かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

小学館アカデミーつなしま保育園(4回目)

対象事業所名 小学館アカデミーつなしま保育園(4回目)
経営主体(法人等) 株式会社 小学館集英社プロダクション
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 222 - 0001
港北区樽町2-13-27
tel:045-542-1521
設立年月日 2013(平成25)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年05月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 ケアシステムズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)
特に優れていると思われる点
1)登降園時をはじめ、保護者懇談会や個人面談などを通じて保護者とコミュニケーションを図ることに力を入れている。今回行った保護者アンケートの「職員は話しやすい雰囲気作りや態度に努めているか」の設問に関しても高い満足度が得られていた。特に自由意見はなかったが、園との連携によってイベントでの保護者の協力が得られていることも報告されており、相互に適切な関係作りに取り組んでいることがうかがえる。また、地域の子育て支援事業の一環として取り組んでいる「わくわく子育て支援事業」も盛況であり、地域とのコミュニケーションも図られていることがうかがえる。
2)戸外遊びは園全体として力を入れており、自然との触れ合いによって心身の発達を促し元気に活動できるように支援している。保護者アンケートにおいても戸外遊びに関する取り組みは高い満足度が得られている。また、園庭に設置されているビオトープは、生き物と触れ合えるように作られており、特に綱島由来の植生植物などを取り入れて興味・関心が持てるようにしている。ビオトープも園の特徴の一つであり、遊びの中で自然や地域を学べるように取り組んでいる。さらに自然を生かした遊びを他の地域でも取り入れられるように広報している。
3)「げんきっず」という名称の、鉄棒・跳び箱・集団遊び・なわとびなど様々な運動遊びを定期的に行っており、「約束を守る」「順番を待つ」「危険なことを学ぶ」機会としている。練習の成果は運動会で発表され、保護者と共有する機会にもなっている。また、「なかよしデー」という取り組みでは、3・4・5歳児で小グループをつくり、グループ名を子どもたちが決めて歌や踊りなどやりたいことも自分たちで決めて活動している。活動した内容は定期的に発表会や運動会を通じて、縦割り保育の成果として発表している。
4)食育では季節ごとの食材に触れる機会を設けており、子どもが栽培した野菜を収穫して給食時に提供し、栄養士と一緒に調理して、体験を通して知識を得る機会と、嫌いな食材を食べることができる機会を設けている。給食は月に2回同じ献立を提供しており、栄養士は初回提供時の様子を直接見たり保育士から聞き取りしたりして把握している。2回目提供の際には把握した情報をもとに、改善に取り組むことにしている。
改善や工夫などを期待したい点
1)年間指導計画をはじめ、期間(月、週、日)に応じて指導計画を策定していることに加え、乳児クラスでは子ども一人ひとりの指導計画を作成している。また、指導計画の作成、達成状況の把握や見直しなど、適切なマネジメントもなされていることが確認できている。ただし、園では保護者に対して「指導計画やねらい」に関する理解をさらに深めてもらえるような仕組みを構築することを課題としている。また、地域社会(地域の子育て家庭を含む)に対しても、どのような保育に取り組んでいるかの情報を発信することを目指している。
2)保育で使用する工作用品などの備品類については一定の管理基準を設けているが、順守できていないことを園では課題としている。制作活動を行うために使用した各種の備品類の整理の工夫が望まれる。保育士が制作などで使用した備品を、所定の場所に返却し忘れることも多々あることを課題としている。今後は細かい部分まで効率よくチェック出来るように、チェック表を改善し整理整頓に繋げることが望まれる。
評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・児童票などをもとに、子ども一人ひとりの背景や事情を考慮しながら個別に対応することを基本としている。
