かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

オハナ鶴ヶ峰保育園

対象事業所名 オハナ鶴ヶ峰保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人葵友会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 241 - 0022
旭区鶴ヶ峰2-30-1
tel:045-372-0870
設立年月日 2012(平成24)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年11月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の特色】
・立地および施設の概要
 オハナ鶴ヶ峰保育園は、相鉄本線鶴ヶ峰駅から徒歩2分、園の裏には大きな親水公園や緑道、隣には畑もある自然や緑豊かな環境にあります。また、近隣には駅前商店街があります。
運営法人は社会福祉法人葵友会で、園は2012年4月に定員45名の認可保育園として開園しました。2015年4月から定員を84名に変更し、現在0〜5歳児83名が在籍しています。
 園舎は木造2階建てで、196平方メートルの園庭があります。1階は中央部分に中庭を備え、各保育室、給食室と事務室があり、2階には相談室と職員室があります。横浜市の「よこはまECO保育所」の認証を受けています。
・園の特徴
 園の保育理念は「オハナは家族 みんなが居心地の良い場所に」で、「オハナ」はハワイ語で「家族」を意味し、子ども主体の家族のような保育を目標としています。給食に対する取り組みに力を入れており、食育年間計画を立て、保育士と栄養士、看護師などが連携して子どもたちの成長を支えています。また、野菜の栽培やクッキング、栄養指導など、子どもが食に関心を持てる時間を多く取り入れています。一時保育、産休明け保育、障がい児保育も行っています。

【特に優れていると思われる点】
1.保育方針や園目標の達成に向けた、職員の意識統一
 職員が、保育方針や園目標を共通理解し、意識統一して保育にあたることを大切にしています。年度初めには、「オハナ鶴ヶ峰保育園の心得」と「職員行動指針」を全職員に配付して読み合わせ、園長が理念・方針・園目標などについて説明して、意識の統一を図っています。職員は、会議などで、子どもや保護者に関わるときに大切な視点や方針について振り返り、理念に沿って行われているかを確認しています。さらに、職員一人一人の年間目標、月間目標を決め、職員会議で話し合い、反省しながら次月の目標を立て、日々の保育に臨んでいます。

2.工夫した園庭環境で主体的に遊ぶ子どもたち
園庭は196平方メートルで、子どもたちが自分で考えたり自ら挑戦したりできる環境を工夫しています。0歳児から乗れるブランコや横に並んで滑れる木製のすべり台、クライミングヒルなど、自分の力に挑戦しながら発達を促す固定遊具などを備えています。粘性の強い山砂とさらさらの川砂の感触の違いを体験できる砂場や、じゃぶじゃぶ池などもあります。
子どもたちは、園庭の斜面を上がったり下ったりして遊んでいます。クライミングヒルでは突起に手や足をかけて登り降りしています。すべり台では腹ばいになって滑り降りたり、砂場では、友達と一緒にスコップで容器に砂を詰めて運んだり砂山を作るなど、子どもたちは思い思いに遊んでいます。夕方のお迎え前は保育士が見守る中、子どもたちは園庭に出て、友達と一緒に固定遊具を使ったり、虫をさがしたり一人で草花を摘んだりして探索活動をするなど、自由に遊んでいます。

3.保護者に子どもの様子を伝えるための保育の可視化
日常の保育の様子を、ドキュメンテーション(保育活動の写真に子どものつぶやきやコメントを付けたもの)として、クラスごとに掲示し、ブログにも掲載しています。また、一週間の活動を、簡単にまとめて掲示しています。職員は、子どもの声に耳を傾け、子どものつぶやきをキャッチすることを意識し、そのときどきの子どもの姿を保護者に伝えています。子どもたちの様子はビデオでも撮影し、クラス懇談会などで上映しています。利用者家族アンケートでは、「園の様子や行事に関する情報提供について」が92%と高い満足度(満足とやや満足の合計)を得ています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.育児相談の受け入れ方や記録の整備
 園見学や行事参加、交流保育などの際には、育児相談に応じていますが、地域の保護者などに向けた定期的な育児相談日は設定していません。定期的に相談日を設けたり、相談内容を記録として整備するなど、今後、園としての方向性を検討していくことが望まれます。

2.保護者の自主的な活動への支援の検討
現在、保護者からの要望がないため保護者の自主的な活動はおこなわれていません。今後は、園の地域子育て支援での経験を生かし、保護者同士が気軽にコミュニケーションがとれる場の提供や、保護者同士が繋がりを持てるような活動への支援について検討することが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・保育理念「オハナは家族 みんなが居心地の良い場所に」、保育方針「ゆっくり大きくなろう あたたかいこころと えがおでいっぱいに」は、利用者本人を尊重したものとなっています。基本理念や保育方針は、年度初めに全職員で読み合わせ、中途入職者には園長から説明して周知を図っています。

