かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

小学館アカデミーかみおおおか保育園(5回目)

対象事業所名 小学館アカデミーかみおおおか保育園(5回目)
経営主体(法人等) 株式会社 小学館集英社プロダクション
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 233 - 0001
港南区上大岡東1−3−18
tel:045-842-0751
設立年月日 2012(平成24)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年05月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 ケアシステムズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)
<特に優れていると思われる点>
1)看護師による保健指導、栄養士による食育などを積極的に取り入れており、子ども一人ひとりの発育状況に合わせた保育の実践に専門職が連携し取り組んでいる。保健指導では骨の話をした際、それを調理室に伝え「骨にいいおやつ(ジャコと小松菜を使ったおせんべい)」を作るなど、専門職と保育士とが協働して子どもの育ちについて考え、理念や基本方針が保育の中に反映できるようにしている。
2)職員の手作りによる園内装飾などを数多く取り入れており、特に四季を感じてもらえるような壁の装飾づくりに力を入れている。手作りのあたたかさを感じてもらうため、こだわりを持って基本を職員が作り、さらにパート職員も協力して作る連携の良さと情熱がうかがえる。きれいに可愛く、子どものための施設であるという雰囲気が演出されている。クリスマスの行事においても、絵本をもとに子どもが季節を楽しむ気持ちにつなげる工夫をしている。言葉で誘導するのでなく、具体的な取り組みをもって保育の中に取り入れている。
3)横浜市保育所地域子育て支援事業や港南区育児支援事業として、園で行っている誕生会や夏まつり、お正月などの行事、水あそびをはじめ、離乳食講座、夏の健康管理などの「育児支援講座」を開催して園の専門性を地域に還元することに力を入れている。園児と一緒に活動したり、啓発活動に参加してもらったりする機会を設け、年間スケジュールに落とし込み参加を促している。また、それらの支援事業は、市や区の各種の媒体によってタイムリーに情報提供されていることがうかがえる。
<特に改善や工夫などを期待したい点>
1)法人独自の取り組みである「楽習保育」は、入園から卒園まで一貫して成長を支援することに大きく寄与していることがうかがえる。ただし、職員の移動によるクラス担任の変更などによって、楽習保育以外の遊びや成長する子どもの姿などが「適切に引き継がれているか」について、さらに検証する必要性を園では認識している。毎日の保育を通して成長する子どもの姿を見据えながら、「保育の連続性」「日頃の情報共有」「課題に対する共通認識」などに力を入れることを目指している。
2)保育所保育指針の改定によって、法人としても基本方針を従前の7項目から8項目に充実させたり、園長会での説明などによって注意喚起を促したりしている。園においても職員会議などを通じて認識を深めるようにしている。さらに職員一人ひとりが新しい内容についてより理解を深め保育に活かすことができるように、「子どもの自主性や主体性」をテーマとした内部研修を充実させることを課題としている。
評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・児童票などをもとに、子ども一人ひとりの背景や事情を考慮しながら個別に対応することを基本としている。
・日常においては保護者との会話や連絡帳などによって様子を確認し、保育(カリキュラム)に反映させることにしている。
・虐待や虐待に類似する事例、育児困難などが見受けられた際には園長に報告し、園長は必要に応じて関係機関の児童相談所や主任児童委員と連携を図りながら対応する体制を整えている。
・早期発見については児童虐待対応マニュアルが作成され、園内研修に用いている。
・入社時に行う研修には『保育所職員としての心構え』を設け、「人権を配慮した保育」を盛り込んでいる。園内でも保育中は否定的な言葉はなるべく使わず肯定的な言葉で伝えるよう努めている。
・保育中だけではなく職員同士の会話の中でも子どもの呼び捨ては禁止となっている。
・保育士は子どもと1対1の関わりに努め、信頼関係を大切にして日々の保育に取り組んでいる。
・ダンボールを装飾した手作りパーテーションで空間をつくるなどの工夫により、他者の視線を意識せず過ごせる場所を確保している。
