かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

小桜愛児園

対象事業所名 小桜愛児園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 小桜会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 225 - 0011
青葉区あざみ野1-32-6
tel:045-901-0141
設立年月日 1963年11月01日
公表年月 2019(令和元)年09月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 小桜愛児園は、横浜市営地下鉄ブルーラインおよび東急田園都市線「あざみ野」駅から徒歩で10分ほどの位置にある、1963年11月開所の社会福祉法人小桜会が運営している私立保育園です。近くには自然豊かな公園があり、散歩コースに恵まれています。保育目標に「明るく元気な子」「仲良く遊べる子」「ものを考え作りだす子」「心身ともにすこやかな子」を掲げ、豊かな人間性を育てる保育を進めています。0〜5歳児が対象で定員は180名、開園時間は、平日は7時30分から19時、土曜日は7時30分から18時30分です。0〜2歳児クラスでは生活習慣が身につくことを大切に考え、3〜5歳児クラスでは日常の保育や行事の実施において子どもたちの主体性を大切にし、社会性を身につけることができるような環境作りをしています。地域の子育て支援として、土曜日の園庭開放や育児相談なども行っています。

《特に優れている点・力を入れている点》
○子どもの最善の利益を第一義とした「子どもファースト」の保育を行っています
 保育理念や方針を柱に、健やかで豊かな人間性をはぐくむ保育を目ざし、環境を整備した保育を行っています。子どもの主体性を重視し、一人一人の子どもの発達に合わせて、職員は子どもに向かい合っています。1クラスが30人を超えるクラスがほとんどなので、複数担任が連携して、安全で安心な保育生活ができるようにしています。職員は、0歳児では職員との関係性を確立し、1歳児では周囲やほかの子どもとのかかわりを増やし、2歳児では育ってきた言語能力や身体機能の発達を助けます。3歳児以上は基本的生活習慣やルールを身に着け、友達とのつながりの中で相手を思いやる気持ちを持てるようになっていきます。5歳児では就学に向けてのアプローチカリキュラムを活用して、子どもが自信と就学への意欲を持てるように、保育をしています。

○年間研修計画をもとに地域に開かれた内部研修を実施し、職員のスキルアップおよび保育支援に貢献しています
 園長を中心に年間研修計画が策定されており、非常勤職員を含めた全職員が内部研修を受講することができます。5月には全職員を対象に「救急法研修」が行われ、8月の「療育研修」、9月の「絵本研修」、毎月2回開催される「リトミック研修」は、常勤職員は参加、非常勤職員は任意参加で行われています。絵本研修は保護者の参加も可能となっており、保育における絵本の重要性を共有しています。園では、保育理念および方針、保育目標を実践の場において周知することを目ざすという園の方針に基づいて、職員会議やケース会議なども「研修」の一環としてとらえています。園外における研修を「外部研修」とし、希望に応じて年間100近くの研修に職員を参加させています。研修成果は職員会議などで共有され、保育の質向上に生かされています。
○園を地域活性化の拠点の一つと考え、子育て支援および関係諸機関との連携に積極的に取り組んでいます
 地域における保育園の重要性を認識する園は、地域におけるニーズを的確に把握し、子育て支援および連携、交流に取り組んでいます。近隣の小規模保育園に園庭を開放し、職員の専門性を生かして保護者対象に「絵本の読み聞かせ」を行うなど、地域に開かれた保育園を目ざしています。また、近隣他園や小学校と畑作業やドッジボール大会などを通じて交流を深めており、保育情報の引き出しを増やすうえで大きく貢献しています。近隣住民への配慮として、地域のスーパーマーケットや交番、消防署などに子どもたちが勤労感謝のプレゼントを持って行ったり、近隣住民に年賀状や暑中見舞いを送付したり、職員が毎月1回園周辺のゴミを拾ったりして、地域とのより緊密な関係作りと園への理解促進を図っています。

