かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

うちゅう保育園たんまち

対象事業所名 うちゅう保育園たんまち
経営主体(法人等) 社会福祉法人 翠峰会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 221 - 0831
神奈川区上反町1-10-5
tel:045-412-0335
設立年月日 2002(平成14)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年09月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 うちゅう保育園たんまちは社会福祉法人翠峰会の系列園です。開所年月日は2002年4月1日で、設立後17年ほど経っています。定員は0歳児から5歳児までそれぞれ10名ですが、2019年7月の時点で各クラスとも12名、計72名在籍しています。園では、産休明け保育、延長保育、障がい児保育、一時保育、年度限定型保育(1、2歳児のみ)などを実施するようにしています。
 場所は東急東横線反町駅から徒歩で3分ほどの閑静な住宅地の中にあります。付近にはいくつもの公園があり、子どもたちが散歩に利用しています。また、緑道もあります。このような環境の中で、子どもたちは伸び伸びと過ごしています。

《特に優れている点・力を入れている点》
○特定教育という名称で多彩な活動を行っています
 子どもたちが小学校へ上がる際、学校生活にスムーズにとけこみ、楽しい生活を過ごすために幼児期から経験しておいたほうが良いこと、また、好きなことや得意なことが見つけられるように、園では多彩な活動を特定教育という名称で3〜5歳児に設定しています。具体的には、サッカー、体操、絵画、音楽、国語、英語などを、年間を通して専門講師のもとに実施しています。例えば、サッカーでは技術面の習得、ルールの理解はさることながら、系列園内で合同の大会を開いたり、保護者も巻き込むイベントなどもあり、保護者からも喜ばれています。実施にあたり、職員の補助の仕方や前後の時間の使い方、子どもとの約束ごとなども決めています。職員はそれぞれ補助につきながら専門講師の技術を身につけていき、日常の保育に生かしています。

○年間食育計画表を作成し、食育活動を進めています
 年齢別に食育年間計画表を栄養士を中心に作成しています。この計画表は縦軸に0歳児からの年齢を年間4期に分けて記載するようになっています。例えば3歳児の活動のテーマは、第1期は野菜の種蒔き、テーブルマナー、第2期は箸の使用、口腔内の清潔、第3期はいろいろな野菜の収穫、新米の洗米、第4期は少しずつマナーを身につけていくとなっています。この計画の中で、栽培に例をとれば、きゅうり、大根、そらまめ、えだまめ、トマトなどです。子どもたちは種を購入し、植え付けをし、育て、収穫、そして、食するといった食の循環を体験します。このほか食具の使い方やマナーなど食生活が充実していくように工夫しています。さらには、園内の草の生えている土地を開墾して土を育てることもしています。このように、食に関する教育を栄養士や職員が協力しながら進めています。

○ワークライフバランスを考慮した環境を整えています
 園長や主任は、職員のワークライフバランスを考えた環境を整える努力をしています。職員からは、「産休、育休の制度はもちろん、日常の中で残業はほぼありません」「毎日、定時に帰宅できますし、有給休暇もとりやすい環境にあります」「私たちの園だけでなく系列園を含む法人全体で勤務時間内に業務を終えてしまうような取り組みがあります」などといった、勤務に関する前向きな話が聞かれます。そういった就労環境があるので、結果として子どもにより良い保育ができているのでは、という声もあります。就労環境については、子どもの保育、書類の記入、職員間の話し合い、保護者対応など業務は多岐にわたりありますので、どうしてもきつくなってしまう傾向があります。そこで、園長や主任は1、2年前から「働き方改革」というテーマで、真剣に取り組んできました。その結果が実ってきて、今があります。

