かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

横浜市立左近山保育園(2回目受審)

対象事業所名 横浜市立左近山保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 横浜市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 241 - 0831
旭区左近山1997
tel:045-351-1907
設立年月日 1969年06月01日
公表年月 2019(令和元)年05月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 公益社団法人 けいしん神奈川
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

特に優れていると思われる点

1 障害児保育・環境整備に力を入れています
子ども本人の尊重を保育方針の基本としてきめ細かい保育を推進しています。特に障害児保育のための保育内容・環境整備に配慮されています。配慮を要する子どもの保育は、計画立案に際しては、カリキュラム会議、ケース会議、職員間のミーティングなどを通して障害の特性を把握しながら立案しています。個別計画立案に際しては保護者からの引き継ぎ情報、保育園での子どもの様子の観察結果、更に過去からの共有情報をベースにしています。
障害児保育のための実施段階では、子どもの状況を把握している保育士が継続的に関わることで、連続性のある保育をしています。保育士は食事介助、生活介助、意識的な声かけなどを行い、毎日のミーティングで結果を報告するとともに職員間で都度ミーティングを行い、対応に生かしています。
保育園の環境整備として1階トイレ、玄関のスロープ、子どもトイレの手すり、階段の手すりなどのバリアフリー等の整備に加えています。
個別配慮が必要な子どもの保護者とは密接に連携し、改善策は園全体で対応するとともに日々の様子は連絡ノートで逐一報告しています。

2 熱意を持った保育士がきめ細かい保育を実施しています
保育士が子どもが主体的に活動できる保育環境の整備、豊かに楽しむことのできる食育、適切な健康管理・衛生管理をしています。保育環境では、年齢や発達に応じた様々な素材のおもちゃを用意し、自由に取り出し遊べるようにしています。遊んだあとは、子どもが自分で片づけられるようにおもちゃをしまう場所に写真を張り付けて分かりやすくしています。
子どもが動植物に親しみを覚える工夫もしています。外で捕まえてきた虫を飼育ケースに入れて観察飼育できるようにしたり、保育室に図鑑や生き物の絵本を置き、実際に触れたり調べたりして動植物に興味や関心をもつようにしています。
年長児は乳児の午睡明けのお手伝いをすることもあります。異年齢交流を奨める中で、年長児はより小さな子どもへのお世話をすることで、クラス内では力を発揮しきれない子どもも、自信をもって活動する機会を設けています。
食育では園で協働して野菜などを栽培しており、その収穫物を使って調理したりして食べることによって食への関心を持つようにしています。そら豆枝豆トウモロコシなどの皮むきなど実際に行い、料理の大切さ・大変さを知り、食材や献立に興味や関心を持つようにしています。
健康に対しては健康管理、感染症、衛生管理の各マニュアルがあり、手洗い場の鏡の前に「正しい手洗いの順番」を分かりやすい絵で示すなど、基本的事項は全職員が確認しながら子どもの健康管理をしています。また健康台帳に健診結果を記録しています。

3 地域のニーズに応じた子育て支援サービスを提供しています
センター園ということで、専任保育士がおり、情報の提供、収集がしやすい点を活かし、地域のニーズに合わせてランチ交流や育児講座などを行っています。地域向けの行事では必ずアンケートをとってニーズや感想を聞き、地域のサロンやひろばで地域と交流をして、相談を受けています。また、相談内容を生かして、育児講座の内容に反映させています。エリア会議、ネットワーク会議に参加することで、それぞれのエリアの反省点や工夫点を参考にする機会としています。
施設の専門性を活かしたサービスの提供取組みを行っています。「育児相談」、「親子で遊びに来ませんか」、「いっしょにあそぼう」、「育児講座」、「交流保育」、「ランチ交流」など多くの張り紙があり、地域の人にも分かりやすくしています。園の正面には地域の親子を対象に絵本の貸し出し、育児講座、身体計測、誕生会でのお祝い、誕生カードをプレゼント、手作りおもちゃの紹介など行っています。平日には、お弁当広場を開き、保護者同士の交流の場とし、みんなで楽しく食べる時間を設けています。また、安心、安全な環境のもとで集えるように赤ちゃん親子の集まる日を設けています。また園庭内の一角に地域の親子さんが使えるスペースを設けて、野菜の植え付けや水やり、収穫、調理に親子で関わったりする機会を設けています。

特に工夫・改善が望まれる点
1 各種マニュアルの整備と更新に工夫の余地があります
 保育園には多くのマニュアルが整備されています。マニュアルは業務を進めていくうえで、基準となるもので大切にされています。しかし、研修や新しいルールで情報が増えてくると、同じ項目がダブってきたり、日付が入っていないと新旧の区別が難しくなります。マニュアルの中身を定期的に見直し、整理をすることで職員の知識の整理にもつながるのではないでしょうか。