・日常においては保護者との会話や連絡帳などによって様子を確認し、保育(カリキュラム)に反映させることにしている。
・虐待や虐待に類似する事例、育児困難などが疑われる際の早期発見については、児童虐待対応マニュアルが作成され園内研修に用いている。
・虐待や虐待が疑われる要因がある場合は園長に報告し、園長は必要に応じて関係機関の児童相談所や主任児童委員と連携を図りながら対応する体制を整えている。
・個人情報の取り扱いやプライバシー保護に関する規定を設け、研修を通じて職員に周知している。
・入園時には肖像権の取り扱いについて書面で同意書を取り交わし、保護者の意向に沿った対応に努めている。
・療育センターなど発達に関する公の機関と連携を図る際には、必ず保護者の同意を得るようにしている。
・保育士は子どもと1対1の関わりに努め、信頼関係を大切にして日々の保育に取り組んでいる。
・職員に対しては入社時の個人情報・守秘義務など人権に関する研修を行い、子どもへの声掛けや関わり方を学んでいる。
・日々の保育を実践する中で、職員会議・クラス会議などで自らの保育を振り返り、保育士一人ひとりが子どもを一人の人として接するように心がけている。
・子どもの意思を尊重し強制はせず、やりたい気持ちになるような声掛けをし、タイミングを見て誘い一緒に楽しめるように心がけている。
・時間にゆとりのある計画を立て、せかしたりすることのない保育を心がけている。
・おむつ替えなどは人に触れない場所で行うなど、人権に配慮して行っている。
・子どもが一人遊びをしているときには、その場所を確保できるように保育士が配慮を行っている。
・保育室のコーナーを利用し、落ち着いて過ごせる場所を作るなどの環境づくりに取り組んでいる。
・個別に配慮が必要な場合には、室内の隅や廊下を出た場所、ライブラリーの一角で気持ちが落ち着くまで対応する場として利用している。
・体調や気持ちの面で配慮が必要な場合には、事務所の看護スペースで園長・看護師・事務なども協力して見守り、過ごせる場として協力体制はできている。
・対応によっては、移動パーテーションを利用している。
・園内での実習・ボランティア受け入れの際は事前オリエンテーションで守秘義務について説明し、サインをもらっている。
・園の書類は園外への持出禁止を徹底するよう努めており、個人情報などの書類は鍵のかかる棚へ入れて施錠している。
・保護者には個人情報取り扱い説明・ブログ等の写真取扱説明・写真提供業者への情報提供などについては入園前面談で口頭説明を行い書面にて了解を得て保管している。
・入社時研修で性差による保育はしないことを学び、保育の実践において性別にとらわれずに個性を尊重して一人の人として可能性を引き出す保育を心がけている。
・「男だから」「女だから」「お父さんは」「お母さんは」などの固定観念は持たせないように心がけている。
・クラス名簿は誕生日順に作成し、製作などで使用する色・形については性差で区別せず、様々な表現が出来るよう取り組んでいる。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・個人面談では園長・主任・幼児リーダー・乳児リーダーが保護者の要望を聴き取るとともに、生育歴・家庭での状況・生活・健康・摂食面などを把握し、入園後の園生活がスムーズに進められるように記録をしている。
・入園時には、子どもの不安やストレスが軽減されるように子どもの成育歴・年齢・保護者の就労状況などを考慮した上で「なれ保育」を行っている。短時間から開始し、子どもの様子に注力しながら個別に進めることにしている。乳児は土日で戻ってしまう場合あるので、10日間ほどの期間で「なれ保育」を行っている。
・新入園児には主に関わる保育士を決め、深く子どもと関わることで安心して過ごせるように努めている。
・面談時にリクエストがあれば、子どもが馴染んでいる枕・ハンドタオルなどの持ち込みを受け付けている。
・保護者とは連絡帳等を利用して連絡を密にし、登降園時に直接話すことで情報共有するよう努めている。
・子どもたちが取れる身近な場所に遊具はあり、好きなものを選んで遊べるように環境設定をしている。
・子どもたちが興味を持ちそうな絵本、手作り遊具などもそろえて、自分で取り出し楽しめるように工夫している。自ら関わろうとする気持ちを大切にしており、時々声かけをして成長を促せるように努めている。
