かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

かわの風保育園(2回目受審)

対象事業所名 かわの風保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 多摩福祉会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 212 - 0005
幸区戸手2-12-10
tel:044-542-8133
設立年月日 2012(平成24)年05月01日
公表年月 2019(令和元)年05月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および概要
 社会福祉法人 多摩福祉会系列のかわの風保育園は平成24年5月1日に開設され、0〜5歳児の定員120名、現在の受け入れ124名の大規模保育園です。
 JR東海道線、南武線の川崎駅より市バスや東急バスで8分の御幸小学校前で下車し、徒歩2分の住宅街の一角に立地し、園舎は2階建て鉄筋コンクリート建屋です。1階では3〜5歳児保育室のほかに地域子育て支援センター「ゆずりは」を併設し、2階では0〜2歳児保育室のほかに、非定型一時保育(2〜3日/週)、緊急一時保育(14日以内/月)を行っています。園には450u強の広い園庭があり、併設の地域子育てセンターにも小さな独自の園庭があります。

・特徴 
 保育目標に「子どもたちの権利が守られ、尊重される保育環境の実現」「自分自身が大切な存在であることを感じられる保育」「心地よく過ごせる中での保育」「生きること、成長することをお互いに尊重し合う保育」の子どもを中心とする目標を掲げ、子どもたちの意思を尊重した自由度の高い保育を実践しています。

【特に優れていると思われる点】
1.保護者に対し、保育内容と子どもの様子を詳しく伝える工夫と実績
毎年1月から2月にかけて行う「保育参加月間」では、各クラス1日1組限定の予約制で受け付け、参加前日に、見てもらいたい「保育のポイント」を書面にて渡し、最後に保護者の感想を書いてもらっています。保育参加終了時には必ず、担任と保護者で十分な時間を取って個人面談を行い、保護者との話し合いに応じています。この結果、毎年保護者の90%以上の参加実績を得ており、希望者には子どもと一緒に給食も味わってもらっています。

2.全職員参加による事業計画、保育運営の実践
全職員は、保育園運営の「小学校連携」「園だより」「備品消耗品」「写真」「保健安全」「防災」「営繕美化」「図書」の基本作業のほかに、「研修担当」「行事担当」という役割りを担当に任されており、全員で園の運営を支える体制で保育を進めています。また、「園内幹事」2名を任命し、職員同士の親睦会などを企画、実践するなど、全員参加体制での保育運営を実践しており、個々の職員は高い責任意識を持って保育を進めています。

3.地域密着型の保育の実践
園では、0〜5歳児の保育のほかに、併設の地域子育て支援センター「ゆずりは」や、非定型一時保育(2〜3日/週)、緊急一時保育(14日以内/月)を通じて、地域に密着した全方位の保育事業を進めています。地域子育て支援センター「ゆずりは」における入園前の子育て世代の利用は、親子の体験入園的効果もあり好評です。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.園独自の人材育成ビジョンの策定
保育士の育成に関しては、行政の打ち出した「キャリアアップ研修」があり、キャリアアップの道筋、研修分野、習熟度達成の目安となる経験年数を明確にした「キャリアマップ」が基盤になっています。本園でも、「キャリアマップ」を基盤とした保育士人材育成ビジョンの確立が望まれます。

2.積極的なボランティアの受け入れを
ボランティアの受け入れには、保育所運営が閉鎖的になることを防ぐという役割のほかに、園児の生活の広がりに寄与するという役割が期待されます。受け入れに関して積極的な対応が望まれます。

3.アンケート結果など保護者への公開
園では保育参加や懇談会の際などに保護者からアンケートを取っています。保護者からアンケートを取った結果を、園だよりや、掲示などで保護者に知らせることをおすすめします。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・活動の際には、子どもたちのやりたいことを尊重しています。乳児は好きな遊びを何種類か用意して自分で選べるようにしています。幼児は活動の際に何をやりたいか子どもの意向を聞いています。朝や夕方の自由遊びの際にはいくつかのコーナーを設定し、好きな遊びを出来るよう環境を整えています。

・園の方針に、「子どもの権利を守る」と掲げ子どもを一人の人間として関わる、子どもの声を真摯に受け止める、子どもを傷つけないような言葉かけをすることを職員間で確認しています。

・各年齢の保育計画には、子どもたちが主体的に生活できるような活動を盛り込んでいます。子どもの声に耳を傾け、自主的に遊んだり生活できるような計画を立てています。

・設置法人内の合同研修会や他の研修を通して子どもの人権について職員は学んでいます。年数回、幸区主催の人権をテーマとする研修案内があり職員が参加しています。日々の保育の中で、自分自身も他者も大切な存在であることを意識できるような関わりをしています。

