かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

わらべうた幸町保育園

対象事業所名 わらべうた幸町保育園
経営主体(法人等) HITOWAキッズライフ株式会社
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 212 - 0011
幸区幸町1-749-2 オオモリビル1F
tel:044-511-1277
設立年月日 2014(平成26)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 よこはま地域福祉研究センター
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

≪施設の概要・特徴≫

わらべうた幸町保育園は、JR「川崎」駅および京浜急行線「京急川崎」駅から歩いて10分ほどの所にあります。オフィスビルや大型ショッピングモールが並ぶ地域にありますが、徒歩圏には複数の公園もあり、子どもたちの散歩コースとなっています。
園は、2014年(平成26年)4月にHITOWA キッズライフ株式会社によって設立されました。運営法人は、首都圏を中心に保育所や病児保育室などを多数運営しています。
鉄骨造3階建ての1階部分を園舎として用いていて、1・2歳児保育室、幼児保育室、調理室、事務室兼医務室などがあります。
定員は、30人(1歳児〜5歳児)、開園時間は平日・土曜日ともに7時〜20時です。
保育理念として「〜子どもの時間が流れる保育園〜家庭のようなあたたかい場で、いきいきとした『生活』と『あそび』を子どもたちに」、保育目標として「生きる力の基礎を育む:身体を育む〜しなやかなからだと手、つながる力を育む〜友だちも大人も大好き、学ぶ力を育む〜チャレンジする好奇心、生活力を育む〜自分の事は自分での自信」を掲げています。

≪特に良いと思う点≫

■子どもたちは様々な経験をし、主体的に園生活を楽しんでいます
園は、子どもが自分の思いを伝え、困ったことがあれば自分から発信できるように、子どもの思いを大切に保育しています。幼児は、行事の内容を友だちと話し合って決めたり、自由遊びの時間には自分たちでおもちゃを選んでコーナー設定するなどしています。また子どもが好きな絵本に出てきたお菓子をクッキングで作ったり、栽培した小松菜と市販の小松菜の食べ比べをしたり、月2回の英語体験で取り上げた国の食事を楽しんだりと、子どもの興味や関心を保育活動につなげていて、子どもたちは経験を通して様々な学びを得ています。

■保育士は、目指す方向性を共有し、連携して保育にあたっています
保育理念を玄関に掲示し、法人研修やスタッフ会議で職員に周知しています。保育理念を基に年度の園理念を策定して担当分担表やマニュアルを整え、園理念が具現化できるようにしています。職員は、年度ごとに目標設定し、自己評価をしていますが、1つは法人のグループ行動指針から取り上げることとし、職員自身が振り返られるようにしています。職員は、法人研修や、外部研修にも積極的に参加して研鑽を積み、理念に基づいた方向性を共有し、保育にあたっています。

■マニュアルの整備やヒヤリハット事例の共有など、安全・安心な保育の実践に向けての仕組みを整えています
園長は、スタッフ会議でリスクマネジメント研修の報告をし、園全体で安全面の点検、改善に取り組んでいます。事故や災害を想定した緊急連絡フローのマニュアルを整備し、職員に周知しています。また、緊急時の対応、救急情報センターや緊急時の連絡先を掲示するなど、職員誰でもが対応できる仕組みを整えています。アクシデント、インシデント、ヒヤリハットは記録し、毎月集計してスタッフ会議で共有し、改善に向けて取り組んでいます。ヒヤリハットについては職員に用紙を配付して提出を義務付け、職員の危機管理意識を高めています。

≪さらなる改善が望まれる点≫

■運営法人の中期計画を踏まえた単年度の事業計画を策定することが期待されます
中期的な方針を示した計画として、運営法人作成の3ヶ年の「事業方針」があります。また、職員から出た前年度の反省を基に園長が課題を抽出し、年度ごとの事業計画を策定しています。ただし、単年度の計画は、中期計画からつながる具体的な目標や行動計画などについては記載されてなく、連動したものとなっていません。園の目指す方向性を明確にするためにも、中期計画を踏まえた事業計画を策定していくことが期待されます。

