かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

太陽の子港南台保育園

対象事業所名 太陽の子港南台保育園
経営主体(法人等) HITOWAキッズライフ株式会社
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 234 - 0054
港南区港南台3-12-2
tel:045-830-5070
設立年月日 2015(平成27)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年05月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 よこはま地域福祉研究センター
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
太陽の子港南台保育園はJR京浜東北線・根岸線の港南台駅から徒歩6分のところにあり、周囲は住宅地で大規模な集合住宅も数多くあります。運営法人はHITOWAキッズライフ株式会社で2015年4月に横浜市から認可を受けました。園舎は鉄骨造り2階建てでエレベーターが設置されており、1階に0歳児と1歳児の保育室、調理室、乳児用トイレ、沐浴室、事務室があります。2階には2〜5歳児の保育室、トイレがあります。子どもたちは園庭で体を動かして遊び、夏季はプール遊びをしたり、プランターで植物や野菜を育てたりしています。
定員は60名、開園時間は、平日(月曜日〜金曜日)の7:00〜20:00、土曜日は7:00〜18:30となっています。保育理念は「のびのびすくすくにこにこ 保護者・地域・保育園が手を取り合い、笑顔で見守る中、子どもたちは、たくさんの‘だいすき'に出会い、こころとからだを健やかに育んでいきます」とし、保育目標は「・個性をのびのび発揮する子ども、・たくさんの“好き”を見つけ、すくすくと育つ子ども、・“違う”を楽しみ、友だちとつながる子ども」としています。

1.高く評価できる点
● 保育士の働きかけのもとで、子どもたちはのびのびと自分を表現し、園生活を楽しんでいます
子どもたちは保育士の働きかけにより、自分を様々に表現し、のびのびと園生活を楽しんでいます。0歳児が公園に行くと、保育士が「タンポポがあるかな」「犬がいるかな」と問いかけ、子どもたちに色々と関心を持たせています。0歳児は「どんぐりあったよ」と自分たちで探したものを見せるなど、保育士の働きかけに応えています。2歳児では公園の木から落ちた葉っぱが細長く、毛虫のような恰好をしているのを見て怖がったり、石ころをイチゴに見立てて保育士に差し出したりするなど、自由で豊かな発想が見られます。
3〜5歳の幼児では“氷鬼ごっこ”という、ルールのある集団遊びを楽しむことが出来ています。鬼に捕まったら、その場にしゃがんで氷のように固まり、他の子どもが体にタッチすればまた自由になれるというゲームです。異年齢間で遊ぶことで、3歳児は、体力、スピードの違う年長の子に捕まらないように一生懸命走り、体をひねったりして逃げる工夫を覚えたり、5歳児は、鬼になると、捕まえる役、見張り役に分担をして、助けに来た子どもたちを狙って、捕まえる作戦を立てたりするなど、年齢の違う子ども同士で遊ぶ楽しさを体験していました。
また、安全を確保したうえで子どもたちは、のびのびと楽しく遊ぶ経験を重ねています。
例えば、複合遊具では5歳児が遊具を利用した鬼ごっこをしたり、複数の子どもたちで、1つの椅子を巡って椅子取りゲームをしたり、2人乗りのロッキング遊具をシーソーに見立てるなど、自分たちで遊びを編み出している様子が見られました。
保育室では栄養士によって配られたキャベツの葉っぱを直接手に持って臭いをかいだり、色を確認したり、手触りを確かめたりして、これから食べるキャベツとはどんなものかをしっかりと観察していました。給食の時に、これらのキャベツはサラダとして使われ、子どもたちはよりキャベツに親しみを持って食べていました。子どもたちは保育士の働きかけで、少しずつ新しいことに挑戦していきます。

