かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

オハナ新羽保育園

対象事業所名 オハナ新羽保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人葵友会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 223 - 0057
港北区新羽町1685
tel:045-532-0810
設立年月日 2006(平成18)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年12月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の特色】
・立地および施設の概要
オハナ新羽保育園は、横浜市営地下鉄ブルーライン新羽駅前の、スーパーやバスロータリーに隣接した、利便性の良い場所にあります。社会福祉法人葵友会を経営母体とし、5階建ての、医療機関などの入るテナントビルの2階を保育室、5階を事務室と屋上園庭として平成18年4月1日に開園しました。その後手狭になったため、平成27年4月に新羽駅の横浜市営地下鉄所有のビルの1階に、分園「おはなのちっちゃなおうち」を開園しています。
本園は1歳児から就学前児童を受け入れ、定員は88名で現在82名在籍、分園は0、1歳児を受け入れ、定員は24名で、現在20名が在籍しています。

・園の特徴
本園は1歳の高月齢児と2歳児、3〜5歳児、分園は0歳児と1歳の低月齢児が、オープンフロアで日々異年齢で活動をしています。職員は、子どもたちの自由な発想や意見を聞きながら日々の保育を進めています。個々でやりたい遊び中心の生活の中、子どもが「やってみたい」と思えるような活動をするために、スケジュールに柔軟性を持たせ、子どもが意欲的に活動できるようにしています。食事も一斉ではないため、各自が納得できるまで遊びこむことができます。

【特に優れていると思われる点】
1.豊富で丁寧な食育活動
年間食育計画を作成し、調理担当者と連携して、丁寧に食育活動を行っています。
七夕・クリスマス・節分などの行事食のほか、毎月日本の各地域の伝統食や世界の料理、絵本に出てくる食べ物を再現した物語メニューを提供し、食体験を豊かにしています。
また、トマト、ピーマン、なすなどの野菜を屋上で栽培したり、年齢に応じて、野菜を洗う、皮をむく、食材の計量、お米とぎなどの調理室のお手伝いをしています。5歳児は、今年度は「和菓子を知ろう」をテーマにして毎月取り組み、餡や団子、わらびもちなどをつくり、蒸す、焼く、揚げるなどの調理法の違いも知る計画になっています。これらの活動は、給食室前に食育のコーナーがあり、「日々の様子」で保護者に伝えるほか、伝統食では、該当県の地図・有名なものなども紹介するファイルを置いて、興味を持ってもらえるようにしています。

2.子ども一人一人を大切にする姿勢
保育方針の「ゆっくりゆっくり大きくなあれ」を実践につなげていくために「子どもの自主性を育てる」「(子ども)一人一人が大事」を常に考えています。園は日常的な異年齢活動であることを踏まえながら、職員の連携を図り、子ども一人一人がいきいきと輝いているかを意識しています。子どもの行動には何か意味のあることを理解し、職員間で子どもの言動を否定的に捉えないことを徹底しています。「外遊びに行きたくない」と言う、わがままととれる子どもの言葉でも、自分の意思が出せることを褒めています。低年齢に関しては、低い棚で仕切ってコーナーを作ったり、マット、トンネル式の遊具など小さなグループで遊んだり、子どもたちが好む空間づくりを考え、保育室環境の見直しをしています。0歳児は布おむつを使用し、職員は子どもが発するおむつ替えのサインを見逃さないように見守り、こまめにおむつ替えすることを大切なコミュニケーションとしてとらえています。

3.地域とのつながり
地域の中の保育園として、地域とのつながりを通し、子どもの生活の幅が広がるようにしています。食育の一環で、地域の人がトマト畑を子どものために開放してくれており、生長を見に行ったり、収穫させてもらったりしています。給食の魚を購入している地元の魚屋さんがブリの解体をして、包丁さばきを披露してくれます。また、流しそうめんに使う竹は、厚意で竹林の所有者が届けてくれます。また、高齢者施設との定期的な交流会、中学校の職業訓練、養護学校の就業体験、中高生の保育ボランティアの受け入れなどを通した世代間交流の機会があります。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.職員の人材育成
設置法人作成の保育園職員への期待水準は明文化されていますが、活用されていません。人事基準とも連動しておらず、職員のキャリア形成やスキルアップに見通しを持てるような体系的な研修計画の作成に至っていません。現在、園内の保育体制の安定を第一と考えており、外部研修受講が厳しい状況となっています。園内研修の計画もありますが、計画通りに運んでいません。職員のさらなるスキルの向上のため、体系的な研修計画を作成し、保育体制の安定後に活用していくことが期待されます。

