かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

岸根保育園

対象事業所名 岸根保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 山百合会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 222 - 0034
港北区岸根町685-12
tel:045-491-1555
設立年月日 2004(平成16)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年11月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 市民セクターよこはま
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
岸根保育園は横浜市営地下鉄ブルーライン「岸根公園」駅から水と緑豊かな岸根公園の中を通って11分程坂を上がった住宅地にあります。創立は昭和52年(1977年)5月で横浜市が開設しましたが、平成16年(2004年)4月に社会福祉法人山百合会に移管されました。現在、法人は他に、横浜市内で6つの保育園と夜間保育園を1つ運営しています。園舎は鉄筋コンクリート造 平屋建てで築40年経過していますが、光が入りやすい構造で園内は明るくて清潔に保たれています。また、敷地内には畑があり、季節の野菜を栽培しています。季節の野菜を収穫することで子どもたちは四季を実感しています。
定員は100名で産休明けから就学前までの園児を保育しており、開園時間は平日・土曜日共に7時〜21時まで行っています。保育理念は「児童福祉法の精神に則り、子どもの人格を尊重し、その権利を守る」保育方針は「『子ども時代を保証する』“仲間・時間・空間”を大人の責任として創る」保育目標は「『その子らしく尊厳を持って生きることのできる、人間の土台』を育てる」を掲げています。

◆高く評価できる点
1.子どもたちは自然に恵まれた環境の中でのびのびと豊かな心を育んでいます
子どもたちは、園が水と緑豊かな岸根公園に隣接しているので、すぐに自然に触れることが出来ます。園庭も広く、大きな木が立ち、砂場や鉄棒、ジャングルジム、小さな家の遊具、タイヤ、滑り台があります。園はこれらの環境を生かし、屋外の活動をできるだけ多く取り入れています。園に隣接している原っぱで乳児が季節の花を見つけたり、虫を探したりしています。園庭の自由遊びでは、「いろおに」や「こおりおに」で走り回ったり、遊具を使ったり、砂遊びをしたりと、それぞれ興味を持った者同士で楽しんでいます。子どもたちは、お互いに、「入れて」「貸して」「どうぞ」「あげる」、そして「だめ」もはっきりと伝えることができます。ケンカになった場合はお互いが納得できるまで話し合いをしています。話し合いで解決しなければ保育士を呼びますが、自分たちで解決する力と友達関係ができあがっている様子が伺われます。
保育士は、子どもたちが何をして遊びたいか意見を聞き、自分たちで決めた遊びを仲間と一緒に遊んで、子どもたちが十分満足して活動を終えるようにしています。
このように自然に恵まれた環境の中、子どもたちは四季を感じお互いを認め合い、のびのびと豊かな心を育んでおり、保育目標の「人間の土台を育てる」ことが実践されています。

2.保育士は子どもの人権を尊重し、一人一人の子どもが主体的に行動できる保育を実践しています。
保育士は、月一回行われる法人の系列保育園で構成している部会で、「子供の人権」をテーマにして研修を重ねています。部会で話し合われた内容は、職員会議で話し合われ全職員で共有し、各グループで子どもが主体的に行動できる保育に取り組んでいます。子どもの話にできるだけ応じ、子どもが納得して活動できるように努めています。乳児に関しても表情や様子を観察し、子どもの意向を汲み取れるようマンツーマンで対応し、その中で得た情報や気づきは保育士で共有しています。保育士は大きな声を出すことはしません。優しく子ども一人一人に寄り添い「今、子どもが何をしたいのか」を理解するよう努めています。また、活動でも無理強いはしません。一斉に行っている活動でも、子供の意思を尊重して子どもがその活動に興味を持つまで待ち、提案する言葉を使用して、子どもが自ら考え行動に移せるように配慮しています。
このように保育士は一人一人の子供を尊重し主体的に行動できるよう支援する保育を実践しています。

