かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

大和みつば作業所

対象事業所名 大和みつば作業所
経営主体(法人等) 社会福祉法人 やまねっと
対象サービス 障害分野 就労継続支援
事業所住所等 〒 242 - 0018
大和市深見西7-4-10
tel:046-264-8677
設立年月日 1988(昭和63)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年08月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)
【施設の概要・立地の特徴】
●大和みつば作業所は、社会福祉法人 やまねっと(以下、法人という)の経営です。法人の沿革は、昭和58年大和市に、親御さんの願いや当事者の思いが詰まった1つの小さな地域作業所「大和さくら作業所」の誕生から始まりました。その後、大和市心身障害児者福祉団体連合会から7つの障害者地域作業所を引き継ぎ、平成20年には特定非営利活動法人大和障害者地域生活支援ネットワークの設立および運営を開始し、平成25年に社会福祉法人 やまねっとに改組して現在に至っています。現在、障害者地域作業所7施設、障害者グループホーム2施設を展開し、地域の福祉ニーズに大きく寄与しています。障害者グループホームについては、障害者が地域で暮らしていけるための生活施設として、また、親が面倒を看られなくなった場合や、介護者なき後、親なき後に備えた考えの基、受け皿として設置されています。法人では、基本方針の基に活動を行い、さらに「職員倫理綱領」及び「倫理綱領にもとづく行動指針」に重点を置き、全職員が利用者の人権と個人の尊重を最大限尊重し、適切な対応を実践することを最も重視して活動が成されており、職員と利用者との厚い信頼関係を構築しています。
●大和みつば作業所は、法人の3つ目の作業所として昭和63年に設立され、31年の歴史を培った作業所です。サービス内容は就労継続支援B型(10名)、生活介護(10名)の定員20名の作業所です。大和みつば作業所は、小田急江ノ島線鶴間駅から約800m、徒歩12〜3分、大和市立北部学校給食共同調理場、大和中学の体育館と並びの先に位置し、小田急線沿いでありながら静かな環境にあります。大和みつば作業所の職員は、親切・丁寧な対応と温かい雰囲気を持ち、管理者を筆頭にとても明るく、やさしく利用者を迎え入れ、利用者は作業所に来るのが楽しい、職員と話すのがうれしいという気持ちが伝わり、非常に明るく楽しい風土の作業所です。
〈特に良いと思う点〉
1.【利用者が楽しいと思える環境作り】
●大和みつば作業所では現在、就労継続支援B型及び生活介護の各10名が利用していますが、就労継続支援B型の利用者の高齢化等に伴いADLの低下も見られ、利用者のかなりの方が生活介護での対応に近い体調となってきており、それに呼応して親の世代はより高齢化しているため、現状では家族の負担を軽減する理由も含め、利用者が大和みつば作業所に来たいと思える環境作りを第一義に考え、環境作りを心がけています。作業は本人の体調等を考慮して行うも、まずは来て楽しい作業所環境、職員と仲良く明るく過ごせる環境整備に配慮しています。朝の受け入れ時間では、連絡帳の受け渡し、体調・機嫌の確認を職員と明るい会話で交わし、利用者は職員の傍を離れず、笑いが満ち溢れた明るい環境は他に類を見ない感動のある作業所の光景です。
2.【作業所内のコミュニケーションの良さの確立】
●笑いが満ち溢れた明るい作業所環境の背景には、職員間のコミュニケーションの良さに依るところが大きくあります。朝の受け入れの時間にそれが表れており、半数以上が非常勤職員の配置ですが、正規、非常勤職員に係わらず、全職員が同じ気持ちで支援している体制が構築されており、所長の統率力の評価が高く挙げられます。職員間のコミュニケーションの良さは、所長のパーソナリティーの影響力も大きく考えられます。継続して職員間のコミュニケーションの良さを盤石にし、所長の移動があったとしても同じ体制が維持できるよう期待いたします。また、大和みつば作業所は利用者の喜び、利用者中心に物事を考え、利用者も職員も楽しい風土が確立しており、利用者面接においても、「ここに来て楽しい」、「職員と話して楽しい」という声が聞け、職員同士、職員と利用者、利用者同士のコミュニケーションの良さは卓抜しています。
3.【作業所と利用者家族とのコミュニケーション】
