かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

末吉いずみ保育園(3回目受審)

対象事業所名 末吉いずみ保育園(3回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人三篠会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 230 - 0012
鶴見区下末吉3-6-2
tel:045-570-5125
設立年月日 2006(平成18)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 ケアシステムズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

特に優れていると思われる点
■ 行事のドキュメンテーションにより、職員の保育力向上に寄与している
作品展では、制作の課程を写真と職員のコメントを付けて園内に掲示し保護者に伝えている。子どもの学びをふり返るための掲示物(=ドキュメンテーション)として作られ、訪問調査時にも掲示がされていた。ドキュメンテーションは、作品展までの流れの中で子どもたちがどのような制作過程でどのような工夫や学びがあったのかを保護者に向けて作成したものであるが、担当した職員にとっても行事を通して子どもの振り返りにつながる仕組みとして、職員の保育力向上に寄与している。
■ 隣接する下末吉公園の草むしりや、公園利用他園へのトイレや遊び道具の貸し出しを行っている
園に隣接する下末吉公園は9,675uの広大な広場であり、末吉いづみ保育園の子どもたちにとっては親しみのある遊び場となっていることから、職員、保護者が一体となって草むしりを行い公園の環境整備に携わっている。また、近隣の保育園等から下末吉公園に遊びに来ることがよくあり、公園の設備としてトイレがないので園のトイレの貸し出しを行ったり、他園の公園利用の際に遊び道具を貸し出したりなど、公園を通して隣接園として地域への協力を進んで行っている。
■ 恵まれた環境の中で思い切り戸外遊びを楽しむことができている
毎日の保育の中に戸外遊びの時間を多く取り入れており、天気の良い日は園庭や隣接する公園へ出かけ、各クラスの子どもたちが思い思いに戸外遊びを楽しむことができている。かけっこや鬼ごっこ等で友達と一緒に遊ぶ楽しさを感じ、昆虫や草花など自然物への探求心が育まれ、恵まれた環境の中で、戸外遊びを通して子どもたちが自然に触れ季節の変化を感じながら成長できるように取り組んでいる。