3.子どもの学びや体験を大切にしながら園全体でエコ活動に取り組んでいます
園舎の屋根には太陽光発電を設置し全館LED照明にしています。平成30年度には「食の3R きら星活動賞」の発生抑制部門を受賞しました。給食から出る野菜くずなどの食品残渣を保育士が見守りながら子どもたちが当番でコンポストを取り扱い、堆肥化し、その堆肥でさつまいも・ポップコーントウモロコシ・トマト・キュウリ・ナス・ピーマン・ゴーヤ・オクラ・大根等の野菜を育てています。
自分たちで育てた野菜でポップコーン作りや芋ほり、収穫祭では保護者も参加して夏野菜のカレーライス作りを行い、食べ物の大切さをみんなで共有しています。また、給食にも使用することで、子どもたちの好き嫌いによる食べ残しが減り、食品廃棄物の抑制にもつながっています。近隣の方とは、一緒に園舎の周りに花を植えたり、グリーンカーテン作りを行っています。子どもたちは普段から、燃えるゴミ用と燃えないゴミ用の袋を用意して分別をするなどの取り組みを行っています。このように子どもの学びや体験を大切にしながら、近隣住民、保護者も一緒に、園全体でエコ活動に取り組んでいます。

◆独自に取り組んでいる点
1.保護者の自主的な活動が盛んに行えるように支援しています
園では、保護者の自主的な活動が行えるようにうさぎルームなどの部屋を提供したり、園との情報交換や保護者間の話し合いが出来るよう保護者会を定期的に行っています。当日に参加出来なかった保護者には会議録を玄関入り口に掲示して情報を発信し、保護者全体の意見を聞くようにしています。保護者会が主催している観劇会や親子遠足があり、保育士も要請があれば参加して交流を図っています。保護者会役員は、保護者が主体的に話し合い、順番に協力してくれる風土があり、園とは常にコミュニケーションをとり合っています。
保護者の中で課題として上がった「防犯」をきっかけに、「護身術として太極拳の講座を開いてはどうだろう」との提案が保護者からあがり、園は、太極拳講座受講希望のボックスを玄関に設置して仲間を募る協力をするなどの対応をしています。
このように保護者の自主的な活動が盛んに行えるようにきめ細かく支援しています。

◆改善や工夫が望まれる点
1.さらなる地域交流の機会を増やす工夫が望まれます
七夕会などの保育園の行事では地域の保護者や子ども等を招待したり、雪が積もった時は周辺の雪かきを手伝うなど、近隣住民との良好な関係が出来ています。
さらに一歩踏み込んで、自治会・町内会等への園だよりの配布や、岸根公園の指定管理団体より依頼を受けて行う年3回の公園花の植え替え時に近隣住民へ参加を呼び掛けるなど、交流の機会を増やす工夫が望まれます。
また、近隣の公園で散歩やジョギングをする人など、日常的に地域の人達と接する機会があります。さらに、食育の取り組みなどの枠を広げ、食材の買い物等で、商店の人などとの交流や交通ルールなどを含め、地域を知る機会につなげるなど、子どもたちが地域社会を構成する一員として社会、経済、文化その他、多様な分野に触れる機会の提供を検討されることが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・保育理念は「児童福祉法の精神に則り、子どもの人格を尊重し、その権利を守る」また、保育方針は「子ども時代を保証する“仲間・時間・空間”を大人の責任として創る」を掲げており子ども本人を尊重したものとなっています。職員は保育理念や保育方針の説明を受け、理解した上で入職しています。また、理解を深める為に年に1回は保育理念・保育方針を職員会議で振り返っています。
・人権擁護研修の他に、人権擁護の書籍を回覧するなど、子どもに対して威圧的な言葉遣い、無視が行われないよう、職員間で相互に配慮し、気になる対応があった場合には、クラスミーティング等で振り返り、改善に努めています。
・子どもや保護者に対して、父親・母親の役割を固定的にとらえた話し方、表現をしないようにしています。子どもが身体に関する発言があった時には、看護師から、パネルシアターを使って子供向けに身体の仕組みを伝えるなどの工夫をしています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・乳児は表情から思いを汲み取るように努め、幼児は子どもたちの意見や要望を聞き、それらを無理に絞らず出来るだけ実現できるようにしています。
・活動変更に子ども達が納得いかない時には子どもたちに合わせた説明をして納得して活動変更できるように心掛けています。
・指導計画は子どもの発達や状況に応じてクラスごとに作成・評価・見直しを行い、職員会議で最終調整を行っています。
・子どもの声掛けを過度に行わず音楽も機器に音量のつまみに印をつけてそれ以上は音量を上げないように配慮しています。
・普段から乳児が幼児クラスに遊びに行ったり、幼児が乳児クラスの部屋で着替えなどのお手伝いをするなど交流しています。
・個別の目標や計画は定期的に見直しをしていますが一人ひとりの子どもの発達状況を考慮して柔軟に見直しを行っています。
・年間の食育計画を立て、年齢ごとに五感を通して食材に慣れ親しむこと、“食べるもの”に対する興味を引き出すことを目的として、子どもたちが食事及びその過程に関心を持つよう工夫しています。伝統的な食文化を行事食を通して伝えたりクッキング時に栄養士と一緒に行うなど、生きる力の土台作りと位置付け食育に力を入れています。  
・年齢や発達に応じて、絵本は子どもが興味関心を持つように表紙が見える棚を手作りしたり、手に取りやすくするなどおもちゃや教材等を自分で取り出して遊べるように配置しています。また、安全や子どもたちの集中力を考え、低年齢児の保育室では手作りの整理棚は必要に応じて壁側に向けることでおもちゃなどが子どもの視線に入らないような工夫もなされています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・ 横浜市総合リハビリテーションセンターや横浜市東部地域療育センターとも連携して最新の情報を得たり、法人内の園で定期的に話し合われる部会があり、その中で得られた新しい情報を職員会議で共有し保育に生かしています。
・除去食を提供する場合は専用のトレイを用意して給食室からの引き渡し、配膳時と職員間での声掛けと目視を行っています。
・安全管理に関するマニュアルがあります。マニュアルは、実際に安全面に十分に配慮しているか確認し、保育室の棚に落下防止の突っ張り棒をつけるなど具体的な対応につなげており事故や災害に適切に対応しています。マニュアルは全職員に周知されています。
・行事があるごとに保護者にアンケートをとっています。また、集計結果を公表しています。
・子どもの健康管理に関するマニュアルに基づき、受け入れ時の体調の確認を行うほか、看護師によるクラス巡回で一人一人の健康状態を把握しています。
・感染症等への対応に関するマニュアルがあります。マニュアルには登園停止基準や保育中に感染症等の疑いが生じた場合の対応が明記されています。保護者には「園のしおり」に記載するほか、入園説明時に重要事項説明書で周知しています。
4 地域との交流・連携 ・地域の保護者や子ども等との交流の中で、一時保育・園庭開放・園見学・畑貸し出しなど、保育所に対する要望を把握するための具体策を講じています。
・地域の子育て支援ニーズについて、職員会議で地域の子育て課題や状況を園長から報告を行い、地域ニーズに合わせて交流保育や園庭開放の目的やプログラムなどについて職員間で話し合っています。
・育児相談については。定期的な相談日は設けていませんが園庭開放やランチ交流の際に対応しており、近隣の未就園児が参加しています。
・行事前後に近隣の方への挨拶、お礼をするほか、ゴーヤなどの栽培を通して共通の話題を持ちお互いに見学し合うなど近隣との友好的な関係を築くように努めています。