《事業者が課題としている点》
 職員が残業せず業務を終えることを課題とし、働き方改革を導入しています。職員間で休憩や空き時間を見直し、フリー職員とも連携して、改善に取り組んでいます。また、乳児フロアと幼児フロアが1階と2階で分かれていることにより、各クラスの様子の共有が難しいことが課題でしたが、今年度よりリーダー会議を行うことにし、職員一人一人が園全体の保育を理解できるよう、共有や改善点の話し合いなどを行っています。行事のマンネリ化や行事担当の負担が大きいことについては、各クラスで新たなアイディアを出し、それをリーダー会議で共有することで、内容の把握や進行がスムーズに行えるようにしています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 法人の理念は、「うちゅうのように全てのものを受容する世の中の大きな器となる」、園の保育理念は、「心技体のバランスを整え、全体と調和しながら光り輝く個性を発揮する子どもを育成する」、そして保育目標は、「大きな夢、惜しまぬ努力」とあります。これらを基に職員は、各年齢の保育方針や目標を立て指導計画を作成しています。また、個々の職員は、必要な情報が記載された書類をとじ込んでいく1冊のファイルを所持していますので、そのファイルに理念以下が記載されたものをとじ込み、日常的に確認し、理解しています。保護者には、入園のしおり(運営規程・利用規約)を基に、入園説明会や懇談会のおりに理事長や園長、主任が説明をしています。
 「子どもの権利擁護について」という文書があります。そこには、子どもの権利擁護についての基本的な考え方、不適切なかかわりの防止について、虐待の疑われる場合の対応・体制整備について、自尊心への配慮点検・検証体制についてという項目で、具体的な記載があります。職員はこの文書に目を通していますので、名前を呼び捨てにしたり、乱暴な言葉遣いをしたり、乱暴な所作をしたりすることがないように注意し合っています。そして、子どもの発言についてはていねいな受け答えをし、子どもの気持ちを傷つけることのないように職員同士注意し合っています。万が一、職員が保育に熱中するあまり、つい声が大きくなってしまった場合は園長や主任が注意するようにしています。
 「特定個人情報取扱規程」というマニュアルが作成されています。そこには、個人情報取得の目的、利用範囲、安全管理、開示請求についてなど詳しく記載されています。職員はそのマニュアルのもとに個人情報保護の意義や対応を周知されています。また、入園のしおりの中にも、「個人情報保護方針」の文書を入れ、個人情報とはどういうものなのか、どのように開示するか、保護の方法、子どもの肖像権、秘密の保持など具体的に記載し、保護者の理解を求めています。なお、個人にかかわる情報が記載されている文書については児童票をはじめいろいろありますので、鍵付きの書棚で保管しています。そして、園長が管理し、個人情報が流出しないようにしています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 年間指導計画はクラスリーダーが中心となりクラス内で話し合ったり、また、ほかのクラスの意見を収集したりしながら作成しています。作成後は職員会議で発表し、意見交換をして修正したものをカリキュラム会議にかけて最終決定をしています。月案に関しては年間指導計画を基に、やはりクラスリーダーが中心となりカリキュラム会議を通して決定しています。これらの指導計画に沿って保育を実施していますが、子どもたちからの要望や意見には柔軟に対応し臨機応変に変更をしています。具体的には、ダンスの振りつけを子どもたちと相談して決めたり、発表会の劇のせりふを子どもたちがアレンジしたりしています。また、シャボン玉遊びでは、シャボン玉の液から作りたいという子どもたちの要望があったので、予定にはありませんでしたが急遽変更しています。
 入園説明会は3月初旬に行い、職員全員が出席しています。説明会では理事長や園長、主任が園の理念以下をていねいに説明しています。保護者は基本的に子どもと一緒ですので、職員は子どもたちの様子をじっくり観察しています。説明会の際には、児童票や健康台帳など一連の書類を持参してもらっていますので、その後の個人面談で活用しています。個人面談は職員が分担してあたります。面談では入園後の生活に関して、離乳食や排泄、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーの有無などについて保護者からの要望を聞きます。そして、後日、個々の子どもの特性について職員会議で話し合い、個々の職員に周知するとともに、今後の保育に生かすようにしています。
