かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

あおぞら菅田保育園

対象事業所名 あおぞら菅田保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人あおぞら
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 221 - 0864
神奈川区菅田町1799
tel:045-472-4900
設立年月日 2018(平成30)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年11月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 よこはま地域福祉研究センター
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
あおぞら菅田保育園は、横浜市営地下鉄「片倉町」駅あるいはJR横浜線「鴨居」駅から横浜市営バスに乗り、バス停「長導寺下」から歩いて3分ほどの、幹線道路から1本入った住宅街の中にあります。近くには、川や畑、公園などがあり、子どもたちが季節の自然を楽しむことができます。
あおぞら菅田保育園は、1973年(昭和48年)4月に横浜市によって設立され、2018年(平成30年)4月に民間移管されました。運営法人は、社会福祉法人あおぞらです。運営法人は他に神奈川区に2園、金沢区に1園、認可保育園を運営しています。
鉄骨造り平屋建ての建物は、明るく日当たりがよいです。テラスを挟んだ別棟には、育児支援ルーム「おひさまルーム」があります。広々とした園庭には、ジャングルジムや砂場などのほか、プールの設備もあります。ブドウ棚やみかんの木が植えられていて、片隅の畑では子どもたちが野菜を育てています。
定員は65人(1歳児〜5歳児)、開園時間は、平日(月曜日〜金曜日)は7時〜20時、土曜日は7時〜18時半です。
保育理念は、「地域の母親たちの要求から生まれた共同保育の精神を受け継ぎ、『保育は幼児教育である』として子ども一人ひとりの全面発達を保障する」、保育目標は「友だちの中で全身を使って思いっきり遊べる子をめざす」「子育てという重大な仕事を父母、地域と連携をさらに深めながらおしすすめる」です。

1.高く評価できる点  
● 子どもたちは、素直に自分を表現し、それぞれのペースで園生活を楽しんでいます  
保育姿勢に「徹底的に子どもの立場に立ち、今ある子どもたちの姿から出発し、一人ひとりの要求、発達段階を大切にして保育をすすめる」を掲げ、保育士は、一人一人の気持ちを大切に保育しています。
保育士は、子どもの言葉や表情、態度などから一人一人の子どもの「やりたい気持ち」や「やりたいけどできない気持ち」「やりたくない気持ち」などを把握し、声掛けして誘ったり、他の遊びを提供したり、一緒に遊んだりしています。このような働きかけの結果、子どもたちは素直に自分の言葉や表情で自分の思いを表現し、保育士に甘えています。
 保育室には、子どもの年齢や発達にあわせた複数の種類のおもちゃが子どもの手の届く所に並べられていて、子どもが興味のある物を選び様々な遊びを経験する中で、自分が好きな遊びを見つけられるように環境設定されています。自由遊びの時間には、子どもたちは自分の好きなおもちゃを自由に出して、思い思いに遊んでいて、1歳児でも自分の好きな遊びを自分で選ぶことが出来ています。子どもたちは、一人で静かに絵本やブロックで遊んだり、友だちとごっこ遊びを楽しんだり、友だちと布を身体に巻いて歌いながらダンスしたりしています。4・5歳児になると、オセロやトランプ、絵合わせなどのルール性がある遊びを楽しんでいます。友だちと一緒に遊ぶ中でもめることもありますが、幼児になると、保育士に言葉を足してもらいながら、自分たちで話し合って解決しています。
 このように、子どもたちは素直に自分を表現し、園生活をのびのびと楽しんでいます。
● 保育士は、話し合いを重ねながら思いを共有し、連携して保育しています 
民間移管後、運営法人や公立園など、様々な経歴や経験を持つ職員が一緒になり、新しい保育園作りに取り組んできました。職員は、月2回の職員会議で行事やカリキュラムなどの話し合いをする中で、それぞれの保育観のすりあわせをし、どのような保育を目指したいか話し合いを重ねてきました。
年2回の非常勤職員を含む全職員が参加する職員会議で、運営法人の理事が理念や方針について周知するほか、園内研修や運営法人の階層別の研修などでも学習する機会を作り、理念や方針についての理解を深めています。主任、部主任は保育の様子を見て回り、必要に応じてアドバイスをし、理念に沿った考え方を伝えています。また、クラス保育検討や行事の話し合い、日常会話などから吸い上げた細かな保育の場面での疑問点や迷いを毎日のミーティングや職員会議などで議題として取り上げ、職員皆で具体的な事例を挙げて話し合いを重ねる中で、保育への思いの統一を図っています。