●利用者家族とのコミュニケーションについては「家族会」を設置し、ご家族と職員で話す機会を設けています。大和みつば作業所は、町内会の自治会館(2階)を合築条件の基、建築された経緯があり、家族会は自治会館で開催していましたが、長い年月を経過してご家族の高齢化で階段の上り下りに支障が見られるようになり現在、家族会は作業所で開催しています。ご家族との意思疎通は良好であり、特に、高齢のご家族は障害のある子どもを支える心身の負担を抱えており、ご家族は、利用者本人が楽しく作業所に通ってくれることへの感謝や、それ以上に利用者本人が作業所に行きたいと言ってくれる作業所の環境に感謝している声が挙がっています。日常に関する内容は連絡帳で日々情報交換を図り、良好なコミュニケーションが維持できています。
<さらなる期待がされる点>
1.【「慣れ」へのさらなる確認の機会を】
●大和みつば作業所は、職員と利用者の付き合いは長年培った非常に良いコミュニケーションが維持できており、関係性から発生する「知っているつもり」等、互いが良く分かっている場合における勘違い、間違い、ミス等が起こりやすくなりがちなことが懸念されます。予防策として、日頃から個々の色々な考え方、聴く耳を持ち、立ち止まり、職員個人の固定概念、利用者への固定概念を持たないことが大切であり、また、暫定対策ではなく再発防止として常に「チェック」の気持ちを持つことを大切にしてほしいと思います。一人ひとりが年を重ね、体調の変化や気持ちにも変化があることに留意し、一層の精進を期待しています。
2.【利用者個々の要望の把握】
●大和みつば作業所では、利用者に対して食事提供に対するアンケート等を実施し、食事に対する満足度を確認し、その結果、食事を外部のお弁当宅配業者に委託し、3社に協力を得て作業所と相談の上、ジョイントメニューの食事提供の実現を図り、現在の給食の体制としています。食事アンケートの他、利用者へアンケートの実施や目安箱を設置して利用者満足度の把握に努めています。自分の意思を思うように伝えられない方の心の内には秘める要望があるものと思われ、様々な手法を試み、1つでも2つでもその方から要望が分かれば支援に役立ち、把握できれば支援の幅が広がり、より良い改善につながると思います。さらなる利用者の要望、満足度に向け、継続した努力を期待しております。
3.【作業および工賃について】
●作業および工賃については、利用者の高齢化等に伴い就労継続支援B型で来所している利用者のかなりの方が生活介護に近い体調となっており、作業についても納期が厳しいものや、ボリュームが大きい受注は控え目にしている現状もあり、これらが工賃の低さにつながっています。作業所では、利用者本人の気が向かない作業や、体調や気分が乗らない時には無理強いをせず、自由に取り組める体制とし、この体制が利用者から作業所に来て楽しい環境、職員と仲良く明るく過ごせる職場環境につながっています。しかし、工賃とは相反するものでもあり、「団体生活での少しの我慢すること」と「楽しい職場環境作り」との兼ね合いについて、職員間でさらなる検討を期待いたします。
評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ●日常生活の支援(食事、排泄、更衣、移動、日中活動等)では、利用者一人ひとりの障害状況に合わせ、利用者本人の意思や要望を尊重し、細やかな対応・支援を行っています。作業に関して、事業所では作業の流れや、利用者本人の作業能力等を考慮し、本人の了解を得た上で職員の指示で作業を行う場合もあり、社会生活の中で賃金を得ることに対して好きなことばかりはできないことも知ってもらえるようにしています。
●利用者を尊重したサービスについて、職員間で朝・帰りのミーティング、職員会議でサービス提供内容を検証して共通理解を図り、各職員の対応に差異が生じることがないよう努めています。日々、気になったことはその日の内に話し合い、伝達漏れのないよう職員間で共有を図るよう努め、繰り返し何度でも話すことの意識付けを行っています。虐待の防止・早期発見については、障害者虐待防止センターと連携し、必要に応じて区役所の保健師や、関係機関と連携を図っています。管理者は虐待防止マネージャー研修を受講し、研修内容の伝達研修を行い、職員全員で虐待の防止と早期発見に努めています。さらに、職員がストレスを溜めないよう協力し合い、助け合い、話し合いを多く持つよう配慮しています。