■地域に園を開いていき、地域の福祉施設としての役割を果たしていくことが期待されます
地域の子育て支援としては、育児相談をいつでも受け付けていますが、保育園見学や育児講座、保育士が地域に出て遊びを提供するなどの取り組みは行っていません。また、ボランティアや体験学習についてもマニュアル等の体制は整えているものの、受け入れの実績はありません。リーダー格の保育士も育ってきたこともあり、絵本を地域の親子向けに紹介したり、地域の子育て支援イベントで読み聞かせをするなど、園が持つ専門性を地域に還元していくことが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・全職員に「全国保育士会倫理綱領」を配付するとともに、園内研修で子どもの人権尊重を取り上げ、周知しています。新年度に向けた園内研修では、保育の実践の場面での子どもとの関わり方について取り上げてグループ討議をし、保育士自身が自己の保育を見直す機会としています。「信頼される存在として子どものそばにいること」「子どもにとって心のよりどころとなること」などの項目で自己の保育を振り返るチェック表があり、保育士は年2回自己点検しています。今後は、保育士同士で注意し合える関係を構築していくことが期待されます。
・園は保護者の子育てについての考え方を尊重し、保護者と連携していくことを大切にしています。入園前の保護者面接で生活習慣や価値観などを把握し、個々に合わせた対応をしています。トイレットトレーニングや箸の導入などは、園での子どもの様子を伝えて保護者の意向を確認しながら進めています。また、食習慣の違いなど、文化や考え方の違いも尊重しています。外国籍などで保護者とコミュニケーションを取ることが難しい場合には、ゆっくり話したり、必要な外国語の会話一覧表を用意するなど、工夫しています。
・個人情報保護規程があり、入職時に説明するとともに、毎年、全職員対象にコンプライアンス研修を実施し、周知徹底を図っています。保護者に対しては、重要事項説明書に「プライバシーポリシー」を掲載して入園説明会で説明し、同意書を取っています。幸区の保育イベントやパンフレットなどに子どもの写真等を用いる場合には、事前に保護者の了解を得ています。オムツ替えは一人ずつ行う、着替えは外部から見えないスペースを用いるなど、子どものプライバシーにも配慮しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・定期的に保護者にアンケートを行い、行事や保育全般についての意見や要望を園に伝えられるようにしています。また、職員も園長も送迎時にこまめに保護者に声をかけ、子どもの様子や園での出来事を伝えるようにして、保護者からも話しやすい雰囲気を心がけています。保護者会やクラス会、運営委員会で園の様子や方針などを説明し、保護者からの意見や要望に対しては検討しています。園の考え方を保護者に理解してもらいながら、柔軟に対応することも心がけています。
・職員は子ども一人一人の家庭環境や生活リズムを把握し、保育園での共同生活を子どもが無理なく受け入れられるように援助しています。保育士は、子どもが自分の思いを伝え、困ったことがあれば自分から言えるように、子どもの発言や思いを大切にして保育しています。特別な配慮が必要な子どもの保育については、担当する職員が専門知識を外部研修で学んだり、外部の専門家からの定期的な助言をもらいながら、職員みんなで見守りながら、他の子どもたちとの生活がスムーズに過ごせるよう園全体で支援しています。
・子どもに関する家庭と園との情報交換は、年齢に応じた書式や体裁の連絡帳を用いています。1歳児については24時間の生活状況を把握できるよう、家庭と園が同じ項目で記入する複写式のノートを用い、1枚は一人一人の個人日誌として園で管理しています。保護者への日々の伝達には登降園表に記録して伝え、日中の子どもの様子などについては事務室の引継ぎノートで職員間で共有しています。日々の子どもたちの様子は廊下に各クラスの保育内容を書いて1週間掲示し、写真やパスワードで管理された園のブログで見ることができます。