《事業者が課題としている点》
 人材確保を課題としています。新任者には、ていねいにゆっくりと育成していくよう心がけ、今働いている職員は、貴重な人材として再認識し、長く勤めていけるようモチベーションを上げていきたいと考えています。また、近隣住民と良好な関係を築くことや、園外保育での安全性も課題としています。特に、公園での自然体験や社会体験を確保していくうえで、近隣周辺の交通事情を踏まえた安全な移動方法を模索しています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  小桜愛児園の保育理念は「一人ひとりを大切にした、健やかな育成」、保育方針は「豊かな人間性を育める保育や環境の創造」となっており、同法人の系列園であるたまプラーザ小桜愛児園、中川小桜愛児園と共通です。園長や職員は、子どもの健やかな育ちが一番大切であると考えています。理念と方針は9年前に一部文言を変更しましたが、内容は変えていません。保護者に配付する「入園のご案内」や「全体的な計画」の中に理念や基本方針を記載するほか、園長室や職員室、保育室に掲示して、保護者に周知しています。職員は年度初めの会議の中で理念と方針について話し合い、保育内容が基本方針にあったものであることを確認しています。
子どもを呼ぶときは、「さん」または「ちゃん」を付けて呼んでいますが、子どもが呼んでほしい呼称を使うようにしています。日常の保育の場面ではなるべく大きな声を出さないようにしていますが、ほとんどのクラスの人数が30人を超えているため、集団の中で声が届く程度の大きさで声かけするようにしています。職員は一人一人の子どものペースに合わせて、せかしたり強制したりせずに子どもが活動できるようにしています。園長は業務マニュアルや会議、伝達事項で子どもの人権について話したり、ほかの研修で学んだことを職員に伝えています。職員は「ゆっくりさんはゆっくりさんでいける」保育について話し合い、互いを啓発しています。
 子どもが一人になりたいときや、職員の視線を意識せずに過ごしたいときには、コーナーを作ったり、職員室の一角や園長室に来ることができるようになっています。子どもたちは本棚やおもちゃの入った箱で囲われた空間で小集団になって過ごしたり、職員と話したりします。友達に知られたくないことを話すときや、おねしょをしたときは、職員がそっと連れ出します。おねしょの始末はトイレで行いますが、ほかの子どもが目にしてしまったときも自然な対処を心がけています。絵本コーナーがあり、本が好きな子どもが一人で読んでいることもあります。園長は今後、職員室を仕切った空間を活用していくことや、固定遊具の導入を検討しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  園では保育所保育指針を全職員に配付し、年度末に全体的な計画とのつながりや、子どもの最善の利益を第一義とすることを確認しています。全体的な計画は園長を中心として毎年修正や追記などを行って見直し、保育のスキルアップを図っています。この地区は東京方面へのアクセスが良く、ベッドタウンとしても人気が高い地域です。園の利用者は核家族が多数を占めますが、中には三世代で住んでいる世帯もあります。利用時間は7時半から18時がほとんどですが、1割以上の家庭は延長保育を利用しています。全体的な計画は入園前の説明会でその内容を保護者に説明すると同時に、園内に掲示していつでも保護者が閲覧できるようにしています。
 全体的な計画に基づいて作成された年齢ごとの年間、月間指導計画があります。担当の職員は、子どもの表情や子どもとのかかわりを手掛かりとして、子ども一人一人の意見や意思をくみ取り、指導計画に反映させています。指導計画の見直しのための会議は副園長を中心に、月ごとの反省会やリーダー会議で行います。園長は園長室にいて園全体の雰囲気を感じるとともに、園長室の扉を開けて、いつでも子どもが入れるようにしています。日ごろの保育活動では子どもたちの主体性を育て、発揮できるようにするために、遊びやルールが理解できるように、遊具の写真を遊具棚に掲示したり、ホワイトボードを使って説明したりしています。
