かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

横浜りとるぱんぷきんず(4回目受審)

対象事業所名 横浜りとるぱんぷきんず(4回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 清香会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 223 - 0062
港北区日吉本町4−10−49
tel:045-560-5645
設立年月日 2006(平成18)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年05月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および施設の概要
 横浜りとるぱんぷきんずは、横浜市営地下鉄グリーンライン線「日吉本町駅」から徒歩7分の都市整備公団「コンフォーレ南日吉」に隣接したところにあります。隣地には公立保育園や老人ホームがあり、閑静な住宅街に位置しています。
社会福祉法人清香会を経営母体として、平成18年4月に開園し、0歳児〜5歳児まで園児96名(定員90名)が在籍しています。RC造2階建ての園舎にはウッドデッキやテラスのほか、388uの園庭があり、滑り台や築山、アスレチック遊具(ボルタリング)などを備え、子どもたちの朝夕の遊び場となっています。
・園の特徴
 保育方針として「子どもにとって最大限に必要な保育の提供」を掲げ、子どもの発達に応じた環境構成の中で、一人一人の自立を援助するとともに、感性を育てる保育、人と人との関わる力を育てる保育を実践しています。モンテッソーリ教育を基本として、さくらんぼリズム、ぱんぷきんPUMP(リズム遊び)、英語教室、あるて(臨床美術)、心育(心を育む保育)、外部講師によるスポーツ教室などの特色ある保育を実施しています。  
 当園では、1歳児クラスの子どもで2歳の誕生日を迎えた子、および2歳児クラスで3歳の誕生日を迎えた子どもについて、発達状況・発達過程に応じ職員が話し合い、保護者の同意を得て、年3回程度に分け、年度途中に上のクラスに移行する「移行システム」を採用しています。

【特に優れていると思われる点】
1.年間保育テーマにそったつながりのある保育の実践
平成30年の園の年間テーマを「輝き」とし、それに基づき各クラスの保育テーマを設定し、年間を通してつながりのある保育を実践し、運動会や生活発表会、クリスマスなどの行事につなげています。春の保育参観時には、保育テーマに基づいた年間の取り組みや育てたい内容について冊子にして保護者に配付し、クラス懇談会ではテーマ保育活動についてパワーポイントを使って説明しています。また、各クラスのテーマに基づいた保育活動の記録を「テーマ日誌」として写真付きのファイルでまとめ、3歳児以上のクラスは保護者に紹介しています。3歳児クラスは「手」をテーマとして、発表会で「てぶくろ」の劇を行い、4歳児クラスは「音」をテーマとして、糸電話で音を知る経験をしています。5歳児クラスは「私」をテーマとして、おはぎ作りで祖父母を招待し、一緒におはぎ作りを楽しみ、祖父母に「ありがとうカード」を作成しています。

2.人材育成のための研修体制の確立
本年度の主要テーマに「人材育成」を挙げ、職員の保育の質の向上を図っています。設置法人本部では、経験年数・役職別の人材育成計画に基づき、年間研修スケジュール表を作成し、新任研修、2年目、3年目、4年目以上、クラスリーダー、副主任・主任別研修や事務員研修、男性保育士研修、法人合同研修を実施しています。また、任意研修として絵本、食育などがあり、職員は自主的に参加することができます。また、期初に園内研修予定表を作成し、「感染症予防・嘔吐処理」「アレルギー・アナフィラキシー」「NGワードと対応」「発達障害知識・気になる子への対応」などをテーマとして毎月園内研修が行われています。横浜市主催の「療育セミナー」や港北区の「豊かな人間関係を築くコミュニケーション研修」などに職員が参加して、毎月の全体昼礼などで研修報告を行い、職員間で共有しています。

3.活発な地域との交流
自治会に加入し、自治会と一緒に夏祭りを同時に開催し、盆踊りや御神輿担ぎに子どもたちが参加し、合同で取り組んでいます。年長児の取り組みとして、ケアプラザや老人ホームを訪問して歌や劇などを披露し、また、日吉南小学校を訪問し、交流を図っています。隣の公立保育園とはさくらんぼリズムやゲームを一緒に行ったりして交流しています。

4.食育活動の積極的な取り入れ
本年度の事業計画に「食育」を揚げ、食育委員会を中心に年間指導計画を作成、クッキングや菜園活動を行っています。毎月1回、全クラスでクッキングを行い、0、1歳児は食材を見たり、わかめ戻しをし、2歳児はアップルパイ、3歳児はおにぎり、4歳児は炊き込みごはん、5歳児はみそ汁作りなどを行い、12月には全園児でクリスマスケーキに挑戦し、食への興味・関心を育てています。菜園活動では、トマトやサツマイモ、キュウリ、オクラなどを植え、水やりをし、成長を楽しみ、収穫したサツマイモをスィ―トポテトに調理し、収穫の喜びや好奇心を育てています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.障がいのある子どもや特別に配慮が必要な子どもの個別指導計画の作成
障害のある子どもの個別の状況は、月間指導計画の中の「個別配慮」欄のほか、特定の子どもについては日誌(常時観察簿)に記録しています。また、3〜5歳児の特別に配慮が必要な子どもについても同様に、月間指導計画の「個別配慮」欄のほか、会議録に記録しています。障がいのある子どもや特別に配慮が必要な子どもについては、家庭や関係機関と連携した支援のための計画を個別に作成することが望まれます。

