かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

すきっぷ保育園

対象事業所名 すきっぷ保育園
経営主体(法人等) 特定非営利活動法人ワーカーズ・コレクティブキャンディ
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 216 - 0033
宮前区宮崎2-1-1 生活クラブ高津センター2階
tel:044-877-6215
設立年月日 2015(平成27)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年11月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 特定非営利活動法人 よこはま地域福祉研究センター
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

≪施設の概要・特徴≫
すきっぷ保育園は、東急田園都市線の宮崎台駅から徒歩10分ほどの生活クラブ高津センターの2階にあります。商店やビルが並ぶ通りに面し、近くに姉妹園が2園あります。
園は、平成27年(2015年)4月にNPO法人ワーカーズ・コレクティブキャンディによって設立されました。
施設内は、ワンフロアで玄関を入って直ぐ厨房があり、ベランダに面して2歳児、3歳児、4・5歳児の保育室、反対側に幼児用トイレ、沐浴室があります。一番奥に1歳児の保育室があります。ビルの2階のため園庭はありませんが、屋上が利用でき、園庭と同様に走り廻ったり、絵の具遊びをしたり、夏にはプール遊びをするなどして楽しんでいます。
定員は、40名(1〜5歳児)、開園時間は7時から20時です。
保育理念は、「豊かな人間性を持った子どもを育成します。」と定めています。保育目標は「健康で元気な子ども」「感性豊かに活き活き遊ぶ子ども」「のびのびと表現できる子ども」としています。

≪特に良いと思う点≫
■保育士は、子どもたちが主体性を持って活動できるよう「考える」を大切に取り組んでいます。
保育士は、様々な場面で「レッツ、シンク」を合言葉に子どもたちが考える機会を設けています。4、5歳児は場面ごとに「ミーティング」の時間を設けて話し合っています。異年齢グループ活動の前日にはリーダーを中心に何をするか事前に話し合って活動内容を決めています。「運動会でやりたいこと、見せたい事」や「みんなが話して決めたこと」など子どもが決めた事を保育士が代わりに書いて保育室に貼りだして決めた事を知らせています。子どもたちは年齢に応じて自分たちで決める事を学び主体性を持って活動しています。
■異年齢交流で思いやりを育んでいます。
園は、毎日の朝夕の合同保育や全クラスで行う朝の体操の他、6月から毎月1回、全園児が縦割りのグループに分かれて一年を通して一緒の活動を行います。年長児はリーダーとして担当保育士と乳児もできること等を相談して活動内容を決めます。年下の子どもは年上の子どもの様子を見て学び、年上の子どもは世話をしたり、教えたりすることで自信をつけています。年下の子どもが泣いたり、けんかをしているのを見ると、何とかしたい気持ちを素直に表現して自発的に行動するなど、思いやりの気持ちが育まれています。
■積極的に地域支援活動に取り組んでいます。
園は事業方針に地域活動事業を掲げて取り組んでいます。地域の親子に園の部屋を開放し、子育て講座を実施し、母親同士が交流する場として「親子ですきっぷ」を6月より月1回、0〜2歳を対象に、離乳食、ふれあい遊び、保育体験などを行っています。姉妹園と一緒に「こどもまつり」を開催して施設を開放したり、教育活動としての「親子でみそづくり」や「クリスマスコンサート」、「観劇会」等を開催して生の音楽に触れたり劇を観る機会を提供しています。2018年度の地域の参加者は170人を超え地域に根付いた事業となっています。