5 運営上の透明性の確保と継続性 ・保育の理念や保育方針は園のしおりに記載されており、入園説明会で保護者に説明しています。
・タウンページ・港北区公私合同育児講座(わくわく子育て広場)等での園紹介のパネルの掲示、横浜市の子育て情報など外部の情報提供媒体に対して保育所の情報を提供しています。
・保育所の基本方針や利用条件・保育内容等について園長または主任がパンフレット等の資料や文書に基づいて説明しています。近隣住民との良好な関係が出来ていますが自治会・町内会等へ園だよりを届けたり、公園花植の年3回植え替えの際に近隣住民にも声をかけ参加を促すなど、計画的に交流の拡充を検討することが期待されます。
・近隣の公園で散歩やジョギングをする人など、日常的に地域の人達と接する機会があります。
さらに、食育の取り組みなどの枠を広げ、食材の買い物等で、商店の人などとの交流に広がることが期待されます。
・ボランティアには終了後に意見交換を行い、体験前の思いと現実の違いを感じた等の率直な感想や意見を職員で共有し、園運営に反映させています。

6 職員の資質向上の促進 ・実習生受け入れのためのマニュアルがあり、オリエンテーションの際に、実習生に対して保育所の方針、利用者への配慮等を十分説明しています。
・研修計画は主任が担当しています。職員の希望と園長と主任が話し合って研修を決めています。研修後は必ず研修報告を職員会議で行って職員全体で共有しています。また、個々の職員別に研修報告を分けてファイリングし振り返りがしやすいようにしています。
・保育所の自己評価は年に一回、保育士の自己評価、園長の自己評価をそれぞれ行い、それらを元に振り返りが行われています。
・職員評価は年2回行われる園長面談で個々の職員に直接評価を伝えています。

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