かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

たまプラーザ小桜愛児園

対象事業所名 たまプラーザ小桜愛児園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 小桜会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 225 - 0003
青葉区新石川2-3-15ディアコートサウス2F、3F
tel:045-507-7767
設立年月日 2018(平成30)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年09月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 たまプラーザ小桜愛児園は、東急田園都市線「たまプラーザ」駅から徒歩で3分ほどの位置にある、2018年4月開所の社会福祉法人小桜会が運営している私立保育園です。近くには自然豊かな公園があり、散歩コースに恵まれています。保育目標に「体育を通した元気な身体」「いっぱい遊び、たくさん学ぶ」「夢と希望にあふれる心」を掲げ、豊かな人間性を育てる保育を進めています。0〜5歳児が対象で定員は90名、開園時間は、平日土曜日ともは7時から19時です。0〜2歳児クラスでは生活習慣が身につくことを大切に考え、3〜5歳児クラスでは日常の保育や行事の実施において子どもたちの主体性を大切にし、社会性を身につけられるような環境作りをしています。地域の子育て支援として、園庭開放や育児相談なども行っています。

《特に優れている点・力を入れている点》
○それぞれの年齢ごとにていねいな保育を行っています
 園では子どもの健やかな育ちを援助し、「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」を常に視野に入れながら保育を行っています。たまプラーザ小桜愛児園の開所は2018年4月ですが、その際には運営母体である社会福祉法人小桜会の系列園から経験豊かな職員が異動しチームとなって、地域性を考慮し、子どもたちが伸び伸びとできるような環境に合わせた保育の計画を策定しました。子どもの主体性や自主性を大切にし、常に一人一人の子どもと向き合う保育を行っています。自分の気持ちを表現しつつも協調性を持ち、自分の意見を言いながらも相手を配慮できるように、身近なところから子どもたちに伝えています。遊びを通して友達とのかかわりや社会的なルールを学び、バランスの取れた人の気持ちがわかる子どもになってほしいと考えて保育を行っています。

○キャリアパスに基づき職員の個人研修計画を作成、推進し、個人の自己研鑽を支援しています
 法人では、キャリアパスの一環として「仕事グレード基準概要」「職務基準書」を示して、階層別に求められる職員像、期待水準が明らかになっています。園ではこれに応じて、「年間個人研修計画」を年度初めに作成し、必要な外部研修に職員を派遣しています。職員は、個人ごとに設定した目標をもって自己研鑽に取り組んでいます。さらに全体の「園年間研修計画」が作成され、個人の自己研鑽を後押しするとともに、園が取り組むべきテーマを設定し、計画的な人材育成、保育の質の向上に取り組んでいます。

○保育目標実現のため、保育環境や人的環境を整える努力をしています
 保育目標として「体育を通した元気な身体」「いっぱい遊び、たくさん学ぶ」「夢と希望にあふれる心」を掲げています。それらの実現のため、園では、子どもたちが思いきり体を動かして遊ぶことができるよう環境作りに力を入れています。園の3階には、まるで隠れ家のような2階建ての固定遊具があり、子どもたちがそれぞれ工夫しながら遊んでいます。ホールのように広い廊下では、マット遊びや平均台、リズム体操、リトミックなど全身を使った遊びを行うことができます。また、職員は、言葉使いや子どもとの接し方について話し合ったり、朝礼や終礼で園の方針や保育目標を復唱しており、温かい態度で子どもと接し、子どもたちの夢が膨らむよう自主性を重んじて保育を行っています。それらを通して、子どもたちはいきいきと活動しています。

《事業者が課題としている点》
 人材確保を課題としています。新任者はていねいに、ゆっくりと育成していくよう心がけ、今働いている職員は貴重な人材として再認識し、長く勤めていけるようモチベーションを上げていきたいと考えています。園外保育での安全対策も課題としています。子どもたちの公園での自然体験や社会体験を確保していくうえで、近隣の交通事情を踏まえた安全な移動方法を模索しています。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

