園では、保護者が子どものことや懸案事項で相談するため来園する場合は、個室で話すように配慮しています。個人情報保護承諾書で規定している内容以外のケースには個別に対応して、保護者の同意を得ています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  保護者参加の行事後にアンケートを配付して、保護者の意見や要望を聞いています。アンケートは公正を期すために保護者会で集計し、要望やコメントは年2回開催する運営委員会で取り上げて話し合っています。保護者懇談会・個人面談は年に1回行っていますが、個別相談にも随時応じています。園長と主任は、担任と子ども、子ども同士が遊んでいる姿を見て、気になる子どもがいれば声をかけるだけでなく、送迎時の保護者と子どもの様子にも気を配っています。気になることはミーティングで共有し、全職員で子どもを見守っています。
 0、1歳児では子ども一人ひとりを受容し個性を認識して安定した保育を行うために、職員を担当制にして子どもとの愛着あるかかわりを心がけています。1歳児は発達の違いや月齢を考慮して2グループに分けて、子どもの発達に合わせた活動を行っています。園長は職員に待つことを大切にする保育、自分が楽をしない保育、子どもの気持ちを受け止め、急かさない保育をするように指導しています。子どもたちは3歳児以上になると「きょうだいグループ」と呼ばれる縦割りグループに分かれて、異年齢での遊びや食事、生活を楽しんでいます。
 系列園共通の苦情解決マニュアルから「苦情を宝」ととらえ、受けた苦情には誠実に対応するように指導しています。園に寄せられた苦情の解決記録は時系列にファイリングされ、取られた対策と職員への周知が職員会議などの資料で確認できました。しかし、一部の解決記録はヒアリング資料のままで少し読みづらく、内容の理解にやや時間がかかりました。過去の記録を整理し、内容を分析し、統一書式を整備されることにより対処方法を確立して、今後の要望、苦情解決に生かされることを期待します。
3 サービスマネジメントシステムの確立  本社作成のマニュアル「保育ガイド」は、保育指針、保育における人権、保育の心得、保育の実務、衛生管理、職員の資質向上など、内容を熟読すれば園としての対処方法がすべてわかるようになっています。「保育ガイド」はにじいろ保育園全園共通の文書で、すべての園に配付されています。園ではガイドの中で日常の運営に関して重要だと考える文書を抜粋し、コピーし、ラミネートしたものをマニュアルとして使用しています。懸案事項の対処方法を検討しようと思ったときにはバイブルになるもので、園の運営の支援ツールとなっています。
 全体的な計画は、系列園共通の骨子案にそれぞれの園が地域性や園独自の保育目標を加筆して作成します。園長は地域や園の取り組みについて追記した骨子案を全員に渡して、各クラスのリーダーに年齢ごとの目標などを検討してもらいます。できあがったものを会議で検討したのち決定案とします。全体的な計画は年間指導計画・月間指導計画・週案に展開し、月に2回行う反省会で振り返ります。計画を変更した場合は職員会議や乳児・幼児会議で情報共有し、連絡帳、クラスだより、日常の会話、個人面談で保護者に周知しています。
 利用者の安全を確保するための取り組みとして、避難訓練・不審者対応訓練・安心伝言板での情報発信を行っています。「にじいろ保育園事業継続計画書」では優先順位・災害リスクの想定・危機管理体制・職員の役割分担についてや、災害時の対応方法を記載しています。避難訓練は毎月行っていますが、総合訓練・消火訓練・総合避難訓練など3種類の訓練を交互に行うことによって、子どもたちの安全を守り、職員が統率を乱すことなく行動できるようにしています。防犯訓練は2か月に1度行い、対象者と想定内容をそのたびに替えています。
4 地域との交流・連携  地域の方々に向けて、園主催の「和太鼓観賞会」「夏まつり」「移動動物園(今年度は園新築で中止)」「観劇」への参加案内や、園庭開放、育児相談、身体測定のご利用案内、時には園児といっしょに聞くボランティアの絵本の読み語りなども、園の外の掲示板で案内しています。地域の高齢者施設に5歳児が訪問し、和太鼓演奏や歌を披露し、ゲームをいっしょに楽しんで、喜ばれています。また、地域の中学校や高校の生徒の職業体験を受け入れています。事前に園内や子どもの接し方の注意事項、守秘義務などを説明しています。