2.さらなる快適な環境作り
清掃は職員間で協力しながら行っていますが、十分でない箇所が見受けられました。当番表やチェック表で、より徹底して管理していくことが期待されます。また、分園の排水溝の臭いや、本園の1、2歳児用のトイレの気になる臭いについて、ビルの構造上の問題もあり、園のみの努力では難しい状況がありますが、長時間を園で過ごす子どもへの、さらなる快適な環境作りの検討が望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・「子どもたちの最善の幸福」を主旨とした保育理念を掲げ、保育方針を「ゆっくりゆっくりおおきくなあれ」、保育目標を「たくましい子」「思いやりのある子」「おもしろく遊べる子」としています。それらはすべて子ども本人を尊重したものとなっています。理念、方針に基づいた今年度の保育テーマ「明るい保育園」「地域に開かれた子育て支援」「運動能力向上」「自分を好きでいるために」を設定し、重点的に取り組んでいます。

・単年度事業計画を分かりやすく示した「オハナ新羽保育園2019」(今年度の保育テーマ含む)に理念、方針、目標を明記し、全職員に配付しています。毎月の職員会議で再確認をし、意識を高めています。

・園長は、理念・方針・目標に基づいて、「子どもの自主性を育てる」「(子ども)一人一人が大事」を常に考え保育をするよう職員に話をし、職員は実践につなげています。

・職員は「はやく」「おそい」など行動を否定する言葉を使わないようにしています。急かさずに待つこと、子どものペースで動くことを大切にしています。

・子どもの人格尊重についてはくり返しミーティングの中でとり上げています。園長から具体例をあげて話をし、保育を見直す機会にしています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・子どもの遊びこんでいる様子や表情のほか、喃語、指差しに対しても子どもの思いを汲み取っています。子どもの行動には意味のあることを職員は理解し、ゆったり向き合い、受け止めるよう努めています。

・0、1歳クラスには、つかまり立ちしやすいように低い棚や柵があります。部屋をなるべく区切らず、ハイハイが充分にできる空間をとっています。また、柔らかいマット素材の障害物がところどころに配置してあり、足の裏の力やバランス感覚を身につけられる工夫があります。発達に応じて、ままごとや衣装など、ごっこあそびの道具、年齢に応じた大きさのブロックやパズル、楽器などが用意してあります。

・子どもが興味をもって、自発的に取り組むことを大切にしています。職員は子ども一人一人の発信を受け止め、遊びをクラス全体で共有できるようにしています。職員が小さなヒントを与え、子どもたちが自然と参加したくなる環境づくりをしています。

・3〜5歳児は、室内遊びは自由遊び中心で、基本的に自分でやりたいことを見つけて遊んでいます。午前中の散歩や公園遊びの時はドッジボール、縄跳び、大型遊具などのほか、竹やぶや広場を駆け回ったりして体を動かすことができるようにしています。子どもの足で20〜30分程かかる公園にも出かけます。週1回の体操教室は、年齢ごとに行い、マット運動や逆立ちなど年齢に合わせて難度を変えています。

・5歳児が分園のお手伝いをしたり、1、2歳児クラスとお散歩に行くなど異年齢の交流を多く持っています。

・クッキング、製作、体操などの活動は年齢別にしています。静かに話を聞いたり、集中して取り組むことを低年齢から強いることはありません。友だちとの遊びや生活の中で、自然とルールや社会性が身につくように援助しています。

・食事は、楽しく食べることを何より大切にしています。職員や栄養士が様子を見て回り、「美味しくできたよ」「食べてみてね」など食べたくなるような声かけをしています。職員や栄養士も子どもたちの中で一緒に食べています。

・5歳児はクッキングの時間があり、クラスを半分に分け、少人数で活動しており、栄養士もていねいに関わることができています。

・0歳児は布おむつを使用しています。職員は子どもが発するおむつ替えのサインを見逃さないように見守り、こまめにおむつ替えすることを大切なコミュニケーションとしてとらえています。

・子どもの発達に合わせて、トイレに誘ったり、パンツに変えるなどのトイレットトレーニングを進めています。各保育室に「トイレトレーニングルール」のマニュアルを置いて、職員がいつでも確認できるようにしています。子どもへの声かけのコツや職員が大事にしてほしいことを記しています。排泄習慣は自然に身につくもので、大人に強要されるものではないことを確認しています。

・保護者の保育参加は保育士体験として通年受入れており、昨年度は22名の参加がありました。保育士体験のほかにも、おもちつき、運動会、おみこし、流しそうめんなどの行事に多くの保護者がボランティアで参加しています。