 たまプラーザ小桜愛児園は社会福祉法人小桜会が運営する保育園です。あざみ野、中川の2か所に系列園を持ち、たまプラーザ小桜愛児園は2018年4月に開所しました。理念と方針は3園共通で、理念は「一人ひとりを大切にした、健やかな育成」、方針は「豊かな人間性を育める保育や環境の創造」です。理念と方針は毎日朝礼で読み合わせ、内容をより深く理解するために、折に触れて話し合います。年度末にそれぞれのクラスの職員が振り返りを行い、行っている保育と理念、方針を十分に理解できているか検討します。理念や方針は明文化され、パンフレットやホームページ上でも掲示しています。保護者には入園前の説明会で周知しています。保育は方針に沿って実施されています。
 子どもを呼ぶときには、「さん」または「ちゃん」をつけて呼んでいます。職員は子どもたち一人一人の育ちを考慮しながら、日々の活動の際にもせかしたり、強制したりせずに子どもの動きに合わせた保育をしています。職員会議では子どもの人権、子どもへの接し方などについても話し合います。穏やかに対応するのみでなく、必要であればしかり、その後、子どもの様子の変化を観察する姿勢が大切だと考えています。園長は折に触れて、子どもも自分と同じ一人の人間であること、自分がやられていやなことは子どもにもしないように話しています。職員は子どもの気持ちを受け止め、子どもの発達や年齢に合わせてわかりやすい言葉を使って話しています。
 子どもが一人になりたいときや、友達や職員の視線を意識せずに過ごしたいときは、3階にある家屋型の固定遊具やピアノの下などの、子どもが好んで過ごす場所に職員が誘導します。必要に応じて、職員室や相談室で一対一で話し合うことができます。園の入り口の脇には絵本コーナーがあり、本の好きな子どもが来ています。保育室にコーナーを作ったり、マットを敷いて空間を区切って、その中で遊ぶことを好む子どももいます。各クラスを仕切るパーテーションにはガラス窓がついていて、職員はそこから隣のクラスの活動の様子を見て、職員間での連携をとっています。おねしょをした場合はそっとトイレに連れていき、温水シャワーで洗浄し、布団を片付けています。


2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

 園のある地区は横浜市で最も北に位置し、駅周辺は電鉄会社の開発による新興住宅地です。園の周囲には緑が多く、周囲には10か所以上の保育園があります。園の利用者は核家族が多数を占めますが、中には三世代家族もいます。利用時間は8時半から18時半が一番多くなっています。こうした現在の保育を取り巻く環境や、園の保育理念や方針を考慮したうえで、全体的な計画は園長が中心となって作成しました。作成の後、年度末に全員で読み合わせを行い、内容の確認と指導計画との整合性について話し合いました。全体的な計画は入園説明会、懇談会で保護者に説明します。また、改定した際には保護者に説明することにしています。
 全体的な計画を基に、年齢ごとに指導計画を作成しています。年間指導計画は期ごとに、月間指導計画は月ごとに、具体的な目標を定めています。職員は子どもたちの意見を聞き、遊びや製作の内容などに柔軟性を持たせています。写真や絵を使った掲示物を作り、子どもたちが活動の中で生活のルールや遊びの理解を進めることができるように工夫しています。0歳児は泣き声や態度から、1歳児以上は表情や体の動きから子どもの意思をくみ取り、子どもの言葉に耳を傾けます。職員は子どもと向かい合い、子どもの自主性や主体性を育てるために臨機応変に対応し、子どもたちの意見が生かされ、意欲を高める保育を心がけています。
 職員は3月中旬の土曜日に開催される入園前の説明会とその後の懇談会、試食会を通して、保護者と一緒にいる子どもの様子や親子関係を観察しています。また、その際に保護者からの質問や問い合わせに答えます。質問の内容によって、個別の配慮が必要だと考えられる場合は、園長を交えて面談しています。担当の職員は観察からとらえた子どもの様子を児童票に記録し、同時に提出書類の内容とすり合わせています。栄養士と調理員との3者会議では「離乳食実施状況調査票」を見ながら、子どもの成長に合わせた食事の内容や提供方法について検討します。それぞれの記録を基に指導計画が立てられ、日々の保育に生かされています。


