かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

すみれ保育園(2回目受審)

対象事業所名 すみれ保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人多摩福祉会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 211 - 0021
中原区木月住吉町1−12
tel:044-430-5544
設立年月日 2004(平成16)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年05月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
 すみれ保育園は社会福祉法人多摩福祉会(川崎市内に3園を運営)を設置主体とし、平成16年4月に設立、東急東横線・JR南武線の武蔵小杉駅から徒歩10分の住宅街に位置しています。0〜5歳児128名(定員120名)が在園し、一時保育(月〜金)、休日保育(日曜祭日)を行っています。近隣に二ヶ領用水や公園があり、子ども達の散歩先になっています。
・特徴
 「子ども達の権利が守られ、尊重される保育環境の実現」を保育目標とし、林間保育、納涼会、友遊祭、芋ほり、餅つきなど様々なイベントを通じて子どもたちは変化や潤いのある園生活を楽しんでいます。3〜5歳児は1階の広い保育室を棚で区切り、日常の園生活で異年齢交流が可能な環境になっています。園庭でドッジボールを楽しみ、隣接する小学校の校庭を借りてサッカーを楽しむなど、スポーツを通じて体力増進を図っています。

【特に優れていると思われる点】

1.様々な体験やイベントを通じて日本の文化を知り感性を育てる保育
子ども達は納涼会、相撲の観覧、月見、こま回し、餅つき、さんまの下ごしらえや梅干しつくりなどを体験し、また、野菜の栽培、サツマイモの収穫、梨もぎ、移動動物園、林間学校など自然や身近な動物に触れて園生活を楽しんでいます。季節の行事に合った飾りつけをし、これらの変化や潤いのある園生活を通じて日本の文化を知り、好奇心や感性を育てる保育を行っています。

2.子どもの自己表現を大切にする姿勢
職員は、集団生活のなかで子どもが気持ちや意見を表明することを大切に捉え、耳を傾け、気持ちに沿うよう努めています。設定保育を行う際は、子どもたちが活動を通して、他者とコミュニケーションをとりながら、自己を表現できるように努めています。造形活動では、幼児は段ボールで昆虫を作ったり、木工作業を行うなど、素材が好きな子どもたちが楽しく豊かに自己を表現できるよう工夫をしています。

3. 積極的な地域への子育て支援
未就園の親子向けに専用の園庭を開放し、また、移動動物園、納涼会などの園行事を案内して地域親子が参加しています。0〜3歳児を対象とする子育てサロン「杜の家」に年3回職員を派遣し、また、中原区の認可保育園園長会で企画する中原区二ヶ領用水の灯篭流し、交通安全パレード、保育広場コアパーク等に職員を派遣しています。
【特に改善や工夫などを期待したい点】
1. 子どもたちの主体性を育む環境設定
一斉保育時間が多く、おもちゃが収納庫にあり、子どもが自由に手にとることができません。
子どもが自由に遊べる時間の設定と、自由に発想を広げて遊びこめるコーナーの設置などの環境づくりについて、職員間で話し合い、園全体で取り組むことが期待されます。

2.保護者とともに子どもを育む姿勢
園は、保護者に入園前に見学をして、園の保育方針を理解したうえで入園を求め、保育園の保育は保護者の意見で左右されるものではないというスタンスです。行事後行うアンケートも記名式で、意見を言いやすい環境とは言えず、今回実施した保護者アンケートには要望や意見が多くあります。園としての見解を丁寧に伝え、理解を求めることが必要です。子どもを保育園に預ける保護者の気持ちに寄り添って、保護者と共に子どもを育む意識の発信が期待されます。

3.記録を残し、計画→実行→評価→改善の仕組みの確立
園の中長期計画はありますが、達成度が量りにくい内容で、進捗の確認がありません。またそれを実現するための年度ごとの事業計画や、職員の人材育成計画(キャリアマップと職位と経験に沿った研修計画)と達成のための個別の年間研修計画がありません。さらに、ヒヤリハット事例や消防訓練、実習生の受け入れの記録や、職員会議録も職員が話し合った経過の記録を残し、共有して活用することが期待されます。目標を明確化して実施内容の達成度を確認し、園運営が客観的に評価できるような仕組みの確立と改善が求められます。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・子どもたちの意見を聞こうとする姿勢と子どもたちが表わした意見に対して誠実に応えることを念頭に保育士は丁寧な言葉遣いで子どもたちと接するようにしています。