・園では子どもたちが食事を楽しみ、食習慣が身につくように工夫しています。発達や成長に合わせて机や椅子、食器が選べるように用意しています。日常的には和食中心のメニューを心がけ、月に2回は「ふぁんばりん」(英語体験プログラム)の日には取り上げた国の料理を出すようにしています。全クラスが月に2回クッキングを行い、時には子どもたちが栽培した野菜を使ったりして、食への関心を高めています。みんなで読んだ絵本の内容や保育活動と連動したメニューなども取り入れています。
・子どもが自分の健康や安全に関心を持つように、「からだのはなし」や看護師・保育士・栄養士の三者による健康をテーマにした話をする機会を設けています。子どもたちと一緒に「公園マップ」を作成して、危険箇所を確認したり、遊びや散歩のルールやマナーを確認しています。公園の大型遊具は、遊ぶ範囲を決めるなどして安全に遊べるように援助しています。月2回の内科検診と年1回の歯科検診、毎月の身体測定の結果を記録し保護者にも伝えています。ヒヤリハットを記録し、毎月集計して問題点・改善点を全職員で共有しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・園のホームページがあり、保育園の基本方針や提供するサービス内容・園児のようすなどをわかりやすく掲載しています。入園時の保護者への説明は園長が個別に対応し、重要事項説明書(入園のしおり)を手渡して、丁寧に説明しています。入園後の年間指導計画や月間指導計画は園の全体的な計画及び保育理念に即して策定しています。年間の保健計画、食育計画も策定しています。入園に際しては保護者の保育参加を行い、家庭生活からの集団での生活への円滑な移行に取り組んでいます。
・保育業務に関する各種のマニュアルが作成されています。内容は「運営ハンドブック」として保育全般に関するものの他、「保健衛生ハンドブック」「危機管理ハンドブック」「水遊びのマニュアル」「苦情解決マニュアル」なども整備されており、職員の心構えや、子どもの健康管理・生成管理・感染症対応、防災・環境整備などについて、わかりやすく具体的なものになっています。マニュアルは事務室に備え、職員が必要なときに活用できるようにしています。園独自に現場に即した具体的なマニュアルも作成し、毎年見直しています。
・利用者の安全を確保する取り組みとして、地震・火災・津波・不審者侵入などを想定した防災訓練が園児参加で年14回実施されています。4月は地震発生の避難訓練を2回実施し、屋内での避難、屋外への避難と段階を踏んで子どもたちが安全に避難できるようにしています。不審者侵入の対応として、防犯カメラを設置して事務所のモニターで確認できるようにし、送迎の保護者はICカードキーで解除しています。避難経路の確保の他、近隣の住民や会社などとの連携にも取り組んでいます。
・苦情解決対応のマニュアルがあり、園内に苦情受付担当者と苦情解決責任者を置き、外部の苦情解決第三者委員として地域の民生委員2名を定めています。苦情解決について園内の担当者及び第三者委員の氏名と連絡先を明記して玄関に掲示すると共に入園のしおりにも掲載しています。地域の民生委員の2名は写真と名前を廊下に掲示してわかりやすくしています。
4 地域との交流・連携 ・ホームページやパンフレットで園の情報を提供しています。パンフレットは幸区役所や幸区の保育園児作品展の会場に置くなどしています。市内の保育園が持ち回りで行う市民会館の展示で園の紹介をしています。また、毎月町内会長に園便りを送付しています。利用希望者等の見学は予約制で最大1日3組までを目安に受け付けています。日程は利用者の希望を聞き相談しながら決めています。見学時には、園長がパンフレットを用いて理念や方針、保育内容を説明し、園内を案内して子どもが遊んでいる姿やおやつの様子を実際に見てもらっています。