2.マニュアル類の整備
中長期計画の主要課題として、「マニュアル整備」が取り上げられています。現状のマニュアルは新旧のマニュアルが混在し、1冊にファイルされています。園が提供するサービスの標準的な実施方法を明確にした新マニュアルを整備し、園内研修の手引きとして、また職員・非常勤職員がいつでも手にとって確認できるよう、活用していくことが望まれます。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・設置法人共通の理念は「新しい保育の創造」、園の保育理念は「無限の可能性を信じ、共に育ちあう個と公の集団」とし、保育方針として「子どもにとって最大限に必要な保育を提供します」を掲げ、子ども一人一人の存在を最大限に尊重したものになっています。

・設置法人の就業規則に守秘義務の順守について定めており、職員は入職時に守秘義務や個人情報順守について説明を受け、誓約書を提出しています。

・職員は、個々の子どものペースを大事にして、子どもの話に耳を傾け、子どもの言葉や気持ちを受け入れ、子どものやりたいことをくみ取っています。

・製作時の色紙や発表会の役決め、持ち物や服装について、性別による区別はしていません。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・保育の実施にあたっては、園の保育方針に沿い、幼児クラスで縦割り保育を取り入れ、集団での環境づくりを大切にしています。子どもの「やってみたい」という意見・意思を大切にして、その日の活動内容を柔軟に変更しています。

・3月の入園説明会後に主任・副主任・クラスリーダーが保護者と面談し、子どもの家庭での様子や課題などについて把握し、また、既往症やアレルギーなどの配慮すべき事項については、栄養士・看護師が面談をしています。

・園の清掃は掃除担当職員が毎日、園舎内のエントランス、ランチルーム、廊下・階段、ホール、各トイレのほか、戸外の玄関入り口などを掃除して清潔さを保っています。子どもたちが使う遊具や教具・教材は職員が常に消毒し、清潔に管理しています。

・子どもが主体的に活動できるように、子どもの目線の高さに合わせた低い棚に、絵や写真を表示してモンテッソーリ教具やおもちゃを置き、子どもが自分で取り出したり片付けができるようにしています。1歳児・2歳児が誕生日を迎えた際、2歳児クラス、3歳児クラスに年度途中で移行し、発達にふさわしい環境で遊べるようにしています。

・トマトやさつま芋、キュウリなどを栽培し、収穫したさつま芋をスィートポテトに調理するなど、保育活動にフィードバックしています。また、金魚を飼育したり、かぶと虫を幼虫から飼育し、エサやりなどを通していろいろなことに気づき、保育室に図鑑なども備えて興味関心を深めています。

・2歳児以上はランチルームで食事をし、3歳児以上はバイキング制を導入し、子どもは自分で食べきれる量を盛り付けています。盛り付け時に職員は嫌な物も少しだけでも食べられるように声かけし、食べられたら褒めるなど完食の喜びと自信を感じられるよう配慮しています。3歳未満児は職員が一人一人の食べる量を把握して量を加減し、残さず食べることを強制せず完食できるように配慮しています。

・4歳児の後半から徐々に午睡の時間を少なくし、5歳児からは午睡をしないことを基本としています。眠れない子どもには、午睡を強制せず、休息が大切であることを大事に考え、横になって静かに休息するように促しています。

・排泄については、個人差を考慮し、職員は、一人一人の排泄リズムを個人台帳に記録して把握し、無理に誘うのではなく自らトイレに行きたいという気持ちを大切にして、排泄のリズムを自然に作れるように配慮しています。

・3歳児以上はオレンジグループとイエローグループの縦割りクラスになっており、生活発表会や交流会などは縦割りで取り組んでいます。また、5歳児が3歳未満児の午睡後の着替えを手伝ったり、一緒に散歩にいったりするなど、常に異年齢同士が関わりを持てるようになっています。

・天気の良い日は散歩や園庭遊びを行い、朝・夕の合同保育の時間にも幼児クラスは積極的に園庭遊びを取り入れています。園庭に築山やボルダリングがあり腕や足を自然に鍛えられるようになっています。また、2歳児以上で毎週、派遣講師によるスポーツ教室を行っていて年齢や発達に応じたカリキュラムがあり、運動能力を高められるようになっています。

・保護者面談を年1回以上実施し、保護者面談期間以外でも、要望があれば実施しています。

・保育内容など子どもの園生活に関する情報は、0〜2歳児は連絡帳で伝え、3〜5歳児はブログで保育内容や子どもの様子、情報を保護者に伝えています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・ならし保育については、入園説明会後の個人面談時に保護者と相談し、子どもにとって無理が無い日程で行っています。1週間をメドに、保護者の就業状況も加味して、子どもの様子を見ながら柔軟に対応しています。