● 職員のキャリアパスが形成されていて、研修計画と連動しています
運営法人は職員の能力向上のために「キャリアステージ」を作成しています。職員を新卒、経験3年未満の初級クラス、3年以上の中堅職員、リーダーになれる職員、そして主任クラスの職員といった職員を区分し、それぞれのステージに求められる能力と役割が設定されています。それぞれのステージから、より上のステージに行くための能力開発が連動しているので、職員にとってはどのように能力を高めれば次のステージに行けるかが明確になっています。さらに、能力開発が一般論で示されているのではなく、能力開発の分野別に具体的に示されています。社会人としてのスキル、子どもを保育する能力、子育てを支援するうえでの能力など細かく規定されています。このようなキャリアパスを職員が身に付けていくための研修メニューも豊富に用意されています。毎月様々な研修メニューが用意されており、それぞれの職員が必要とするメニューを選択できるように配慮しています。職員はそのレベルに合わせて内部研修を選択しています。さらに、これらの内部研修に加えて、横浜市などが行う外部研修にも参加することができるようになっています。研修を受講した職員は研修報告書を提出しており、その報告書を他の職員は必ず見るようにしています。このようなキャリアパスのメニューと研修メニューがリンクしていることから職員の能力開発に対するモチベーションが高められる環境ができています。

2.工夫・改善が望まれる点
●地域への取り組みを強化していくことが期待されます
地域への取り組みについては、これまで地域で展開されているイベントには積極的に参加している点は評価できます。港南区子育て連絡会で地域の保育園や消防署、地域子育て支援拠点などと協力して子育て支援事業に参加しています。港南区なかよし交流会で他の保育園と交流を図ったり、地域のイベントの「遊びにおいでよ!七夕まつり」や焼き芋会などの活動に参加したりしています。しかしながら、園で展開している地域住民との交流事業について。広報はしていますが、参加者の増加には結びついてはいません。園庭開放は実施していますが、園が主催する子育ての講習会などは実施されていません。今後は豊富な絵本の貸出事業や、離乳食の進め方、絵本の読み聞かせなど、保育園の専門性を活かした園独自の地域に向けた講習会等の実施が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・子どもの人格を尊重して保育にあたることを運営法人で行う入社時の研修や会議で伝えています。また職員は、「人権擁護のためのセルフチェックリスト」を作成して、子どもの気持ちを受け入れ肯定的な言葉かけで接することを周知しています。日々の保育の中で、子どもへの対応が気になる時は主任が指導していますが、観察の時に気になる対応がありました。子どもへの言葉かけや言い方など職員間で話し合い、改善しあえる環境作りが期待されます。

・友達や保育士の視線を意識せずに過ごせる場所は専用のスペースがないとしていますが、衝立などで工夫して意図的に作られることが期待されます。別の部屋や事務室など必要に応じて子どもと一対一で静かに話し合える場所があります。幼児用トイレにはドアを設置し、水着に着替える時はカーテンをしたり、濡れた水着を脱ぐ時はテントを設置したりするなどプライバシーに配慮しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・全体的な計画に基づき、各年齢別に年間の指導計画を作成しています。子どもとのコミュニケーションについては、言語化できる子どもに対しては必要なことはきちんと説明しています。指導計画では子どもの自主性や主体性を育てるようにしています。月間指導計画では柔軟に見直しができるように、毎期振り返りの項を設けています。

・保育室にマットを敷いて、そのうえでブロックや絵本を読むなどスペースを区切って小集団の保育ができるように工夫しています。幼児は寝るときはコット使用しています。乳児の場合は、給食後に床を掃いて、消毒液を噴霧して雑巾で拭いた後に、布団を敷いています。

・季節感を大切に旬の食材を使い、七草や節分など季節の行事にあわせた献立を取り入れています。食材は、安全に配慮して適切な温度管理をして保管し、記録しています。子どもの成長や発達にあわせた器やフォーク、スプーン、箸を用意しています。

・子ども同士のけんか等について保育士は、子どもの気持ちを代弁したり、子どもたちがお互いの気持ちを尊重しつつ、仲直りができるよう配慮しています。子どもたちは朝夕の合同保育や散歩や弁当を持っての遠足などの野外活動、行事、誕生会など日々の保育の中で自然に交流しています。

・子どもの排泄のリズムを捉え、個人差を尊重して援助しています。外出時や午睡前はトイレに行くように促しますが、強要しないよう心掛けています。トイレットトレーニングは一人一人の状況をみて保護者と連携しながら個別に対応しています。おもらしをした子どもには、恥ずかしい事ではないと伝え、自尊心を傷つけないよう、さり気なく対応しています。