・室内を安全に探索出来るように、棚の角など危険箇所にはガードをして安全に配慮している。
・日々のあそび・生活の中からまたは子どもの発想・意見から計画に取り入れ、言語化できない場合には表情・態度からくみ取る努力をしている。
・子どもからの発想を大切にして、褒めたり認められたりすることから自己肯定感と自信をもち、自主性につながるように言葉で意識的に伝えていくようにしている。
・週一回の運動あそびの「げんきっず」では、マットあそび・鉄棒・跳び箱は室内、なわとび・リレー・ボール遊び等を、公園や園庭等を利用して幅広く行っている。
・身体を動かす遊びを通して運動が楽しいと思える気持ちや、出来たことで自信に繋がるなど、習得の過程で挑戦する気持ち・意欲を大切にしている。
・就学前には「入学準備プログラム」を行っている。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・保育理念「あったかい心をもつ子どもに育てる」と8つの基本方針を掲げ、温かな雰囲気や環境のもと利用者本人を尊重したものとなっている。
・保育理念、保育方針はパンフレットや入園のしおり、ホームページなどに記載されている。
・玄関、職員室、各保育室、給食室など、園内数か所にも掲示して来園者の目に触れやすいようにしている。
・職員に対しては入社後の配属前研修において理念、保育方針の詳しい説明を実施しており、配属後も定期的な法人研修によって、理解を深められるようにしている。
・職員会議や園内研修においても理念や保育方針の周知を図り、指導計画に反映できるように努めている。
・保護者には、入園前の説明会をはじめ年初(5月)の懇談会、行事、園だよりなどを通じても理念、保育方針、保育計画等の理解を深めてもらえるようにしている。
・日々の保育では各クラス、学年、乳児、幼児、職員会議などで振り返りを行い、気づいたことは話し合える場を設定し、明日の保育に生かしている。
・全体的な計画をもとに年間計画・月案・週案等の指導計画を理念・方針・目標に沿って作成し、記録によって振り返り次の保育に生かせるようにしている。
・指導計画は一人ひとりが安心した環境のもとに過ごせ、情緒豊かに、楽しいあそびの中から様々なことを学び、体験を積み重ねられるように立案している。
・保育指針改定やそれに伴う基本方針の改定については懇談会全体会で行い、クラス懇談会では年間計画目標や見通しをもって過ごせるように担任から説明を行っている。改定や追加等があるときには、掲示や手紙配付で周知している。
・指導計画は子どもの発育を踏まえてクラス会議や乳幼児会議で原案を作成し、職員会議で決裁を受けるとともに周知に努めている。職員会議・リーダー会議・乳幼児会議・クラス会議などを通して職員で話し合い、月案・週案など立案し振り返りをすることで次の保育に生かせるよう努めている。
・指導計画は様々な体験・季節や自然と関わり、自立への援助、意欲・自主性・社会性・協調性などが育つような計画になるように心がけている。
・計画は柔軟性をもち、反省・見直しなどで変更があった場合は、指導案に朱で訂正をしている。
・会議や打ち合わせは複数職員で構成し、子どもの状況・個別配慮・興味や関心など全学年の連携がとれるような立案に努めている。
・全職員が同じ目標に向かって子ども一人ひとりと向かい合い、個別配慮、援助が必要とされる場合には指導計画に明示して記録をしている。
・一人ひとりの気持ちを受け止め、自ら「やってみたい」という想いを尊重し、お互いを認め合える思いやりと優しさ、気持ちを共感していくことを大切にしている。
・子どもが安心安全な環境のもと、様々な経験・体験を通して、生活・あそびから多くのことを学べるように指導計画を作成している。
・綱島周辺の地域環境・実態を把握し、公園・商店街・公共の場を利用するなど、地域性を考慮した計画を組んでいる。
4 地域との交流・連携 ・保育園のパンフレット・ホームページ・ブログをはじめ、地域情報誌「びーのびーの」などの各種の媒体によって、子育て支援事業などの活動状況を提供している。
・地域の支援活動にも積極的に参加しており、園の紹介コーナーを設置してポスター掲示などによって情報提供に取り組んでいる。
・地域の公園や公共施設を散歩や運動遊びなどの戸外活動の場として日常的に活用しており、地域住民と挨拶や触れ合う機会を創出している。
・運動会は地域の小学校の体育館で実施し、5歳児は近隣の公立保育園でプールあそびを行い地域との連携を深めている。
