かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

ひなた保育園

対象事業所名 ひなた保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 夢の成る木
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 243 - 0406
海老名市国分北4-12-28
tel:046-259-6871
設立年月日 2017(平成29)年09月01日
公表年月 2019(令和元)年10月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特色】
・立地および施設の概要
ひなた保育園は、社会福祉法人夢の成る木を経営母体とし、平成29年9月1日に海老名市の認可保育園として開園しています。園舎は木造スレート葺造の2階建てで、同法人の学童保育を併設しています。0歳児から就学前児童を受け入れ、定員は72名で、現在93名が在籍しています。園へのアクセスは、相鉄線かしわ台駅から徒歩10分程で、近隣には北部体育館、小学校、住宅地のほか、自然が豊かな環境の中、市民の憩いの場の北部公園を始め、さまざまな公園などがあり、子どもの年齢や活動に応じ園外保育コースを選んでいます。

・園の特徴
園は、@食と農 A園外保育 B絵画造形の三つを保育の柱としています。年齢ごとの指導計画に加え、食育計画、絵画・造形年間指導計画(食と農に基づいた特別活動を含む)を作成し、計画的に取り組みながら子どもたちの成長を見守っています。

【特に優れていると思われる点】
1.子どもの育ちを支える三つの保育の柱
@食と農
米作りは土作りと種もみの発芽から始め、野菜はインゲン、だだちゃ豆、ニラなど種から栽培しています。子どもたちは米作りの過程でクモがお米を守ってくれること、カエルが害虫を食べてくれること、米に花が咲くことなど農作業を通して発見や感動を繰り返しています。また、かかしを作ったり、稲の刈り入れ後は天日干し、籾摺りを経験したりしています。収穫後は玄米おにぎりを作ったり、米ぬかで床をみがいたりしています。収穫した野菜は、給食やおやつに登場します。また、玄関脇の調理室には、子どもの目線に合わせた所に小窓があり、子どもたちは前を通るとき「今日のおかずなぁ〜に」と調理担当者に気軽に話しかけたり、給食を作っている様子を覗いたりしています。
A園外保育
園周辺は、自然が豊かな環境が残っています。その環境を生かし、市民の憩いの場の北部公園を始め、子どもの興味や関心、能力に応じてねらいを決め、斜面のある森や裏山、子どもの足で20〜30分程も歩く場所など、たくさんのコースの中から行き先を選んで出かけています。捕まえたカブトムシ、クワガタ、ザリガニ、カエルなどは保育室で飼育しています。ヤドカリ釣り遊びは低年齢児もお気に入りです。大事に育てたカブトムシが死んだときは園庭にお墓を作り、埋葬しました。ウスバカゲロウの羽化も見守っています。子どもたちは、自然の中で、街中で、保育室で心に残る実体験、原体験を繰り返しています。
B絵画造形
食と農、園外保育などさまざまな体験を通した感動や知識を再確認し、表現につなげるために、絵画造形活動を取り入れています。描画活動で3歳児以上は72〜80色の絵の具の中から自分の気持ちに合った色や、描く内容に合った色を自分の感性で選べるようにしています。子どもたちは育った感性や美的感覚でイメージを広げ、空想の生き物も生き生きと描きます。子どもたちが相談しながら作った「生き物のおうち」はマンションのような形の大作になりました。子どもたちの作品は日常的に廊下や壁面など、園内のあちこちに大切に展示しています。園行事の野外造形展で作品を展示し、保護者のほか、地域の人々にも楽しんでもらっています。その他に、世界児童画展や海老名市内の認可保育園年長児による絵画展に出品しています。

2.職員の記録、振り返りやチェックリストを活用した自己評価の仕組み
職員は、園の保育方針である「子どもの力を信じ 優しい心と 豊かな感性を育てる」の実践のため、記録、振り返り、自己評価を丁寧に行っています。事例として、全クラスの日誌に個別欄があり、子どものエピソードやトピックがあった時に記録をしており、経過記録が期ごとになる3〜5歳児も日誌から成長を追うことができます。月間指導計画には「子どもの育ちを捉える視点」と「自らの保育を振り返る視点」の自己評価欄があります。2つの視点から記録をとっていくことで自らの実践の振り返りや、改善につなげやすいよう工夫しています。さらに園独自の「保育内容等の自己評価のためのチェックリスト」(156項目)を用いて、全職員が保育の理念・保育観、実際の保育の内容について自己評価をして質の向上に取り組んでいます。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.より具体的な単年度計画の作成
中長期計画を踏まえた単年度の計画として収支計画と定員変更をあげています。単年度計画は当該年度における具体的な事業や保育などに関わる内容がより具体化されていることが求められます。職員の自己評価や保護者アンケートなどから改善課題を取り上げ、具体的施策として計画に反映することが期待されます。

