かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

山元町保育園

対象事業所名 山元町保育園
経営主体(法人等) 個人
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 231 - 0856
中区簑沢50-1
tel:045-641-3024
設立年月日 1955年05月01日
公表年月 2019(令和元)年10月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
山元町保育園は昭和30年に開園した65年目の保育園で、定員は120名で現在0歳から5歳まで128名の子どもが通園しています。園は横浜市営バス山元町2丁目下車、徒歩約5分の小高い丘の上にあります。横浜市の中心地にありながら3346.74uの敷地を有し、多くの木々に囲まれた中に、木造平屋の園舎と給食室、園庭、芝生広場、菜園などがあり、自然に囲まれた中で子どもたちが自由に遊べる環境が整っています。園庭の中央には遊具をおかず、災害時避難場所になるように空けてあります。

園の特徴
園は「オムツなし保育」を取り入れており、0歳児から布オムツ、布パンツのみで日中を過ごしています。目的は排泄を通して職員と子どもとのコミュニケーションをとることです。園内には茶室、人形の家の建物があり、5歳児になるとお茶のお稽古をしたり、人形の家には日本人形、土器などが展示され日本の伝統文化を学ぶ機会を作っています。

【特に優れていると思われる点】
1.職員と園児との信頼感の構築と職員間の連携の強化
  オムツなし保育を行っており、子どもの排泄管理のため、職員は子どもの状況を把握し、常に子供の様子を見ています。一方で子どもはいつも職員が自分を見てくれているとの安心感が生まれておおらかな姿で一日を過ごしています。紙オムツに比べて子どもの体に触れるスキンシップの時間が増え、職員と子どもと密接な信頼関係を築けています。オムツなし保育を行うには0歳児、1歳児の全職員が全ての子どもの状況を把握しておく必要があり、職員間の情報共有が必須となります。結果として職員間での連携が強化されています。

2.職員が園庭で子どもの見守りに徹する姿
  2歳児から5歳児の園舎には広い園庭があり、固定遊具としてローラー滑り台、鉄棒、ジャングルジム、雲梯、ボルダリングボード、砂場などがあり、晴れた日にはほぼ一日中外で遊んでいます。園庭では常に6〜7人の職員が子どもたちを見守っていますが、子どもからの誘いがない限り安全確認のため見守りに徹しています。1672.7uに及ぶ園庭の各箇所での職員立ち位置は、職員の話し合いで役割分担ができています。ここでも職員間の連携の良さが感じられます。

3.保護者の高い評価
   利用者アンケート結果では、総合満足度は満足・どちらかといえば満足の合計で100%の評価を得ております。子どもたちが自然に恵まれた園内で自由に、思い切り遊んでいる、職員の対応が良い、保護者同士の交流が盛んであるなどで満足しているとの意見が寄せられています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.中長期計画の策定
   固定プールの新設や未就園児対策としての新ホールの建設など新規事業が行われていますが、中長期計画としてまとめられていません。園運営のため、先を見据えた課題を設定し、組織の在り方を検討する仕組みや次代を担う人材を計画的に育てていくための中長期計画の作成が望まれます。

2.不審者対策
   保護者アンケートで、外部からの不審者侵入を防ぐ対策について、「どちらかといえば不満」「不満」あわせて43%の保護者からの危惧が寄せられています。広大な敷地を有する保育園として対策の困難さは理解できますが、子どもの安全確保のため、出入り口の施錠方法を含む侵入防止策の検討が望まれます。

3.園外活動で地域社会との触れ合いの機会の創出
   子どもたちの園外活動は、月1回くらいの根岸森林公園への外出程度となっています。日常的に少人数での外出で地域や社会に関わる体験を増す機会を増やすことが望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・子どもに対しての言葉遣いや態度で気になったことがあった場合は、職員間で直接伝えたり、現場にいた職員からの報告で主任が注意し、子どもの人格が守られるように努めています。

・子どもに対して言葉の語尾や大きな声にならないよう気を付けて威圧的な言葉遣いにならないようにしています。

・園内が広いため、友だちや職員の視線を気にせず過ごす場所は多々あります。それぞれの子どもが好きな場所で視線を気にせず、過ごすことができています。

・個人情報の取り扱いについてのガイドラインをつくり職員室で保管しています。職員はいつでも閲覧することができます。

・日々の保育の中で、遊び、持ち物、服装などは子ども自身が選ぶようにし性別による区別は行っていません。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・全体的な計画は理念・運営方針に沿って年齢ごとに作成され、自然に恵まれた環境の中での育ちを満喫するためのものとなっています。

・年間指導計画は年度末に、月間指導計画は月末に振り返りを行って次に繋げています。週案は天候、子どもの体調に合わせてプログラムに捉われず臨機応変に対処するようにしています。

・0歳児の子どもたちは、広い保育室でのびのびと遊べるようになっています。子どもたちは興味や好奇心がおもむくまま動き回っています。

・オムツなし保育を行っています。排泄からくる違和感に子ども自身が気づき、「ちっちでた」「大人に知らせたい」などの気持ちを職員が受け止めて、対応するようにしています。

・子どもが園庭で遊んでいるときは、戸や窓を開け放し、換気しています。クラスごとに温湿度計を設置し温湿度管理を行っており、温度は夏28℃、冬22〜3℃、湿度は50%前後と目標値を決めています。