≪さらなる改善が望まれる点≫
■園の活動・事業計画を周知することが望まれます。
園は、運営法人が年2回発行する「キャンディーだより」の中で保護者に活動の具体的内容を知らせているものもありますが、各年度の活動・事業計画は保護者に周知していません。今後は、園の活動・事業計画を保護者に周知することが望まれます。
■保護者に第三者委員を知らせる工夫が期待されます。
園は、苦情解決責任者、苦情受付担当者、第三者委員を設置し、保護者に重要事項説明書で苦情解決の仕組みを説明し、玄関に掲示して知らせていますが、利用者調査では、外部の相談窓口に相談できることを知らない保護者が20%いました。「保護者の考えを聞く姿勢がある」には92%があると回答していますので保護者は園に意見を言いやすいと思われますが、今後は声を出せない保護者が園を通さずに直接相談できる第三者委員の存在を知らせる工夫をしていくことが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ●子どもの話をゆっくり聞き、気持ちを確認するような言葉かけを行いつつ、子どもが自分の気持ちを言葉や態度に出しやすい環境作りを心がけています。「感性豊かに生き生きとあそぶ子ども」、「のびのびと表現できる子ども」を保育目標に掲げ、子どもを尊重した保育を行うことを明示しています。川崎市の「子どもの権利に関する条例」の研修を全職員に実施するとともに、全国保育士会の「人権擁護のためのセルフチェックリスト」でチェックを行っています。
●虐待に関する研修を実施しています。登園時に親子の様子、子どもの様子を確認しています。また、おむつ替えや着替えの時の身体観察により、虐待の早期発見を心がけています。異変を感じた時は、園長と看護師に相談し、対応を検討する体制としています。気になる子どもの情報は、保育会議などで共有しています。職員で疲れている様子が見える場合は、持ち場を交代したり、休んだり、声をかけたり、本人が言い出しやすい職場づくりを行いストレスの軽減に努めています。
●入園時に、保護者に個人情報保護に関する考えを説明し「個人情報使用同意書」を提出してもらっています。同意書に記載された理由以外で個人情報の使用が必要になった場合は、個別に保護者に相談し同意を得ています。配慮が必要な子どもについて関係機関とやり取りが必要な時は、保護者と面談し同意を得たうえで実施しています。個人情報保護に関する外部研修を受講した園長が、保育会議などで、個人情報の定義や個人情報の取扱いの注意点などを周知徹底しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ●職員は、日々の送迎時に保護者との会話を大切に、保護者の意向をくみ取るよう配慮しています。利用者アンケートを実施し、保護者の要望を把握し、その結果の集計と自由記述への回答を全保護者に配布しています。日々の保育の中で子どものやりたいこと受けとめ、自分の気持ちを発言できる環境を作っています。職員はクラスミーティングで活動を振り返り、子どもたちの様子を確認しています。毎月の各クラスの作成した個人別の「子どもの姿」は保育会議で周知され、職員間で共有しています。
●子どもたちは日常的に朝の体操や合同保育、散歩、リトミック、行事などで異年齢で過ごしています。毎年6月からは全園児が異年齢グループを作り縦割り保育の活動を月1回行っています。リーダーの年長児は、ミーティングで自分たちで何をするか決め、担当保育士から助言をもらい1〜5歳児で活動をしています。子どもの意見を尊重して運動会や生活発表会などの行事の発表に反映させています。また、子どもたちが、自由に選んで使えるよう様々な素材を用意するなど、保育士は主体的に活動できるよう環境を作り援助しています。
●登園時に保護者から家庭での様子や健康状態を聞き、確認したことを「午後の連絡表」に記録して職員は情報を共有しています。子どもの基本的な生活習慣は、年齢や発達にあわせて個別に家庭での取り組みを聞き連携を取りながら子ども自身でできるよう援助しています。お迎えの時に、その日の子どもの様子を保護者に伝えています。保育士は「午後の連絡表」で確認するのでどの保育士も同じように対応しています。春、秋のクラス懇談会、7月と1月の個人面談などで保護者の考え方や提案を聴く機会を設けています。
●乳児は落ち着いて食べられるよう食事する場所を決め、3歳児は4、5歳児と同じ部屋で楽しく食事をしています。給食は安全な食材や食器を用い、旬の食材や行事食など季節感のある食事を提供しています。サイクルメニューを採用し、こどもの喫食状況を見たり、保育士の意見を聞いて調理方法や味付けを工夫しています。保護者には、「給食だより」やクラス毎の食育年間計画「食育だより」を通して食事に関する園での取組を知らせ、家庭と連携して食育に取り組んでいます。
●園は、散歩や毎日の朝の体操、リトミック、跳び箱等を使った体操と積極的に運動を取り入れて子どもたちの身体作りをしています。看護師は、感染症予防のため手洗いやうがいがなぜ必要なのかを丁寧に話し、地震時の身の守り方や交通安全教室を実施して危険について伝えています。健康診断、歯科健診の結果は、「すこやか手帳」に記録し、保護者に伝えています。事前に医師に相談したい事を受付けています。嘱託医とは日頃から相談したり、助言をもらったりしています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ●ホームページ等で園の保育理念や提供するサービスなどの情報を提供しています。入園希望者の施設見学は受け入れており、園内を案内しながら概要を説明し、質問や育児相談にも対応しています。入園説明会で重要事項説明書を配布し、保護者と面談を行い、説明して、同意書を取っています。新旧担任ミーティングで全体的な計画を立て、それに基づいて各担任が指導計画を作成しています。年間指導計画を基に幼児クラスはクラス単位の指導計画を毎月作成し、1,2歳児クラスは個人別の指導計画を毎月作成しています。