・指導計画は、P(計画)、D(実践)、C(評価反省)、A(見直し)サイクルを基本として、子どもの発達状況に合わせ計画を作成し、評価反省・見直しを行っています。

・乳児保育(0歳児)においては、一人一人の発達に応じた指導計画が作成され、愛着関係が形成されるように主担当を決め、職員は優しく穏やかな言葉かけ、ゆったりとした関わりをしています。

・障害のある子ども、アレルギー疾患のある子どもなど、特に配慮を要する子どもを積極的に受け入れています。

・「虐待防止アニュアル」に虐待の意義や種類などが記載され、職員に周知しています。虐待が明白になった場合や、疑わしい場合は写真を撮り、経過を記録して、港北区役所の保健師や横浜市北部児童相談所に通報しています。

・「入園のしおり」に苦情解決窓口、第三者委員、苦情解決の仕組みを記載し、苦情解決受付担当者は主任、解決責任者は園長であることを入園説明会で保護者に説明しています

・感染症への対応に関するマニュアルがあり、感染症の登園停止基準や保育中の発生時の対応などについて保護者に説明しています。感染症が発生した場合は、病名・感染人数を記載し速やかに保護者へ伝えています。

・地震・火災・風水害・事故などに対応した安全管理に関するマニュアルがあり、全職員に周知し、適切に対応できるようになっています。

・睡眠中は呼吸チェックを行い、プール活動時は監視員をたて、食事では一人一人の発達にあわせた食事形態で提供し、事故が起こらないようにしています。

・施設の安全チェックは「園施設安全点検チェック表」を使用し遊具やランチルームの鍵など定期的にチェックしています。

・子どものケガについては、小さなケガでも保護者に連絡し、職員会議で話しあって再発防止に努めています。

4 地域との交流・連携

・自治会に加入し、自治会と夏祭りを同時開催するなど交流を通して、施設への要望を把握しています。また、園庭開放や一時保育、子育てサロン、園見学を通じて育児相談を受け、地域の子育てニーズを把握する仕組みがあります。

・地域住民や地域の子育て世代に向け、子育てサロンや保育に関する講習などを開催しています。子育てサロンでは「親子でリトミック」「タッチケア」の参加を募り、子育て講座では「モンテッソーリ保育について」の講座を行い、講演会中は参加者の託児も行いました。

・自治会とは夏祭りを同時に開催して、盆踊りや御神輿担ぎに子どもたちが参加するなど、合同で取り組んでいます。また、年長児はケアプラザや老人ホームを訪問して、歌や劇などの出し物を披露するなど、計画的に交流を図っています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・園としての自己評価は、「組織・運営、保育、健康、安全、情報、開かれた園」からなり、理念・方針、全体的な計画に沿った内容について4段階評価で行い、保護者がいつでも閲覧できるように、エントランスに置いてあります。

・設置法人の就業規則に守秘義務や個人情報保護について定め、マニュアルに保育スタッフの心得、セクシャルハラスメントなどについて記載して、人としてのモラルを守るよう、代表者会議などで職員に徹底しています。

・理念・基本方針をエントランス、事務室に掲示しています。マニュアルに記載された理念・方針を、職員に配付しています。代表者会議やクラス会議では、常に法人理念にある「新しい保育の創造」を意識して話し合いが行われています。

・H27年度〜31年度の園の中期目標、方針、課題などを一覧にした中長期計画を策定しています。中長期計画に沿い、H30年度の事業計画が作成され、重点項目として「心育、園内研修の充実、チーム力UP、行事の見直し」に取り組んでいます。

6 職員の資質向上の促進

・法人本部では、理念・方針に沿った保育が実施されるよう、経験年数・役職別(1年未満の新任職員、3年目までの職員、4年以上の中堅職員、主任クラスの指導的職員、園長・副園長クラスの管理者)に、達成目標、研修内容(OJT、OFF-JT、自己啓発など)を一覧にした「人材育成計画」を作成しています。

・主任・リーダーが系列園の視察研修に行き、良い点を園で取り入れ、園内の保育に生かしています。また、各研修に参加した職員は、研修参加後に研修報告書を提出し、毎月の全昼礼やクラス会議で報告を行い、職員間で共有しています。

・園内研修予定表に沿い、毎月園内研修が行われ、非常勤職員も「感染症予防・嘔吐処理」「アレルギー・アナフィラキシー」などの研修に参加しています。

・年間指導計画はその期のねらいに対し、月間指導計画・週案、個人記録は養護・教育の各保育内容のねらいに対し、評価反省をして保育に活かしています。

・職員は、期初に面談シート(自己評価フィードバック)に1年間の目標を「人間性、専門性、組織」の三つの観点から立て、前期・後期ごとに年2回、園長と面談して、目標に対しての達成度合いを評価・反省しています。

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