 入園が決まった子どもの保護者には事前に、家庭状況調査表や入園前の生活状況表、アレルギー疾患生活管理指導表などを郵送しています。3月中旬に実施している入園前の説明会で、保護者に持参してもらった各種帳票の内容を確認するとともに、子どもの心身の状況や親子の関係を観察し、児童票に記入しています。入園説明会の後は懇談会、給食の試食会を行って、子どもの食事の量や食事をさせる場合に気を付けることなどを保護者と話し合い、情報交換しています。園で生活する際に特別な配慮やアレルギー対応を必要とする子どもには、保護者、栄養士、担任での三者面談を行っています。入園時に得た情報は記録し、日々の保育に生かしています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 入園のご案内や配付する園だよりなどの中で、短縮保育について説明しています。短縮保育のめどは入園から約1週間ですが、子どもの様子、保護者の就労状況に合わせて柔軟に対応します。0、1歳児に対しては食事や日ごろの生活習慣、愛着関係の相性などで、緩やかな担当制をとっています。入園当初はタオルやぬいぐるみなど、心理的なよりどころとする物の持ち込みを許しています。連絡帳はウェブシステムを使用し、すべての年齢の子どもを対象としています。0〜2歳児には毎日、3〜5歳児には特記事項があるときに記入しています。進級の際には担任のうちの一人は残し、進級した子どもが落ち着いて生活できるようにしています。
 年齢ごとに年間指導計画、月間指導計画、週案を作成しています。年間指導計画はクラスのリーダーを中心に、子どもたちの発達段階に合っているかどうかを検討して作成し、園長の承認を得ています。年間指導計画を基に月間指導計画、週案を作っていきます。指導計画は、日誌などの記載も含め、子どもの状況に応じて、職員が試行錯誤しながら、そのつど改善していきます。保護者の要望は行事が終わった後の懇談会や父母の会などで話し合う際に聞いています。ウェブシステムの連絡帳などから要望が出てくることもあります。指導計画は副園長が中心となって評価や改定を行っていますが、その際には保護者の意向も反映しています。
 入園の際には子どもの個別の状況や家庭の要望を「入園までの生活状況表」に記入してもらいます。入園後は「個人別成長記録」「身体測定表」などに子どもの成長発達の状況を記録しています。子どもの記録は紙媒体とともに保育業務支援システムに保存されおり、必要に応じて全職員が共有することができます。5歳児が入学する予定の小学校に保育所児童保育要録を送付しています。送付のめどは3月中旬過ぎで、クラス担任が作成したものを園長が確認し、簡易書留で郵送しています。保護者からの保育所児童保育要録の閲覧希望や、小学校に入学してから教員から問い合わせがあれば、答えていきたいと考えています。
4 地域との交流・連携  園長は園を地域活性化のための重要な拠点として位置づけ、積極的に子育て支援に取り組んでいます。毎年8月と11月に行っている「給食体験会」では、園の栄養士と保育士が子育て中の保護者を対象にした食育を行っています。また、畑での農作業体験をはじめ小学校のイベントに参加するなど「幼保小連携」を進めるとともに、園長は園長会と同時に行われる「虐待連絡会」に参加して民生委員などと情報交換を行い、課題の把握に努めています。子育てに対する保護者の不安を解消することを目的に、要望があれば子育て相談を受け入れる体制を整えるとともに、近隣の小規模保育園に園庭を開放するなど、子育て支援のネットワーク構築に取り組んでいます。
 園内研修の一環として職員がその専門性を生かして「絵本の読みきかせ」を行っていますが、保護者にも参加を呼びかけ、保育における絵本の大切さを共有しています。ニーズに応じて園施設の開放を行っており、園があるマンションの総会や地域の自治会、連合自治会などに職員室を開放しています。また、園の保護者だけではなく地域住民も参加できる「子育て支援イベント」を開催し、本年度に行った「リトミックで遊ぼう」には保護者の友人も数多く参加しました。園で行う体操教室の講師が、土曜日に希望者を園内外から集めて「親子体操教室」を開くなど、地域に開かれた園を目ざしています。