●子どもに関する指導計画の実施状況、日々の子どもの様子や活動、個別配慮等は週案日誌に記録しています。個々の子どもの成長記録は、乳児は毎月、幼児は期ごとに子どもの状態や保育士とのかかわりなどを記録しています。子どもの個人情報に関する記録は事務室で施錠管理し、園長が記録の管理を行っています。保育会議で子どもの様子、状況に関する情報を伝え、職員間で情報を共有しています。また、日々の情報は「午後の連絡表」に状況を記録し、口頭でも伝えてどの保育士でも同じ対応ができるよう配慮しています。
●健康管理、感染症対策、安全管理、事故防止対応などのマニュアルは年度始めや保育会議で読み合わせをして、職員に周知を図り、緊急時に速やかに行動ができよう努めています。防災訓練年間計画を作成し、火災、地震、不審者など様々な場面を想定した訓練を毎月実施しています。また、消防署員に来てもらい消火訓練をしたり、4・5歳児は交通安全教室に参加し、2・3歳児はお巡りさんと一緒に散歩するなど安全管理に努めています。職員は衛生管理マニュアルに基づいて施設内を清掃・消毒し、安全点検表で安全を確認しています。
4 地域との交流・連携 ●地域活動事業として、地域の親子に園の部屋を開放し、子育て講座を行い、母親同士が交流する場として「親子ですきっぷ」を6月より月1回、0〜2歳を対象に、離乳食、ふれあい遊び、保育体験などを行っています。6月には教育活動として「親子でみそづくり」を行っています。12月には恒例の「クリスマスコンサート」と、今年度の企画として「劇団風の子」の演劇の「観劇会」を行います。2018年度の地域活動事業の地域の参加者は170人を超え地域に根付いた事業になっています。
●法人は、子育ての次世代育成を支援するためボランティア受入を積極的に進めています。「ボランティア受け入れマニュアル」を整備し、園長が受入担当として、ボランティアに活動の内容や守秘義務などの注意点について研修を行っています。今年度は、将来保育の仕事を希望している高校生に、ボランティアとして保育を行ってもらっています。
●宮前区の幼保小連携会議、主任連携会議、看護師連携会議、栄養士連携会議、子育て支援連携会議、園長連絡会に参加しています。各種連携会議では、困っていることや各園での取り組み事例に関する情報交換、意見交換のほか、共通の課題について解決に向けての活動を検討しています。川崎市の福祉団体の連絡会議(市民福祉事業センター・かわさき、高津・宮前コミュニティ・オプティマム福祉ユニット会議)に園スタッフが参加し、病児・病後児保育や一時保育などの子どもに関する川崎市への政策提案を行う活動をしています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ●運営方針、保育理念、保育目標は、「すきっぷ保育園のご案内」「すきっぷ保育園《保育のしおり》」「全体的な計画」に記載しています。職員に対しては、3月末の保育会議、新旧担当者ミーティングで、保育理念などの読み合わせを行い理解を深めています。法人で中長期計画(2017年〜2019年)を策定しています。2019年度は中長期計画の3年目として、保育の見直し、質の向上、居場所の継続と発展、地域の支え合いの仕組みづくりにチャレンジしています。中長期計画を踏まえて、年度の活動・事業方針を策定しています。
●園長は、年度初めの保育会議で「職務分担表」を使用し、園児、職員、施設、会計に関する管理などの施設長としての役割と責任を表明しています。保育の質の向上のためには、職員の資質の向上が必要という考えに基づき、いろいろな視点を持てるように会議での話し合いを進めています。また、同法人の近隣園と協力し、計画的に内部研修を行っています。園長は、毎月勤務表や各人の労働の状況を確認し、シフト作成者の主任と相談し、過重な労働とならないよう人員配置、職員の働きやすい環境の整備を行っています。
●職員は年度初めに、「目標シート」(強み・弱み、今後学びたいこと、自分としての目標)、「振り返りシート」(基本的行動・事務処理、保育内容)と「研修計画」の年間目標を作成し、半年後に自己評価を実施し、園長との個別面談を行い計画の見直しを行っています。園長は面談実施後にコメントを記載し、フィードバックを行っています。事業所としての自己評価は、中長期計画、活動・事業方針に関する取り組みの点検評価を上期と年度単位で実施しています。今年度、第三者評価を受審し、サービスの質の向上につなげていきます。
6 職員の資質向上の促進 ●要員配置の考え方を基に、理事会、運営会議で、必要な人材や人員体制について検討しています。保育会議の中で職員から人材の要望があり、園長が理事会に職員の要望を提案するケースもあります。川崎市の「保育のお仕事相談会」への出席や、法人全体でのハローワークや求人情報の検索サイトの活用、学校への求人票と園のリーフレットの送付などを行い、人材募集活動をしています。
●年度の研修計画を策定しています。担任研修として、姉妹園3園と合同で担任研修を行っています。毎年、保護者支援、子どもの主体的活動といったテーマを掲げ、それぞれのクラスごとの取り組みをレポートにまとめ発表しています。1月には3園合同で保育者全体への発表を行っています。研修参加者は、研修報告を作成し、保育会議で報告することで共有しています。活動・事業方針を策定する中で、実施した研修の総括を行い、次年度の研修計画の策定に活かしています。
●園長が、有給休暇の消化率、時間外労働の状況を毎月チェックしています。有給休暇は連続で取得することを奨励し、各人に予定を確認するなど、職員に負担がかからないよう配慮した労務管理を行っています。一人ひとりの体調、家庭生活、社会参加を勘案して職員の意に添ったシフトを立てています。希望する、または都合が悪い、曜日、時間帯などを2週間前までに「シフト希望表」に各自が記載のうえシフト作成者の主任に提出し、主任が決定しています。

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