・降園時にその日の子どもの様子を伝え、保護者と情報交換するよう努めています。乳児クラスは毎日の家庭と園生活の連続性を考慮した書式の連絡ノートを使用し、幼児クラスは保護者が用意した連絡ノートで情報交換をしています。個人面談を受けやすいよう期間を設けて実施するほか、希望に沿って随時行われています。クラス全体の様子や保育の目的、子どもたちの日常の様子などを伝える保護者懇談会は年2回実施しています。

・保護者が予定を立てやすいよう、年度末に次年度の年間行事予定を配布しています。また、園だよりに月の予定を掲載して知らせています。毎月の誕生会に保護者の保育参観を行っています。ほとんどの保護者から「誕生会に参加して子どもの成長を感じる」と感想を得ています。保育参加では盆休みの父親が参加し、ダイナミックな動きで子どもたちに好評でした。懇談会などに出席できなかった保護者へのフォローは、個別に話した内容を伝えるなどしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・短縮保育(ならし保育)は入園時の面接の時に説明しています。0歳児の新入園児に対しては、4月中は保育士を固定し、安心した環境を作っています。1歳児の約半数は新入園児であり、初めは新入園児と進級児はグループを分けて、徐々に両グループを混ぜていくように保育を進めていきます。進級児については、進級時に新旧の担任保育士間で打ち合わせを行い、情報の受け渡しを丁寧に行っています。なお、人形、タオルなどの持ち込みは他の子どもが欲しがることがあるために園の方針としては認めていません。家庭との連絡帳は乳児については園で準備し毎日記入しています。

・気になる子ども、要配慮児については個別ノートを作成しています。クラス会議やリーダー会議で話し合いがされて記録に残しています。本社の研修でも要配慮児については取り上げられ、その研修報告書は職員の誰もが見ることができ、情報を共有しています。

・園舎にはエレベーター設備があり、障害児対応のバリアフリー構造となっています。気になる子どもについては保護者の了解のもとに横浜市南部地域療育センターと連携しており、巡回指導を受けています。他の子どもとなるべく同一の環境で自然に関われるようにしています。

・苦情や要望を第三者を交えて解決する仕組みはできています。園独自で解決困難な事例については、運営本部や区役所に相談するようにしています。こうした要望や意見はリーダー会議やスタッフ会議等で職員間で情報を周知するようにしています。ただし、これまで苦情という形で保護者から出されたことがないために、苦情やトラブルのデータを蓄積する仕組みは機能していません。今後は要望・苦情等の保護者からの意見はデータ化して保存し、活用していくことが望まれます。

・子どもの健康管理に関するマニュアルに基づき一人一人の健康状態を把握しています。職員は観察し、保護者から口頭で様子を聞いて受け入れをしています。入園時の既往歴や予防接種の状況などについては保護者に健康台帳へ記載してもらい、保護者から新しい情報を得た時は職員間で共有しています。職員は、園での子どもの健康状態を必要に応じて保護者に電話連絡したり、降園時に口頭で状況を伝えたりして保護者と降園後の対応を話し合っています。食後の歯磨き指導は3歳児から行っています。クラス活動として歯ブラシの持ち方、鏡を見ながらブラッシング、また大きな歯型の模型を使って自分たちで制作した歯ブラシでブラッシングを学んでいます。

・安全管理に関するマニュアルとして「危機管理ハンドブック」があり、地震、津波、火災、風水害、不審者対応、行方不明などの項目があり、緊急連絡体制や行動手順等が明記されています。地震を想定して転倒防止対策がとられ、安全について場所別、クラス別の「安全チェック表」にチェックするなど安全対策が講じられています。避難訓練年間計画を作成して、避難訓練や通報訓練などの訓練を毎月実施して「避難訓練実施記録表」に記録しています。職員は、毎年消防署員に来園してもらい、AEDや救急救命の講習を受講しています。