●個人情報の取り扱い等については、契約時に重要事項説明書と共に法人の倫理綱領、行動指針の説明を行い、同意書を得ています。個人情報を取り扱う場合は都度、確認を行っています。個人情報保護については特に、個人情報のファイルは厳重な管理と守秘義務の徹底を図り、利用者に対しては、一人ひとりの気持ちを理解し、生活場面等で適切な配慮と支援を心がけ、面談、モニタリング等で把握した内容に配慮しながら日中活動に盛り込むよう配慮しています。また、団体行動を考慮し、少人数での行動を定期的に取り入れ、個々の意思の尊重を大切にして取り組んでいます。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ●利用者満足に向けて、日々楽しく過ごせるよう会話をしながら過ごせる作業所作りを心がけ、作業内容は利用者の当日の体調、気分を尊重し、利用者主体の支援に努めています。作業所では食事は外部のお弁当事業者に委託し、委託業者3社に協力を依頼して作業所とのジョイントメニューを提供する等、食事の楽しみを提供しています。また、食事に対するアンケートを実施し、利用者満足度の把握に努めています。さらに、ジョイントメニューをご家族の方にも試食してもらう機会を設け、意見等をもらい、利用者満足につなげています。
●大和みつば作業所では、利用者が相談や意見を述べやすい環境の整備を第一に考えて取り組んでいます。意見が自由に述べられるよう用紙を用意し、何時でも意見が言えるよう整備しています。利用者からの意見等は、迅速に対応し、職員間で確認し合い、意見等の反映に努めています。大和みつば作業所では、朝の通所時には職員がテーブルに並び、1対1で向き合う体制を整え、連絡ノートの受け渡しをフレンドリーに明るく会話を交わし、これらの1日の始まりが作業を楽しく行う源につながっています。さらに、利用者が話しをしたい、自分を見てもらいたいという欲求を汲み、利用者、職員共々笑顔が溢れる作業所です。
●デイリープログラムについて、特にレクリエーションの時間は組み込むことはせず、各月でグループ活動を企画(旅行や体験型見学等)して実施し、日常は楽しく過ごせるようマンツーマンで話をしながら過ごせる体制をとり、密にコミュニケーションを図っています。必要に応じて散歩等の運動も行っています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ●利用者およびその家族へのサービス選択に必要な情報を提供としては、法人のホームページ、法人パンフレット「やまねっと」、法人広報紙「やまねっと通信」等で情報を提供しています。利用者の見学や実習の要望は受け入れ、見学・実習後には話し合う機会を設け、口頭での説明以外にも視覚的に写真で示したり、必要に応じて分かりやすい単語や筆談を用い、利用者、家族に理解ができるよう工夫して伝えています。サービス開始後は、毎朝の受け入れ時や日中の利用者の表情や行動を常に留意し、情緒の安定に配慮しています。不安を感じている様子の場合は声をかけて安心につなげ、言葉の発声に違いがうかがえる時は環境を変える等、気分転換を図るよう配慮しています。作業では、利用者個々の様子を見ながら休憩を入れる等、一人ひとりのペース、状況に応じて柔軟に対応しています。ご家族とは連携を図り、日中の様子を口頭もしくは電話で伝え、情報を共有しています。
●個別支援計画は、利用者個々の障害特性や生活状況に応じて関係職員間で話し合い、合議に基づいて利用者本人に説明し、必要に応じて家族にも説明を行い、合意の上、所長兼サービス管理責任者が計画を策定し、支援を実施しています。個別支援計画書は、双方で署名捺印後、事務室内の施錠できる場所に保管・管理し、年度初めに開始できるよう準備しています。日々のサービス実施状況記録(支援内容、特徴的な行動、健康状態等)は、実績記録表、サービス提供記録に記録し、個別に個人日誌、作業日誌等に記録を行い、ミーティングで全職員に周知し、必要に応じて追記を行い、共有を図っています。
●提供するサービスの標準的な実施方法については、年間行事計画、月間予定、通常活動日(1日)、半日活動日のデイリープログラムを定め、受注作業については、量的に可能な範囲で受注するため、個々の作業マニュアル化は難しく、作業ごとに手順を職員間で検討を図り、メモを貼って示し、順次理解を促す方式で周知しています。量を維持出来るとマニュアル化が効率的ですが、少量・多作業ではこの実施方式が有効であり、作業ラインに職員が入り、個別に指導しながら作業を進めています。標準的な実施方法の見直しについては、作業は個別に検討する方式であり、作業手順の大枠を決め、職員が作業に入り、作業に反映させるよう見直しを図っています。年間指導計画については年度末に反省を行い、次期計画へ反映させています。
4 地域との交流・連携 ●地域に向けた情報提供では、法人のホームページ、広報紙「やまねっと通信」、パンフレット「やまねっと」により情報を提供しています。作業所の2階は町内会の自治会館となっており、了解を得て共用を図り、利用者の家族会も開催する等、連携を図っています。現在は、家族会の高齢化に伴い、1階の作業所内で実施していますが、町内会とは親密な関係を維持しています。また、地域の特別支援学校からの見学を受け入れています。