・プライバシー保護については、法人研修の際資料を使って職員が学んでいます。会議の際の記録の中で状況に応じフルネームを記載しない、電車内などで絶対に園児の話をしないなど、身近なことから職員会議などで園長から話し、折に触れ確認しています。

・子どもや保護者に関する情報を外部機関とやり取りする必要が生じた場合は、必要性を説明し、同意を得て行っています。特別な配慮が必要と思われる子どもについては、保護者の同意を得て他の機関へ相談しています。


2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・懇談会を年2回、個人面談を年1回行っており、保護者の意向を聞き取っています。また保育参加を期間を決めて行っており、参加した後のアンケートでも意見をもらっています。

・日々の送迎の際に保護者とコミュニケーションを取り、家庭での様子や園での過ごし方を話す中で保護者の意見や要望などを聞き取っています。登園時には、保護者と顔を合わせ、子どもの様子を確認し、気になっていることなどを聞いています。いつもと違う様子を聞いた時は個人記録表と引き継ぎ書に記載し、他の職員にも伝えています。また、連絡帳でも子どもの家庭での様子を確認しています。

・風邪気味である、けがをしているなど、子どもの状態で気になることがあれば個人記録表に記載します。昨日までなかったけがや傷に気づいたときは、どこでつけたのか保護者に確認しています。その日の子どもの様子を状況に応じながら無理なく過ごせるようにしています。

・子どもたちの食に対しての関心を養うためさまざまな食育活動を行っています。園のプランターではオクラ、ナス、きゅうり、ピーマンなどを栽培し、調理保育で使用しています。秋には5歳児がさんまを購入し、下ごしらえし、4歳児が八百屋で大根を購入し調理保育に使用します。3歳児は園庭で実ったゆずを収穫しておやつに使用し全園児に提供しています。1〜2歳児はスイカを切る様子を見学したり、野菜に触ったりしています。また、ぬか漬けつくり、あんこつくりなども行っています。

・利用者の意向集約は園長、副園長、主任が担っており、保護者からの意見などは職員会議で検討し、よりよい保育ができるよう改善しています。

・行事後のアンケートで出た意見は、職員会議で検討し、次年度の実行の際に改善できることは行っています。

・苦情解決責任者、苦情受付担当者、第三者委員2名を設置し、苦情解決の仕組みを説明した資料を懇談会で配付し、園内にも掲示しています。

・玄関には意見箱を設置しています。また懇談会の際には意見を記載できる欄を資料に設けて保護者が気軽に相談できるように配慮しています。

・保育室1階と2階にそれぞれ相談室を設置して、相談しやすい雰囲気や、廊下から見えないようにすりガラスにするなどプライバシーにも配慮しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・入園前説明会には保護者に来園してもらい、園長、副園長、主任が「重要事項説明書」「入園のしおり」「かわの風保育園の概要」や実物を準備して、延長保育料、補食代など毎月の費用明細について詳しく説明しています。

・入園前に「重要事項説明書」の説明を行った後、当日、もしくは利用開始前(3月末)までに重要事項説明書内容に対する同意書と個人情報利用目的に関する同意書を記名捺印の上、提出を受けています。

・入園に際して、子どもの心身の状況や生活状況は、川崎市に保護者が提出した「児童票」「入園前健康診断記録表」「健康記録表」により把握し、クラス担任、園長との入園時面談で聞き取ったこと、さらには同伴の子どもの様子など「ノート」に記録し、必要なものは「児童票」に転記して保育に活かしています。
・0〜2歳児はクラス指導計画および個別指導計画を作成し、3歳児以上はクラス指導計画で、また必要に応じて「個別指導計画」を作成し、保育を進めています。

・入園後の子どもの発達状況については、0〜5歳児は毎月成長記録表に記録し、必要があれば指導計画の変更に結びつけています。

・「全体的な計画」は各年齢別に養護・教育についてクラス担任が関係する職員合議で作成し、園長が全年齢についてまとめています。年齢別の指導計画は「全体的な計画」をもとに、クラス担任が担当職員との協議の上作成し、園長が承認して確定しています。また、指導計画は養護(生命の維持・環境・言葉・表現)の各領域に考慮して担任が中心となり策定し、園長が確認しています。栄養士は各クラスの育ちに合わせ、食育計画をつくり、ねらいや活動予定などを職員・栄養士も関わり、保護者に伝えています。

・各クラスの保育日誌にその日の「評価・反省」を記録し、月間指導計画終了時には評価・反省を行い、その結果を次月の計画に反映させているかを主任、副園長、園長が確認指導しています。