2.地域の保育所・学校・福祉施設などとの交流
地域の小学校とは、5歳児が就学前に小学校を見学したり、運動会に参加するなど、単発的に交流しています。今後、近隣の保育園とのドッジボール大会を実施する予定はありますが、日常的な交流に関しては今後の検討課題としています。開園2年目ではありますが、開かれた保育園づくりのため、地域の保育所・学校・福祉施設などと日常的に交流を図っていくことが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・「子どもの力を信じ、優しい心と、豊かな感性を育てる」を保育理念に掲げ、園目標を「感性豊かな子ども」「自らの力で物事を発見できる子ども」「認め合える子ども」としています。それらはすべて子ども本人を尊重したものとなっています。

・障がいのある子ども、アレルギーのある子ども、外国籍の子どもなど、特に配慮を要する子どもを積極的に受け入れています。職員会議、カリキュラム会議の中でケース検討を行い、配慮や関わり方が適切かどうか話し合って、会議録に残しています。

・虐待が疑わしい場合や明白になった場合は、園長が海老名市保育幼稚園課、厚木児童相談所など関係機関に通告・相談する体制を整えています。「要保護児童対策地域協議会」との会合や電話連絡など適切な対応につなげています。

・個人情報の取扱いについては「特定個人情報等取扱規程」に記載しています。園長は入職時に説明をし、全職員に周知しています。守秘義務について、職員は入職時に就業規則を見ながら説明を受け、誓約書に署名・捺印をしています。
・年に一度の大切な誕生日を友達、保護者、職員みなでお祝いするため、「お誕生日バッジ」を用意しました。バッジは併設しているひなた学童クラブの子どもたちが作っています。バッジをつけた子どもはその一日「おめでとう」とあちこちから声がかかります。

・職員は「人権擁護のためのチェックリスト」や「保育内容等の自己評価のためのチェックリスト」を一人一人が所持しており、クラス内で自分たちの行動の振り返りに活用して、常に公平で温かい態度、言葉遣いで子どもに接することができるよう取り組んでいます。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・職員は、子どもたちの自由な発想や意見を聞きながら日々の保育や行事への取り組みを進めています。子どもが「やってみたい」と思えるような活動をするために計画には柔軟性を持たせ、子どもが意欲的に活動できるようにしています。全体的な計画、年間指導計画に盛り込んでいる「幼児期の終わりまでに育って欲しい10の姿」を常に念頭に置き、月間指導計画、週案を立てています。

・0歳児保育において、職員はスキンシップをとりながら、子どもの表情や様子を感じ取るようにしています。子どもの欲求に対し、満たされるように寄り添っています。

・1歳以上3歳未満児保育において、職員は一人一人の成長発達や自分でしようとする意欲に合わせて子どもの気持ちに寄り添いながら、できた時は十分に褒めています。職員がおもちゃの片付けを手伝った時には「ここまでできたね」と頑張ったことを認めていく言葉かけをしています。

・3歳児以上の保育においては、集団遊びを取り入れながら、友達と一緒に遊ぶ楽しさや充実感を味わえるようにしています。自分のことを主張したい気持ちを受容しつつ、友達の真似をしたり、貸し借りを覚えたりし、安定して活動ができるような声かけや援助をしています。

・子どもが主体的に活動できる環境構成として、おもちゃなどは、子どもが自分で取り出して遊べるよう低い棚にしています。

・0〜2歳児の保育室は、ブロック、絵本、ままごとコーナーなどを設け、数人の子どもが落ち着いて遊べる環境にしています。3〜5歳児の保育室は広く遊べる場所、少人数で遊べる場所などのコーナーに分けています。「遊び」が主体のデイリープログラムになっており、雨の日以外は園庭遊び、園外保育で遊び込み、室内でも自分の好きなコーナーで遊び込める時間が確保されています。

・行事ごとにアンケートを行うほか、年1回保護者アンケートを行い、保護者の意見・要望を把握しています。個別面談は年1回実施し、クラス別懇談会は年2回行って、保護者との交流・連携を図っています。
・職員は、送迎時にその日の子どもの様子をエピソードを交えて伝えるように心がけています。0〜2歳児は「連絡ノート」に、家庭での様子、園からのコメントなど記載し、情報交換しています。3〜5歳児は玄関の「お知らせボード」にその日の活動を掲示しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・全体的な計画に基づき、年齢ごとに前年度の反省をふまえた年間指導計画を作成し、それを基に月間指導計画、週案につなげています。その他に、食育計画、保健計画、絵画・造形年間指導計画を作成しています。

・言葉の理解ができる年齢では、子どもの発想、興味関心を示したものなど子どもからの発信を十分に受容しています。子どもの行動には意味のあることを職員は理解し、一対一でゆっくり向き合い受け止めるよう努めています。

・入園前の保護者との個別の面接や提出書類で得た子どもの性格や様子を参考に、園生活を無理なく始められるようにしています。なれ保育期間は1週間を目安としていますが、保護者の考えや状況を考慮し、相談をしながら期間短縮、延長は柔軟に対応しています。