・3歳児以上の保育では、子どもの興味の対象により援助の方法を変え、それぞれの子どもが集団の中で中心となって力が発揮できるよう支援しています。

・各保育室では、それぞれの子どもに合わせた目線の高さにおもちゃが用意されています。子どもたちは自分で自由に好きなものを取り出しています。

・0、1歳児、2歳児〜5歳児はそれぞれ毎日一緒の園庭で遊んでいるため、日々の生活の中で異年齢交流が行われています。

・子どもの自由な発想、興味を受け止め、ダンゴムシ談議に発展させたり、ローラーすべり台での滑り方を決め、順に滑ったりと子どもたちが話し合う環境ができています。

・敷地内では多くの野菜や果物を栽培しています。子どもたちは、日々の活動の合間にキュウリ、ナスなどを収穫し、塩もみにして給食の時間に食べたり、梅の収穫をして梅シロップを作るなどしています。

・個々の食事量や好き嫌いに配慮しています。配膳時に、子どもの申告に合わせておかずをよそっています。嫌いな食材がある子どもや、小食の子どもには、少なめによそい、お代わりをして食べることができるようにしています。

・乳幼児突然死症候群を防ぐため、0歳児は5分間隔、1歳児は10分間隔で呼吸チェックを行っています。5歳児は11月頃から午睡を一斉活動とせず、文字のけいこなどを行っています。

・栄養士は職員と相談しながら野菜を子どもに合った大きさにしたり、子どもたちの食事の様子を毎日見て回り、子どもから、その場で感想を聞いています。

・オムツなし保育を行っています。0歳児からオムツをしない生活をしているため、排泄をした場合の感覚を子ども自身で感じることができるようになっています。

・長時間にわたる保育のための環境を整えています。保育時間の長い子どもには18時30分におやつの提供をしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・短縮保育については、重要性を入園前説明会の個別面談で話しています。期間は約一週間としていますが、保護者の勤務状況などの都合に合わせて個別に対応しています。

・3歳未満児について、園児一人一人に子どもの姿、ねらい、内容(養護・教育)、保護者への配慮・援助、家庭支援の項目を月ごとに個別指導計画として作成しています。

・子どもの入園以降の成長記録は児童票に記載され、0、1歳児については毎月、2〜5歳児は3か月ごとに記入をしています。

・虐待が疑われるときや虐待が明らかになった場合は、主任・園長に報告し、園長から中区福祉保健センターこども家庭支援課に連絡し助言を得ています。

・食物アレルギーを持つ子どもについては、入園時の個人面談で栄養士と保護者で話し合っています。かかりつけ医に生活管理指導表を提出してもらい1年ごとに更新しています。

・苦情受付担当者は主任、苦情解決責任者は園長、第三者委員を2名委嘱して重要事項説明書に明記し、入園時の面談で保護者に説明しています。

・健康管理に関するマニュアルに基づいて子ども一人一人の健康状態を把握するようにしています。入園時に提出された児童票、児童健康票に追加、変更があった場合には随時書き加えています。

・健康診断を年2回、歯科健診を年1回行っています。診断の結果は児童票、健康状態記録、歯科健康診査票に記録し、異常がある場合は保護者に書面で伝えています。

・入園のしおりには「感染症について」の項目を挙げ、登園基準、感染中の状態などを明記して、入園説明会において保護者に説明しています。

4 地域との交流・連携

・育児相談とグランマ事業の絵本の貸し出しを毎週水曜日開催し、オムツなし保育についての問い合わせや相談を受けています。

・簑沢地域ケアプラザとの共催で、オムツなし保育、離乳食の講演を乳児担当主任が行っています。

・運動会には卒園児を招待したり、近隣の商店にポスターを貼り近隣住民の参加を呼び掛けています。

・七夕時期には近隣の保育園に竹を配っています。近隣で行われる花火の日には園庭を開放し、近隣住民がゆったり見ることができるようにしています。

・利用希望者の問い合わせには、重要事項説明書を基に担当職員が運営方針や利用条件などを説明しています。

・見学希望者には1対1対応をしており、主任か職員が担当し説明しながら園内を案内しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・理念は「ひとりひとりの子どもを尊重し、保護者から信頼される保育園を目指します」、運営方針は「自然に恵まれた環境の中で豊かな心を育てたくましい身体づくりをします」であり、子ども本人を尊重したものとなっています。

・年間指導計画、月間指導計画には、自己評価、評価・反省欄が設けてあり、職員が日常の保育の振り返りができるようになっています。

・園長は中区園長会議などで得た、他施設の不適切事例について職員会議で話をし、自園でも起こりうる事例であることを職員に注意喚起しています。

6 職員の資質向上の促進

・「乳幼児期クラスに共通する規則」が制定され、事務室の書棚に保管されており、職員はいつでも見ることができます。

・発達障害事例について研修を受けてきた職員から、発達障害児への声掛けの仕方などを全職員で学び、クラスで実践しています。

・保育の振り返りは、月間指導計画、週案の中で計画された、予想される子どもの姿、内容、環境構成・保護者の配慮などの観点から関連づけて行われています。

・「横浜市保育所自己評価」を全職員に配布し、職員がそれに記入して3月上旬に発表しています。

・実習生受け入れのためのマニュアルがあります。受け入れ担当は担任の職員があたり、記録をしています。実習生には、実習目的、学年にそうようにプログラムを決定しています。

詳細評価(PDF676KB)へリンク