●ボランティアの受け入れについては、ボランティア受け入れマニュアルを整備し、事前にマニュアルに沿って行動指針や守秘義務等具体的な注意事項を説明し、受け入れ体制を整えています。ボランティアは、大和市社会福祉協議会のボランティアセンター経由で受け入れています。ボランティアの受け入れを行うことにより外部の目を新しい風とし、職員の意識の高みにつなげています。
●地域の関係機関との交流、団体との連携では、大和市社会福祉協議会と年3回交流事業に参加し、地域のライオンズクラブに協力をいただき、法人でのふれあいコンサートを開催しています。積極的に地域の行事に参画するように努め、町内会の総会にも出席し、地域との関係作りに取り組んでいます。地域の福祉ニーズの把握では、福祉ニーズに応じた活動に参加し、協力し合い交流を深めています。大和市保健福祉センターと連携して情報交換を図り、大和市民祭りでの協働や、地域の中学校体験学習の受け入れ、教職員の研修の受け入れ等を通して、地域の具体的ニーズの把握に努めています。大和市保健福祉センターでは大和みつば作業所の自主製品を展示する等、交流を図っています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ●理念・基本方針は、職員会議等で職員へ周知を図り、年度末に次年度の事業計画作成時に理念・基本方針の確認を行い、重点活動および重要課題等の検討を実施しています。中期計画については、法人として3年ごとの中期計画を策定し、計画は「1.ライフスタイルの表現」、「2.組織の強化」、「3.地域ネットワーク」を骨子に据えて策定しています。中期計画を基に、年度ごとに法人の事業計画を策定し、各作業所、グループホームの事業計画を策定しています。各作業所、グループホームの事業計画は、主に研修計画を中心に作成し、法人内研修、全体職員研修、行政のキャリアパス研修等を含め特に、行政のキャリアパス研修は全職員に受講を促し、受講後必ず、伝達研修を実施して知識の共有を図っています。障害分野では人権の問題は大切であり、大和みつば作業所では繰り返し研修を実施しています。
●管理者自らの役割と責任については、運営規定の中に定め、分掌業務も明確化を図り、管理者自らの表明は日々の業務やミーティング、職員会議等において明確にしています。管理者は、事業計画に則り、取り組み等を率先して提案し、職員間で共有の上、積極的に行動を示しています。また、法人事務局と一体になって予算と支出の効率化、経営管理、事業運営、職員の採用等に取り組んでいます。職員会議等で改善に向けた内容を議題に挙げ、全員で話し合い、常に改善に向けて努力を継続しています。
●法人は、設立の段階から大和市とは良好な関係を構築し、非営利活動法人、社会福祉法人時代を通して連携を図り、指導を受けながらサービス内容について、定期的に法人の所長会議で評価・反省を行う体制を確立しています。また、受け入れているボランティアの方を大切にし、常に外部の意見を取り入れ、意見は運営に生かすようにしています。今年度、初めて第三者評価を受審し、一層の改善に向けて努力しています。
6 職員の資質向上の促進 ●人材の採用については、事業計画に沿い、職員の得意不得意を見極め、職員一人ひとりが得意分野を生かせるよう適材適所の人材配置を心がけて採用しています。活用面については、固定した資格に捉われず実践を通じた人柄、行動力等を重視した活動体制を大切にして進めています。コンプライアンスの遵守については、倫理綱領、職員行動指針を重視して周知を図り、1人の人間としてあるべき姿を伝え、職員は理解を深めています。職員は、方針に沿い、利用者一人ひとりに寄り添った支援を実践しています。
●職員の教育・研修については、キャリアパスに則って研修計画を作成しています。研修は案内を回覧で促し、職員の選択制とし、法人として特定の職員に指名する場合もあります。研修受講後は、1週間以内に報告書を作成および提出を行い、必要に応じて伝達研修を実施し、職員間で知識・技術の共有化を図っています。また、研修内容は見直しを図り、話し合いで研修内容を精査し、職員の資質向上に努めています。法人のキャリアパスでは勤続年数に応じた研修体系を設け、受講後は給与の手当てに反映されています。
●管理者は、職員の日々の様子、就業状況や意向を把握し、シフトの調整を図り、職場環境に配慮しています。また、有休消化率や個々の休暇状況を確認し、平均的に休暇を取得するようシフトの調整を行っています。福利厚生では法人で神奈川県福祉協会に加入し、年1回の健康診断、予防接種の補助、有給休暇を積極的に取得できるよう推進し、職員の心身の健康維持に取り組み、福利厚生を整えています。

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