3 サービスマネジメントシステムの確立

 保護者に配付する入園のしおりで、短縮保育について説明しています。期間は全クラスほぼ1週間で、実際には4日から7日で完了しています。0、1歳児の担当は、職員同士が話し合って主にかかわる子どもを決めています。子どもが園に来る際に心理的なよりどころとする物を持ち込むことを許していますが、おもちゃの場合は階下に置くことになっているベビーカーに取りおいてもらっています。全年齢の子どもたちに連絡帳があり、0〜2歳児の連絡帳は毎日書いて、子どもの様子を知らせるとともに、家庭での生活状況を記してもらっています。進級の際には前担任をできるだけ残し、子どもが安心して生活できるようにしています。
 年齢ごとに年間、月間指導計画があり、月反省やクラス会議で子どもたちの発達や状況を話し合っています。話し合った結果は記録、ファイリングして園長をはじめとする関係者が閲覧します。月間指導計画を改定する場合は、月反省の振り返りに基づき、保育経過記録や家庭の状況なども踏まえて行いますが、担任以外の職員も参加して作成しています。改定案は園長の承認を得た後、連絡帳に書いたり、子どもの送迎の際に保護者に伝達したりして意見を聞いています。保護者の要望に応じて、面談して話し合うこともあります。アンケートに書かれた保護者の要望は、クラス会議や職員会議で話し合い、検討した結果を指導計画にも反映させています。
 児童票や家庭状況調査票、生活管理指導表に、子どもや家庭の状況や、保護者の要望などを記録しています。子どもの心身の発達は健康診断などで測定した後、連絡ノートで保護者に報告しています。5歳児の保育所児童保育要録は、法人共通の個人情報管理規定に従って小学校に送付しています。日々の子どもの様子は朝礼や終礼で報告し合いますが、ノートにも記録して、全員が共有できるようになっています。定期的に作成している保育過程記録は、月反省で内容を共有するとともに、リーダー会議でも話し合って確認しています。重要な申し送り事項は年度の終わりにクラスリーダーでの申し送りによって引き継ぎ、クラス内に伝達しています。


4 地域との交流・連携

 バザーによる地域住民との交流や、自治会役員との意見交換のほか、園庭開放、育児相談、散歩に出かける公園での地域の親子との交流などを通じ、身近な地域住民の要望を把握し、運営に生かすよう努めています。さらに、青葉区の子育て支援「なしかちゃん広場」など、保育イベントに参加し、区内の未就園家庭の保護者の要望を聞くよう努めています。園長会では保育ニーズへの対応などをテーマに検討し、地域の保育水準向上に取り組んでいます。地域の医療機関、児童相談所、地域療育センターあおばなどとの連携を図り、子どもの健やかな成長に向けて協働して取り組んでいます。
 園庭開放や育児相談で把握した身近な地域の保育ニーズや、園長会や横浜市から提供される資料などをもとに、市や県レベル、また全国的な保育ニーズの動向や政策の方向性を把握し、これをもとに職員会議などの機会に園運営や地域支援策の検討を行っています。子育て支援事業の一環として、園では園庭開放、一時保育などの活動に取り組み、多様な保育ニーズへの対応とともに、新たなニーズの把握にも努めています。さらに、国際化に対応する教育の一環として、英語教室の体験の機会を設け、保護者の多様な教育ニーズへの対応に努めています。
 園のホームページに園だより、ブログ、献立表、食育レターなどの情報を載せて、園の保護者はもとより、未就園家庭の保護者にとっても、子育ての参考となる情報の提供に努めています。さらに近隣の小学校に園だよりを送付するとともに、小学校からは「学校だより」の送付を受けるなど、日常的な幼保小連携の基盤作りに取り組んでいます。また、青葉区の保育園紹介でのパネル展示や、子育て支援拠点や行政のホームページの保育園紹介コーナーへの情報提供を行うほか、運動会など行事の案内を近隣住民に知らせ、あわせて保育園についての啓発にも取り組んでいます。育児相談は随時受けていますが、相談しやすい環境作りのためにも、今後は相談日を明示して取り組まれることを期待します。