 ホームページや入園のしおり、園のパンフレット、青葉区役所内のパネル展示などを通して、園情報の周知が図られています。また、青葉区の専任保育士に情報提供し、広報誌には園の活動について掲載されています。小桜祭(バザー)や運動会などの行事案内も、園の掲示板や地域自治体の回覧板、掲示板などで公開されており、地域の人たちの来園につなげています。毎週土曜日の園庭開放時には育児相談ができ、また事前予約があればいつでも相談を受ける体制が整えられています。また、青葉区が主催する育児支援イベントにも積極的に参加し、その場においても育児相談などに応えています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 園のホームページおよび保育専門雑誌、関係機関へのパンフレット配付、青葉区の保育所紹介ファイルなど、さまざまな媒体やツールを通してきめ細かく園の情報提供が成されています。青葉区の専任保育士が作成する広報誌にドッジボール大会や小学校との交流などの様子が掲載され、園の活動について理解を深める試みも行われています。
 見学担当は主に副園長ですが、受付および案内担当をそれぞれ設けて役割分担することで、円滑な園内見学が可能になっています。見学に関してはホームページにも予約受付が可能な時間が掲載され、できるだけ希望に沿えるような体制を整えています。見学時にはパンフレットを配付し、質疑応答を含めて60分程度の案内をしていますが、ふだんの様子を見てもらうことを基本としています。また、職員は保育理念や方針、保育目標などについて必ず終礼時に確認し、問い合わせに的確に対応できるようにしています。子どもの様子や行事の写真などが玄関ホールに数多く展示されており、見学者に対する情報提供の一助になっています。
 職員の自己評価と連携して、保育理念や方針、保育目標に沿った園そのものの自己評価が毎年行われています。結果は年度末に園内での掲示や園だよりなどを通して公表されています。なお、職員会議などの場において、個々の保育士が保育現場における課題や反省点をほかの保育士に伝え、改善方法などを話し合って共有しています。園長は自己評価を基に面談を行って職員の要望などを把握しています。また、各クラスに日々の活動の様子などが多くの写真とともに掲示されており、園の保育に対する自己評価の一環として生かされています。
6 職員の資質向上の促進 園は次世代の保育を担う人材育成を重要な役割と認識し、実践を重視した実習を行っています。実習生担当は副園長となっており、「実習日誌」の確認などを行うとともに自信を持って実習に望めるように配慮しています。効果的な実習を行うために、園独自に、実習生が自ら企画して実施する「責任実習」を行っています。実習では、担任が責任を持って指導にあたり、午睡時や終礼後などに日誌の書き方など実習生からの質問に対応します。なお、実習生の受け入れにあたっては職員会議において指導方法やマニュアルなどの確認を行い、保護者には掲示および連絡帳などによって理解を得るようにしています。
 園長は「職員が園を熟知すること」を人材育成の基本としています。職員は保育理念や方針、保育目標を毎日復唱するとともに、年度初めに「新任者研修」を行って園の特長などを細かく説明し、1年後に理解度の「振り返り」を行っています。保育士の人数が多いことから、園長は「組織力」が重要であることを強く認識し、職員が自らの使命を全うし、責任感を持つことを職員会議などにおいて求めています。年間個人研修計画が作成されており、職員はそれに基づいて資質向上を目ざし、年度末に自己評価を行い「自己評価表」を作成するという人材育成計画が策定されています。園自体の自己評価も行われており、個々の職員の資質向上にも生かされています。
 研修に関しては副園長が担当しており、「年間研修計画」が策定されています。園内研修は5月には全職員参加の「救急法研修」が行われ、8月の「療育研修」と9月の「絵本研修」、毎月2回行われる「リトミック研修」は、常勤職員は参加、非常勤職員は任意参加で実施されています。また、土曜、日曜に開催される外部研修に関しても本人の希望があれば園長が事前確認したうえで参加できるなど、保育に支障がない範囲でさまざまな研修を受講する体制が整えられています。研修報告書の提出が義務付けられており、職員会議において行われる「研修報告会」では一人2、3分内で要点をまとめて研究成果を発表し、職員間で共有しています。研修報告書は自由に閲覧できるようになっています。園では分野ごとにキャリアアップ研修も積極的に受講することを勧めています。

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