 保育室の棚には年齢や発達に応じておもちゃや絵本が置かれており、おもちゃの入ったかごに写真やシールなどを貼って、子どもたちが好きなものを選びやすくしています。牛乳パックや洗濯ばさみなどで職員がおもちゃを手作りし、触感を楽しんだり、手先を使ったりできるよう工夫しています。棚やゴザを用いたコーナーや、高さの低いソファを設置し落ち着いて遊び込める環境作りを行っています。調査日には人形と並んでソファに座り、楽しそうに遊んでいる子どもの姿がありました。職員はカリキュラム会議で、遊びが深まったり発展性が持てるよう、環境構成やおもちゃ、絵本の入れ替えなどについて話し合い、遊び込める時間の確保を考慮して計画を作成しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 個々の子どもの状況については、入園の折に提出してもらう児童票や健康台帳など各種資料のもとに、職員相互で話し合いみんなで情報を共有しています。そして、クラスリーダーを中心に各年齢の指導計画を立てていきますが、個々の子どもの配慮点などもその際に話し合い指導の参考にしています。また、年間指導計画は4期に分けて期ごとに、月案は月ごとに評価反省欄を設けて、振り返りを行っています。その際、話し合いの結果、軌道修正することもあります。なお、保護者からは連絡帳や口頭で、離乳食やトイレットトレーニングの進め方など保育について意見や要望を聞いて、保護者の意見や要望が妥当であれば受け入れます。園での進め方のほうがより良い場合は、ていねいに説明をして理解してもらうようにしています。
 配慮を必要とする子どもは、保護者からの要請があれば受け入れる用意があります。配慮を必要とする子どもといっても、いろいろなケースがありますので、その対応や知識については、外部の研修を受け知識を深めることや内部でのケース会議の在り方など、あらかじめ理解しておくことが求められます。実際にそうなった場合のために、常日ごろから日常の計画に組み入れておくようにと園長は考えています。実際に配慮を必要とする子どもが入所した場合は、園長、主任、担任、看護師で相談しながら保育を行う予定です。なお、過去の記録はファイルされています。
 危機管理マニュアルと災害対策責任者マニュアルに災害時の対応や指示系統などが明記されています。プールマニュアルに入水中の留意点や監視の徹底などが明記されており、カリキュラム会議で職員間で確認しています。睡眠中や食事中の事故予防についても職員間で話し合い、子どもの安全を第一に対応することを確認しています。棚などにストッパーを整備し、地震などでの転倒防止対策を講じています。医療機関や関係機関のリストは事務室に整備されており、保護者への緊急連絡は一斉メール配信アプリを用いて行っています。さまざまな場面を想定した避難訓練と通報訓練を実施しており、神奈川消防署立ち合いのもと、消火訓練やAED(自動体外式除細動器)使用方法について研修を実施しています。訓練実施後は実施報告書を記入し課題点や注意点を職員間で共有しています。
4 地域との交流・連携 園では地域への子育て支援サービスとして、「アタッチメント教室」を年3回行っており、参加者に直接保育園でどのような子育て支援をしてもらいたいかなどを聞き取りして、ニーズの把握を行っています。また、見学に来る保護者にも同じように聞き取りを行っています。子育て支援のニーズを把握し、今後どんなサービスを提供すべきかなど、職員間で話し合いをして、サービスの実施内容や方法について検討しています。園長は神奈川区の子育て支援サービスの会議に参加し、他園で行っている子育て支援サービスの実施内容や利用状況について情報を収集し、地域の子育て支援サービスについて検討しています。その会議の内容を園に持ち帰り、今後どのようなサービスを園で提供していくべきなのかについて、職員と検討を行っています。
 園で行っている「アタッチメント教室」のパンフレットに、育児相談や離乳食の相談など、子育てに関する相談を受けていることを記載しています。そして、園の見学で来園される方などに配付しています。主にアタッチメント教室の利用者や見学での来園者からの育児相談に対応しています。現在は定期的な育児相談は実施していませんが、今後は園として、定期的に育児相談や園庭開放を行う方向で職員間で検討が行われています。子育て支援サービスのポスターは、多くの方に園の活動を知ってもらい、積極的に参加してもらえるように、園の外壁に掲示しています。なお、園長は神奈川区のイベントなどに参加するときには、必ず園のパンフレットを持参し、イベント会場に置いてもらうようにしています。