・職員は日常の保育のなかで子どもに寄り添い、子どもの思いを受けとめて、穏やかで分かりやすい言葉がけをしています。

・机を入れる棚の下を、子どもが入りこめるようにしたり、園庭の樹木の配置など、大人からは見えるが、子どもから見て死角になるような場所を作り、子どもが安心して過ごせる場所つくりをしています。

・年度初めの職員合同研修で、プライバシー保護について職員に周知しています。保護者には、重要事項説明書の中で、個人情報の利用について具体的な範囲を説明しています。

・平成30年度全体保育計画に「児童虐待を防止する」項を設け、家庭支援が大切なことを明示し、重要事項説明書に「虐待等の防止の為の措置」項を設け、家庭、関係機関と緊密に連携して予防、早期発見、解決に努めています。

・個人情報の定義、その取り扱いや守秘義務についてマニュアルを整備することが期待されます。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・発達記録、成長記録、児童票などに書かれている内容を把握し、子ども一人一人の違いを把握しています。保育アプリケーションを利用しており、子どもの発達経過はWEB上で管理しています。

・子どもの声を真摯に受け止め、「待ってて」「後で」の言葉を使うことなくなるべくその場で対応するようにしていますが、時と場合によっては、その限りではありません。

・自分を表現する力が十分でない子どもが「いや」などと駄々をこねる時には、子どもの心情を推し量り、保育士が代弁したり、子どもの気持ちを聞き出すようにしています。

・園庭には大型三輪車、ロッククライミング、網渡りなどの遊具を設置して、子どもたちが積極的に身体的な活動ができるような環境と働きかけを行っています。

・前日体調不良だった子どもは、保護者に子どもの様子を尋ねると共に検温してもらっています。登園時体温が37.5度以上ある子どもは、保育を断っています。

・保育所の使命を生活習慣の取得と考え保育を行っています。年齢ごとに目標を定め、卒園するまでに、基本的生活習慣を身に着けることができるように努めています。

・食育として、野菜の栽培、芋や梨の収穫を行ったり、秋刀魚の下ごしらえ、クッキーつくり、漬物、梅干しつくりなどを普段の生活の中で行っています。

・0歳〜2歳児クラスまでは、食材の大きさ、柔らかさなどに気をつけ、子ども自身が自分で食べる事ができる喜びを感じることができるようにしています。

・3歳〜5歳児クラスは、調理室の前に、食品を1品展示し、子どもたちが興味を持てるようにしています。テーブルごとに、副菜や漬物などをそれぞれが食べられる分量を取り分けています。

・食物アレルギーのある子どもには、医師から診断書を出してもらっています。保護者からの申し出があれば代替食を提供します。

・子どもの安全を守るため、危険だから禁止するのではなく、何に注意すれば安全に遊べるかを考えて、保育士は立ち位置を配慮しながら子どもたちを見守っています。

・乳幼児突然死症候群を防ぐため、0歳児は5分、1歳児は10分間隔で@口元に耳A手を当て呼吸確認B胸に手を当て鼓動確認を行っています。うつ伏せになって寝ている子どもは仰向けにするようにしています。

・園では布オムツを利用し、排泄は、0歳児から2歳児までのクラスにおいて環境整備を行い、排泄の自立を目指しています。

・保育時間が長くなる子どもたちには、その日の子どもたちのタイプ、性格を考えて遊び、おもちゃの提供を行っています。

・4月、9月に行われる懇談会、友遊祭、クリスマス会などの終了後、保護者が子どものどんな姿を見たか、感想を記載してもらっています。保護者の感想を記載してもらう期間中はポストを用意しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・園の情報をホームページに記載し、パンフレット「すみれ保育園の概要」を作成して見学者に配付しています。

・入園前説明会で慣らし保育の重要性について説明し、一人一人の状況に応じて最長1週間の慣らし保育期間を設けています。

・クラス担任が年間指導計画、月間指導計画、週案を作成し、主任、園長が内容を確認しています。職員会議、乳児会議、幼児会議、給食会議などを通じて一人一人の子どもに関する情報を共有し協議しています。