・年間指導計画は4〜6月、7〜9月、10月〜12月、1〜3月と期間を区切り、年4回定期的に見直し、月間指導計画は月末に、週案は週末に、クラス担当職員間で振返り、見直しを行っています。保育日誌では毎日、必要な都度振り返りを行っています。又、保健計画、食育計画なども、喫食状況や実施結果に基づき評価、見直しを行っています。

・食物アレルギー児の場合、入園時には医師の指示書をもとに、園の栄養士も同席し、担任、園長も入れて保護者と面談を行い、入念な話し合いの上、川崎市健康管理委員会に申請し、除去食や代替食を提供しています。

・園は「業務マニュアル」で保育サービスを標準化し、また、感染症、虐待、事故防止など各種マニュアルに基本事項や手順を定めています。全職員は入職時の研修や、入職後の園内研修や法人系列3園の合同研修にてさらに深く学び、保育に活かしています。
 
・園長は「危機管理マニュアル」にそって、「安全チェックリスト」を策定し、乳児室エリア、幼児室エリア、共用エリア別に、乳児担当職員グループ、幼児担当職員グループ、主任グループなど担当職員グループを定め、毎月職員会議の日に、全館点検を行い、安全確保に努めています。

・園では職員3〜4人で構成される防災係、保健係を置いて、日々の子どもの安全確保に努めています。各係は職員間で合議の上、防災計画、報告書を作成し、毎月園長に報告を行っています。

4 地域との交流・連携

・随時、園見学を受け入れ、園見学者には個人情報に触れないものを配布して、園情報を伝えています。さらに併設の一時保育室からは月2回「そらだより」を配布しています。また、地域子育て支援センターからは「ゆずりはだより」を地域に配布しています。

・園行事「納涼会」「友遊祭」「移動動物園」がある際には、事前に日時を町内の掲示板や園舎周りに掲示して地域の方々の目に触れやすいように努めています。

・園のホームページにも園情報を詳しく掲載し、幸区役所に園のリーフレットを置き、幸区役所の「お子さまマップ」へも情報を掲載しています。

・ボランティアの来園に際しては、「ボランティア受け入れガイダンス」により、守秘義務やプライバシーの尊重などを説明の上で受け入れるよう、合同研修では学習しています。

・幸区地域見守りセンター保育所等・地域連携により情報を入手しています。幸区幼保小連携会議、主任児童委員との連絡会、要保護児対策協議会、御幸小学校の地域開放委員会にも参加し、地域情報を得ています。幸区主催の「子ども子育てフェスティバル」に参加しました。

・園長は小学校の授業参観や懇談会に参加し、卒園児や就学に向けての情報交換に努めています。

・年一度の校庭側溝の掃除に園職員も参加するなど、関係機関との良好な関係づくりに努めるとともに、地域のニーズや情報収集に努めています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・園では4月の保護者懇談会にて説明する「平成30年度全体保育計画」に、基本理念「子どもの権利、人権を守り尊重することを最大の目的とする」「本法人が実施する保育並びに子育て支援活動にかかわる全ての人が、心地よさや安心感を得られる場を提供する」「すべての人にやさしさを持って関わり、児童福祉本来の目的を達成する」を掲げ、保護者にも周知しています。

・保育目標として「子どもたちの権利が守られ、尊重される保育環境の実現」を打ち出しています。具体的行動として「自分自身が大切な存在であることを感じられる保育」「子どもの権利が確かに守られ、誰もが心地よく過ごせる保育」「生きること成長することを互いに尊重し合う保育」を掲げており、園の目指す保育方向を読み取ることができます。保育目標については全職員に周知しており、職員の行動規範となっています。

・毎年4月に本園の設置法人理事長より全職員に対して理念、方針の説明を行っています。また、各職員は入職時のオリエンテーションや系列園の合同研修でも繰り返し説明を受け、意識の統一を進めています。

6 職員の資質向上の促進

・全職員は遵守すべき保育士職業倫理や法令・規範等は入職時のオリエンテーションで十分に学習しますが、系列園の合同研修などで再学習しています。

・職員が常に携帯する保育手帳に倫理綱領などが掲載されており、会議の際に職員同士で読み合わせも行っています。

・中・長期計画の中に「職員の資質の向上」を掲げ、平成30年度事業計画では、園長以下、職員一人一人の年間研修受講計画を打ち出し、前期、後期の年2回、進捗状況を振り返るなどして、資質の向上に取り組んでいます。

・園は行政のキャリアアップ研修にも職員を参加させ、専門知識の拡充と資格などの取得を後押ししています。

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