 事務室に、役所や病院、警察署、消防署、児童相談所、保健所など関係機関の連絡先一覧を掲示して、問題に対して適切かつ迅速な対応ができるように職員全員に周知しています。医療機関の窓口は看護師が担当し、児童相談所などは園長が担当しています。また、感染症の情報など必要に応じて、神奈川区の保健師や他園とも日常的に連絡を取り合い連携しています。園長や主任が、かかりつけ医との日常的な連携をしています。さらに、園長が医師会の小児科の勉強会にも積極的に参加して、小児特有の病気などの知識を深め、その内容は園の昼礼などを利用して、職員に情報共有しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 園のホームページに、保育園の紹介や一日の流れ、年間行事の情報や、法人全体の保育方針、園の特徴でもある特定教育(サッカー、体操、音楽、国語、英語など)の内容について情報が公開されています。また、ホームページのインフォメーション欄では、季節の行事の様子について、随時情報を更新しています。さらに神奈川区や横浜市のホームページにも園の基本情報は掲載されています。また、地域の不動産情報誌などにも園のアクセス情報などについて提供しています。
 園では、職員全体で保育の中から出てきた課題を見つけて、カリキュラム会議やリーダー会議を通して、どのようにその課題に対処していくか話し合って、しっかりと対策を考えて対処するようにしています。それらの会議の内容は、職員全員に朝礼ノートや昼礼で必ず周知するようにしています。また、職員は自己評価表を基に自己評価をして、職員個々の課題のほかに、そこから園の課題も見つけるようにしています。園としての自己評価は、保育方針や理念に沿って保育が行われているかを評価し、保護者にはその内容を、保護者会で説明しています。また、うちゅう通信(園便り)で毎月、園の自己評価の内容を保護者に知らせています。
 法人として5年の計画期間で中長期計画を作成していますが、1年に1回および随時見直し修正を行っています。経営組織、事業管理、財務管理、人事管理の、4つのそれぞれの項目において計画を立てており、なかでも人事管理では、養成学校を理事長と園長が訪問し、園の紹介をして、人材確保に努めています。他分野からの人材や、若い人材を積極的に受け入れています。法人全体で「働きやすい職場づくり」を目ざし、育児休暇や年次有給休暇の取得促進を図っています。会計事務所や中小企業協会、弁護士などから、運営のアドバイスを受けています。中長期の計画を踏まえて、毎年単年度の事業計画を園長が策定しています。本年度は「働き方改革」、省エネ対策を踏まえた経費削減などを課題とし計画を策定しています。
6 職員の資質向上の促進 園では職員の勤務年数、職種などに応じた個人別育成計画があります。そして、求められるスキルや役割、職務内容について明文化されています。園として各職員に求める資質向上と職員が希望する研修の両方を考慮しながら、そのつど各職員に見合った園外の研修を受講できるように計画しています。また、熱中症や感染症などの内部研修も全職員参加で行っています。園外研修の受講後、研修報告書を作成し、研修の内容や感想を書いています。昼礼の際は、研修を受講した職員が研修内容を簡単に説明しています。さらに、詳細については研修報告書を閲覧してもらうようにしています。このように、研修の成果を職場で生かせるように工夫しています。
 職員は、一日の保育の様子、職員の反省をクラス日誌に記録し、保育の振り返りを毎日行う仕組みになっています。特に、0、1歳児のクラスは、成長の度合いが視覚的にも明瞭にわかりますので、クラス日誌に一人一人の子どもの成長の様子を記録することにより、これからはぐくんでいきたいことや保育の内容について考えることができるようになっています。なお、行事の記録では、各種行事の振り返りや職員の反省を記載しています。そして、園全体としての行事への取り組み方について振り返りを行っています。なお、職員は、一人一人自己評価表のチェック項目で評価し、取り組むべき課題や目標を定め、年度末に振り返りをし、次年度につなげるようにしています。
 初任者から主任までそれぞれの経験やスキルに応じた、園が求めるスキルや役割、職務内容について、個人別研修計画に記載され、園長と主任はこれを活用し職員の評価を行っています。就業規則内の「うちゅう保育園たんまち 組織運営管理」の中に、園の指揮命令系統がフローチャート化され記載されています。また、職務権限の委譲についても明文化さています。年度末の全職員が参加する会議において、職員から意見を聴取しています。またおもちゃの購入について、職員は新しいおもちゃの購入を希望するときには、どうしてこのおもちゃが必要なのか説得力があるプレゼンテーションを園長に行っています。園長は年度末に職員と面談して、個々の目標の達成度を確認しています。また、職員からの提案や意見、満足度、要望などを面談時や日常の会話の中からも把握するように努めています。

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