・絵本との関わりを考え、園で用意している絵本のほか、幼児は月間絵本を毎月1冊ずつ個人で購入しています。1か月間保育室に置き、各自で好きな時に読んでいるほか、職員が個別に読み聞かせをする時間も意識して作っています。全員に読み聞かせができたかチェックをしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・新入園児を迎えて不安になる在園児に配慮して、担任が1名は持ち上がるようにしています。状況によってはフリー職員も入り、フォローしています。特に分園から本園に移り、これまでの環境が大きく変わる1歳児に関しては、新入園児が慣れるまで散歩に出かけるなどしばらく別の活動をし、特に配慮をしています。

・集団生活を共に過ごす中で、子ども同士のかかわり合いを見守りながら互いを認め合い、育ちあえるようにしています。障がいのあるなしにかかわらず、一人一人が居心地の良い環境作りに努めています。

・虐待に関するマニュアルがあり、職員に虐待の定義を周知しています。虐待の予兆を見逃さないように、朝の子どもの表情や、着替え時に良く見ることを職員間で確認しています。子どものつぶやきや訴えを聞き逃さず、必要に応じて全職員で見守る体制を作っています。

・毎月担当者を決めて、地震や火災など様々な想定で訓練を行っています。年2回、職員と園児で緊急避難場所の小学校に行っています。毎年、子どもも参加して交通安全指導を受けています。メールアドレスの登録を保護者にお願いし、緊急テストメール配信をしています。また、年度末の保護者全体会で防災意識を高めてもらう話をしています。

・保育中のケガなど、お迎え時に特に保護者に説明すべき事項がある場合は、連絡帳に目印となるカードを差し込んでおいて、保護者に職員が連絡帳を手渡しして伝えており、伝達漏れのないようにしています。

4 地域との交流・連携

・子育て家庭を支援する親子クッキング、絵本講座では出席者にアンケートを行い、地域のニーズを把握しています。

・横浜市と港北区の園長会、幼保小中連絡協議会などの会合に園長が参加し、情報交換会を行うなど、子育て環境の向上と地域ごとの連携や支援などについて意見交換を行っています。

・育児支援事業として、分園の施設開放を毎週火曜日(9時30分〜11時)に行い、同年代の子どもたちと交流をしています。一時保育は登録制で現在数名の定期利用があります。絵本貸し出しは随時行っています。

・地域の子育てサークル(たんぽぽにっぱ)で園長が講演し、子育ての悩みに応えています。設置法人が経営する特別養護老人ホームの敬老会に園児が参加しています。

・職員も積極的に町内会の盆踊り、避難訓練に参加し、災害時などに助け合える関係づくりを目指しています。

・ボランティア受け入れマニュアルが整備され、それにもとづき参加者に事前説明をしています。港北区の事業「ボラリーグ☆こうほく」から中高生のボランティアを受け入れています。その他卒園生などを直接受け入れることもあります。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・保護者アンケート、職員の自己評価を通じて園の課題を明確化し、事業計画として改善に取り組んでいます。

・日常の保育が、保育理念、保育方針、目標、全体的な計画に沿って行われているかについて職員会議で話し合い、それらに沿って行われていることを確認しています。

・他施設で起きた不適切な事例や、新聞やニュース報道などを職員会議や昼ミーティングで取りあげています。資料回覧や閲覧ができるようにしています。

・事務、経理、取引などに関するルールについては、経理規定に示しています。職務分掌と権限・責任に関しては、オハナ新羽保育園運営規定内の職員の職務、員数及び職務内容に明記しています。

・製作、手作りおもちゃ、備品など廃材を利用し、保育に活かしています。保護者には廃材集めの協力をお願いしています。また、節電・節水、ペーパータオルを半分にして使用、緑のカーテン、季節の草花を育てる緑化の推進など実践しています。

6 職員の資質向上の促進

・園長はクラス編成、個々の経験年数など全体のバランスや本人の希望を考慮し、人員配置を行っています。人材の補充は設置法人本部に報告を入れながら、園長判断で採用しています。

・クラス担任として配置されている非常勤職員もいます。職員同士協力し、常勤、非常勤に関わりなく役割分担をしながら責任を持って業務にあたっています。心肺蘇生・AEDの使い方の園内研修は非常勤職員も受講できるよう、数回に分け行いました。

・年間、月間の指導計画に対する自己評価のほか、園独自の書式の職員自己評価を行い、自らの保育を振り返っており、自己評価を計画的に行う仕組みになっています。

・障がいのある子どもや配慮が必要な子どもの保育について、横浜市総合リハビリテーションセンターの巡回訪問を受けることができます。心肺蘇生・AEDの使い方の園内研修は消防署の職員の指導を受けています。

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