・職員は子どもの目線に合わせ、子どもの年齢や発達に応じたわかりやすい言葉で、おだやかに話すように努めています。子どもに注意をしなければならないときには、どのように行動すれば良かったのかを伝え、子どもが自分で考えるように言葉を選んでから話すようにしています。

・園内研修で子どもとの関わり方の見直しや振り返りを行い、子どもに対しての言葉遣いや対応について職員会議などでも取り上げ、日ごろから気にかけて保育を行っています。「職員心得」には「子どもの羞恥心への配慮をする」と明記し、子どもを激しく叱ったり、心を傷つけるような対応をしてはならないことを、職員に周知しています。

・子どもが友達や職員の視線を意識しないで過ごせる場所として、パーテーションを使ったコーナーやエントランスの絵本コーナーなどがあり、必要に応じて、1階事務所やエントランスも使用できます。また、幼児用トイレには扉があり、シャワーや沐浴の際には、カーテンや仕切りを使用しています。

・虐待防止マニュアルがあり、職員は言動も含めた虐待の内容、チェック方法、対応、連絡方法などを確認し、虐待が明白になったり疑われる場合は、横浜市西部児童相談所や旭区福祉保健センターに通告し相談する体制を整えています。

・守秘義務については、入職時オリエンテーションなどで園長が全職員に説明し、
個人情報保護に関する誓約書の提出を受けています。保護者には入園説明会で説明し、同意書を提出してもらっています。個人情報に関する書面や記録データは、施錠できる棚で保管・管理しています。

・遊びや行事の役割、服装などで性別による区別はせず、劇ごっこの役や衣装、製作の紙なども自由に選べるようにしています。職員は、子どもや保護者に対して、役割を固定的にとらえた話し方をしないようにし、職員会議などで対応を共有しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・おもちゃや絵本などは低い棚に置き、写真を貼ったり、かごに小分けして子どもが取り出しやすくし、子どもの年齢や発達に合わせて随時入れ替えをしています。

・棚や仕切り、マットなどでコーナーを分け、キッチンコーナーや絵本コーナーを作り、子どもたちが落ち着いて遊べるようにしています。作りかけのブロックは、継続して遊べるように置き場所を確保しています。

・戸外や室内遊びの中で、リズム、ドッジボール、鬼ごっこなどルールのある遊びを取り入れ、遊びを通じてルールを守ることや友達関係にもルールがあることを伝えています。また、散歩などでは交通ルールを伝えています。

・園庭には木製のすべり台やクライミングヒルがあり、子どもが自分の力に挑戦しながら発達を促す固定遊具で遊んだり、公園などではゲームや追いかけっこを取り入れています。室内では、マットや楽器、ボールなどを組み合わせたサーキットコースやリズム遊びを取り入れています。

・職員は、子どもの好き嫌いやその日の体調を把握し、残さず食べることを強制せず、初めて食べるメニューや苦手なものは量を調節して提供しています。職員は子どもが食べようとする意欲や行動を大切にして、食べたことや食べようとしていることを褒めています。

・給食は手作りで、家庭の味、薄味を心がけ、献立には季節の食材を使用しています。行事食、郷土料理の日、おばんざいの日などを取り入れ、栄養士が料理の説明をし、行事食などでは、子どもたちが見て楽しめるように特別な盛り付けの工夫をしています。

・午睡時には、保育室のレースのカーテンを引いて明かりを暗くし、子どもが安心して眠れるように職員がそばにつき、眠くない子どもには布団の上で横になり、ゆっくりしているように伝えています。また、乳幼児突然死症候群対応マニュアルに沿って子どもの様子を見守り、0、1歳児には呼吸チェックをして記録しています。

・0、1歳児クラスは排泄チェック表を使用し、職員は子どもの排泄の間隔や回数などを把握してトイレに促しています。トイレットトレーニングでは、一人一人の発達状況を把握しながらトレーニングパンツに移行し、園での排泄状況は連絡帳に記載して、保護者と情報交換しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・入園前に保護者と子どもに面接し、子どもの様子や親子の関わりについて観察して、園の新しい環境でどのように対応していくのか検討しています。

・園長から保護者に、短時間保育の必要性について説明し、保護者の就業状況や子どもの様子に応じて柔軟に実施しています。

・入園後の成長の様子は、0〜2歳児は毎月、3歳児以上は3か月ごとに発達記録に記録しています。健康に関する事項は保健記録表に記録し、入園時の情報とともに個人別にファイルしています。これらの記録は、事務所の決められた場所に保管し、職員は必要に応じて閲覧しています。

・配慮が必要な子どもについては、毎月クラス会議で対応を振り返り、障がいの特性を考慮した個別指導計画を立て、職員間で情報を共有しています。職員は、横浜市こども青少年局などの研修を受け、障がいのある子どもが他の子どもと関わりが持てるよう仲立ちするなど、保育に生かしています。