特に改善や工夫が期待される点
■ 中長期計画の策定を進めて欲しい
年度ごとの事業計画は策定され、事業内容については大きく「園児に関すること」「職員に関すること」「保護者に関すること」、地域社会との交流、その他の項目について前年度からの継続も含め具体的な課題をあげているが、中長期の計画が現場経営層では策定されていない。外部環境の変化や、園が抱える課題に対して中長期視点でどのようなゴールを目指すのか明文化して、また中長期計画に連動した年度計画として策定と実行を推し進めて欲しい。
■マニュアルを活用した定期的な研修の実施が望まれる
業務に必要とされる各種マニュアルが揃えられており、マニュアルに基づいて感染症や衛生管理等が適切に行われていることが伺えた。定期的に行われているマニュアルの見直しの機会に加え、さらに全職員が内容を把握し共通の認識のもとで業務にあたるために、マニュアルを活用した定期的な研修の実施が望まれる。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・子どもの人格尊重については、職員会議で園長が具体例を示して説明している。日々の保育の中で気になることはリーダー会議で注意をしている。丁寧な保育とは何かということについても職員同士で話し合う機会を設けている。
・子ども一人ひとりに寄り添い、可能な限り気持ちを受け入れられるようにしている。
・「ちゃん」「くん」「さん」での呼び方を基本とし、運動会のアナウンスは「さん」で統一している。親しみを込めても呼び捨ては禁止している。
・個別に子どもと話す時やクールダウンが必要な時などには、プレイルームやホールなど誰もいない場所で話すようにするなど、子どものプライバシーに配慮している。
・クラス内をロッカーや段ボールで仕切れるようにして、子どもの状況に合わせてプライベート空間を作り、落ち着いて過ごすことができるように配慮している。
・保護者との面談や話し合いが必要な場合には、相談室を使用してプライバシーが守れるように配慮している。
・職員に対しては入職時をはじめ、職員会議において事例などを用いて守秘義務について説明し周知に努めている。
・保護者の電話連絡網は、少人数のグループで作成し、年度末に回収している。
・保護者には入園時に説明と、同意書を受け取っている。園内掲示用の行事写真も写真掲載OKの子どもについてのみ掲載している。
・職員は色や服装についても男女で性差を持たないように努め、保育の中では、性差への先入観を子どもに持たせないよう努めている。
・お泊まり保育の際は、羞恥心に配慮してシャワーの使用など行っている。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・入園説明会を実施し、新入園児や途中入園児に対して一人ひとり面談を実施している。「入園のしおり」を保護者に配布し、保育理念・保育方針・保育目標を伝え、保育園での生活について詳しく説明し、面談では保育をする上で必要な子どもの情報を保護者から聞き取り、質問等にも応じている。
・発達個人票、児童票、予防接種チェックシートを保護者に記入の上、提出してもらい、会議で共有することで子どもの発達状況や成育歴を把握している。看護師や栄養士との面談も実施し、離乳食や食物アレルギー等についても細かく聞き取り把握できるように努めている。
・0歳児の受け入れに際しては「慣らし保育」を取り入れており、入園前に保護者に説明し保護者の就労状況に合わせて個別に実施している。1時間程度の短い時間から受け入れをはじめ1〜2週間かけて通常の保育時間に対応できるように取り組んでいる。
・0歳児クラスでは受け入れから遊び、食事、着替えなどを同じ保育士が担当し、子どもの好きな玩具や遊びを見つけ、子どもが安心して楽しく過ごせるように配慮している。
・在園児への配慮として、可能な限り持ち上がりの職員を配置することで子どもが新しいクラスや環境に早くなれることができるようにしている。
・0歳児から3歳児までは連絡帳を活用しており、日中の子どもの様子を保護者に伝え情報共有できるようにしている。幼児クラスについては、保育園での出来事を子どもたちが口頭で保護者に伝えコミュニケーションが取れるように配慮している。
・保育の内容に関する全体的な計画を基に年間指導計画を立案し、子どもの成長と発達を踏まえてクラス会議で月案、週案について話し合い作成している。毎日の保育の様子は自己評価・反省とともに日誌に記録し、翌日の活動に活かせるように取り組んでいる。
・月案では保育士の自己評価と子どもの評価の項目を設けており、毎月振り返りを行う仕組みとしている。年間計画においては4期にわけ、期ごとに保育士の自己評価を記載し、園長、主任、他クラスの担任が確認している。
・乳児クラスでは、1人ひとりの成長と発達を踏まえた個別計画を作成している。
・0歳児クラスは担当制を取り入れており、朝の受け入れからの1日を同じ保育士が対応することによって1人ひとりの子どもの生活リズムを把握し、スキンシップを十分にとり安心して過ごすことができるように配慮している。
・音のでる玩具や布製の手作り玩具、絵本などを用意し、子どもの興味や好奇心が育つように働きかけている。布製玩具は洗濯、その他の玩具は消毒して安全と清潔確保に努めている。