・落ち着いて一対一で話合いたい時は事務所でクールダウンし話すようにしている。状況に応じてライブラリーも使い、穏やかに過ごせるようにしている。
・個人情報の取り扱いやプライバシー保護に関する規定を設け、研修を通じて職員に周知している。
・保護者にむけては入所前説明会で個人情報の取り扱いに関しての説明した上で個人情報取扱同意書を提出してもらい、事務所の鍵付きキャビネットの中に保管している。
・クラスではロッカーの上に個人情報の書類など置かないよう心がけ職員同士声をかけ合い片付けるようにしている。
・名簿は誕生日順にし、男女で分けることはしていない。また日常保育では男女分けて活動することはほとんどない。製作の際も色は自分で選択できるなど対応している。
・運動面では差があるため状況に応じて配慮してあそびの提供をしている。行事で大勢の方の前で名前を呼ぶときは、全員「さん」に統一しており、普段は家庭でも呼び慣れた呼び名で呼びかけるようにしている。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・年度当初に年間行事予定表を配付することで、保護者に保育園の行事の周知を図り、理解協力が得られるように配慮している。更に、大きな行事の場合は、詳しい行事の内容についてその都度お便りを配付して保護者の理解を得られるようにしている。
・登降園時や、連絡帳、面談、保育参加などの機会に保護者から子どもの様子を聴き取ることに努めている。子どもの園での姿を保護者に伝え、連携を図る中で保育を進めることを目指している。
・一定の制限はあるが、急な延長保育を受け入れており、子育てをしている保護者やその子どもへの支援の一つとしている。
・園長または保育士が必ず入園前の面接を行い、保護者の要望を聞き取ると共に家庭の状況や生育歴を丁寧に聞き取り把握に努めている。看護師・栄養士も離乳食やアレルギー等について入園前・入園後、また必要に応じて随時面接を行うようにしている。ならし保育についての説明も行っている。
・入園後は年2回各クラス担任が保護者と面談を行っている。面談で話した内容は記録を取り、個別のファイルで保管している。また、面談した内容は会議等で全職員に周知し、把握に努めている。
・入園後には子どもの不安やストレスが軽減されるように子どもの成育歴・年齢・保護者の就労状況などを考慮した上で「ならし保育」を実施している。はじめは短時間から進め、子どもの様子に注力しながら個別に進めることとしている。
・心理的拠り所とするものの持ち込みについては、園のルールの範囲内で可能としている。在園児への配慮としては一対一でスキンシップを行う時間を作るようにし、精神的に安定できる工夫をしている。
・月1回の職員会議や週2〜3回の昼の打ち合わせの場で子どもたちの日々の様子を確認し職員間で共有、意見交換の上で指導計画の作成を行うようにしている。保護者とは連絡帳や口頭で園での様子を伝え、保護者と課題や目標を共有した上で、計画の改訂も行っている。
・0歳児には担当保育士含め3名の保育士(非常勤職員または看護師を含む)を配置し、生理的・心理的欲求を満たせるようにしている。担任以外の保育士も可能な限り決まった保育士を配置し、安心して過ごせるよう配慮している。ミルクの量や離乳食については保育士・栄養士と保護者で話し合いながら進めている。
・0歳児と1歳児はそれぞれ保育室が独立しており、食事と睡眠の場所をパーテーションで区切り、個々の授乳や睡眠時間に対応できるようにしている。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・保育理念、保育方針は子どもが尊重された内容となっており、パンフレットや入園のしおり、ホームページなどに記載されている。園内数か所にも掲示し、来園者の目に触れやすいようにしている。
・職員に対しては入社後の配属前研修において理念、保育方針についての詳しい説明を実施している。配属後も定期的な法人研修によって、理解を深められるようにしている。園においては、職員会議や園内研修においても理念や保育方針の周知を図り、指導計画に反映できるように努めている。
・保護者には、入園前の説明会をはじめ年初(4月)の懇談会において理念、保育方針、保育計画等の詳しい説明を行い、理解を深めてもらえるように、行事や園だよりなどを通じても伝えるように努めている。
・法人として掲げている7項目の基本方針を今年度から8項目にしている。その内容は「主体性を大切にします」であり、子どもの人権や意志の尊重について取り組み、保育において重視すべき事柄として現場の各園に指導を進め、当園においても職員に周知・理解を進め子どもの主体性を尊重した保育につなげることを目指している。
・理念と基本方針、30秒の誓いを更衣室、休憩室など、職員全員が目に入る場所に掲示し、毎日確認できるようにしている。定例の職員会議においても全職員で唱和し確認に努めている。