5 運営上の透明性の確保と継続性  園のホームページでは、保育目標、年間行事、入所のご案内、一日の流れ、お便りなどの情報を提供するとともに、紙で情報を活用したい方のため、リーフレットなどをダウンロードできるようにし、閲覧者の利便に配慮しています。さらに園のブログを随時更新するなど、最新の情報を提供するよう努めています。青葉区の子育て支援拠点「ラフール」や県が運営する保育園紹介サイトに情報を提供し、保護者が園の保育情報にアクセスしやすいよう配慮しています。青葉区の専任保育士との交流や、園見学者を積極的に受け入れるなど、風通しがよく、情報をオープンにした運営に努めています。また、玄関に職員紹介パネルを掲示し、人的なサービス提供情報の開示にも努めています。
 入園のしおり(重要事項説明書)には、保育理念、保育方針、保育目標、保育内容などの説明をわかりやすく掲載し、保護者には入園説明会でていねいな説明を心がけるほか、見学者にはリーフレットを使ってわかりやすく説明しています。また、見学希望者には、子どもたちの活発な活動を見られる午前中を勧めながらも、希望者の都合に合わせるよう努めています。さらに説明内容にばらつきをなくすため、見学マニュアルを作成し、職員に周知するとともに、各保育室に常備しています。見学者とのやり取りは記録し、その方のその後の対応に使うほか、意見などがあれば運営改善における基礎データとして活用しています。
 法人における法、規範、倫理は、就業規則の「服務規律」に示され、業務マニュアルでは「保育の基本編」「服務の心得」で、より具体的な職員の行動基準を示しています。特に保育の基本編の「子どもの人権を守るために」の項では、場面に応じた言葉かけの事例を示し、子どもの心を傷つけないよう職員に注意喚起をしています。さらに行政や事業者団体、業界紙から収集した不適切な事例などを会議で共有して、職員がそのような行為を行わないよう啓発に取り組んでいます。法人では、福祉医療機構のホームページの電子開示システムで現況、財務の情報開示を行っています。同時に法人、園のホームページで運営情報の開示を行い、透明性の高い組織運営に取り組んでいます。
6 職員の資質向上の促進  園では、所属する事業者団体の人材育成、確保に関する活動に賛同し、後進の育成を目ざして実習生を積極的に受け入れています。受け入れ前には、職員会議で受け入れ態勢について協議し、園だより、園内掲示により保護者に協力を呼びかけています。受け入れ担当は副園長が担い、担任と連携しながら実習生にとって貴重な体験となるよう配慮しています。オリエンテーションを実施するほか、実習途中、実習後に園長面談を行うことで、実習にメリハリをつけるよう工夫しています。希望に応じて責任実習を行うほか、午睡時や朝礼、終礼で担任が質問に応じるなど、実習生の学習が深まるよう協力しています。担当教諭との情報交換や記録などを通じて、振り返りを行い実習支援の質の向上に努めています。
 園長は、資質や経験年数、人材育成の視点から総合的なバランスを考慮して職員配置を行い、これに支障が生じないよう職員の確保に努めています。法人ではキャリアパスが構築され、階層ごとに求められる習得目標が示されています。これに応じて個人別の研修計画が年度初めに作成され、必要な外部研修、園内研修に参加し、個人ごとに資質向上に努めています。また、年度末に振り返りの機会をもち、次年度につなげる仕組みが整っています。園内研修計画では、全体の保育水準向上に向けたテーマを設定し、個人の自己研鑽を後押しできる研修機会を確保しています。また、目標管理の一環として、「目標達成評価」を全員が行い、個人別の研修計画に反映するようにしています。
 年度初めに園内研修計画を作成するとともに、キャリアパスに応じて個人別の研修計画を作成しています。園ではリトミックを重視しており、園内研修計画の内容にも反映しています。保育水準を確保するため、勤務形態に配慮しながら、非常勤職員も研修に参加できるよう工夫しています。職員が希望する外部研修は、可能な限り参加してもらうよう努め、シフトなどで配慮しています。さらに法人の系列園と合同で研修を行い、同年齢を担当するクラス担任が交流する機会を確保しています。職員は系列園の取り組みに刺激を受け、いっそうの資質向上に努める良い機会となっています。さらに研修参加者は報告書を作成して振り返りを行うとともに、報告会で発表し、研修成果の共有に努めています。

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