2 保育や行事に保護者の要望を入れたり、面談会に力を入れると更によくなります
 保護者のアンケート内容は概ね良好です。しいて言えば満足度が低かったのは、「年間の保育や行事に、保護者の要望が活かされているかについては42.9%」、「保護者懇談会や個別面談などによる話し合いの機会については44.4%」でした。特に低いとは言えませんが、保護者も働いておられる方が多く時間的余裕がないため、他の項目に比べて相対的に低く出ているものと推察します。コミュニケーションを良くすることでお互いの理解度を上げていきましょう。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・保育の理念は「子どもの思いとその子らしさを大切にする。」としており、基本方針もその流れに沿っており、子ども本人を尊重したものとなっています。
・保育の理念は保護者や職員が常に目にする玄関や事務所、保育室などに保育理念や保育目標を掲示しています。
・保育方針・保育目標は入園のしおりに掲載し、毎月のクラス目標で具体化し、実践した内容を毎月園だよりに載せています。
・保育中の子どもの呼び方や叱り方など、子どもの人格尊重を意識した保育については、全職員が年に1回の人権研修に参加し、それぞれの職員が研修報告をすることで、人権感覚を高められるようにしています。
・個人情報の取り扱いや守秘義務については、保護者に入園時に説明を行っています。個別に配布するお便りや個人ノートは、ダブルチェックをして間違いのないように配布しています。個人情報は鍵のかかる書庫に保管しています。実習生やボランティアに対しては、オリエンテーションの中で守秘義務について説明しています。個人情報の取り扱いについては、マニュアルがあることを全職員に周知しています。
・性差への先入観による役割分業意識を植え付けない配慮としては、公の場では○○さんと呼んでいます。ままごとのスカート、ドレス、エプロンなど男女を問わず使えるようにしています。男女の区別なくおもちゃを自由に選んで遊べるようにしています。性差で色の区別をしないようにしています。職員は人権研修などを通し、性差についての意識を高め固定観念を持たないようにしています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・0歳児においては産休明け児と高月齢児と担当を決め、食事やおむつ替え、午睡などはできる限り継続して関わっています。1歳新入児には、個別に担当保育士が付くようにして園に慣れるように配慮しています。
・子どもの指導計画は年齢別四半期毎に定めた「年間指導計画」と月毎の詳細計画にした「月間指導計画」があり、年間計画は実績をもとに翌年度の計画へ反映させ、月間計画は1か月前に作成し、子どもの発達や状況に応じて作成・評価・見直しをしています。個人配慮が必要な子どもには配慮内容が記されています。0〜2歳までの障害児に対しては個別計画で対応しています。
・子どもの月齢差や発達に応じて、玩具の入れ替えをこまめに行っています。手作りの階段、スロープ、トンネルなど、這う、登る、滑るなどの運動を促す環境を整えています。
・一人一人の発達にあった援助をしています。一人一人がやろうとする気持ちが芽生えるように援助しています。
・3歳の保育では、ごっこ遊びのイメージが膨らむようにスカートや人形などを自由に使えるようにし、子ども同士で楽しめるようにしています。
・4歳の保育では、子どもたちが自由に発想を広げて遊べるよう、おもちゃや素材などを豊富に置いています。
・5歳の保育では、子ども同士の関わりを大切にし、自分たちで遊びや活動が発展していくよう、見守り援助しています。
・0,1,2歳児は、月間指導計画と月間個別指導計画を作成しています。個別計画では生活リズムや心身の発達、言葉や生活習慣の獲得など個人差の大きい内容は特に力を入れています。
・子どもが主体的に活動できる環境を構成できる様、クラス会議、職員会議、カリキュラム会議などを通して子どもの成長に合わせた対応をしています。子どもの発達や、育ちをよく見て道筋を捉え、必要な配慮をしています。園内研修を行い、担任以外の意見も取り入れて保育環境を見直しています。
・動植物の飼育や栽培・園外活動などとして、子どもが外で捕まえてきた虫を飼育ケースに入れて観察飼育しているほか、毎年年長クラスで蚕を育てています。保育室に図鑑や生き物の絵本を置き、実際に触れたり調べたり興味や関心を深められるようになっています。
・歌やリズム、絵や文字、体を動かすなどの体験を通して、自分の気持ちを自由に表現できるような配慮として、リズム活動や、太鼓の活動を取り入れ、自由な表現の一つとして楽しめるようにしています。
・子どもの作品はクラス内だけでなく、階段スペースに飾ったりして他クラスの保護者や地域の人にも見てもらえるようにしています。