・クッキングでは、地域の商店街に行き、買い物体験をし、散歩をしながら地域の方と挨拶をして話をするなどの交流を図っている。
・近隣の高齢者福祉施設の行事などに参加して歌や遊戯を披露して交流、お散歩マップを年長クラスで作成して地域社会を理解する機会としている。
・地域の社会資源を積極的に活用できるように、医療機関・相談機関・行政・地域交流施設などの必要な関係リストは適切にファイリングされている。
・地区別園長会への参加をはじめ、幼保小連携として、年数回の園長交流会、担当者交流会(5歳児担任が出席)などに参画し連携を深めている。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・法人本部との連携のもと、法人として共通の園運営に取り組んでおり、定例の園長会を通じて事業環境や保育ニーズなどの情報が共有化されている。
・園長会での情報は、昼の打ち合わせ・会議で報告し、全員に周知をしている。
・園においても経理管理マニュアルに沿って、横浜市補助金申請・保護者からの集金に関しての業務を円滑に実施している。
・業務上の規律・規範に関しては、就業規則やマニュアルに明文化され、いつでも確認ができるように見える場所に設置し職員に周知している。
・本年4月より赴任している新たな園長の指示・指導によって、事務・経理の職務分担の検討し改善に取り組んでいる。
・月次収支については法人本部と連携して確認しており、園内の経費については事務員を配置し、管理簿をつけて管理している。
・今年度は各園に「安全委員会」が設置され、安全委員が中心となり情報収集と共有を行っている。
・地域の子育てに関する情報は、園長などが出席する市(区)の園長会で把握するよう努めている。
・地域交流や保育の取り組みについては毎月の職員会議で見直し、改善点や課題を見つけ、次回に反映させるようにしている。
・区・市からの情報は、回覧・注意勧告を促すようにしている。
・横浜市指導監査は定期的に受け、アドバイス事項は園で検討して取り組んでいる。今年度は7月に実施され、適正な運営がなされている。
6 職員の資質向上の促進 ・職員の就業状況や意向を把握し、休暇取得や福利厚生の活用を推奨している。
・休暇取得に関しては、平等性を加味してシフト作成に取り組んでいる。
・園長は職員個々の抱えている仕事量の把握に努め、効率よく仕事ができるような提案や助言に取り組んでいる。
・リーダー職員への指示・指導によって就業時間内に勤務を終えられるようにしている。
・毎年職員健康診断を実施し、その実施機関で必要に応じて「食事指導」「健康相談」「メンタルヘルスカウンセリング」について、いつでも相談できるシステムが整えられている。
・インフルエンザ予防接種の斡旋を行い、多くの職員が流行時期前の接種に努めている。
・「個人能力向上シート」には経験・能力・職種に応じて、今後の成長を見通して目標を決め、園長と共有して課題を設け振り返り明文化するようにしている。
・人事考課制度については「個人能力向上シート」と達成度を示すグラフが明確化されており、職員への透明性が担保されている。本人には面談などを通して開示している。半期に1回の振り返りを行い、その結果を面談時にグラフの結果を示してアドバイスしている。
・法人統一の「段階的なあるべき姿」が明記されており、成長の目安としたり、それに見合うように支援している。
・保育計画には担任の工夫やアイデアが取り入れられるようにしている。報告・相談・連絡は常に行われている。
・次年度の意向調査は秋に行われ、意向を聞き取り、結果は法人本部と連携して進めることにしている。"
・職員面談は年3回行うようにしているが、その都度提案・相談があれば行っている。
・面接において改善事項などの提案があった際には、早めに対応できるように検討しモチベーションの向上につなげている。
・モチベーション向上を図ることを目的に、「得意分野を褒める」、「保育以外の担当業務を明確にする」などをサポートしている。
・園内で「あらゆる不適切な行為」がないように、マニュアル等の整備をして周知徹底するようにしている。
・職員からの気づきを大切にして、自主的により良い保育園にしようとする姿勢を大事に考え、職員会議内の「あなたの時間」などの場で気づきを活かしている。

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