・健康管理、衛生管理、感染症対策などの各種のマニュアルに基づき、子どもたちの健康状態の把握や健康診断・歯科健診の受診や感染症対策などを実施しています。

・事故や災害に備え避難誘導訓練や緊急連絡体制の確認をするとともに、年2回子どもたちと一緒に不審者対応訓練を行っています。玄関はオートロックの電子錠で施錠し、防犯カメラを設置して不審者の侵入防止策を施しています。

・苦情の申し出は、入園説明会で、園の苦情受付窓口のほかに苦情解決第三者委員会や権利擁護機関へ直接申し立ての方法があることを説明し、玄関に掲示しています。

・意見箱を置き、懇談会や行事の際はアンケートを実施して保護者の要望や苦情の把握に努めています。要望や苦情の内容は記録し、対応や結果について職員会議などで職員に周知し、今後の取り組みに生かしています。

・子どものケガは、状況や経過を保護者に伝え、内容は申し送りで全職員に周知しています。事故やインシデントについては、内容やその後の対応などを詳細に記録し、職員会議などで問題点を話し合い、改善策を実行しています。

4 地域との交流・連携

・園の情報は設置法人ホームページやブログ、園の外掲示板、旭区子育て広場ぽけっとや旭区地域子育て支援拠点ひなたぼっこに提供しています。園見学者には園長がパンフレットに基づいて基本方針や利用条件、保育内容などを説明しています。

・地域の自治会に加入し、園行事の夏のお祭りなどには地域の方や園見学、交流保育、育児講座などに参加した保護者や子どもたちを招いています。また、食育集会には旭区食生活等改善推進員の人形劇、育児講座には旭区紙芝居ボランティアを招き、定期的に交流を図っています。

・旭区認可保育園等が開催する育児イベント「あさひ子育て・保育園ひろば」、鶴ケ峰地区ケアプラザで開催する育児講座「親子であそぼう」や「かるがもサロン」に、園長、職員が参加し、パネルシアターや手遊びの提供、育児相談等の子育て支援を行っています。

・園では定期的に相談日を設けた育児相談は行っていませんが、園行事や育児講座などに参加した地域の保護者の相談に応じています。地域の子育て世代が利用しやすいように、育児相談への対応を検討することが望まれます。

・園の隣の畑では、3R夢農園プロジェクトとして、旭区地域振興課の職員と一緒に、園の残食から作った生ゴミブレンド土を使ってさつまいもを栽培しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・職員が順守すべき法律や行動規範は「就業規則」「職員行動指針」「心得」に明文化され、入職時研修やオリエンテーションで職員に説明しています。

・運営法人の経営や運営情報は、ホームページで詳細を公開し、運営法人から職員に向けた業務への取り組み姿勢や注意事項などの書面は職員も閲覧して、他園の事例のなかで必要なことは職員会議で話し合っています。

・園長は、理念方針について、職員の理解を促すために、年度初めや会議の際にわかりやすく説明をしています。園の課題は、職員会議で話し合って職員と共通認識を持ち、質の向上に取り組んでいます。

・重要な事項を決定する場合は、園長が保護者と懇談会で意見交換し、アンケートも実施しています。運動会の実施方法は保護者と継続的に意見交換しています。

・園の重点項目として、令和元年度は「ドキュメンテーション・異年齢保育・地域との交流・保護者との関わり・給食への取り組み」を今年度の事業計画として定め、地域支援の拡充などの保育所運営について取り組んでいます。

6 職員の資質向上の促進

・運営法人では職階別に必要な知識や経験、業務遂行能力などについての「人材育成計画」を定め、キャリアアップ研修や一般研修など年間を通じた研修計画を作成しています。

・職員は資質向上の目標を設定し、結果について年2回園長と面談し、評価や次年度の目標について話し合っています。

・主任が年間を通じて研修計画を立て、職員が外部研修や希望する研修に参加できるようにしています。

・指導計画などには評価反省欄があり、職員は、ねらいや具体的目標に沿っていたかどうかや子ども一人一人の成長に応じた関わりや配慮ができているかを自己評価して結果を記入し、それぞれの課題を次期の計画に反映しています。

・園の自己評価は毎年実施しています。職員がクラスミーティングや職員会議で話し合って今年度の課題を明確にし、反省や評価を行っています。自己評価結果は、玄関に掲示しています。

・保育業務は、クラス担任(常勤職員)と副担任(非常勤職員)の組み合わせで行い、主任、乳児リーダー、幼児リーダーがそれぞれ非常勤職員の担当として、連絡、相談や必要に応じ面談を行っています。

・非常勤職員も、必要な知識・技能の習得、情報の収集については常勤職員と同様に対応し、勤務形態の違いで参加できない場合は、報告書などで伝えています。

・実習生の受け入れ時は、希望や目的を把握して実習内容やクラスを決めています。毎日クラス担任と反省会を行い、最後に園長や主任なども参加して全体での反省会を行い、内容を記録・整備し、職員の気づきや保育業務の参考にしています。

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