・遊びを通して子ども同士の関係や保育士との関係が育つような配慮として、喧嘩については年齢や状況に応じ、解決のヒントや相手の気持ちを伝えるよう援助しています。年齢によっては喧嘩を見守り、子ども達で話し合うように促しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・子どもの指導計画は年齢別四半期毎に定めた「年間指導計画」と月毎の詳細計画にした「月間指導計画」があり、年間計画は実績をもとに翌年度の計画へ反映させ、月間計画は1か月前に作成し、子どもの発達や状況に応じて作成・評価・見直しをしています。個人配慮が必要な子どもには配慮内容が記されています。0〜2歳までの障害児に対しては個別計画で対応しています。
・入園の際に保護者と保育士で行う面談で、「個別面談票」、「児童票」、「経過記録」、「健康台帳」はそれぞれ記載され、必要に応じて見られるようになっており、全職員で共有しています。入園後の子どもの成長発達記録を毎月の「身体測定記録」を「すくすくカード」に記載し保護者に渡しています。
・全職員が記録内容を共有できるよう「保育要録」を作成しています。これは卒園後、小学校へ引継ぎを行うことで、保育園から小学校への環境の変化をできるだけ緩やかなものにしていけるよう配慮しています。
・特に配慮を要する個別のケースはカリキュラム会議や毎日のミーティングで、職員間で状況や対応を話し合い、要支援児の個別計画は期ごとに作成しています。
・虐待が明白になった場合、区の子ども家庭支援課や児童相談所へ連絡することになっており、速やかな対応ができるよう電話のそばに連絡先が置いています。
・横浜市が定めるアレルギー疾患生活管理指導表を医師が記入し、提出してもらい、アレルギー疾患生活指導表に従い対応しています。食物アレルギーマニュアルに沿って対応し、誤食のないようにしています。
・第三者委員の方の連絡先が玄関や入園のしおりに記載・掲載されており直接苦情を言える仕組みがあり、かつ保護者が直接電話連絡できるようになっています。
4 地域との交流・連携 ・地域の子育てニーズの把握として、センター園ということで専任保育士がおり、情報の提供、収集がしやすい点を活かし、地域のニーズに合わせてランチ交流や育児講座などを行っています。
・地域の子育て支援ニーズに応じて施設の専門性を生かしたサービスの提供については、職員会議に育児支援の担当が出席し、話しあっています。施設の専門性を活かしたサービスの提供取組みとして、地域の親子を対象に絵本の貸し出し、育児講座、身体計測、誕生会でのお祝い、誕生カードをプレゼント、手作りおもちゃの紹介など行っています。平日には、お弁当広場を開き、保護者同士の交流の場とし、みんなで楽しく食べる時間を設けています。また、安心、安全な環境のもとで集えるように赤ちゃん親子の集まる日を設けています。
・旭区地域子育て支援拠点ひなたぼっこ、あかちゃん教室、サロンなどで育児講座の講師を担当したり、子育て支援員の実習・研修を行っています。
・保育所に対する理解促進取組みとして、地域の活性化のための会議出席や商店街の催し物への参加、散歩を通じての交流など、地域との関わりを多く持てています。保育所に対する理解促進のため、地域の親子と交流保育やランチ交流を行っったり、園庭開放、育児講座を園内外で開催するなど地域の未就学児、未就園児との交流(運動会ごっこ、誕生会、他各種行事)も図っています。
・地域との交流としては、施設内を地域の親子に開放し、利用してもらったり、絵本の貸し出しを行ったりしています。また、近隣の公園に散歩や園外保育に行き、遊具などを利用しています
・高齢者施設への訪問をしたり、行事への招待状を子どもたちが作成し、地域の交番や商店街の会長に配り、交流する機会にするほか、商店街を散歩し、地域の方達と積極的に挨拶を交わしています。また、地域のお祭りにも参加しています。
・積極的なボランティアの受け入れや育成については、ボランティア受け入れの際には、事前に園や留意事項について、主に主任が説明を行い、名簿で受け入れの記録を残しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・将来の利用者が関心のある事項について、わかりやすく情報提供を行っているかについては、ネットワーク事務局園として、交流や研修を通し区内の民間保育園や家庭的保育所の保育力の向上に努めています。市立保育園のサービス内容や必要な情報を提供していると共に、市、区のホームページで発信し、区の広報紙にも育児講座や交流保育などの情報を掲載するなどにより、地域の方にお知らせしています。園見学、一時保育利用者に対しては、見学の際に園庭開放や地域交流にお誘いしています。保育体験は試行的保育、交流保育、一時保育などの利用があります。