・はいはい、つかまり立ち、歩行など一人ひとりの発達に応じて、安全に十分体を動かすことができるようにスペースを広く確保している。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・保育目標は「健康で明るい子に育てる」「感謝と思いやりのある子に育てる」「創造性豊かな子どもに育てる」としている。各クラスには保育理念や保育方針を掲示し職員への啓発に努めている。また、園だよりにも保育目標を掲載して周知に努めている。
・職員には園長が年1回、職員会議で事例やエピソードを交えて理念を伝えている。毎週開催しているリーダー会議や職員の勉強会などでも唱和して、職員一人ひとりへの理念の周知に努めている。
・カリキュラムやパンフレットに理念や基本方針を掲載し、入園説明会や年初の懇談会においても講話して、理念の浸透に努めている。
・保育方針は「保護者が安心して預けられるよう、子ども一人ひとりの個性を尊重し、明るい挨拶などの当たり前の事柄を丁寧に行い、笑顔と真心を持って保育にあたる」としている。
・年間指導計画は子どもの成長に合わせて年に一度見直しをしている。進級に当たっても1名の担任は残るようにして、子どもとの継続した保育が進められるようにしている。
・重要事項説明書に子どもの年齢ごとの発達の要点と保育のねらい、園の指導の概要を記載し、入園説明会で説明している。
・重要事項説明書は職員にも配置し、各自で読んで理解をさせ保護者に約束した内容が実践できるように進めている。
・保育計画においても職員に発達の要点、子どもの特性については新担任が前任からヒアリングや、引き継ぎノートなどを用いて連続性、継続性を担保している。
・月案会議によって、子ども一人ひとりの様子や育ちを職員で共有して複眼的に子どもの様子を受け入れ計画に繋げている。
・子どもの表情や態度から汲み取るようにしている。毎週のクラス会議で子どもの状況や変化を担任で共有し、前月の様子を見て計画している。
・担任の言葉かけなどの良い点などを認め、気になる点を経営層がチェックしアドバイスすることで、子どもの自主性、主体性を育てるようにしている。
・乳児は前月の反省をもとに子どもの意思を尊重して個別計画を立てている。
4 地域との交流・連携 ・隣接する公園の年1回数日間の草むしりと年に数回ゴミ拾いを行っており、入園を希望する保護者にも伝えている。
・年1回近隣中学校の職業体験の受け入れや小学生の町探検の一つとして協力し、保育園や児童福祉への理解に繋げている。
・隣接の公園にトイレが設置されていないので、一緒に遊んでいる他園の子どもに対しても園のトイレ利用を促し、園の備品(音響や、綱引きの綱など)を貸し出ししている。
・お泊まり保育の際には、近隣のストアで年長児が買い物する機会を設けるなど、社会資源の活用に努めている。
・近隣の保育園の年長と年長交流会で一緒に遊び、ゲームをするなど入学予定の小学校単位で顔合わせをしている。
・年長児が地域の小学校に行く機会を設け、1年生クラスを見学して交流を図ることにしている。
・運動会開催時には鼓笛隊を行い、近所の人にも音楽を楽しんでもらえるようにしている。
・散歩の際は地域の人々に挨拶をするようにしており、日常的にコミュニケーションを図ることにしている。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・入職時研修でコンプライアンスについて学べるようにしている。
・本部からの情報によって他園での不正行為などを書面で共有し、園長からのケースをもとにした規律コメントを伝えている。
・職員同士もそれぞれが相手を認めるなど、ハラスメント予防のアドバイスをしている。
・就業規則を職員室に配置し、いつでも職員が確認できるようになっている。
・決算資料についても保護者からの希望があれば閲覧可能としている。
・職員が配属などで不満があった時には園長・主任が話を聞いて、本人の納得を得られるよう経緯を伝えている。
・冷暖房を使用の際は、ドアを閉めることを職員だけなく子どもたちにも伝えることにしている。冷暖房の効率だけでなくマナーとしても推進している。同様に散歩など不在時には電気を小まめに消して節電・省エネルギーに配慮している。
・廃材を集め、遊びに活用できるよう工夫しているほか、水道に節水器具を設置し、節水に努めている。
・保護者の協力を得て、隣接する公園の草むしりを園として実施し、緑化推進にも取り組んでいる。
6 職員の資質向上の促進 ・園長による人事管理として、定期的な面談、日頃の声かけ、職員からの相談などに応じている。
・男性職員についても分け隔てなく指導・助言し、男性職員としてのリーダシップを促している。
・日頃から園長、主任は、職員の保育の状況を見て声かけを行い職員一人ひとりの様子を慮り、アドバイスや督励によってモチベーションの維持向上につなげている。
・定期的な園長との面談もあり、自己目標や仕事上の悩みなどを聞いている。
・職員が可能なレベルをさらに高められるような投げかけをし、リーダーを任せるなど1ステップ上の役割を与えている。また、1ステップ上の役割を与えた時にはそれを支援できる体制を意識して作っている。
・職員が楽しく、明日も子供に会えるという環境を整えていくことを目指しており、園長・主任は必要に応じてリーダー会議でサポートする仕組みを作っている。
・ルールや形式に捉われず、職員が自由に進められるように風通しよく、話しやすい環境にしている。
・面談時には職員の希望を聞き、希望に添えるように判断することを心がけている。

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