 園長は区の園長会や主任児童委員、地域児童委員との連絡会、要保護児童対策連絡会議などの定例会議に参加しています。区主催の、主任、栄養士、保健担当者、年長児担当者の各職務連携会議に、園の各担当者が参加しています。幼保小連絡会議に園長と5歳児担当職員が出席して、小学校教諭と交流し、入学までに必要な事項を教えてもらったり、5歳児の小学校訪問を取り決めたり、近隣園の5歳児同士で公園などでドッジボール大会などの交流を進めたりしています。
 地域の福祉ニーズに応えるため、区の子育て支援推進実行委員会などが主催の乳幼児を持つ親子の交流の場「子育てサロン」に保育士を派遣し、子どもとたちといっしょに遊んだり、育児相談に応じたりしています。園の造形の時間に子どもたちが作った作品を区の作品展に出品、展示しています。園の夏まつりでは、子どもたちが作ったおみこしを担いで商店街を練り歩き、街の人たちに喜ばれています。地域の中で育つ園の子どもたちなので、子どもたちの散歩の時などに地域の方々と元気な挨拶を交わすなど、地域との交流を大切にしています。
5 運営上の透明性の確保と継続性  保育理念は「のびやかに育て だいちの芽」、保育方針は「みとめ愛・みつめ愛・ひびき愛」、保育目標は「自然を愛し、心身ともに健やかな子ども」「自分で考え行動し、意欲と根気のある子ども」「仲間と関わり、人を思いやれる子ども」「自己を表現できる子ども」としています。この理念や方針、目標は入園のしおり(入園案内)や見学者用のパンフレットに掲載するととともに、玄関や保育室、トイレにも掲示して職員や保護者、見学の方の目に常に触れるようにしています。
 保育理念の実現に向け、2019年度〜2021年度の中長期計画を作成しています。重点課題に保育の質の向上、安全な施設環境の確保、地域支援、施設環境の4つをあげ、各課題に対する具体的な取り組みの項目を示しています。中長期計画のもと、年度の事業計画と事業報告を策定しています。事業計画は、年間行事や地域子育て支援、職員研修、安全安心に対する取り組み、管理経費縮減、施設・設備の修繕など23の多岐の項目の計画となっています。事業計画、事業報告は玄関に置き、保護者がいつでも閲覧できるようにしています。
 園の提供するサービスの質の向上に向けて、保護者からは保護者参加の夏まつりや運動会、移動動物園などの園行事の後にアンケートを実施し、感想や意見を受け入れています。園は次年度にかけて園舎の建て替え計画が進行中で、保護者や職員の意見、要望を生かし、使いやすさの向上などを考慮した園舎を計画しています。
 保護者や職員の意見や自己評価を踏まえ、昨年度は全職員で園の自己評価を記入し、園長、主任が一つに取りまとめました。園の自己評価は、玄関で保護者にも開示しています。
6 職員の資質向上の促進

 「保育ガイド」には、にじいろ保育園職員の望ましい姿を明示しています。毎年10月に園長は職員と面談し、次年度の勤務継続の意向を確認しています。結果は本社の採用担当に報告し、人員不足が予想される時は採用申請をしています。職員は年度初めに等級ごとの成長支援シートに成長目標を記入して園長と面接し、10月に振り返り、3月に本人評価をして園長の指導と一次評価を受けています。また、職員は本社の担当スーパーバイザー(SV)の面接と二次評価を受け、総合評価点は報酬などの人事考課につなげています。
 職員の能力開発にあたっての基本的な考えは「保育ガイド」に明示しています。園長は本社研修や区・市、外部の教育機関などが主催する研修リストを職員に明示して受講希望を募っています。さらに園長が職務上必要な研修を受講指名したり、各職員の資質向上に必要な研修を案内して、受講決定後に日程別と職員別の研修計画書を作成しています。研修参加者は研修報告書を作成し、園長と本社に提出し、内容に応じて園内の報告会で報告しています。また、報告書は回覧して読了後に印を押し、全職員の研修内容の情報共有に努めています。
 園長は職員の遅番・早番、土曜出勤などが平等となるよう出勤状況実績を基に全職員の勤務シフト表を作成管理しています。有給休暇はシフト作成前の申請であれば、必要な休暇が取得可能としており、夏季などには、中長期休暇を含め、積極的な取得を呼びかけています。今年度初めて非常勤だけのパート会議を催し、さまざまな意見や要望を聞き、対応しました。パート会議以降、職員同士の意思疎通がより改善しています。園長、主任、看護師は職員の悩みの相談に応じたり、職員の日ごろの健康維持、管理に努めています。

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