・理念・基本方針はエントランスに園独自で製作したわかりやすく大きなポスターを掲示して保護者にもわかりやすく周知している。
・年度初めに行う保護者会では全体的な計画について説明するとともに、年間スケジュールを含めて配布し、欠席者には後日配布する流れとしている。
・理念・基本方針や全体的な計画に基づいて各クラスの期別指導計画(月・週・日)を担任が策定しており、それぞれの期間において振り返りを行い達成状況を確認している。必要に応じて期中においても園長や主任がアドバイスしている。
・日々の指導では子どもの気持ちを汲み取ることを心がけて無理強いはせず、納得して行動できるよう言葉がけを工夫するようにしている。言語化が難しい子どもに対しては職員が気持ちを代弁して理解していることを伝えたり、友だちに想いを伝えるための言葉を教えたりして、一緒に言葉に出して言ってみるなど、一人ひとりの思いに寄り添うようにしている。
4 地域との交流・連携 ・区の春フェスティバルや地域の百貨店で行う保育園の紹介では、ポスターを貼ったり、遊びに来ませんかなどの告知をしたりしている。また、各園持ち回りで保育士が手遊びなどをしている。
・区に年度初めに毎年重要事項説明書を提出し情報提供に取り組んでいる。
・地域交流の「クラスに入って遊ぼう」は保育を実感できる場としている。
・地域の方々とは散歩の際に積極的に挨拶を交わしたり、地域の商店で食材や花を買ったりして交流できるようにしている。
・毎年、上大岡駅周辺の商店会が中心となって行っている上大岡まつりに、近隣園と一緒に踊りで参加しているほか、「3万本のひまわり畑」を見学に行き地域との交流を深めている。
・一年を通して計画的に近隣の保育園とも交流を持ち、昨年から近隣保育園数園が参加して行う年長児を中心のドッジボール大会やミニ運動会にも参加し交流を深めている。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・地域の子育てに関する情報は、園長などが出席する市(区)の園長会で把握するよう努めている。
・法人内で開催されている運営法人本部連絡会では、事業環境や福祉ニーズを把握するようにしている。
・地域交流や保育の取り組みについては毎月の職員会議で見直し、改善点や課題を見つけ、次回に反映させるようにしている。
・園長は法人施設運営担当者と共に月次収支を確認している。園内の経費については事務員を配置し、管理簿をつけて管理している。
・配属前研修で周知。他園の事故事例が法人本部より配信され、全職員に周知し自園に置き換えて検討している。(株)アイギス(危機管理アドバイスの会社)から伝えられる事例などは職員会議等で話し合いを設けている。
・コンプライアンスについて、かみおおおか保育園職員の心得を作成し、本部からの30秒の誓いなどとともに更衣室に貼っている。
・ハラスメントについて受け取り手の問題になるので、職員にも本部からの資料をもとに周知している。
・定期的に行政監査を受け、指導に基づき改善している。
・事務員との2人体制で現金管理をしている。園長不在時は現金出金禁止とし、帳票も毎月上げ、ルールに従って管理している。
・常に職員には節電や紙・水の節約は意識できるように伝え、子どもにも資源の大切さを伝えている。保育室を空ける時には必ず電気を消す習慣がついてきている。
・環境配慮に関してはマニュアルにあり、園内では室温度、湿度は毎日確認している。
・園内では牛乳パックの椅子を作成やコピー用紙の裏紙を再利用し、子どもたちは廃材などを利用し自由に作品を作るなどごみの減量化に努めている。
6 職員の資質向上の促進 ・職員の就業状況や意向を把握し、休暇取得や福利厚生の活用を推奨している。
・休暇取得に関しては、平等性を加味してシフト作成に取り組んでいる。
・園長は職員個々の抱えている仕事量の把握に努め、効率よく仕事ができるような提案や助言を行ない、リーダーに相談して就業時間内に勤務を終えられるようにしている。
・毎年職員健康診断を実施し、その実施機関で必要に応じて「食事指導」「健康相談」「メンタルヘルスカウンセリング」を行なうなど、職員はいつでも相談できるシステムが整えられている。
・インフルエンザ予防接種の斡旋を行い、多くの職員が流行時期前の接種に努めている。
・毎年10月頃に園長・本社の施設担当がそれぞれ職員一人ひとり面談を行い、話を聞くシステムとなっている。評価に関しては人事考課にて評価している。キャリアアップ等も整備され、職員にも周知されている。
・職種、職層、入社年次別に求める職員像がきちんと明文化されており、人事考課制度も整っている。
・職務分担表があり職種によっての役割が明確化されている。また重要事項説明書に記載されている内容に関しては、正規職員が責任をもって返答できるようにしている。

詳細評価(PDF802KB)へリンク