・職員玄関、各クラスには職員の写真を掲示し、話し掛け易い様に工夫しています。園だよりを毎月、学校や第三者委員に配布しているほか、園のパンフレットを区役所、各育児講座やイベント会場に置き、情報提供しています。
・利用希望者の問い合わせや見学への対応としては、園見学の際や電話なども含め、担当者が質問や相談に答えるようにし、見学者に園が行っている支援事業を紹介しています。また園見学は随時行い、見学者の日時希望にも添っています。見学の際に開催されている交流事業にも随時参加できることもご案内し、お誘いしています。
・経営、運営状況等の情報として、横浜市のホームページや旭区のホームページ、園のホームページ(はぴねすぽっと)にて情報交換しています。
・保育理念、保育方針、保育目標をわかりやすく事務所や保育室、廊下に掲示しています。
・ミーティング時に職員で復唱し、理解を深めています。
・保育理念や基本方針に基づいたカリキュラムが作成されているか、施設巡回する中で、保育に生かされているかを確認しているとともに、保育指導計画を作成する際には、保育理念・保育方針・保育目標に基づいて行い、日々の保育を展開しています。
・事業運営に関する情報は、横浜市や区のこども家庭支援課、こども青少年局、その他西部地域療育センター等の関係機関や利用者より情報を把握し、検討しています。
・重要な情報は職員間で共有するため、園長会などでの報告内容は職員会議で伝え、対応が必要な場合は話し合いを行い取り組んでいます。
・運営面での重要な改善課題については会議で話し合い、全職員で話し合い共通認識を持ち解決に向け園全体で取り組んでいます。
6 職員の資質向上の促進 ・個々の職員の資質向上にめけたキャリアラダーを基本に人材育成の計画を進めています。基礎的保育に必要な専門知識・技術の習得、自己能力向上の習得等を進めています。
・職員がまんべんなく研修に参加できるよう、研修のファイルがあり、必要に応じていつでも見られるようになっています。必要な研修は、園長や副園長、主任が相談して始めに割り振っています。
・保育園の自己評価は年1回年度末に実施しています。職員の振り返りは、会議の中で公開保育や日誌の共有、ケース会議、事例を持ち寄り検討しています。また乳児会議、幼児会議、フリー会議、アルバイト会議など行うことで保育の工夫や改善に努めています。
・技術向上への工夫・改善として、西部地域療育センターと子どもの発達の見立て・保育の進め方に対する指導、消防署からは避難訓練時の指導、児童相談所からは保護者・家庭の支援について連絡と助言、各種相談内容を基に普段の保育の様子を見てもらうなどを実践しています。
・保育士が自己の実践の振り返りとして、月間指導計画の自己評価を月1回、また年間の自己評価を行っています。各種記録として、保育日誌に日々の子どものエピソードを記録し、保育士の配慮、考察、自己評価を行っています。
・振り返りでは月間指導計画に対する取り組み状況とともに保育士の振り返り、自己評価が設け、実績と対比できるようにしています。また年間カリキュラムには、期ごとに自己評価の項目が設けられ、振り返りを行うようにしています。
・保育士等の自己評価の結果をもとに、日々の保育実践について会議で話し合い、共通認識を深めています。改善点についても意見交換しています。
・自己評価の結果から自己評価の振り返りを個々で行い、課題を明らかにし、改善点については全体で話し合っています。
・園の自己評価は満足度調査アンケートを実施し、保育所の理念や保育所の保育所の方針、全体的な計画等に対する結果を次年度に生かしています。
・保育園の理念・基本方針は横浜市の人材育成計画が入庁時に示され、配置や昇進・昇格等に関する人事基準が明確に定められ、職員等に周知されています。
・職員の専門性や職務遂行能力、職務に関する成果や貢献度等を評価する仕組みとして、人事考課の制度が確立、年度末には、一人一人から意向調書の活用、評価は保育士のキャリアラダーを活用して本人に開示し説明実施をしています。貢献度の評価は、目標共有シートをもとに年度初めに職員一人一人と園長とで面談を行っています。年間目標などの計画、話し合いをし、年度途中には、再度面談をし、振り返りを行い改善策へとつなげています。
・職員の経験・能力や勤務年数により、横浜市人材育成ビジョン、保育士人材育成ビジョンにより、目標とする事、行動すべきことが示されています。
・子どもと保護者の状況に応じ自主的に判断できるように、職員には自ら行動できるよう個々に応じ業務を分担し、判断に迷う場合は園長、副園長、主任に相談する体制になっています。

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