 このようにコミュニケーションを密に取る中で、風通しの良い職場環境が作られていて、目指す保育の実現に向け職員は連携して取り組んでいます。
● 地域の福祉施設としての意識を持って、地域の子育て支援に取り組んでいます 
 園は、理念・方針に地域の子育て支援を掲げ、意識を持って地域の子育て支援に取り組んでいます。
園の子育て支援としては、園庭開放(毎週水曜日、夏場はプール開放)や交流保育、ランチ交流、「赤ちゃんの駅」、絵本の貸し出し、食育講座などを実施しています。交流保育は各クラス担任が担当し、色水遊び、シャボン玉遊びなどを企画し、地域の子どもたちと交流できるようにしています。一時保育事業も実施していて、クラスで一緒に過ごしています。また、神奈川区子育て支援連絡会に参加し、地域の保育園や菅田地域ケアプラザと合同で育児講座を行うなどしています。
民間移管から2年目を迎え、保護者アンケートを取って地域の子育て支援ニーズを具体的に掘り起こすなど、園の地域の子育て支援に積極的に取り組む姿勢は評価できます。

2.工夫・改善が望まれる点 
● 文書化に向けての取り組みを進め、今後の発展に活かしていくことが期待されます
園は、事業計画や人材育成計画などに園の理念や方針などを明記し、職員に発信しています。ただし、その具体的な方法や求められる水準などについての記載はなく、思いをどのように実践していくかの過程がわかりにくくなっています。
また、記録に関しても、議事録などの一部に思いは伝わるものの実践の内容がわかりにくいものが見られます。また、要望・苦情の記録やヒヤリハット記録など、記載の基準が明確でなく、データとしての活用がなされていないものもあります。
 今後も記録や文書化に向けた取り組みを深めていき、職員間で思いをどのように実践していくかを共有し、今後の発展に活かしていくことが期待されます。 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・保育理念は「地域の母親たちの要求から生まれた共同保育の精神を受け継ぎ『保育は幼児教育である』として子ども一人ひとりの全面発達を保障する」で、子ども本人を尊重したものとなっています。玄関や保育室などに理念を掲示するとともに、年度初めの職員会議で非常勤職員を含む全職員で理念を確認しています。保護者に対しては、新入園児説明会や年度初めの懇談会で説明しています。
・子どもたちの名前を呼ぶときは、呼び捨てにせず、また保育者があだ名など愛称をつけて呼ばないよう徹底しています。同じ名前の子どももいることから、あらかじめ保護者に呼んでほしい名前を聞くようにしています。
・個人情報について、法人で守秘義務マニュアルを作成し、職員間で徹底し、ボランティアや実習生にも説明し確認しています。子どもたちについても、誕生日の表をはじめ、表記はすべて氏名ではなく個別のマークとしており、個人情報が含まれるお手紙を保護者に渡す場合は、「個人情報袋」を作成し、利用しています。
・人権についての研修を年度のはじめに全職員が受講しており、性別でグループ分けや順番を決めたりすることなく、「男の子だから」「女の子だから」というような固定概念で保育をしないようにしています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・全体的な計画は、園の基本理念に基づき、子どもや家庭の状況、地域の実態、周囲の環境を考慮して作成されていて、子どもの最善の利益を第一義にしています。全体的な計画は非常勤職員も参加する新クラス検討会議での話し合いをもとに、職員会議で検討し作成しています。保護者に対しては、年度初めの懇談会で配付し、説明しています。
・家庭の状況や生育歴について保護者に児童票に記載してもらい、それを基に入園説明会後に担任と主任、部主任が保護者に面接しています。必要に応じて園長が同席することもあります。面接時あるいは入園直後に子どもの様子を観察しています。面接時に把握された情報は児童票に記載し、クラス内で引継ぎ、職員間で共有しています。
・1・2歳児、および幼児であっても特に配慮を要する子どもについて、個別指導計画を作成しています。個別の目標、計画はクラス保育検討会議で作成、評価、見直しをし、職員会議で共有しています。子どもや家庭の状況に変化があった場合には、その都度話し合い、見直しています。トイレットトレーニングなどの個別の課題については、保護者と話し合い、同意を得ています。
・1歳児保育室は寝る・食べるの空間を分けています。2歳児〜5歳児は食事をしてから清掃し、絵本を読んでから寝ています。廊下や玄関前の絵本コーナーを異年齢児の交流の場として用いています。行事などの際には、保育室間の仕切りをはずして全クラス一緒に行っています。