・0〜2歳児クラスと障がいのある子どもについては、一人一人の子どもの状況や育ちを話し合い、発達の個人差を踏まえた上で、個別指導計画を作成しています。

・入園時に把握した生育歴などを始め、子どもの成長発達記録は、0〜2歳児は毎月記録し、3〜5歳児は4か月ごとに経過記録に記録しています。子どもの記録はクラスごとにファイルし、必要に応じて職員はいつでも見ることができます。

・職員間の引き継ぎや保護者への伝達事項は、「引継ぎノート」に記載しています。申し送った際はチェックやサインをするなど、適切に引き継ぎ確認が行われることが望まれます。

・苦情対応マニュアルがあり、苦情受付担当者、苦情解決責任者、第三者委員の氏名・連絡先を明記しています。苦情を受けた場合には第三者委員を交えて対応する仕組みがあり、園のみで解決できない場合は、海老名市保育幼稚園課と連携して対応する仕組みがあります。

・健康管理に関するマニュアルがあり、健康診断、健康管理、病気のときの対応など、マニュアルに基づいて一人一人の健康状態を把握しています。衛生管理に関するマニュアルがあり、「清掃チェックリスト」「安全点検票」など活用し、職員が分担して清掃を行い、清潔・適切な状態が保たれています。

・安全管理に関するマニュアルがあり、事故や災害に備えた安全対策を実施しています。危機管理マニュアルの中に睡眠中、食事中、プール活動と分けて掲載し、それぞれ事故防止に取り組んでいます。

4 地域との交流・連携

・園庭開放、交流保育、誕生会、育児相談などの取り組みや園見学対応を通し、地域の子育て支援ニーズの把握に努めています。また、園長は海老名市の園長会、海老名中学校区の幼保小中連絡協議会などの会合に参加しています。

・育児支援事業として、園庭開放を毎週木曜日(午前中)に行い、未就園児は同年代のクラスの子どもたちと交流をしています。育児相談は毎週木曜日に実施し相談の内容により、海老名市保育幼稚園課や海老名市わかば学園、厚木児童相談所など関係機関と連携を図っています。

・園の入口に掲示板を設置しており、夏まつり、造形展、収穫祭などはチラシを掲示して知らせています。第1回野外造形展には350人くらいの参加者があり、収穫祭には地主さんや近隣の方も参加しています。

・ボランティア受け入れマニュアルがあり、就業を希望している保育士資格者、大学生、高校生を保育補助として受け入れています。ボランティアの人からも学ぶ姿勢で受け入れています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・園のホームページで経営、運営状況を公開しています。さらにワムネット(独立行政法人福祉医療機構)で法人の現況報告書、決算書などを公開しています。

・職務分掌と権限・責任に関しては職務分担表に示され、いつでも確認することができます。会計処理は外部の会計サービス会社に委託をしており、会計サービス会社や専門家(弁護士、司法書士、社会保険労務士)などから運営上の指導、助言を受けています。

・保育所の運営方針、保育理念、目標を玄関フロア、事務室に掲示し、確認ができるようにしています。理念、方針、目標を明記した園のしおりを毎年全職員に配付し、園長は、職員会議で毎回意識づけを図っています。保護者には、入園時の説明会で「保育園のしおり」(重要事項説明書)を配付して園の保育方針を説明しています。

・園長は、海老名市の園長会、市長・教育や保育に関する市の職員などと定期的に面会や話し合う機会を持ち、事業運営にかかわる情報の収集をし、分析をしています。重要な情報は、園長、副園長、主任の幹部職員で討議し、職員会議で職員に周知しています。

・園の中期的な方向性を示す令和元年〜3年度までの中期計画(あるべき姿)として、「横浜市及び海老名市の公立保育園の民間移管にチャレンジ」を策定し、具体的な施策を掲げて取り組んでいます。

6 職員の資質向上の促進

・園長はクラス編成、個々の経験年数(職能)など全体のバランスや本人の希望を考慮し、人員配置を行っています。

・人材育成計画は、初任者向け、中堅向け、主任・ベテラン向け、指導職員・管理職層向けの4つの階層別からなり、各階層別の目標と計画達成のための研修計画を作成しています。経験年数に応じた役割(期待水準)や目標が明文化されており、職員のキャリア形成やスキルアップに見通しを持って取り組むことができます。個別の外部研修計画を策定し、本人の希望を考慮しながら研修への参加を促しています。

・人事考課制度により、職員は年度初めに「目標・自己評価管理シート」を作成して中間期、年度末に園長面談を行い、達成度を評価しています。非常勤職員にも「目標・自己評価管理シート」と「自己評価のためのチェックリスト」を配付し、資質や意識の向上に活用しています。

・実習生を受け入れ、自分たちの保育を見直していくという姿勢を大切にしています。実習最終日は、園長、副園長、職員を交えて実習生の良かった点を伝え、今後の保育に活かしてもらうことや、未来の保育士を応援・激励する場を設けています。

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