・毎年、園の第三者委員でもある医師から、特別な配慮の必要な子どもへの保育にあたっての支援方法の講習を受けています。

・食物アレルギーのある子どもには、医師から「生活管理指導表」提出してもらっています。保護者からの申し出があれば代替食を提供します。

・苦情解決責任者は一時保育担当保育士、苦情受付担当者は主任栄養士、第三者委員は設置法人評議委員と民生委員主任児童委員に委嘱し、苦情解決の態勢を整えています。

・歯科健診は年1回、健康診断は、0、1歳児クラスは毎月、2歳児クラスからは年3回、行われています。健康診断、歯科健診の結果は健康診断記録票に記載され、保育士に周知しています。

・川崎市こども局子ども本部保育課(現こども未来局)発行「健康管理に関すること、その対応」を、子どもの身の回りの危険や感染症などについてのマニュアルとして使用しています。

・保護者から情報開示を求められた場合の規定を定めることが期待されます。また、保管期限が過ぎた子どもの記録は廃棄するまで個人情報として適切に管理し、規程に沿って廃棄されることが求められます。

・備蓄品の保管について、見直し時期を定め、管理することが期待されます。

・事故、ケガの発生未然防止を目的に、ヒヤリハット事例を集めて分析することが期待されます。

4 地域との交流・連携

・移動動物園、納涼会に地域の親子を招待したり、子育てサロン、灯篭流し、交通安全パレードなどに職員を派遣するなど地域との交流を図っています。

・地域の共通課題に法人として取り組んでおり、地域専用の園庭を開放し、一時保育、休日保育を実施し、園行事の情報を提供しています。

・ホームページに園内の様子や周囲の環境を写真で紹介し、パンフレットに開園日、時間帯、一日の保育活動、年間行事などを分かりやすく紹介しています。

・見学希望者には個別に対応し、子どもたちの活動の様子を見てもらっています。園について園長または職員が丁寧に説明しています。

・幼保小連絡会の校長園長連絡会、中原区認可保育園園長会、実務担当者会議、子育て支援担当者会議、中原区要保護家庭連絡協議会、主任児童連絡会議に出席し、地域の福祉ニーズの把握に努めています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・保育目標に「子どもたちの権利が守られ、尊重される保育環境の実現」を掲げ、子ども一人一人を大切にする保育を行うものとなっています。

・中長期計画の「領域別概念」に健康、人間関係、環境、言葉、表現について解説し、年齢別に保育の目的、職員に必要な知識、保育内容を具体的に記載しています。

・園長は運営組織、園務分掌、研修担当、行事担当を定め、諸会議を通じて、園の円滑な運営と質の向上に向けて統括者として指導し、日常業務に停滞が起きないようにしています。

・園長は、幼保小連絡会の校長園長連絡会、中原区認可保育園園長会、中原区要保護家庭連絡協議会、主任児童連絡会議などを通じて、社会福祉全般の動きや保育業界の動向情報を収集しています。

6 職員の資質向上の促進

・実習生・ボランティア受け入れ対応マニュアルがあり、受け入れの方針と手順を明示しています。受け入れにあたり、派遣校との覚書を交わし、園の実習責任者を明確にしています。

・運営理念、中長期計画に職員として持つべき意識、姿勢を明示すると共に、中長期計画、平成30年度全体保育計画に職員が持つべき専門技術について明示しています。

・行政からの研修案内や、一般財団法人川崎市保育会の年間研修(音楽、造形、健康、食育)等の案内を、園研修担当が提示し、職員の経験年数や受け持つ対象年齢児に応じた法人内研修、外部研修に参加を促しています。

・園長、主任は職員の悩みがあれば随時相談に応じ、必要に応じて解決に向けて対応しています。

・法人内研修、外部研修に参加した職員は、研修報告書を作成し、重要と思われる研修内容については、年度初めの職員合同研修会で報告しています。研修成果の保育業務への反映と効果の確認、次期研修計画への反映、研修内容の見直しを実施していません。

・研修成果の保育業務への反映と効果の確認、次期研修計画への反映、研修内容の見直しを行うことが期待されます。

・保育士の経験や職位に応じた、子どもの安全・衛生、保育力(指導計画、保育実践)、保護者支援などに関するキャリアマップ(育成ビジョン)を作成し、経験・職位に応じて職員一人一人の年間研修計画を作成することが期待されます。

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