・各保育室には、発達や年齢に沿ったおもちゃや素材、パズル、絵本や図鑑などが用意され、子どもたちが自由に取り出して遊べるよう配置されています。おもちゃの棚には片付ける場所が分かりやすいよう、写真が表示されています。おもちゃは手作りのものが多く、発達や興味に合わせて入れ替えるようにしています。また、各保育室には子どもたちが好きな遊びができるコーナーやスペースが作られており、思い思いの場所で自由に遊んでいます。制作物やパズルなど遊びが途中のものは、そのまま取っておいて続けられるようにしています。
・各クラスではメダカ、カタツムリ、ザリガニなどが飼育され、子どもたちは当番制でエサやりなどの世話をします。散歩先で見つけたカタツムリは卵が孵化して成虫になるまでの様子を写真に撮って記録し、保育室に掲示してあります。子どもたちのより知りたいという思いに応えらるよう、保育室には図鑑や関係する本がたくさん置いてあります。
・各クラスで栽培する野菜を決め育てています。パプリカを育てたクラスは、パプリカを切ってスタンプ代わりにして大きな紙に押したり、パプリカの歌に合わせてダンスを踊ったりと保育活動に繋げています。収穫したものは、給食に出しています。
・子どもたちが自分で育て、収穫できた野菜などをクッキングに取り入れたり、「お手伝い」ということでとうもろこしの皮むきや枝豆のさやとりなど素材そのものに触れる機会が設けられています。
・食事をするときは、テーブルの位置を変えたり、保育室で食べるときも、ランチョンマットを使ったり、バイキング給食にしたり、時には園庭で食べたりと場所を変えたり、雰囲気を変えて食事を楽しむ工夫をしています。
・給食だよりを毎月発行し、旬の食材や給食のレシピなどを記載し、保護者に情報提供しています。給食とおやつは毎日玄関に展示しており、個別に給食のレシピを聞かれた場合は、その都度レシピメモを簡単に作成して渡しています。
・懇談会では、子どもの年齢に応じた発達の説明をしたり、クラスの目標や子どもたちの様子を保護者に伝え、保護者からは家庭の様子などを話してもらい、園と保護者、保護者同士の情報交換をしています。
・保護者会があり、集まりに保育室を提供し、園のコピー機で保護者会の書類等が印刷できるよう協力しています。さつまいも栽培、人形劇鑑賞などの活動を園と保護者会共同で行っています。
・町内会の会員になったことから、子どもたちが七夕飾りを作るために、竹をもらったり、ミカン狩りを体験させてもらうなど、近隣住民との交流が増えました。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・面接時にならし保育(短縮保育)について保護者に説明し、ならし保育を実施しています。ならし保育の期間は、子どもの状況や保護者の職場への復帰時期を考慮し、保護者と相談しながら柔軟に調整しています。1歳児は、複数担任となっていますが、主に担当する保育士を決めています。子どもが心理的拠り所とするものを持ち込むことができます。1・2歳児は、毎日連絡帳を用いて保護者と情報交換しています。
・園は統合保育を掲げていて、特に配慮を要する子どもを積極的に受け入れています。個別のケースについてミーティングや職員会議などで話し合い、記録しています。障害などの研修で得た情報や横浜市総合リハビリテーションセンターの巡回相談の結果を職員間で共有し、絵カードや時計、朝の支度などの絵を用いた手順書など、保育の現場に活かしています。情報は記録して事務室に置かれていて、関係する職員はいつでも確認することが出来ます。
・園は平屋建てで、多目的トイレも設置しています。バリアフリー構造になっていない部分には、マットを敷いたり、スロープを付けるなどの工夫をしています。
・文化、生活習慣、考え方の違いを認め尊重しています。保育室に世界の国々についての積み木やカルタ、絵本、世界地図など置いたり、給食で外国の食事を提供するなどし、子どもが文化や生活習慣の違いを理解出来るようにしています。外国籍の保護者に対しては、個別の連絡帳をつくって詳細にやりとりし、必要に応じて、声をかけて理解できているか確認したり、実物を見せながら説明したりしています。
・苦情受付担当者および苦情解決責任者は園長で、第三者委員2名を定め、氏名と連絡先を保育園のしおりと掲示で保護者に周知しています。意見箱を玄関に置くとともに、懇談会やアンケートで保護者の意見を聞いています。園、保護者代表、横浜市による三者協議会でも保護者の意見を把握しています。また、日々の保護者との日常会話から保護者の意見や要望を汲み取っています。外部の苦情解決窓口として、かながわ福祉サービス運営適正化委員会を紹介しています。