・地域の子育て支援としては、育児相談をいつでも受け付けていて、幸区役所のパンフレットにその旨を掲載しています。また、園見学に訪れた保護者の育児相談にも応じてます。ただし、保育園見学や育児講座、保育士が地域に出て遊びを提供するなどの取り組みは行っていません。また、ボランティアや体験学習についてもマニュアル等の体制は整えているものの、受け入れの実績はありません。開園5年目を迎え、リーダー格の保育士も育ってきたこともあり、今後は地域に園を開き、園の専門性を還元していくことが期待されます。
・幸区園長会、幸区代表園長会、幸区幼保小連携会議などに園長や職員が参加しています。また、園長と主任児童委員の会議や要保護児童対策地域協議会議に参加し、地域の福祉ニーズを把握しています。5歳児がミニミニ運動会などで南河原地区の保育園と交流したり、プール交流や行事見学などで公立園と交流したりしています。プール前には、公立園の看護師による救命救急の園内研修を実施しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・保育理念は「〜子どもの時間が流れる保育園〜家庭のようなあたたかい場で、いきいきとした『生活』と『あそび』を子どもたちに」で、玄関に掲示するとともに、保育理念、保育目標、保育方針をパンフレットや重要事項説明書に明記しています。保育理念を基に、園長が年度ごとの園理念を作成し、年度初めのスタッフ会議で周知しています。園理念に基づき年度の行動指針と担当分担表、マニュアルを作成して職員に周知し、方向性を共有して実践に向けて取り組めるようにしています。保護者に対しては、入園説明会や懇談会で説明しています。
・中期的な方針を示した計画として、法人作成の3ヶ年の「事業方針」があります。また、職員から出た前年度の反省を基に園長が課題を抽出し、年度ごとの事業計画を策定しています。ただし、単年度の計画は、中期計画と連動したものとなっていませんので、今後は中期計画からつながる具体的な目標や行動計画についても記載することが期待されます。職員に対しては、年度初めのスタッフ会議で事業計画について説明しています。
・園長は各種会議を主宰し、質の向上に向けて積極的に取り組んでいます。年度ごとの保育マニュアルや安全管理マニュアル、救急マニュアル等の園独自のマニュアルやルールブックを作成して職員に周知しています。ICT化を導入し情報共有と事務の効率化を図ったり、毎月、ヒヤリハットの提出を職員に義務付けて分析結果を共有したり、「年間行事の導入・制作時期の目安」を作成して担当保育士が早めに企画・準備できる仕組みを作るなど、様々な取り組みを行っています。
6 職員の資質向上の促進 ・就業規則の服務規律に職員が守るべき規範、倫理等を明記し周知しています。また、法人の「グループ行動指針」を事務室に掲示しています。毎年、全職員対象にコンプライアンス研修を実施し、終了後には理解度テストを行っています。全職員が年度初めに「評価表」を用いて年間目標を作成し年度末に自己評価をしています。それを基に、年4回園長面談を行ない、目標設定と期ごとの進捗度のチェック、達成度の評価を実施しています。評価結果は、賞与に反映しています。
・法人の「保育士研修体系」にステージごとの必要要件と期待水準を明記し、それに基づき必要な研修を実施しています。研修担当は園長で、個々の職員の経験や職務、年度目標、希望などを考慮して研修計画を作成しています。園内研修を定期的に実施するほか、法人の基礎研修、フォローアップ研修、保育力向上、絵本検定などの研修があり、必要な職員が参加しています。また、川崎市や幸区の外部研修にも参加しています。研修に参加した職員は研修報告書を回覧するとともに、必要に応じてスタッフ会議等で報告しています。
・法人は、持ち帰り業務ゼロ、残業ゼロ、年間休日125日を掲げ、働きやすい環境作りに向けて取り組んでいます。社宅制度や家賃補助の仕組みを整備したり、年1回の健康診断を実施したり、インフルエンザの補助金を支給するなどしています。年4回の職員面談で、個々の職員の意向を把握していています。また、園長は、職員の様子や健康状態を観察し、日々コミュニケーションを取る中で、職員の悩みや困っていることを聞き、アドバイスをしたり、相談にのったりしています。

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