4 地域との交流・連携

・園は、港南台駅周辺の保育園合同で行われる子育て支援事業に参加していますが、園独自で要望を把握するための具体的な取り組みはまだされておらず、今後の課題と考えています。地域の保護者等の子育て相談を受ける中で保育所に対する要望を把握しています。また、園長や担当職員は港南区子育て地域連絡会や交流会、研修会に参加して子育て支援ニーズを把握するよう努めています。

・港南区の子育て支援事業に参加する担当者を中心に、地域の子育て支援ニーズについて話し合っています。地域の子育て支援サービスとして園庭開放を毎週水曜日に実施しています。園が主催する講習会等はまだ実施されていません。豊富な絵本の貸し出しや離乳食の進め方、絵本の読み聞かせなど保育園の専門性を活かした講習会が実施されることが期待されます。

・職員は、港南区子育て連絡会で地域の保育園や消防署、地域子育て支援拠点などと協力して子育て支援事業に参加しています。小学校と地域の保育園と連携して年5回の交流をして一緒に遊んでいます。また、こどもフェスティバルに参加する地域の保護者に園のテントやたらい、プールなどの備品の貸し出しを行なっていますが、保育園の行事に地域の親子等を招待していません。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・クラス会議、リーダー会議などで自分たちの振り返りをもとに、園全体の振り返りを行なっています。園としての自己評価は保育の内容、職員の質の向上など多岐にわたっており、その期の全体的な運営について評価しています。この結果は次期の運営に活かされ、保護者にも公開されています。

・法人ではコンプライアンス規定を作成しており、法令等の順守規定が守られるように指導しています。就業規則でも同じように服務基準を作成しています。園の自己評価や、財務諸表は保護者に公開しており、運営の透明性を高めています。職員会議などでは、他の保育園などで発生した大きな事件、事案を園内研修で事例として取り上げ、職員に啓発しています。

・書類の電子化への取り組み、保護者の諸費用の引き落としなどの重要な事案について保護者と意見交換をしています。このような事案に関してはその目的、理由などを職員や保護者に説明して理解を求めています。ただし、異なる部門の職員による検討チームを編成し、組織をあげて取り組むまでには至っていません。

・法人では、キャリアパスの仕組みを作っておりスーパーバイズのできる主任クラスの育成は計画的に行っています。園では、主任はクラスを持たず現場の職員の業務を把握し、職員の能力・経験に合わせて助言や指導を行ったり、精神的・肉体的な状態を良好な状態で仕事ができるように配慮をしています。

・法人としての中長期計画は作られていますが、園としての中長期計画の作成には至っていません。園としての単年度計画が策定されていますが、中長期計画との連動性はありません。今後、園としての中長期的計画を作成し、それに沿った単年度計画を策定していくことが期待されます。
法人としては、将来の組織運営に関して、システム化などの新しい取り組みを検討しています。また幹部職員も計画的に育成しています。運営に関して、公認会計士などの外部の専門家の意見を取り入れています。

6 職員の資質向上の促進

・運営法人は、園の人材構成を常にチェックし必要な人材を補充しています。法人内研修を始めとして園内研修も含めて研修を幅広く実施しています。法人は職員のキャリアパスを明確にしており、それに則って体系的な研修計画を作成しています。職員は年度末に自己評価を行い、その結果について園長が評価する仕組みが作られています。

・非常勤職員は本人の希望を尊重して勤務時間などを設定しています。非常勤職員に対しても研修が実施されています。研修責任者は園長となっていますが、常勤職員と同じように、本人が希望すれば園内研修は受講することができます。非常勤職員の指導担当者は園長ですが、常勤職員とのコミュニケーションは自然に取られていて、問題があった時には園長が対処することになっています。

・職員の自己評価は毎年度末に行い、さらに園の自己評価を実施する仕組みがあります。法人の研修では絵本、わらべうた、乳児保育など外部の講師、専門家に依頼して専門知識を学んでいます。ただし、職員会議などで、良いサービスを事例をもとにした一層のサービス向上を目指した勉強会は開かれていません。今後、保育の状況を共有し、課題を明確にして自分たちでサービス向上を目指した勉強会・会議が開催されることが期待されます。

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