・門の入り口にはインターフォンが設置され、来訪者は職員室で確認のうえ、中に入れるようになっています。夜間、門には電子錠に加えて南京錠をつけて、侵入者に対し二重の対策を講じています。園舎周辺には防犯カメラ4台を設置しており、警備会社とも契約し、また非常時にはすぐに警察に通報が入るよう設定されています。
4 地域との交流・連携 ・毎週水曜日に「園庭開放」を行い、地域の親子と交流を行っています。園庭開放の際に、園に遊びにきた保護者から子育ての相談を受けることもあります。「園庭開放」の他「赤ちゃんの駅」も実施しており、園庭開放に来た親子がおむつ交換などに利用しています。また、地域の子どもを「一時保育」で受け入れています。育児サークルや地域の親子が集まる場に園から保育士が出向いて遊びを提供することもあります。保護者及び地域の子育て家庭を対象に、育児講座を計画し、実施しています。
・系列園4園合同の「子育て新聞」を発行し、近隣の歯科医院や小児科、地域ケアプラザ等に置いてもらって地域に子育て情報を提供しています。育児相談についても、「子育て新聞」に電話番号を記載し、随時相談に対応しています。
・園の掲示版にイベントや行事のお知らせを掲示し、地域住民も招待し、参加してもらっています。また、近隣の中学校の職業体験の受け入れを行っています。
・園の玄関にある絵本の貸し出しは在園児だけではなく、地域の親子へも行っています。
・乳児は菅田地区センターによく遊びに行き、地域の親子と交流しています。また、日常の散歩や近所のスーパーにクッキングの買い物に出かけるときは、地域住民とあいさつをしたり、話しかけられたりしています。
・見学が多くなりそうな月は、見学日を何日か設定し、ホームページでお知らせして、募集をかけるようにしていますが、随時個別の見学にも応じています。
・ボランティアを受け入れるマニュアルがあります。受け入れの際は、担当から説明を行い、活動を依頼しています。現在2名のボランティアが、園庭開放時とお話し会の時に活動しています。ボランティアからは、絵本についての意見や、お話し会での子どもたちの反応についてなどの感想を聞き、それを職員で共有し、保育に活かすようにしています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・園の方針や保育内容等を園のパンフレットや運営法人のホームページに掲載しています。また、神奈川区の案内誌にも園の情報を掲載しています。園の掲示板に職員募集も掲載し、運営法人としての情報も提供しています。
・服務規程に職員が守るべき規範、倫理等が明文化されていて、全職員に配付するとともに、入職時の研修で説明しています。また、3月の全職員が参加する職員会議でも確認しています。行政や新聞等で得た他施設の不適切な事案をミーティングや職員会議で報告し、話し合っていて、散歩コースを見直したなどの事例があります。
・重要な意思決定については、園、保護者、横浜市による三者協議会で継続的に意見交換しています。重要な意思決定については、職員、保護者に目的や内容、経緯について説明しています。
・リスクマネジメント、食育などは主任、保育士、栄養士の異なる職種の職員がチームを組んで取り組んでいます。
・次代の組織運営に備え、理事会、評議員会、園長会で新たなサービスプロセスについて検討しています。主任、部主任を置き、計画的に後継者の育成をしています。運営に関し、公認会計士、社会保険労務士、税理士、弁護士、産業医などの意見を取り入れています
6 職員の資質向上の促進 ・園長、主任、部主任で保育所運営に十分な人材構成であるかをチェックし、必要な人材の補充をおこなっています。年2回の職員の自己評価で、課題の設定と達成度の評価をしています。また、それぞれのライフステージを考慮した階層別の法人研修を計画的に行ない、人材育成をしています。現在、主任部会で階層別の研修計画の見直しと体系的な人材育成計画の作成を進めています。
・研修などで得た良い事例を基に職員間で話し合い、保育の現場に活かしています。また、テーマ別園内研究として発達と環境を2つのテーマに分かれてグループを作り自主的に研究する仕組みがあり、成果を園内研修や外部の研修会で発表するとともに、保育に活かしています。横浜市総合リハビリテーションセンターや横浜市東部地域療育センターの巡回相談で助言や指導を受けています。
・年2回の職員の自己評価、年度末のクラス評価と保護者アンケートを用いての他者評価などを基に、職員会議で話し合い、園としての自己評価を作成しています。話し合いの結果から園としての課題を明らかにし、改善に向けて取り組んでいます。園としての自己評価は園の理念や方針、全体的な計画に沿って行われています。自己評価の結果は、玄関に掲示するとともに運営法人の園雑誌「麦わらぼうし」やホームページに掲載し、公表しています。

詳細評価(PDF1,871KB)へリンク